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大和三山に囲まれた藤原宮は5km四方に及ぶ藤原京の中心に位置し、碁盤目状に造営された町並みは平城京遷都までのわずか16年間の栄華を誇った。<br /><br />藤原宮を目指し近鉄橿原線八木西口駅にて下車。<br />先ずは称念寺を求め行ったり来たりしながら今井町に到着。<br />余ほど相性が悪いのか奈良に通い出してすんなり目的地に辿り着けた例がない。<br />江戸の風情が今尚残る街並みを小まめに探索しながら称念寺に入った。<br />美しく保存された街並みとは対照的に老朽化が著しい本堂や境内に愕然とした。<br />寺の前で観光ボランティアをされているご老人が恐る恐る声をかけてきた。<br />やはり外国人と思われていたらしい。<br />いかに由緒ある寺であるかとの丁寧な説明にしばし耳を傾けた。<br />荒れ果てた寺に栄華の変遷を感じざるを得ない。<br />先代の住職が先ず今井町全体の街並みを保存する為に寺の事を後回しにして奔走したらしい。<br />丁度通りかかった現住職(先代の娘さん)を紹介して頂いた。<br />現住職が非常にご苦労をなさっているのが忍びないとご老人が云っておられたのが印象的であった。<br />国の重要文化財に指定され久しいが近年やっと修復に向け動きがあるとの事。<br />復興を願わずにはいられない。<br />案内に従い再度今井町内の旧家名家等丹念に巡り歩き町を後にした。<br /><br />下街街道から橿原橋を渡ると飛鳥川堤防に出た。<br />おふさ観音へ通じるあすか花の道とあり樹木で樹木で日影になっていたので行ってみた。<br />色とりどりの花々が植えられており暑さを忘れさせてくれた。<br />暫く観賞しながら進んで行くと例によって再び案内表示も途切れた。<br />仕方なく適当な橋で堤防を降りる。<br />食堂の看板が見えたからだけの話である。<br />腹が減ったと云うよりはこのうだる暑さでどうしてもビ〜ルを飲んでやると決めたのであった。<br />入り口を求め門を曲がると直ぐ先におふさ観音があった。<br />一杯引っかけてから参拝するのも罰当たりな話なのでビ〜ルは後回しだ。<br /><br />おふさ観音はこの時期2000株を誇るバラに彩られ2500を超える風鈴の音色に奏でられる。<br />上下から迫る涼音と美観に心癒されつつ境内を散策し参拝した。<br /><br />おふさ観音を後にするといよいよお待ち兼ねの昼食タイム。<br />通風の激痛を知る身でもあり普段は滅多にビ〜ルなんか口にしない。<br />だが炎天下の奈良に通い出し日陰の少ない町を散歩していると無性に身体が求めてしまう。<br />先程の食堂に戻り、更に熱いであろう高校野球中継を観戦しながら喉とお腹を潤した。<br /><br />酔っ払うほどやらかした積もりはないのだがやはり道を間違えた。<br />せっかく補給した水分を蒸発させながら藤原宮跡を目指した。<br />タイムロスを繰り返し何とか正常のル〜トに戻した。<br />藤原京資料室という橿原市立の建物があったので立ち寄ってみた。<br />とにかく暑さに痛めつけられる身体が涼を求めて仕方ないのである。<br />展示室には各種説明の他、都の縮尺模型がありその規模の巨大さを思い知らされた。<br />ボランティアの人も専属につき独占状態になってしまった。<br />ただ涼を求めて入っただけなのに非常に恐縮した次第であった。<br /><br />説明を受けた醍醐池の畔より耳成山を眺めて遥か昔を想い耽る。<br />いよいよ藤原宮跡へ。<br />小さな森の中に大極殿の基跡が残る。<br />そして周りは四季折々の花が咲き乱れる長閑な跡地となっている。<br />かつてはあった栄華の時をオミナエシ、キキョウやハスが華の絨毯として静かに溶け込んでいる。<br />そしてそこに突如現れる奇妙な柱郡。<br />個人的にはこの張りぼての紅い柱はどうも受け入れられない。<br />かつての巨都を陳腐な贋朱柱にて表現しようとする手法が甚だ疑問だ。<br />そんな事を感じながら朱雀門跡を目指していると空模様が怪しい。<br /><br />とうとう降り出した雨に身を任せる。<br />涼しくなって丁度いいやとそのまま本薬師寺跡に向かう。<br />雨も直ぐに上がってしまい蒸し暑さが倍になって戻って来た。<br />ホテイアオイの畑が先程の雨でみずみずしい。<br />本薬師寺跡はそんな畑の中に突然ポツンと現れた。<br />小さな寺跡であるが由緒正しい歴史を主張している。<br />本日の終着点にふさわしい風格があった。<br /><br />汗と雨でびしょ濡れの身体を引きずって近鉄橿原線畝傍御陵前駅に向かった。<br /><br />歴史を語り継ぐのは必要である。<br />しかしそこには人の自慢は不要である。<br /><br /><br />いやはや過去の誇りには辛いものがある。<br /><br /><br />

