2012年3月 白田温泉から河津桜・吊るし雛 [2部] 河津桜と吊るし雛

2012/03/10 - 2012/03/11

2012年2月は例年にない寒さ。
その影響で今年の河津桜はかつてない遅咲き。
今年程ではないが前年も遅咲きで見所を誤ったので、今年は開花情報を毎晩チェックし、三分咲きの1週間後に1泊する旅行計画を立てた。

宿泊先は初めて利用する白田温泉･宮田荘。
民宿ながら設備も良さそうで、海鮮尽くしの食事も期待感が高い。
今回は河津桜の咲き具合、選んだ宿共に期待値通り。
花見以外に吊るし雛も楽しむ事が出来、食事もことごとく旨く、楽しい旅行となった。

1泊の旅行だが地域カテゴリーが異なるので、2部に分けて旅行記を掲載する。

本編は後編『河津桜と吊るし雛』編
河津桜、大噴湯公園、稲取･雛の吊るし飾りまつりを巡る旅行記。

白田温泉･宮田荘と夜桜を書き記した前編『夜桜』編からの続き。
http://4travel.jp/traveler/taxnax/album/10652585/

エリア 河津温泉郷・今井浜(静岡)

• 同行者: 家族旅行
• 一人あたり費用: 1万円 - 3万円
• 交通手段: 自家用車

昨晩一泊お世話になった白田温泉・宮田荘をチェックアウトし河津町にやって来た。
朝10時前に出発したが結構な渋滞で、昨晩夜桜見物に来た時は片道20分を要しなかったが、今朝は駐車場まで1時間半以上を要した。
しかも河津町駅側の駐車場は何処も満車。
仕方なく大噴湯公園近くの駐車場に駐車した。

という事で、花見の前に峰温泉･大噴湯公園に行ってみる事とした。

■河津町観光協会 関連WEBサイト
http://www.kawazu-onsen.com/event/funnto/funnto.html

公園は入場無料（まあ当たり前か･･･）

公園内には足湯処が設置されている。

公園中央には小さな河津桜

小さいながら満開である。

桜の右側奥に見えるのが温泉やぐら。
なんと自噴泉である。
ここから1日に7回、湯が吹き上がるイベントが実施される。

写真一番右に見えるのがマスコットキャラクター。
フントー君と言うらしい。
『噴湯』で『奮闘』しているのだそうな･･･

河津桜 花見

温泉やぐら

噴湯のイベントは機械仕掛けではない。
自噴泉の栓を抜くだけで湯が噴出すのだそうだ。
栓をしなければいつまでも噴き続けるのだとか。

自噴すると言う事は源泉温度は100℃の筈。
熱湯が降り注ぐのか係の方に伺ってみた。
やぐらの近くはびしょ濡れになるが、湯を被る頃には冷めて火傷をするような事はないと説明された。

ちょっと斜めってしまったが、桜の向こうに温泉やぐらの図

噴湯までまだ時間があるので温泉玉子でも戴く事にした。
生玉子が2個で100円。
玉子を買うと籠を貸して頂ける。
この籠に玉子を入れて、何箇所かにある茹で場所で玉子を茹でる。

