2011/08/21 - 2011/08/22
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harihariさん
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平成23年8月。
美味しいものと温泉を求めて、能登半島へ行きました。
穴水から向こうは電車がないので、七尾からはレンタカーで巡ることに。
そして、せっかく車を借りたからには、車でしか行けない場所まで足を伸ばしみたいと、能登に点在する古民家を貪欲に探訪してみました。
二日目…珠洲~輪島~和倉温泉。
三日目…和倉温泉~能登島~穴水~七尾~大阪
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- レンタカー JR特急 JRローカル
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
AM5:40 湯宿さか本で迎える朝。
鳥の声で目覚めて、そっと朝風呂。
窓から眺める竹林も、目に優しくて。 -
夜中、少し雨が降ったようで、朝の空気にも透きとおった湿り気が感じられます。
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誰もいないゲストハウスでモーニングコーヒー。
ジャズやクラシックなどのCDも自由に聴けますが、僕たちは、ここではNo Musicで。 -
黒く磨き上げられた廊下に、鮮やかな庭の緑が映り込んで。
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何もない小さな宿といえば、確かにその通り。
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いや、何もないわけじゃない。
目に見えないけど、いろんなものがあるんだ、と。
それが何なのかは、人によって違うと思うけど。 -
朝食。烏賊の一夜干し。
噛めば噛むほど旨みが染み出る。 -
手作りのがんもどき。
アツアツの香ばしい風味が絶品。 -
ズイキの赤味噌と、能登の白米。
当たり前だけど、ご飯が美味しい。これ大事。 -
焼き立てほくほくの玉子焼き。
スローフードな朝食は、十分にお腹一杯。 -
チェックアウトまで、もう一度宿の中を見て回ります。
木の温かみは、どうしてこうも日本人のDNAに響くだろうか。 -
石の文化と木の文化。どちらをチョイスするかで、日本人は木を選んで文明を築いてきた数少ない民族だと聞いたことがあります。
それが本当だとすると、日本人は最高にファンタスティックだと思う。 -
一晩お世話になった部屋。
きっとまた、訪れるだろうな…という予感を感じながらチェックアウト。 -
能登半島を、今度は輪島方面に向かって南に。
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垂水の滝。
山から直接海に注ぐ珍しい滝。 -
そして、本日1軒目の古民家、時国家(下時国家)住宅。
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1670年頃に建てられたと推測される、茅葺き入母屋造りの大古民家。
国指定の重要文化財。 -
そもそも、時国家の起こりは、源平合戦で敗れた平家の大納言時忠が、この地に流されて隠れ住んだことに始めるというものです。
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広い土間にそびえ立つ、40センチ四方の檜の大黒柱。
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北陸地方特有の、大きく重量感のある自在鉤。
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時には豪雪にもなる能登の山奥。冬の寒さは厳しいのだろうな。
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平家の落人が、この地で何代も過ごすうちに、やがて加賀藩領時国村の山廻り役や肝煎など、重要な役割を担うようになっていきました。
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しかも、農業・製塩・金融業のほかに、松前から京・大阪に至る広範囲との交易なども行っていたということです。
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国名勝の池泉回遊式庭園。
緑もいいけど、今度来るなら雪の積もった庭園も見てみたい。 -
室町時代から江戸時代にかけて繁栄を見せ始めた時国家は、江戸初期に本家と分家に分かれました。
2つの時国家のうち、こちらは分家の下時国家。 -
そして、車で5分も離れていない場所にあるのが、本家の上時国家。
本日2つ目の古民家。 -
19世紀半ばに完成した上時国家住宅。国重要文化財。
最頂部が地上18mにもなるその大きさとともに、内部の造作も含めて、「近世木造民家の一つの到達点を示す」とまで評価された建築物。 -
漆の塗られた縁金折上格天井。最高の格式。
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水仙の釘隠しは、とてもエレガント。
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通常、大納言以上の者しか使うことができない様式でつくられている上座敷。
加賀藩主は中納言であったため、この部屋に入る際、天井に紙を貼ってから入室した、とまで言われている部屋です。 -
下時国家同様、国名勝の池泉回遊式庭園。
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下時国家が加賀藩領なのに対して、僅かに離れたこの地は幕府直轄地。
幕府直轄時国村の大庄屋を務めた上時国家。
その格式を今も十分に感じさせる住宅です。 -
土間には、かつて実際に使用された民具や駕籠などが展示されています。
