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京都に三連泊。初日は東福寺で、二日目に宇治市宇治山田にある世界遺産の神社で、本邦最古の神社建築だという宇治上神社を訪れました。<br />経路は京都三条京阪から特急で中書島(ちゅうしょじま)、そこで乗り換えて終点の宇治まで約30分で到着。宇治駅は写真を忘れたけれど、モダンなデザインで見事だった。<br /><br />目的の宇治上神社は平等院の対岸で斜面の上方にあるらしいので、近距離ながら駅前タクシーを利用して宇治上神社までワンメーターで到着。<br />当社は醍醐天皇が延喜元年(901)に社殿を建造したことに始まり、藤原氏が平等院建立ののち、宇治上神社はその鎮守社として氏子の崇敬を集め、以後連綿と社殿が維持されてきたという。<br /><br />境内に入ってすぐ右に事務所があり、由緒書きや絵葉書などのほか、可愛い兎の腹に入ったおみくじなどを売っている。<br />神域は広くはないけれど、社殿の後ろの斜面は照葉樹に覆われていて美しい。<br />目の前には鎌倉時代の始めに建てられた国宝の拝殿があり、その前に清めの砂の山がつくられていた。拝殿の屋根の曲線はとても美しく軽快な感じがしたが、構造は寝殿造りを思わせるそうで、現存する最古の拝殿という。<br />順路に従って右側から反時計回りに移動する。(チベット仏教では絶対に時計回りにする)<br />拝殿のならびに宇治七名水のひとつ、桐原水(きりはらみず)が湧いている。あとの六名水は絶えてしまったので、たった一つ残った七名水ということになる。同時に指定された宇治茶七名園の現状は聞き漏らした。<br /><br />拝殿の後ろに築かれた、一段高い場所に国宝の三つの本殿を覆うシンプルな構造の覆屋があり、両脇に摂社が並んでいる。摂社は右から香椎神社、住吉社、春日神社(これは重要文化財)。覆屋を挟んで左には武本稲荷社がある。<br />本殿は平安時代の後期に造営され、現存する最古の神社本殿であるが、材木の年輪年代から1060年頃の建築とされている。平等院が1052年の創建であり、両者の深い関係が伺われる。<br /><br />覆屋のなかには、中央に応神天皇、右に&#33708;道稚郎子、左に仁徳天皇を、それぞれ小さな社に祭ってある。&#33708;道稚郎子(うじのわきのいらつこ)は応神天皇の皇子で、才能を買われて皇太子になったが、異母兄の仁徳天皇に皇位を譲るために自ら命を絶ったという古墳時代の皇子である。つまり、祭神は応神天皇と、その皇子二人である。<br />応神天皇には、ほかに皇位を狙って討たれた皇子もいるが、歴史の外側の人となっている。<br /><br />宇治上神社を拝観してから、木製の狛犬(博物館に寄託中)が有名な宇治神社を経由して、宇治川の中ノ島を通り、平等院では浄土庭園をへだてて鳳凰堂を拝観、ミュージアムの鳳翔館をみて、参道では上林園で宇治茶を買って京都の宿に帰りました。<br /><br />

最古の神社建築 : 宇治上神社

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2012/02/20 - 2012/02/23

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ANZdrifter

ANZdrifterさん

京都に三連泊。初日は東福寺で、二日目に宇治市宇治山田にある世界遺産の神社で、本邦最古の神社建築だという宇治上神社を訪れました。
経路は京都三条京阪から特急で中書島(ちゅうしょじま)、そこで乗り換えて終点の宇治まで約30分で到着。宇治駅は写真を忘れたけれど、モダンなデザインで見事だった。

目的の宇治上神社は平等院の対岸で斜面の上方にあるらしいので、近距離ながら駅前タクシーを利用して宇治上神社までワンメーターで到着。
当社は醍醐天皇が延喜元年(901)に社殿を建造したことに始まり、藤原氏が平等院建立ののち、宇治上神社はその鎮守社として氏子の崇敬を集め、以後連綿と社殿が維持されてきたという。

