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宇都宮は昔から大谷石の生産地として知られています。市内を歩いていても、あちこちに大谷石を用いた建物があるのに気がつきます。<br /><br />それらの中でも圧感なのは「宇都宮聖ヨハネ教会」と「カトリツク松が峰教会」ではないでしょうか。どちらも大谷石がふんだんに使われ、正に栃木県(否、日本を代表する)美しい教会です。どちらの教会も国の登録有形文化財に指定されています。<br /><br />◆ 「宇都宮聖ヨハネ教会」<br />  宇都宮市桜2-3-27 TEL 028-622-0335<br /><br />◆ 「カトリック松が峰教会」<br />  宇都宮市松が峰1-1-5 TEL 028−635−0405<br /><br /><br />   

宇都宮の国の登録文化財に指定されている2つの教会を訪ねて

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2012/03/04 - 2012/03/04

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Weiwojing

Weiwojingさん

宇都宮は昔から大谷石の生産地として知られています。市内を歩いていても、あちこちに大谷石を用いた建物があるのに気がつきます。

それらの中でも圧感なのは「宇都宮聖ヨハネ教会」と「カトリツク松が峰教会」ではないでしょうか。どちらも大谷石がふんだんに使われ、正に栃木県(否、日本を代表する)美しい教会です。どちらの教会も国の登録有形文化財に指定されています。

◆ 「宇都宮聖ヨハネ教会」
  宇都宮市桜2-3-27 TEL 028-622-0335

◆ 「カトリック松が峰教会」
  宇都宮市松が峰1-1-5 TEL 028−635−0405


   

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  • 先ず最初に訪ねたのはイギリス聖公会の「宇都宮聖ヨハネ教会」です。教会の外装は地元で採掘された大谷石鉄筋コンクリート造りで、重厚な印象を受けます。

    先ず最初に訪ねたのはイギリス聖公会の「宇都宮聖ヨハネ教会」です。教会の外装は地元で採掘された大谷石鉄筋コンクリート造りで、重厚な印象を受けます。

  • 1933年(昭和8)、教会は上林敬吉の設形で完成しました。彼は日光の真光教会を建てたジェ―ムズ・マクドナルド・ガ―ディナー(James MacDonald Gardiner)(1857〜1925)の影響を強く受けたと言われています。<br /><br />ガーディナーは「外交官の家」(もと東京渋谷区にありましたが、現在は横浜に移築)、「聖アグネス教会」(京都)、「弘前昇天教会」(青森県)等があります。

    1933年(昭和8)、教会は上林敬吉の設形で完成しました。彼は日光の真光教会を建てたジェ―ムズ・マクドナルド・ガ―ディナー(James MacDonald Gardiner)(1857〜1925)の影響を強く受けたと言われています。

    ガーディナーは「外交官の家」(もと東京渋谷区にありましたが、現在は横浜に移築)、「聖アグネス教会」(京都)、「弘前昇天教会」(青森県)等があります。

  • 外壁にはふんだんに大谷石が使われています。大谷石は肌合いがごっごっしていません。むしろ柔らかくて、触るとぼろぼろ落ちてきそうな気がしますが、しかし、堅いのでそのようなことはありません。

    外壁にはふんだんに大谷石が使われています。大谷石は肌合いがごっごっしていません。むしろ柔らかくて、触るとぼろぼろ落ちてきそうな気がしますが、しかし、堅いのでそのようなことはありません。

