2011/09/08 - 2011/09/13
95位(同エリア151件中)
銀の匙さん
モスクワから特急サプサン号にのって、はるばる来たぜ、ウラジミル。取りあえず先に、ここからバスで1時間ほどのスズダリを見て、それから帰りのモスクワ行きの17時台の特急の時間まで、ウラジミルを見ようという計画。
もともと、黄金の環のことを知ったのは、2002年に出版された『ロシア建築案内』(リシャット・ムラギルディン著 TOTO出版)からでした。
「黄金の環」とは、この本によると、「ロシアの精神文化、芸術、建築文化の源が形成され、またロシアが国家の様相を呈するまでの歴史が繰り広げられた街に付けられた総称である…この歴史都市が「黄金の環」としてプロモーションされ始めたのは、1973年のことである」
たしかにキャッチコピーとして「黄金の環」という言葉は秀逸ですね。
この言葉自体にひかれるものがありましたが、なにより掲載されていた写真がどれも、ぜひ実物を見たいと思わせるものばかりでした。スズダリの地図としては、この本に載っているものが今でも一番わかりやすいと思います。
そうとも知らず無謀にも、ガイドブックの便図を頼りに、ウラジミール駅から長距離バスに乗った私たち。果たして帰りの特急に乗ることが出来るのか?
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 交通
- 3.5
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
例によって、時刻表通りなロシア鉄道に運ばれて、時刻表通りの朝8時半にウラジミール駅に到着。
特急が止まる駅だというのに、どことなく侘びさび…なのは、田舎に良くある、地元の人は電車に乗らないので街の中心は駅周辺ではない、という罠でございました。
駅の真向かいが長距離バス駅なので、道路を渡ります。建物に確かにバスとは書いてあるけど乗り場はどこなの…?と思ったら、切符売り場、乗り場とも建物の2階にあるらしい。この写真は、階段の途中から撮りました。
トイレに行こうと思ったら有料だったのでやめました(50円くらいでしたが)。特急のトイレはきちんとしてるので、なるべく利用しておくのが良いかも。
切符売り場の上にバスの時刻が明記されているので、それをメモって窓口で買います。8時〜9時台はバスの本数が結構あります。
レシートみたいなものをもらい、運転手さんに見せて乗車します(帰りに気が付いたけど、席が決まっていてレシートに書かれていたらしい。道理で、私の方をちらちらちらちら見ているおばあさんが居ると思った…)
バスは駅前を離れて、まずはウラジミルの中心街の方向へ。途中、高層のアパートが建ち並ぶ地区で、人がどんどん乗ってきますが、立っている人は、街外れまでに降りてしまいました。 -
この日ははっきりしないお天気で、晴れたかと思うと、さーっと通り雨がやってきます。どこまでも続くのどかな田園地帯の真ん中に、プレハブ小屋のようなものが見えました。どうやら長距離バスはここが終点で、そこから先はスズダリの巡回バスに変身するらしく、運転手さんが追加料金を集めにやってきます。
その後、バスは並木道に入り、スズダリの街に到着です。 -
せっかく追加料金を払ったんだし、帰りのバスの乗り場も分からないから終点まで乗っていこう…と何の当てもなく車内に居残っている私たち。しかし、最初から乗ってきたお客さんが全員居なくなってしまい、道の左右に並木がなくなると、にわかに心配になってきました。
運転士さんに、エタ スーズダリ?(ここがスズダリですか)と聞いてみると、ダー、といい、ぐるぐる指で円を描き、ついっと外れる仕草をします。
どうやら、このバスはスズダリの中心地を周遊すると、また長距離バスに戻るらしい。それは困ります…。
手振りで、私たちはどこで降りるのか、わからない、と訴えると、クレムリン?と聞いてくれました。ダー!!というと、しばらくして、降りなさい、という仕草をしてくれたので、この写真の場所の近くで降りました。
ここから真っ直ぐだよ、というジェスチャーをするとドアが閉まります。ありがとう、運転士さん。でも、ここはどこ?
