2012年3月 白田温泉から河津桜・吊るし雛 [1部] 夜桜

2012/03/10 - 2012/03/11

2012年2月は例年にない寒さ。
その影響で今年の河津桜はかつてない遅咲き。
今年程ではないが前年も遅咲きで見所を誤ったので、今年は開花情報を毎晩チェックし、三分咲きの1週間後に1泊する旅行計画を立てた。

宿泊先は初めて利用する白田温泉･宮田荘。
民宿ながら設備も良さそうで、海鮮尽くしの食事も期待感が高い。
今回は河津桜の咲き具合、選んだ宿共に期待値通り。
花見以外に吊るし雛も楽しむ事が出来、食事もことごとく旨く、楽しい旅行となった。

1泊の旅行だが地域カテゴリーが異なるので、2部に分けて旅行記を掲載する。

先ずは前編『夜桜』編。
白田温泉･宮田荘とそこでの食事、そして河津の夜桜を書き記す。

後編『河津桜と吊るし雛』編は以下のアドレス
http://4travel.jp/traveler/taxnax/album/10653029/

エリア 片瀬温泉・白田温泉(静岡)

• 同行者: 家族旅行
• 一人あたり費用: 1万円 - 3万円
• 交通手段: 自家用車
• 旅行の手配内容: 個別手配

ここが今回お世話になる白田温泉･宮田荘。
宿のカテゴリーは民宿。
正面が本館、右側が別館になる。

じゃらんnetから予約したが、正月の箱根1泊のポイントと今年末期限の旧ポイントで8千円程割り引かれ、3名で2万5千円程の低予算宿泊となった。
しかし大人2名の夕食には金目鯛の煮付け1尾と1人1個の鮑が付くという、価格から考えて随分と贅沢なプランである。

■梅のお宿 温泉民宿 宮田荘 公式WEBサイト
http://miyatasou.net/

民宿を標榜する割に小奇麗なフロントがある

フロントのカウンター下には梅酒の瓶が並ぶ。
今回は戴かなかったが、かなり旨そうだ。

フロントと食事用の座敷との間にテーブル席が設けてある。
新聞を読んだり、朝はコーヒーの無料サービスがあったり。
数席の小さな場所だが、調度品も程好く、使い出のある空間だ。

テーブル席をもう一枚。
民宿らしからぬ雰囲気がある。

片瀬、稲取に至近という場所柄、3月という季節柄、吊るし雛がロビーを飾る

結構沢山の吊るし雛が吊るくされている

ロビー正面に『うぶねの湯』
公式WEBサイトには男湯が『たまゆらの湯』、女湯が『うぶねの湯』となっているが、実際は逆である。

うぶねの湯 脱衣所

他に利用者がおいでにならなかったので、脱衣所と風呂場を失礼して撮影させて頂いた。

清掃状態は良好
綿棒や髭剃などのアメニティも置かれていて、およそ民宿離れしている。

湯舟
大人4〜5名が一時に入浴可能な広さである。
源泉掛け流しだが、源泉温度が96℃なので掛け流し量は多くない。
ただ部屋数も多くないので、いつでも新鮮な湯を楽しむ事ができる。
湯船の湯温は自分の感覚では43℃弱といった処。
一般的には熱い部類だと思うが、自分にとっては適温。
熱い湯を好む向きには快適な温泉である。

白田温泉は初めて利用したが、湯当たりの良い塩化物泉で湯上り後も身体が冷め難い。
なかなか良い湯だ。

入浴時間が23時までというのが数少ない不満点。

白田温泉 温泉

洗い場

シャワーはレトロな混合水栓で湯温調整がし難い。
どのシャワーも目詰まりしているので不思議に思ったが、浴びてみて分かった。
湯の方は温泉である。
多分源泉に適当に加水したもので、やたらと熱い。
下手をすると火傷しそう。

宿としては光熱費の節減が目的だろうが、使う側にとっては逆に贅沢とも言える。

但し、真湯で身体を流す事はできない。
湯上り時に真湯で身体を流したい方にとっては｢ジーザス｣である。
逆に、私のように硫化物泉以外はそのまま上がる性質の人にとっては｢ウェルカム｣だ。

一風呂浴びて一服したら午後6時。
早目だが夕食の時間である。
当日は宿泊客が少なかったからか、私達家族で12畳程度の座敷を借り切る事になった。

食事のコースは新春限定特別プラン。
写真の食事に吸い物、炊き合わせ、金目鯛の煮物、デザートが追加される。

八寸盛り
これだけでも結構なボリュームである。

天麩羅が冷めていた以外はどれも美味しかった。

造り

鯛は昆布〆にしてあるなど、ちょっと手を加えてあるところが嬉しい

酢の物

酸味と甘味が程良く調和した上品な味付けで旨かった。

熱川ポークの豚しゃぶ
豆乳鍋で戴く。

全体のボリュームが多過ぎて正直この一品は余計に感じたが、宿としては地物に丘の物もある事を知って貰いたいのだろう。
豚はきっちり戴いた。
上で余計と書いたが、まろやかで旨かったのは確か。

