2012/04/04 - 2012/04/06
12719位(同エリア27568件中)
ハンクさん
実は私にとってソウルは鬼門である。20年以上昔の話であるが、初めてソウルを訪れた時に、片言の日本語を話し反日感情をむき出しにする韓国人達に会った。それ以来、ビジネスでもプライベートでも韓国を訪れる時は非常な緊張を強いられる。韓国だけでなくシンガポールや香港など、アジアの諸都市の戦争記念館などで、太平洋戦争で日本が行った残虐行為を目の当たりにすることがある。これらの国民と親しい会話を交わす時にこそ、歴史の知識と慎重な言動が必要となる。
ところで、私のハングル語の知識は「旅行に必須の5フレーズ(Please, Thank you, Good morning, Good by, Do you speak English?)」程度である。今回が観光旅行で、市民と話す機会が多かったためかもしれないが、以前の訪問時に比べ日本語を話す人が増えていることに驚かされた。特にタクシーは上級(初乗り4,500ウォン)と普通(初乗り2,400ウォン)の2種類あり、上級タクシーはまず日本語が通じる。当然かもしれないが、観光地の案内や、みやげ物売り場でもほとんど日本語が通じる。逆に英語はあまり通じない。これは日本人の観光客が増えていることが理由だとしても、反日感情が好転してきていることを期待したい。
ソウルには「昌徳宮」と「宗廟」の2ヶ所の世界遺産がある。これらは隣接しており、建設された時代もほぼ同時期で建築様式も共通しているが、昌徳宮は離宮として、宗廟は霊廟であるという対照的な目的で建設された。そしていずれも1592年秀吉軍のソウル占領によって破壊、焼失し、その後再建された。また1910年の日韓併合でも大きな被害を受けている。
昌徳宮は正宮である景福宮に対する離宮として1405年に創建された。現在の韓国国内の宮殿の内、最も創建時の面影を残している宮殿であるという。内部は広大で早足で回っても1時間はゆうにかかる。なお入場料は3,000ウォン、ガイドつきのツアーも日に数回ある。
正門にあたる敦化門は大韓民国最古の門、儀式の執り行われた正殿の仁政殿、国王が執務をしていた宣政殿、王と王妃の寝殿だった大造殿など13棟の木造建築が現存しており、宮殿の北には広大な李朝時代の王朝庭園である後苑(秘苑)が造営されている。
1592年の文禄の役(朝鮮出兵)で、秀吉軍が首都に迫る中、国王の宣祖一行が漢城から逃亡すると、秀吉軍の入城を前に朝鮮の民衆によって略奪と放火の対象となり景福宮や昌慶宮、後苑と共に焼失した。1868年に景福宮が再建されると、昌徳宮は再び離宮として再建、1907年に純宗が大韓帝国の皇帝に即位すると宮殿として使用され、1910年の日韓併合後も李王となった純宗の住まいとなった。その後朝鮮総督府により改築されている。
一方、宗廟(そうびょう)は李氏朝鮮王朝の祖先祭祀場であり、李朝歴代の王と王妃などを祀る。こちらの方は毎時ちょうどに日本語のガイドツアーがある。神の宿る霊廟だけに土曜日を除き自由観覧は許されていない。なお入場料は1,000ウォンである。
宗廟は李成桂の漢陽(ソウル)遷都の年である1394年に着工、翌年に完成した。しかし、1592年秀吉軍のソウル占領によって破壊され、1608年に再建された。現在も全州李氏宗家によって祭祀が営まれている。ただしガイドツアーでは、秀吉軍の占領については日本人に配慮した説明がされていた。
正殿は1395年に完成した宗廟の中心的な建物で、神位を祀る19の部屋に19人の王と30人の王妃が祀られている。縦12m×横101mと横に長く、王朝の歴史が下るにつれて神位を祀る部屋が増築され、当初の倍以上に拡張された。
永寧殿は1421年、2代国王・定宗の神位を祀るために建てられた建物で、16人の王と18人の王妃が祀られている。悪政などのために廟号を与えられなかった王や、正殿にスペースがなかった王の神位が収められた。
ソウルの韓国を代表するこの2つの世界遺産を訪れて、ソウルの市民の親切に触れることができた。「ドイツの良心」として敬愛されたエルンスト・フォン・ヴァイツゼッカー元大統領の「過去に眼を閉ざす者は、未来に対してもやはり盲目となる」という演説のように、過去に目を閉ざすことなく、日韓の相互理解が深まることを願って止まない。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 4.0
- ショッピング
- 4.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 家族旅行
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 高速・路線バス タクシー 徒歩 飛行機
- 航空会社
- ANA
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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敦化門(トンファムン) - 昌徳宮の正門(大門)、1412年当初の建築
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進善門
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仁政門 - 仁政殿に入って行く大門
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仁政殿(インジョンジョン) - 昌徳宮の中心的な場所で宮内外の公式行事が執り行われた
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仁政殿の内部の玉座
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仁政殿の側面
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社会見学と思われる小学生の一行、韓国の小学生もメガネをしている子が多い
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熙政堂 - 王の日常生活の場
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熙政堂の別アングル
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熙政堂の内部
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熙政堂の屋根の上の魔よけ?
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宣平門と大造殿
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大造殿(テジョジョン) - 王妃の生活空間
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大造殿の側面
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樂善斎
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樂善斎の内部
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満開の梅の花
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みやげ物売り場、外観は伝統的様式に統一されている
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粛章門
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仁政門と仁政殿
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宗廟の入り口
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道に四角い石を敷き詰めた3本の筋があり、西側の筋が皇太子が歩く世子路、東側が王が通る御路、そして中央が氏神が通る神香路
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香大庁の建物
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入り口近くの池
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正殿の外壁
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日本語の説明によるガイドツアー
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正殿の東側入り口
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宗廟横の台所のある典祀庁
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正殿、1395年に完成した宗廟の中心的な建物で、神位を祀る19の部屋に19人の王と30人の王妃が祀られている。
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正殿は縦12m×横101mと横に長い
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横に長い正殿
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拡張されたことがわかる正殿の屋根
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正殿の正面入り口
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正殿の建物
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永寧殿の入り口
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永寧殿は1421年、2代国王・定宗の神位を祀るために建てられた建物で、16人の王と18人の王妃が祀られている
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永寧殿の別アングル
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宗廟に咲く可憐な花
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