どうやら街の中心地のようなのですが、持ってる地図が簡単すぎて、何だか全然分かりません。取りあえず、広場になっていて、お土産ものやさんもあるので、ぐるっと一周してみました。
すると、広場のあちこちにたむろしてきた野犬がどんどん寄ってきます。土地の人たちは全然気にしてないようですが、狂犬病を持ってるのもいるかもしれない…と思うとちょっと怖くなってしまい、写真右手にあるヴォスクレセンスカヤ教会に退避。 -
ちょうどミサの最中だったので、首に巻いていたショールで髪を隠して、見学させてもらいます。普段着を着た信者さんらしき人が5、6人、説教壇の右手にある壇の前に固まって、無伴奏で聖歌を歌っていました。
その素晴らしいアンサンブルに驚いていると、年配の女性たちが床にしいたクッションに膝をつき、敬虔な祈りを捧げはじめました。その前に現れ、祝福を与える聖職者の人は、うーん…悪いけど、ヒッピーがにわか司祭になったようにしか私には見えませんでした…
と、突然歌が終わり、聖歌隊?の中の、足の悪い若い女性が、足を引きずりながら、どこかへ行ってしまいました。私たちも失礼することにして、外へ出ると、いきなり鐘楼から、リズミカルな鐘の音が聞こえてきました。 -
びっくりして上を見上げると、先ほどの女性が、鐘楼に吊されたいくつもの小さな鐘から伸びた糸を自在に操って、音楽のように鳴らしているのです。まるで、パラジャーノフの映画の世界の中に紛れ込んだかのようです。
-
そのあと、どこへいく当てもない私たちは、街の目抜き通りである、レーニン通りを徘徊します。道沿いにあるこの教会は最近建てたか改装したらしく、外の絵も中の柄も真新しい感じでした。
10人入ればいっぱいになりそうな教会の中には、信者の人たちがひっきりなしに訪れていました。 -
道路沿いに、砂糖菓子のような教会が次々現れます。
良い感じに古びた塀に囲まれた修道院の前を通りかかると、格子の嵌った入り口から、ちょっとした庭が見えました。角を曲がると門柱があり、門はなくて開いています。
すると、脇から自転車で通りかかったおじさんが、“Get in, get in ! It's Free!"と教えてくれました。しかし…中から犬の吠える声が…
いきなり飛びつかれたらイヤなので、ビビリーな私は入るのを断念。 -
先ほどの広場を右手に見て、レーニン通りをどんどん先へ歩いてみました。すると、道の両側に木造の民家が見えてきます。
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どの家も、窓枠に趣向が凝らされていました。
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窓の中には、なぜか、コチョウランなど、ランの植木鉢を置いているおうちが多かったです。
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こんなこった飾りも。
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このおうちの窓はちょっと面白くて、
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換気用の小窓がついています。どの家も、窓は二重になっていました。冬はきっと、寒いんでしょうね。
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かなり外れまでいくと、土産物屋さんがありました。入ってみると写真集やマトリョーシカ、民族衣装っぽい帽子などが陳列されていました。
大きなスズダリの地図などもあり、裏が広告だったので、ひょっとしたらタダかな?と思いつつ、いくらか聞いてみると、200ルーブルと言われたのでやめてしまいましたが、今思えば、買った方がよかったかも…。 -
土産物屋さんの脇に小道があり、進んでいくと、見晴らしの良い場所に出ました。
ちょっと肌寒いというのにヤブ蚊が健在だったのがたまに傷ですが、美しい小川が見え、その先に、金の屋根を頂く建物が見えます。
あれがボクロフスキー修道院でしょうか。 -
私有地に不法侵入してるかも…という懸念があったので、いったん戻って、別のきちんと整備された小道を入ってみました。
やはり同じように、修道院がよく見渡せます。隣には茶色の城壁があり、何かと思って見上げてみると、 -
見張り塔のようなものがありました。
-
回り込んでいくと、入り口がありました。入場料を取られるみたいなのですが、連れがトイレに行きたいと言い出したので、仕方なく入ることに。
-
中は案外広くて、いろいろな建物が建っています。それぞれの建物の下にはイラスト付きの小さな看板が出ています。
建物の内装が見られるということかしら…と思って入ってみました。
入り口には係の女性が座っており、チケットをチェックすると、前に立って歩いていきます。え、何だろう…?と思ったら、建物の内装を見られるだけでなく、なかにはそれぞれ違ったテーマで展示品が置かれていました。
つまり、この敷地内全体が、小さな博物館に分かれているようなものなのです。それぞれの部屋は参観者が来ると係員が電気をつける、というやり方になっています。
去年来てたら、なんでそんな非効率的なことしているんだろう、と思ったに違いありませんが、街全体が節電ムードの東京から来たので、これなら電気も節約できて良いアイデアかも、と思ったり。 -
かなり奥の方まで進んでいくと、おや、と思う看板がありました。
先頭のこの5文字は、KNIGI、つまり「書物」ということでは…?