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どこまでも続くかのように、太い梁で何層にも組まれた天井。
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まるで、時国村を見下ろす庄屋が見ていた景色と寸分も変わらないように思えて。
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時国家を離れ、本日3軒目の古民家、南家住宅。
こちらは、南家の持つ古美術を展示する南惣美術館としても営業しています。 -
南家は、鎌倉期以前から25代続く奥能登の名家。
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築200年の土蔵を改装した南惣美術館では、長谷川等伯、狩野探幽、雪舟、酒井抱一、与謝蕪村らの絵画や、長次郎、尾形幹山、野々村仁清らの焼物など、錚々たるコレクションが見学できます。
この地を訪れるなら、絶対に外せない場所です。 -
1時間ほど、ゆっくりと古美術を堪能して。
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2つの時国家、そして南惣美術館と重量感のある見どころを午前中に見学し終えて、再び海岸線を南へとドライブ。
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有名な白米(しろよね)の千枚田。
本当は、5月頃の田植え時期、水を湛えた1000枚を超える小さな棚田に、夕日が輝く季節に訪れるのが一番。 -
すっかり稲穂の首も垂れる季節。
あとは刈り入れを待つばかり。 -
ここでは、時間が許せば、下まで降りて見上げることもできます。
上からチラッと見て、写真を撮って行ってしまうよりも、田んぼの匂いと蛙の声を聞きながら歩く方がずっと思い出に残る。 -
今日この日まで、「はくまい」だと思ってたけど、正確には「しろよね」という地名。
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輪島市街にやってきて。
輪島市のマンホールは種類も豊富。これはそのうち、名舟大祭の御陣乗太鼓バージョン。 -
かつての門前町までやってきて。
黒島地区は、国の重要伝統的建造物群保存地区。 -
その中で、江戸末期から明治にかけて繁栄を誇った角海家住宅。
本日、4つ目の古民家。
明治5年頃に建てられた角海家ですが、1993年の能登半島沖地震で外壁などの破損が著しく、修復が完了するまで見学は不可です。 -
外観だけでも見たいと思い訪れたのですが、実はほんの数日前に修復完了後の再オープンを始めていました。
内部の撮影は不可でしたが、こういう嬉しい予定外があるから、旅は面白い。 -
全部、角海家の敷地。その向こうは海。
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黒瓦の間に海がキラキラと。
世界中のどこにもない、日本だけの風景。 -
手押しの買い物かごを押して、おばあちゃんが集落へと溶け込んでいきます。
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黒島地区を見終えると、本日の予定は終了。
車を南へと走らせて。 -
今日の宿は和倉温泉。
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加賀屋を代表とした高層旅館群の和倉温泉。
コンクリートに取り囲まれた中、孤高を保つような佇まいの宿が一軒。 -
今日の宿、渡月庵に到着。
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大正4年に建てられた渡月庵。
内部は改装をされていますが、欄間の装飾など所々に職人の手技で楽しませてくれます。 -
僕たちが泊まった部屋は、2階の「あやめ」という部屋。
かつては高貴な人も宿泊したという特別室。 -
お風呂でリフレッシュした後は、本日の夕食。
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白山のお酒、「天狗の舞」を冷酒で。
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お造りの舟盛り。
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酔いがまわると、冷たい素麺の喉ごしが心地いい。
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能登牛の鉄板焼き。
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一人ずつ炊き上げてくれる釜めし。
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デザートのフルーツでお腹一杯。
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欄間の彫刻が、幻想的な灯りを演出。
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夕涼みに夜の散歩。
水面に映る渡月庵。 -
そして、有楽街。
昔よりいかがわしさが薄れたように感じるのは、時代のせいか僕が歳をとったせいか。 -
それでも、昔はもっと賑わっていたのかな。
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翌日、今回の旅行で初めて青空が顔を見せました。
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朝食。
普段は朝食抜きの僕たちも、旅先では軽く食べられるのが不思議です。 -
干物を軽く炙ったら、ご飯のお替りもしたくなる。
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部屋からの眺め。