温泉やぐらの隣にも茹で場所があった。
ここに籠ごと浸けて茹でる。

13分で茹で上がるが、ハードボイルドになるようなので、私達は12分弱で揚げた。

すぐ隣に冷水で玉子を冷やす桶がある。
ここで一気に冷やす。

小僧、玉子を冷やすの図

この後戴いたが、出来立てな事もあり美味しかった。

風向きから公園側は湯を被るだろうと考え、公園横の坂道に移動した。
噴湯を待つ。
この時点ではやぐらの近くには人だかり。

噴湯が始まると、やぐらの周りは水浸し。
近くで見物しようとやぐらにたかる人達も一気に退散。

町の公園のショーとしてはなかなか見応えがあった。

朝9時30分から1時間毎に、15時30分まで計7回自噴泉の自噴を見る事が出来る。

自噴泉のショーを楽しんでから桜並木に向った。

道すがら撮った民家横の側溝。
流れる水の綺麗な事。

途中川沿いに足湯処を見付けた。

新種の桜である河津桜は原木でも樹齢50年余り。
従って若い樹ばかりで構成される河岸の並木は押し並べて背が低く、通り抜け部分も花が近い。

こうして見ると河津桜は濃い桜色をしている。
ソメイヨシノと桃の中間位の色目である。

河津桜 花見

河岸の桜並木にやって来た。
並木道も北側は人混みにはなっておらず、のどかな風景である。

並木道を南に向って歩き続けると徐々に混雑してくる。
露天商が軒を連ねる処まで来るとこの人混み。
花見を楽しむ観光客で溢れていた。

並木道には多くの露天商が軒を連ねている。
一般的な祭りの露天商とは趣向の異なる露天商も出店していた。
写真は干物屋。
実際にこの場所で干しているものもあった。
流石、伊豆。

菜の花も咲き乱れていた。

並木道から外れ、昨晩立ち寄った『かじやの桜』と『河津桜原木』に向かう事にした。

途中の道路沿いに露天商が並ぶ。

河津桜 花見

昨春のさくら祭で黄金柑を買ったが、河津の黄金柑は他の地域より出始めが早い。
しかも若干大振りで味も良い。
そう言う事で、家内的には河津の黄金柑は外せないさくら祭のお土産らしい。
幾つかの露天商を見回って、結局露天商ではなく民家の軒先で売られているものを買い求めた。

テーブル上の一番手前が黄金柑。
これ一袋で300円也。
値段はともかく非常に美味しかった。

ちょっと歩いた処で『菓子司 平井』の看板を発見。
平井製菓は創業50年の下田のお菓子屋さん。
下田あんぱんが有名で、以前下田で買って以来家内のお気に入りである。
(私にとっては甘過ぎるのだが･･･)
こんな所に出店していた。

私がカメラを構える頃には、既に家内はあんぱんを購入していた。

さて、昨晩夜桜を楽しんだ『かじやの桜』までやって来た。

今朝までは雲が厚く垂れ込める空模様だったが、ここに来て晴れ渡った。
濃度の高い桜色が澄んだ河津の青空に映える。


小僧の卒業式用に新調したNikon J1の練習も兼ねての撮影だったが、空を綺麗に写す為に買ったサーキュラフィルタが仇になって写真の隅が盛大にケられている。
不覚にも自宅で写真を確認するまで気付かなかった。

河津桜は原木が発見されたのが昭和30年頃という新しい種で、最も樹齢の高い原木でも樹齢50年余り。

かじやの桜は原木の接木による苗が育ったもので、原木の次に樹齢の高い樹になる。
育つ環境が原木よりも良いせいか、全体の形、花の付き具合はむしろ原木よりも立派。

河津桜 花見

花の密度も高い

背景に写っているのがこの樹の持ち主のご自宅
原木やかじやの桜など、樹齢の高い河津桜の多くはこのように個人所有の樹である。
桜が開花する頃は、多くの方が河津桜を愛でる事が出来るように自宅の庭を開放しておいでだ。
勝手にずかずか入り込んでいるが、ここは個人宅の庭である。
ご好意に甘えながらも礼節には心掛けたい。

花見番付

四横綱、五大関、六関脇とはまた乱暴な番付である。

笹原･土屋家のかじやの桜は勿論横綱である。

さて、次に訪れたのは『原木』

この木が新種･河津桜の初めの一本である。

昭和30年頃に飯田勝美氏が河津川沿いで芽咲いている桜の苗を見付け、庭先に植えたものだ。
その後この樹の接木から多くの河津桜の一期生が生まれ、その一つがかじやの桜である。

河津桜 花見

下からあおって撮ってみた。
道路の上にまで枝が張り出しており、バスやトラックに削られそうだ。

残念な事に原木は年々状態が悪化しているらしく、実際花の付き具合はかじやの桜より随分と悪い。
道路によって木の南側の生長が制限されているので、木の健康に良くない事は素人でも分かる。