入ってみると、お宝いっぱい!写本、古書、稀覯本がてんこ盛り!さあ、時間がいくらあっても足りないモードに突入です。
飾られているイコンも、聖人の皆様が手に手に福音書などをもっている図柄のものが集められているのですが、もちろん、文字はがっつりキリル文字で書かれているのが注目されます。 -
私にとってはダイヤモンド庫にも匹敵するお宝博物館はこの建物でした。
-
最近、修復したか再現したと思しき十字架。ケルト十字のような縄目模様が入っています。
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石碑。こちらもキリル文字で書かれています。
-
ウラジミルまでは1時間強かかるので、どこかでコーヒーでも飲んで、1時過ぎには帰りのバスに乗らなくちゃ…と思っていると、出口の近くにうってつけの食堂を発見。
係員の人なのか、売り場の人と親しいらしい人たちが次々とやってきます。感じのいいログハウスなので、ここでお茶することに決定。
コーヒーを注文するにも悪戦苦闘している私(コーヒー2杯、なのに、山ほど質問されるんですよ。たぶん、砂糖がいるか、ミルクはどうか、インスタントかドリップどっちにするかとか、いろいろオプションがあるんでしょう)をよそに、不作法にも他人のテーブルを見物しにいく連れ。
いきなり、学ランのようなものを来て座っているおじさん二人に“What is this?”とか聞いています。困っているおじさんにロシア語で尋ねると、「ペリメニャ☆」という可愛いお返事が。えー?なんだろう??取りあえず、例の手かな。
「あれと同じものをください!」
するとまたアレコレと質問されたのですが、一切分からない、という様子をすると、向こうもよっしゃという雰囲気になり、1皿頼んだのに2皿出てきました。
中味をみると澄んだスープに入ったすいとんみたいなもので、上から摘み立てのイタリアンパセリをちぎってトッピングしてありました。
一口食べると…おいしい☆
それぞれ、すいとんの中味がちょっと違っていました。そして、お会計はというと、一人前でした。
つまり、個数は一人前で、でも中味は半分別の種類にして分けて出してくれたらしい。
すごいスペシャルサービス、ありがとうございます。
と、大満足のうちに、スズダリを後にする私たち、でしたが…。
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この旅行記へのコメント (2)
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- まみさん 2013/06/27 12:34:16
- 参考になります!
- 来月ですが、サプサン号でまずズズダリに行って、帰りにウラジーミルに寄る計画を立てています。
ウラジーミル駅周辺やサプサン号の様子をレポートしていただき、参考になりました〜!
しかし、食堂車で朝食も食べて、映画も見る時間があったんですか、すごいです。
すごいといえば、手配をご自分でされたのもすごいです。
やればできるらしいというのは、オフ会でもお会いしたことがあるお気に入りさんのロシア準備編旅行記でも実感したのですが、いやー私は手間を省いてしまいました〜。
だからがんばって手配された方に脱帽!
苦労した方が思い出は深いと思いますけど@
ズズダリの木造建築博物館の方まで行ったんですね。
それから見晴らしのよい郊外も見つけてらっしゃる!
私もいろいろ回れたらいいな〜。弾丸ではなく、時間だけはあるので、よほどのドジをしなければ、あとちゃんと体力があれば、回れると思うんですけど。
旅行時期が近付くにつれて、不安の方が勝ってきてしまいますが(小心者)、心強い旅行記をありがとうございます。
またおじゃまします〜。
- 銀の匙さん からの返信 2013/07/20 23:50:40
- RE: 参考になります!
- まみさん、こんばんは!
しばらく業務が立て込んでいてネット落ちしており、お返事が遅れて大変失礼しました。もう7月も20日、ロシアには出発してしまわれたでしょうか…旅のご無事をお祈りしています。
サプサン号の静けさや、スズダリ、ウラジミールの街の美しさ、外国人旅行者への親切さなど、いまでも心に残っています。どうぞ良い旅でありますように!
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