2011/12/03 - 2011/12/03
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Weiwojingさん
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2011年10月から12月にかけて赤坂のサントリー美術館で「南蛮美術の光と影 ー 泰西王侯騎馬図屏風の謎」という展覧会が開催されました。今回今まで一堂に会したことがない南蛮美術の数々がここに集められ、これまで写真集などでしか見たことのなった名作を直に見ることが出来、大いに感動しました。
16世紀から17世紀にかけて、西洋諸国の海外進出とともにポルトガル人やスペインから南蛮船が日本にやって来ました。船には西洋の様々な美術品や日本人の人々が見たこともない動物などが積まれ、アジアの港を経由しながら運ばれてき来ました。
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今回の展覧会の案内チラシです。タイトルは「南蛮美術の光と影 泰西王侯騎馬図屏風の謎」です。
南蛮美術は小生の最も興味ある分野で、特にキリスタン美術は何をさて置いても見に出掛ける性分です。この分野の書籍や美術書もかなり集めました。しかし、実際に見なければ何も語ることは出来ません。そういう意味で今回の美術展は大いに啓蒙されました。 -
中学や高校の日本史の教科書には必ずと言ってよいほど出てくる「フランシスコ・ザヴィエルの肖像画」(重要文化財)です。
ザヴィエルは日本にキリスト教を伝えるためマラッカから1549年(天正18)、鹿児島に上陸しました。日本は戦国の争乱期で、種子島にポルトガル人が漂着して鉄砲を伝えてからわずか6年後のことです。
この絵は没後、列聖されたザヴィエルを礼拝する目的で日本人によって描かれたと想像されます。しかも、イエズズ系キリシタン絵師が輸入された銅板肖像画を手本にして描いたことは間違いありません。聖人を示す光輪を配し、神への燃える愛を象徴する赤い心臓を抱き、キリスト像を見上げています。
これは高山右近の旧領の民家に隠されていた「開かずの箱」から1920年(大正9)に発見された画像で、キリスタン断圧期に失われた聖画のうち、最も貴重な作品です。表現はそれほど精緻と言えるほどではないが、重要なことは、1622年(元和8)のザヴィエル列聖後に描かれた可能性が高いことで、命掛けの緊迫した状況下で描かれことが想像されます。 -
今回の展覧会で最も注目された作品の一つは「泰西王侯騎馬屏風」です。今回展示されている作品には2種類あり、サントリ―美術館と神戸市立博物館にそれぞれ所蔵されています。
これはサントリー美術館に所蔵されてる四曲一隻の右部分です。 -
同じくサントリ―美術館所蔵作品の四曲一双の左部分です。
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こちらは神戸市立博物館所蔵の作品で、四曲一隻の右部分です。
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同じく神戸市立博物館所蔵の左部分です。
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一人ずつ画像を大きくして、見てみましょう。先ず、サントリ―美術館本右部分のこの馬上の王候はペルシャ王です。
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サントリー美術館版のこの王候は上記のペルシャ王の隣に描かれたアビシニア王(エチオピア王)です。
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サントリ―美術館蔵のこの人物はフランス王アンリ四世と推定されます。
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同じくサントリ―版のイギリス王あるいはギーズ大公フランソワ・ド・ロ−ランともカール五世とも言われています。
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小生が最も興味を覚えたのは、「南蛮屏風」です。今回の展覧会では13点展示されていましたが、展示替えがあったので全部見ることは出来ませんでした。その中から3点を紹介したいと思います。どの屏風も右隻・左隻で一組になっています。
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① 狩野内膳筆「南蛮屏風」六曲一双(右隻・部分)
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① 狩野内膳筆「南蛮屏風」六曲一双(左隻・部分)
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上記左隻画像の左側の5・6扇部分(上記には出ていません)をご紹介したいと思います。大変興味を覚えた部分です。当時は全く珍しい動物であった象が描かれていたり、上の方には教会らしき建物も見えます。
さらに注目する必要があるのは右下の方に輿に乗った老人の姿が見えますが、この人物は豊臣秀吉だという説があります。中央の建物の中(左側)に座っている老人と子供が見えますが、この人物も豊臣秀吉で、隣の子供は秀忠という説も聞きました。 -
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② 伝狩野山楽「南蛮屏風」六曲一双(右隻・部分)
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上記画像の右側一部を拡大してみました。南蛮人の姿が生き生きと描かれています。
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② 伝狩野山楽「南蛮屏風」六曲一双(左隻・部分)
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③ 「南蛮屏風」六曲一双(右隻・部分)
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③ 「南蛮屏風」六曲一双(左隻・部分)
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