この原木は個人の所有物である。
それは確かなのだが、一方で既に個人の財産を超える存在になってもいる。
この先もこの場所でこの状態のまま保存する事が正しい事なのか不安に感じるのは私だけだろうか。
木の状態を見てちょっと考えさせられた。

勿論これは、現時点では状態の良いかじやの桜にも当て嵌まる。

原木の花

いつまでも永く咲き誇って欲しいと願う。

道路を渡って遠目で眺めてみた。

小鳥が6,7羽遊んでいる。

鶯(うぐいす)だ。

原木には鶯が集う。

原木から小道を通って駐車場まで歩く途中、一面菜の花の場所を通った。

サーキュラフィルタで写真の隅が盛大にケられているのが残念だが･･･

菜の花の向こうに桜

のどかで良い場所だ。

さて、名残惜しいが河津を後にして稲取に向おう。

稲取漁港の近くにある稲取文化公園にやって来た。
目的は写真奥に写る『雛の館』
3月末まで『雛のつるし飾りまつり』を開催しているので立ち寄った。
約90対、9,900個に及ぶ吊るし雛が展示されている。

■稲取温泉旅館協同組合公式WEBサイト
http://www.inatorionsen.or.jp/hina_sp/index.html

入口を潜った処からいきなりこれだ。
どーんと豪華。

近付いてみても一つ一つ丁寧に可愛く造られている。

この角度からだと、展示された吊るし飾りの数が如何に凄いかが伝わるのではないだろうか

こちらはコンテストの応募作品群

展示は地味だが、近付いて個々に見ると他の吊るし飾りとは気合の入り具合が違う。

応募作品の一つ

龍が良く造り込まれている。

これも応募作品の一つ

この方の吊るし飾りは籐で編んだものだ。
このタイプの吊るし飾りは初めて見た。

通常展示物に戻る
壁際の地味な展示物だが、これはこれでなかなか可愛い

雛飾りと吊るし雛

間近で直接見るとちょっと圧倒される。

雛飾りもこうなると極まった感がある

中央の俵ねずみが実に可愛らしい

壁際の展示を横から撮ってみた

キョンシーか？

一通り雛の吊るし飾りを楽しんだが、これらに全く興味のない小僧がゴネ始めた。
来月からは中学生だと言うのに何と子供っぽい。
まあ一通り楽しんだので、雛の館から出る事にした。

雛の館の建つ公園内には足湯処もある。
なんと夜9時までやっているのだそうだ。
勿論利用させて頂いた。

さて、稲取で吊るし雛を堪能し、帰路についた。
途中伊豆高原で遅目の昼食。
例によってCafeBeである。

自身をキャプテンと称す店長が余りに個性的で、合わない方も多いと思う。
然るに私達家族は伊豆高原と言えばここなのである。

■Cafe Be 公式WEBサイト
http://cafebe.com/index.html

カフェビィー グルメ・レストラン

店内から石窯のあるカウンター側を撮影

この石窯で焼かれるピザが絶品

手ブレ写真で申し訳ない。

食事を注文すると自動的にコーヒーが飲み放題になるシステム。
早い時間だとスープも飲み放題なのだが、この時間だとスープは殆ど残っていない。
スープについては無くなるまで、という考えらしい。

最初にマルゲリータビザがやって来た。
こいつが一番旨い。

私達がピザをオーダーした直後に別のお客さんが入店してきたが、ピザ生地がなくなったと言われていた。
実は私達のオーダーしたピザが最後から3枚目と2枚目だったらしい。
危ない、危ない･･･。