  • この搭屋を見ていると、日光の真光教会を思い出します。真光教会にもこれと同じような搭屋があります。

    この搭屋を見ていると、日光の真光教会を思い出します。真光教会にもこれと同じような搭屋があります。

  • 礼拝堂の内部です。外回りががっしりした大谷石の作りなのに対して、内部は木を多用した柔らかな、落ち着いた雰囲気が感じられます。

    礼拝堂の内部です。外回りががっしりした大谷石の作りなのに対して、内部は木を多用した柔らかな、落ち着いた雰囲気が感じられます。

  • 祭壇の部分です。

    祭壇の部分です。

  • 壁にくぼみを持たせ、そこにガラスがはめ込まれています。

    壁にくぼみを持たせ、そこにガラスがはめ込まれています。

  • 外の光がステンドグラスを通して入ってきて、落ち着いた雰囲気を醸し出しています。

    外の光がステンドグラスを通して入ってきて、落ち着いた雰囲気を醸し出しています。

  • これは説教壇でしょうか。

    これは説教壇でしょうか。

  • 祭壇の隅の方に、聖餐式に使われる器が台が置かれています。聖餐式は週に1回ないしは月に1回行われる儀式です(教会によつて異なります)。

    祭壇の隅の方に、聖餐式に使われる器が台が置かれています。聖餐式は週に1回ないしは月に1回行われる儀式です(教会によつて異なります)。

  • ステンドグラスを通してやわらかな光が教会内に差し込んできます。しばらくベンチに腰をおろして、ほっと出来る時間をもつことが出来ました。

    ステンドグラスを通してやわらかな光が教会内に差し込んできます。しばらくベンチに腰をおろして、ほっと出来る時間をもつことが出来ました。

  • 次に訪ねたのは「カトリック鶴が峰教会」です。この教会は大正時代、フランス人のカジセック神父が構想し、後に弟子のロジヤック神父が引き継ぎ、1932年(昭和7)に完成しました。設形者はスイス人建築家マックス・ヒンデル(Max Hindel)(1887〜1963)です。<br /><br />ヒンデルは1924年に札幌に移り住み、1940年にスイスに戻りましたが、その16年の間に建築事務所を作り、いくつも今に残る建物を建てています。その代表作は東京下落合の聖母病院(1931)、上智大学旧館(1932)、名古屋の南山中学(1932)等です。

    次に訪ねたのは「カトリック鶴が峰教会」です。この教会は大正時代、フランス人のカジセック神父が構想し、後に弟子のロジヤック神父が引き継ぎ、1932年(昭和7)に完成しました。設形者はスイス人建築家マックス・ヒンデル(Max Hindel)(1887〜1963)です。

    ヒンデルは1924年に札幌に移り住み、1940年にスイスに戻りましたが、その16年の間に建築事務所を作り、いくつも今に残る建物を建てています。その代表作は東京下落合の聖母病院(1931)、上智大学旧館(1932)、名古屋の南山中学(1932)等です。

  • 正面に2つの尖塔がありますが、これは本格的ロマネスク様式の会堂であり、壮大で華麗な姿はドイツのシュバィア―大聖堂[1061年建造)を思わせます。<br /><br />松が峰教会は1998年(平成10)に国の登録有形文化財に指定されました。

    正面に2つの尖塔がありますが、これは本格的ロマネスク様式の会堂であり、壮大で華麗な姿はドイツのシュバィア―大聖堂[1061年建造)を思わせます。

    松が峰教会は1998年(平成10)に国の登録有形文化財に指定されました。

  • 会堂は1部3階建てで、2階が礼拝堂、1階が幼稚園となっています。この階段を上って、礼拝堂に入ります。

    会堂は1部3階建てで、2階が礼拝堂、1階が幼稚園となっています。この階段を上って、礼拝堂に入ります。

  • 教会入口です。周囲の大谷石に比べて、作り直したと思われる入口のアルミサッシュのドアがあまりにも新しすぎて、周囲と合わないような気がしますね。<br /><br />それはさて置き、玄関上部窓には半円形欄間であるファンサールを採用していて、このような点では建築当時の洋風建築の要素を採り入れていると言えるでしょう。