鮑の踊り焼き
勿論この時点ではご存命でござる。
蓋をして固形燃料に火を入れると、火が消える頃に丁度良い塩梅で鮑に火が通る。
ちゃんと喰うから成仏してくれ。

1泊2食付き12,000円(公式WEBサイトからの直接予約価格)のプランに付いてくるものとは思えぬ大振りな鮑だった。

食事が始まってすぐに金目の煮物が登場
大人2人にまる1尾が供される。

この金目、かなりの美味。
大物が1尾まるまる供されたが3人で残さず食べ切った。

チェックアウトの際に家内が煮付けの所要時間を訊いていたが、30分程度なんだそうな。
意外と早く出来るもんだと思った。

桜の季節の食べ物と言えば桜餅。
桜餅の料理と言えば道明寺の炊き合わせ。
食事が始まり金目鯛が配膳された後、出来立ての熱々が振舞われた。
正直、他の料理で十分満腹だったので食べ切れなかった。
道明寺の炊き合わせを振舞って貰いながら、一番下におわす桜餅を残してしまい申し訳ない。

この後更に民宿の畑で採れたみかんを使った自家製ゼリーを戴いた。

全体的に非常に美味しい食事だったが、ボリューム多過ぎ。

満足度の高い食事で満たされたところで夜桜見物に繰り出した。
河津駅までは車で20分弱と言ったところ。

先ずは『かじやの桜』がライトアップされているのを見付けて立ち寄ってみた。

河津駅 駅

民家の庭先の桜だが、立派なものである。
河津桜は早咲きの新種の桜で、原木ですら樹齢50年余り。
かじやの桜は原木に次ぐ高齢だが、それでも樹齢約50年であり桜としては若く小振り。
ソメイヨシノの大木のようなダイナミックさはないが、小さくても格好が良い木が多く、大きな盆栽のようである。

河津桜 花見

地味なライトアップだったが、美しい桜を夜桜で観賞できた。

川沿いの桜並木も一部がライトアップされているとの事だったので散策する事にした。

桜の通り抜けになっているが、河津桜は総じて若く背が低いので花が間近にまで迫る。
なので実際に歩くと写真以上に素敵に感じた。

桜の向こうに屋台が見える

川岸には菜の花が咲き乱れている。
淡い色合いの桜と菜の花のコントラストに心和む。

手近な桜を接写してみた

桜の通り抜けをもう1枚

ライトアップが余りに素朴で、もう一工夫欲しいとは思う。
だが素朴であるが故、都会の喧騒から逃れてきた身としては心穏やかに感じるのも確か。

夜桜を堪能し宿に戻った。
勿論白田の湯を再度堪能。

一夜明けて朝6時過ぎ。
宿泊した部屋からは宿の畑が覗える。
みかんの木があった。
昨晩のデザートはこの木から採れたみかんを使ったらしい。

『海の見える部屋』との事だったが、まあ確かに海は見える。

さて、朝風呂を楽しみに行こう。

朝風呂を堪能し、二度寝。
ちょっと横になっただけだったように思うが、すぐに朝食の時間になった。
昨日の夕食と同じく、広い座敷を貸切。

朝食の全体像はこんな感じ。

なかなか旨そうな絵柄である

角皿の一番奥に見えるのが山葵漬だが、一般的なものに比べ随分と緩い。
明らかに自家製。
食べてみると、辛さ控え目で実にまろやか。旨い。
お土産に欲しいくらい。

朝から烏賊の刺身も出てくる。
見栄えも味も良好だった。

筍などこれからの季節を感じる料理や、写真奥に見える干物のような伊豆を感じる料理など、多彩な食事で満足感の高い朝食だった。

食後のコーヒーをテーブル席で頂く事が出来る。
新聞も置いてあり、記事を読みながらコーヒーを楽しむ事が出来た。

フロント前のお土産コーナー。

朝食の自家製山葵漬が美味しかったので分けて貰えないか交渉しようとしたが、何の事はない冷凍されたものがフロントで売られていた。
チェックアウト時に迷わず購入したが、煙草の箱より一回り大きいパック1個が350円。破格である。
辛さマイルドで、大手有名山葵漬け本舗のものより余程旨い。
良い買物だった。

因みに一つ学習した事がある。
山葵漬は冷凍庫で保存するとシャーベット状になる。
なので必要な時にスプーンで小皿に取り分け冷蔵庫で解凍する、を繰り返せばかなり長保ちさせられる。
新たな発見だった。

リーズナブルな割に食事が旨く、接客は好感触で、清掃状態も良好。更に満足度の高い源泉掛け流しの風呂が堪能できる。
久々にリピートしてみたいと思わせる良い宿だった。

さて、宿をチェックアウトして河津に花見に出掛けるとしよう。

後編『河津桜と吊るし雛』編へと続く。
http://4travel.jp/traveler/taxnax/album/10653029/

河津桜 花見

この旅行記へのコメント （2）

• わんぱく大将さん 2012/03/22 08:36:22

  夜桜

  TaxNaxさん
  
  夜桜、これまた素敵な。で、これで民宿ですか？　　私らの若い時とは違いますね。　料理が凄すぎる。
  
  　大将

  TaxNaXさん からの返信 2012/03/22 23:34:49

  RE: 夜桜

  大将さん 今晩は
  
  昨年は開花情報を良く調べずに行って半分も咲いていない桜を見るハメになったので、今年はしっかり調べて旅行を計画しました。
  その甲斐あって今年は満開の夜桜を見る事ができました。
  モダンなライトアップとは言えませんが、十分素敵でした。
  
  最近の民宿ってこうなんですね。
  若い頃に行った民宿は殆ど農家の民家そのものだったんですが、最近はそれでは集客できないんでしょうか。
  別に民家でも快適且つリーズナブルに泊まれれば良いんですが･･･。
  
  
  > TaxNaxさん
  >
  > 夜桜、これまた素敵な。で、これで民宿ですか？　　私らの若い時とは違いますね。　料理が凄すぎる。
  >
  > 　大将