ミートソース･スパゲティ

前回パスタで失敗したが、今回のミートソースは旨かった。

半熟玉子がトローっとなるピザ
名前は忘れた。

美味しい事は確かだが、正直マルゲリータの方がずっと旨い。

食事が終わって玄関を出るとこんな感じ。
夏場はテラスでの食事も楽しい。

テラスの脇の階段を降りると卓球台があった。
腐ってるんじゃないかと訝しむ程ボロボロに傷んだラケットで小僧と卓球を楽しんだ。

Cafe Beを出た後、大工木市場の横を通り掛った。
基本大工さんが使う板材の販売と新築･リフォームを生業とし、木工製品の販売もしている。

リビングのカフェテーブルが傷んできたので適当な天板がないかと立ち寄ってみた。

■公式WEBサイト
http://kouken51.com/index.html

カフェビィー グルメ・レストラン

目的のテーブル天板はすぐに見付かったが、レストランなどの業務用テーブルの天板ばかりで、かなり大柄なサイズばかり。
カウンターテーブル用の4mの天板もあった。

カフェテーブルとして適当な大きさの天板は置いていなかった。

ちょっと場違いな感があったが、面白いので店内を探索してみた。

2階から俯瞰した絵

探索は楽しかったものの、自宅に合うものが見付からず、結局何も買わずに退散した。

ただ･･･こちらのお店、なかなか面白い。
家具屋のテーブルセットに飽きた方は立ち寄ってみても良いのではないだろうか。

熱海まで戻ってきた。

干物を買いそびれたので適当な場所で買う事にした。
熱海以東横浜以西で干物が旨いと分かっているのは熱海の釜鶴。

良く利用する小田原･山安は普段使いの干物を求めるには安価で良いが、殊更旨い干物が欲しいとなると熱海-横浜間ではこちらで求める事にしている。

本店にしか立ち寄った事がなかったが、今日は135号線沿いの支店に立ち寄った。

Himono Dining かまなり グルメ・レストラン

熱海･釜鶴の干物は確かに旨いがやや高額である。
贈答用には喜ばれるが、自宅への土産となるとちょっと躊躇う。
ただ、リーズナブルなセット販売もあるので、私達は専らそれを購入している。
それと小鯵の味醂干し。写真の左奥に写っているそれだ。
こいつはリーズナブルで滅法旨い。
お店の方に｢食事と言うよりおつまみですよ｣と言われたが、委細承知。そもそも酒のあてとして買っている。
こうして旨い干物にもありつけた。

Himono Dining かまなり グルメ・レストラン

この後は横浜まで比較的順調に帰る事ができた。

昨年の震災から丁度1年。
旅行中に黙祷する機会もあり複雑な気分のひと時もあった。
それ故に今年一年は縁起の良い俵ねずみに与り、平穏に過ごしたいと願う。

この旅行記へのコメント （2）

• わんぱく大将さん 2012/03/22 08:45:11

  温泉卵あり、あんぱんありと

  TaxNaxさん
  
  なかなか楽しそうなご様子、いいですね。　空も、春の空のようですし。
  で、隅のケラレですか。　私もフィルムの時は、そうでしたね。
  サービス・センターまで持っていったこともありましたが、この薄さなら、ケラレルのがおかしいと。　まあ、そのまま続けてますが。大きめなフィルターを買っておいてもよかったかな、と。
  
  　大将

  TaxNaXさん からの返信 2012/03/22 23:42:57

  RE: 温泉卵あり、あんぱんありと

  大将さん 今晩は。
  
  本当に不覚にも帰ってからケラレに気付きました。
  普通のサーキュラフィルタを買ったんですが、サーキュラフィルタだけでケラレるとは想定外。
  薄型のも売ってるんですが操作性し難そうですし･･･。
  最近のカメラは円偏光じゃないと誤作動する恐れもあり、素人にはフィルタの選択も難しいです。
  
  > TaxNaxさん
  >
  > なかなか楽しそうなご様子、いいですね。　空も、春の空のようですし。
  > で、隅のケラレですか。　私もフィルムの時は、そうでしたね。
  > サービス・センターまで持っていったこともありましたが、この薄さなら、ケラレルのがおかしいと。　まあ、そのまま続けてますが。大きめなフィルターを買っておいてもよかったかな、と。
  >
  > 　大将