大海原が一望、というわけではありませんが、まずまずの眺め。 -
AM9:00 渡月庵をチェックアウト。
極めて個人的嗜好で言えば、和倉温泉で唯一泊まる価値のある旅館だと思う。 -
今日は絶好のドライブ日和になりそう。
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旅の最終日は、能登島ドライブ。
真っ直ぐな能登島大橋も最高。 -
マリンパーク海水浴場。
お盆も過ぎていたので、海水浴客はほとんどいなかったですが、すぐ隣に温泉も併設しているので、遊び場所としては良さげです。 -
浜辺にも逞しく育つ生命力。
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そして、しばらくここでビーチコーミング。
小さな貝殻もたくさん拾えます。 -
予定時間いっぱいまで、能登島をドライブ。
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こんな景色を独り占めですから、普段は仕事以外でしか車に乗らない僕も、運転が楽しいって思える。
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PM12:00。
2日前に車を借りた七尾駅前のレンタカー屋さんに車を返して。
ここからは、のと鉄道を踏破してみようと。 -
長閑なローカル線。しかも単線。
鉄道ファンじゃないけど、テンションが上がります。 -
車窓からは七尾湾を一望。
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土地の人たちの生活感も旅情の重要なポイント。
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終点、穴水駅に到着。
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時間が少しあるので、穴水の町をブラブラと。
ちょうど昼食の時間なので、「もりそば」。 -
玉ねぎがたくさん入った玉子丼。
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そして、もり蕎麦。
並なのに、かなりのボリューム。 -
穴水のマンホールは、ボラ待ち櫓。
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穴水駅には、2001年に廃止になった穴水―輪島間、2005年に廃止になった穴水―蛸島間の標識などがいまだに残されています。
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穴水から再び七尾に向けての車窓。
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海と青空と稲穂と。
いよいよ旅も終り。 -
七尾に着いたら、金沢まで電車で行って、そこからサンダーバードで一気に大阪へ。
能登の景色も、あと少し。 -
一日目は、座主家、室木家、黒丸家〜湯宿さか本。
二日目は、下時国家、上時国家、南家、角海家〜渡月庵。
三日目は、能登島からのと鉄道。
時には予定通りに、時には予定外に、充実の2泊3日の能登半島古民家探訪でした。
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この旅行記へのコメント (4)
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- さすらいの食いしんぼうさん 2012/01/21 07:48:37
- 「孤高を保つ」宿。
- harihariさんのことばをそのまま借りるまでもなく、「加賀屋を代表とした高層旅館群の和倉温泉。
コンクリートに取り囲まれた中、孤高を保つような佇まいの宿が一軒。」まさにそのとおりです。
そして大きな旅館がみ〜んな加賀屋の真似をして(というか見習ってというか)画一化されたような旅館ばかりになりつつある和倉温泉にあって「孤高を保つ」宿。いいですね!!
自分自身もかくありたい!(無理かな?)
すてきなお宿を教えていただいてありがとうございました。
さすらいの食いしんぼうより
- harihariさん からの返信 2012/01/26 21:38:12
- RE: 「孤高を保つ」宿。
- はじめまして。
渡月庵さんには、いつまでも日本建築のよさを保ち続けてほしいですよね。
そうすれば、きっと、ファンも増えると思いませんか?
とは言っても、加賀屋さんは人気の宿ですし、僕の意見が極めて個人的嗜好によるものだとも、多少偏った意見であるとも承知しているんですよ。
だからこそ、同じように感じる人にブログを読んで貰えて、とても嬉しいです。
ありがとうございました。
では。
harihari
-
- ateruiさん 2012/01/13 16:36:14
- 初めまして こんいちは
- 素晴らしい建物群に感動しました
日本建築の素晴らしさに改めて感動しました!
おばあさんが乳母車だか押していくところは
釧路の米町や宮本あたりの40年前を思い出しました!
切符やバス停などもすばらしいですね!
とくに珍しい地名は圧巻です!
ありがとうございました!!
- harihariさん からの返信 2012/01/18 22:46:48
- ありがとうございます。
- enn8801さん こんにちは。
古民家をめぐる能登の旅、楽しく見ていただけたのなら嬉しい限りです。
古い建物は、各地で年々減っていくように感じるので、行く機会があればできるだけ大切に見てまわりたいと思っています。
もっとも、なかなか旅行できないのが残念ですが...
釧路は一度、車で素通りしただけなのですが、どんな町なのでしょうか。
是非行ってみたいです。
enn8801さんの旅行記も、時間の流れがゆっくりとしていて、とてもいいですね。旅の醍醐味は、辿り着いた先よりも、何気ない町歩きの中にあることが多いような気もします。
今年もたくさんの旅をしましょうね。
では。
harihari
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