16年間の大都 藤原京漂流

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2011/08/06 - 2011/08/06

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midnightrambler

midnightramblerさん

大和三山に囲まれた藤原宮は5km四方に及ぶ藤原京の中心に位置し、碁盤目状に造営された町並みは平城京遷都までのわずか16年間の栄華を誇った。

藤原宮を目指し近鉄橿原線八木西口駅にて下車。
先ずは称念寺を求め行ったり来たりしながら今井町に到着。
余ほど相性が悪いのか奈良に通い出してすんなり目的地に辿り着けた例がない。
江戸の風情が今尚残る街並みを小まめに探索しながら称念寺に入った。
美しく保存された街並みとは対照的に老朽化が著しい本堂や境内に愕然とした。
寺の前で観光ボランティアをされているご老人が恐る恐る声をかけてきた。
やはり外国人と思われていたらしい。
いかに由緒ある寺であるかとの丁寧な説明にしばし耳を傾けた。
荒れ果てた寺に栄華の変遷を感じざるを得ない。
先代の住職が先ず今井町全体の街並みを保存する為に寺の事を後回しにして奔走したらしい。
丁度通りかかった現住職(先代の娘さん)を紹介して頂いた。
現住職が非常にご苦労をなさっているのが忍びないとご老人が云っておられたのが印象的であった。
国の重要文化財に指定され久しいが近年やっと修復に向け動きがあるとの事。
復興を願わずにはいられない。
案内に従い再度今井町内の旧家名家等丹念に巡り歩き町を後にした。

下街街道から橿原橋を渡ると飛鳥川堤防に出た。
おふさ観音へ通じるあすか花の道とあり樹木で樹木で日影になっていたので行ってみた。
色とりどりの花々が植えられており暑さを忘れさせてくれた。
暫く観賞しながら進んで行くと例によって再び案内表示も途切れた。
仕方なく適当な橋で堤防を降りる。
食堂の看板が見えたからだけの話である。
腹が減ったと云うよりはこのうだる暑さでどうしてもビ〜ルを飲んでやると決めたのであった。
入り口を求め門を曲がると直ぐ先におふさ観音があった。
一杯引っかけてから参拝するのも罰当たりな話なのでビ〜ルは後回しだ。

おふさ観音はこの時期2000株を誇るバラに彩られ2500を超える風鈴の音色に奏でられる。
上下から迫る涼音と美観に心癒されつつ境内を散策し参拝した。

おふさ観音を後にするといよいよお待ち兼ねの昼食タイム。
通風の激痛を知る身でもあり普段は滅多にビ〜ルなんか口にしない。
だが炎天下の奈良に通い出し日陰の少ない町を散歩していると無性に身体が求めてしまう。
先程の食堂に戻り、更に熱いであろう高校野球中継を観戦しながら喉とお腹を潤した。

酔っ払うほどやらかした積もりはないのだがやはり道を間違えた。
せっかく補給した水分を蒸発させながら藤原宮跡を目指した。
タイムロスを繰り返し何とか正常のル〜トに戻した。
藤原京資料室という橿原市立の建物があったので立ち寄ってみた。
とにかく暑さに痛めつけられる身体が涼を求めて仕方ないのである。
展示室には各種説明の他、都の縮尺模型がありその規模の巨大さを思い知らされた。
ボランティアの人も専属につき独占状態になってしまった。
ただ涼を求めて入っただけなのに非常に恐縮した次第であった。

説明を受けた醍醐池の畔より耳成山を眺めて遥か昔を想い耽る。
いよいよ藤原宮跡へ。
小さな森の中に大極殿の基跡が残る。
そして周りは四季折々の花が咲き乱れる長閑な跡地となっている。
かつてはあった栄華の時をオミナエシ、キキョウやハスが華の絨毯として静かに溶け込んでいる。
そしてそこに突如現れる奇妙な柱郡。
個人的にはこの張りぼての紅い柱はどうも受け入れられない。
かつての巨都を陳腐な贋朱柱にて表現しようとする手法が甚だ疑問だ。
そんな事を感じながら朱雀門跡を目指していると空模様が怪しい。

とうとう降り出した雨に身を任せる。
涼しくなって丁度いいやとそのまま本薬師寺跡に向かう。
雨も直ぐに上がってしまい蒸し暑さが倍になって戻って来た。
ホテイアオイの畑が先程の雨でみずみずしい。
本薬師寺跡はそんな畑の中に突然ポツンと現れた。
小さな寺跡であるが由緒正しい歴史を主張している。
本日の終着点にふさわしい風格があった。

汗と雨でびしょ濡れの身体を引きずって近鉄橿原線畝傍御陵前駅に向かった。

歴史を語り継ぐのは必要である。
しかしそこには人の自慢は不要である。


いやはや過去の誇りには辛いものがある。


同行者
一人旅
一人あたり費用
1万円未満
交通手段
私鉄 徒歩
旅行の手配内容
個別手配

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