    教会入口です。周囲の大谷石に比べて、作り直したと思われる入口のアルミサッシュのドアがあまりにも新しすぎて、周囲と合わないような気がしますね。

    それはさて置き、玄関上部窓には半円形欄間であるファンサールを採用していて、このような点では建築当時の洋風建築の要素を採り入れていると言えるでしょう。

  • 入口を入ってみました。入った途端、ぱっと明るい光が飛び込んできました。

    入口を入ってみました。入った途端、ぱっと明るい光が飛び込んできました。

  • ドアの上のステンドグラスが美しく輝いています。

    ドアの上のステンドグラスが美しく輝いています。

  • 礼拝堂の入口を入ると、水の入った貝が置かれているのに気がつきました。これは所謂「聖水」というものです。来拝者が礼拝に訪れると、先ずこの水を頬に付けます。

    礼拝堂の入口を入ると、水の入った貝が置かれているのに気がつきました。これは所謂「聖水」というものです。来拝者が礼拝に訪れると、先ずこの水を頬に付けます。

  • 会堂の様子です。

    会堂の様子です。

  • 3階部分から会堂全体を眺めてみました。

    3階部分から会堂全体を眺めてみました。

  • これは19789年(昭和53)、5年に及ぶ準備期間を経て設置された北関東では最大のパイプオルガンです。南ドイツ・ボーデン湖畔にあるリンダウ市のアル―ピツ社により、この教会に合わせて設形・製作されたバロック様式オルガンです。様々な機会に演奏されていて、市民の方々には親しまれているそうです。

    これは19789年(昭和53)、5年に及ぶ準備期間を経て設置された北関東では最大のパイプオルガンです。南ドイツ・ボーデン湖畔にあるリンダウ市のアル―ピツ社により、この教会に合わせて設形・製作されたバロック様式オルガンです。様々な機会に演奏されていて、市民の方々には親しまれているそうです。

  • 祭壇脇にはマリア像が置かれています。

    祭壇脇にはマリア像が置かれています。

  • マリア像の隣に、小さなイコンがあります。最初はあまりにも小さくて気がつかないほどでした。

    マリア像の隣に、小さなイコンがあります。最初はあまりにも小さくて気がつかないほどでした。

  • 大谷石の太い柱が半円形の天井を支え、左右の窓からはステンドグラスを通して光が差し込み、教会堂らしい独特の雰囲気を醸しだしています。

    大谷石の太い柱が半円形の天井を支え、左右の窓からはステンドグラスを通して光が差し込み、教会堂らしい独特の雰囲気を醸しだしています。

  • 薄暗い会堂はステンドグラスから射し込む光を受けて、その部分だけ光が当たり、明るく照らし出しています。心落ち着く空間です。

    薄暗い会堂はステンドグラスから射し込む光を受けて、その部分だけ光が当たり、明るく照らし出しています。心落ち着く空間です。

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この旅行記へのコメント (3)

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  • フルリーナさん 2013/01/15 13:03:52
    おどろきました
    Tamegaiさん

    おどろきました。
    ここがわたしの母教会です。

    現在、ここと日光真光教会のオルガにストをしています。
    どちらもいらしてくれてたんですね。
    昨年、栃木県の有形文化財に指定されました。

    こうしてご紹介いただいてとてもうれしいです。

    カトリックの松が峰教会のみなさんとも、ご投票いただいたチャリティーコンサートを通じていろいろ拘留をさせていただいてます。
  • かもっちさん 2012/03/09 16:53:32
    大谷石はいいですね。
    私もお正月にカトリツク松が峰教会に寄ったのですが
    あいにく外出中とかで、中に入れませんでした(>_<)
    外観も美しいと思いましたが
    中も良いですね〜 うらやましい!
    宇都宮聖ヨハネ教会を残しておいたので
    改めて訪問してみたいと思います。

    宇都宮は大谷石の蔵造りがあって
    散策も楽しいですよね。
    石なのに温かみがあります♪


    Weiwojing

    Weiwojingさん からの返信 2012/03/09 21:20:35
    RE: 大谷石はいいですね。
    今回、目的があって県立美術館へ行って来ました。県立美術館とともに2つの教会に寄るのも今回の目的でした。

    教会建築にはとても興味があり、特に古いものが最大の関心事です。誰が建てたのか、どんな建築様式かというようなことに関心があります。カトリック松が峰教会も聖ヨハネ教会も地元産の大谷石を使っていて、外観が独特ですね。

    アメリカ人フランク・ロイドも大谷石を用いて帝国ホテルを建てましたが、これは取り壊されて一部だけが愛知県の明治村に移築されています。ふんだんに大谷石が使われているのが特徴です。

    宇都宮はけっこう古い家や蔵があって興味が感じられます。ただ今回はあまり時間がなくて、あまり市内を回ることが出来ませんでした。と言うのも、最初間違えて県立博物館に行つてしまい、着いてから間違いに気が付き、あわててタクシーで美術館の方へ行きました。そんな訳で、けっこう時間をロスしてしまいました。

    再度宇都宮に行ってみたいですね。では、また。

    Tamegai
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