境内に入ってすぐ右に事務所があり、由緒書きや絵葉書などのほか、可愛い兎の腹に入ったおみくじなどを売っている。
神域は広くはないけれど、社殿の後ろの斜面は照葉樹に覆われていて美しい。
目の前には鎌倉時代の始めに建てられた国宝の拝殿があり、その前に清めの砂の山がつくられていた。拝殿の屋根の曲線はとても美しく軽快な感じがしたが、構造は寝殿造りを思わせるそうで、現存する最古の拝殿という。
順路に従って右側から反時計回りに移動する。(チベット仏教では絶対に時計回りにする)
拝殿のならびに宇治七名水のひとつ、桐原水(きりはらみず)が湧いている。あとの六名水は絶えてしまったので、たった一つ残った七名水ということになる。同時に指定された宇治茶七名園の現状は聞き漏らした。

拝殿の後ろに築かれた、一段高い場所に国宝の三つの本殿を覆うシンプルな構造の覆屋があり、両脇に摂社が並んでいる。摂社は右から香椎神社、住吉社、春日神社(これは重要文化財)。覆屋を挟んで左には武本稲荷社がある。
本殿は平安時代の後期に造営され、現存する最古の神社本殿であるが、材木の年輪年代から1060年頃の建築とされている。平等院が1052年の創建であり、両者の深い関係が伺われる。

覆屋のなかには、中央に応神天皇、右に莬道稚郎子、左に仁徳天皇を、それぞれ小さな社に祭ってある。莬道稚郎子(うじのわきのいらつこ)は応神天皇の皇子で、才能を買われて皇太子になったが、異母兄の仁徳天皇に皇位を譲るために自ら命を絶ったという古墳時代の皇子である。つまり、祭神は応神天皇と、その皇子二人である。
応神天皇には、ほかに皇位を狙って討たれた皇子もいるが、歴史の外側の人となっている。

宇治上神社を拝観してから、木製の狛犬(博物館に寄託中)が有名な宇治神社を経由して、宇治川の中ノ島を通り、平等院では浄土庭園をへだてて鳳凰堂を拝観、ミュージアムの鳳翔館をみて、参道では上林園で宇治茶を買って京都の宿に帰りました。

同行者
カップル・夫婦(シニア)
交通手段
新幹線 私鉄 徒歩
旅行の手配内容
個別手配

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  • 最初に初日の写真を二枚。<br /><br />東福寺の開山堂です。 心がやすまる場所でした。

    最初に初日の写真を二枚。

    東福寺の開山堂です。 心がやすまる場所でした。

  • 開山堂の前の白砂には見事な模様がつけられている。<br /><br />技術はすごいと思うが 何を言いたいのか判らなかった。

    開山堂の前の白砂には見事な模様がつけられている。

    技術はすごいと思うが 何を言いたいのか判らなかった。

  • 宇治上神社です。境内に入って真正面にある拝殿(国宝)。<br />鎌倉時代初期の建築。<br /><br />この頃に東北では義経が討たれ、日高見国と津軽国が頼朝によって滅ぼされて、はじめて本州の全部がヤマトの王権の下に統一された。

    宇治上神社です。境内に入って真正面にある拝殿(国宝)。
    鎌倉時代初期の建築。

    この頃に東北では義経が討たれ、日高見国と津軽国が頼朝によって滅ぼされて、はじめて本州の全部がヤマトの王権の下に統一された。

  • 拝殿のまえの「清め砂」<br /><br />砂は参拝者が自宅の周囲に撒いて悪霊退散?を願うために、小袋にいれて売っている。

    拝殿のまえの「清め砂」

    砂は参拝者が自宅の周囲に撒いて悪霊退散?を願うために、小袋にいれて売っている。

  • 拝殿に向かって右にある小屋の中では、桐原水が湧いている。<br /><br />宇治七名水のうち、唯一現存している名水。

    拝殿に向かって右にある小屋の中では、桐原水が湧いている。

    宇治七名水のうち、唯一現存している名水。

  • 桐原水は こんこんと湧いている。

    桐原水は こんこんと湧いている。

  • 桐原水のまえから 本殿と摂社を望む。<br /><br />左の建物は拝殿。

    桐原水のまえから 本殿と摂社を望む。

    左の建物は拝殿。

  • 摂社のうち いちばん右の香椎神社の桧皮葺きの屋根はコケで緑色になっていて美しい。<br /><br />その先は 住吉社。いずれも屋根の勾配が美しく、特徴的でした。

    摂社のうち いちばん右の香椎神社の桧皮葺きの屋根はコケで緑色になっていて美しい。

    その先は 住吉社。いずれも屋根の勾配が美しく、特徴的でした。

  • 摂社のなかで最大の春日神社で、これは重要文化財に指定されている。<br /><br />手前の巨石は往時の建築物の位置を示すとかで、巨石信仰とは関係がないそうです。のせられた小石は参拝者が勝手にのせたらしい。百円で買った由緒書をなくしてしまったので詳細は省略。

    摂社のなかで最大の春日神社で、これは重要文化財に指定されている。

    手前の巨石は往時の建築物の位置を示すとかで、巨石信仰とは関係がないそうです。のせられた小石は参拝者が勝手にのせたらしい。百円で買った由緒書をなくしてしまったので詳細は省略。

  • 本殿の前の狛犬。その先は春日神社。

    本殿の前の狛犬。その先は春日神社。

  • 本殿覆い屋を 右から見た。<br /><br />素人目にも ごくシンプルな構造と見える。

    本殿覆い屋を 右から見た。

    素人目にも ごくシンプルな構造と見える。

  • 本殿覆い屋を 左から見た。木組みが簡素なのがわかる。<br />特徴的なのは屋根の勾配の優雅さで、カッコイイ。<br />この中に小さい本殿が三社、納められているが写真には撮れなかった。中央が応神天皇、右が皇太子になりながら異母兄に皇位を譲るべく自死した*道稚郎子(うじのわきのいらつこ)で、左に皇位を譲られた仁徳天皇が祀られている。

    本殿覆い屋を 左から見た。木組みが簡素なのがわかる。
    特徴的なのは屋根の勾配の優雅さで、カッコイイ。
    この中に小さい本殿が三社、納められているが写真には撮れなかった。中央が応神天皇、右が皇太子になりながら異母兄に皇位を譲るべく自死した*道稚郎子(うじのわきのいらつこ)で、左に皇位を譲られた仁徳天皇が祀られている。

  • 宇治上神社のあとも二枚だけお目に掛けます。<br /><br />宇治神社。昔は宇治上神社と一つだったそうだが、今は別の神社。<br />屋根の形は似ている。<br />木像の狛犬は博物館に寄託してある。

    宇治上神社のあとも二枚だけお目に掛けます。

    宇治神社。昔は宇治上神社と一つだったそうだが、今は別の神社。
    屋根の形は似ている。
    木像の狛犬は博物館に寄託してある。

  • 宇治川べりのサクラには ヤドリギが着いていた。<br /><br />ブータンではこれを生のまま臼でついて、重曹を加えて、フライパンで炒めるように加熱して、天日乾燥してお茶にします。<br />一つかみをヤカンに入れて煮出して、バター茶にしますが珍しいお茶です。

    宇治川べりのサクラには ヤドリギが着いていた。

    ブータンではこれを生のまま臼でついて、重曹を加えて、フライパンで炒めるように加熱して、天日乾燥してお茶にします。
    一つかみをヤカンに入れて煮出して、バター茶にしますが珍しいお茶です。

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