サンフランシスコで立ち往生-その１

2007/10/29 - 2007/10/29

ちょっと古いお話ですみません。
ラスベガスでの短い休暇の帰り道。
ラスベガス空港の管制トラブルでサンフランシスコから成田への国際線に乗り遅れてしまいました。
これから先、皆さんの旅行に「ありうる話」としてまとめてみましょう。

　朝早くラスベガスの空港到着。ここの空港はお土産ショップが充実してるんでここでお土産タイムを予定して、搭乗時間よりかなり早めに向かったんです。

　でもロビーのあちこちに行列ができてます。四つのタイミナル別に横４人の大きな行列。私達は９−１１直後のサンフランシスコ空港も、もうちょっと後のワシントン−ボルチモア空港も経験してますが、その時より長い長い行列。お土産どころではありません。　早速国際線ターミナルに向かう行列の一番後ろにつきます。　それにしても長い長い行列でした。

エリア サンフランシスコ(アメリカ)

• 旅行の満足度: 4.5
• 交通: 2.5

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 一人あたり費用: 20万円 - 25万円
• 交通手段: 飛行機
• 航空会社: ユナイテッド航空
• 旅行の手配内容: 個別手配

　ようやくサテライトまで到着しました。　
もう出発予定時間です。でも４０分遅れの表示です。　
どうやら折り返しの飛行機も遅れていたようです。　

サンフランシスコでの乗り継ぎには２時間以上みてますから、４０分の遅れくらいならなんとかなるかな。　
念の為カウンター職員に確認。　

＜のーぶろぶれん＞　
一安心です。　

お腹すいたなあ。　
朝ごはんは小さなマフィン一個とコーヒー一杯を夫婦二人で分け合います。これでも６ドル。空港は高過ぎます。　

なんだかサテライトも人々で溢れています。　
ようやく折り返しの飛行機が到着。　
大勢のお客さんに続いて機長さんが降りてきました。
いきなり機長がマイクを手にします。

　＜折り返しのサンフランシスコ行きは多分２時間以上遅れるでしょう　誰か待たしてたり　乗り継ぎの予定の人はご了承ください＞

そんな事急に言われても困ります。

私達も慌てたけど　たった今４０分遅れのアナウンスしてたばかりのカウンター職員はもっとアワテテいます。

大勢のお客さんがカウンターに詰め寄ります。　
どうも何処かの便の遅れが徐々に広がって収拾が付かなくなったみたいです。　
サンフランシスコ乗り継ぎの成田行きのチケット見せてサンフランシスコへの連絡を付けてもらいます。

＜のーぷろぶれん＞
職員の回答は明快です。

　私は基本的に　＜大丈夫＞とか＜まかせなさい＞とか軽々しく言う人は信用していないんですが、今日は何が何でも帰らねばならないんです。
職員の言う通りすぐに搭乗開始になりました。

やれやれ一安心

　定員一杯のお客さんを詰め込んでようやくドアが閉まります。
ああ　やれやれ　

ですが飛行機が向かったのはタキシーウェイではなく駐機場でした。変な広場みたいな所で飛行機が停止すると、コクピットからあの機長が出てきてＣＡに映画と飲み物のサービスを命じまます。
　あらら、長引きそうです。

意を決して機長に詰め寄ります。　

「乗り継ぎは大丈夫なんでしょうか」

「走るしかないなぁ」
単純明快に機長は言い放ちます。

でも次の言葉にちょっと戸惑いました。

「バスを使えょ」　

え？ＳＦＯの国内線ゲートから国際線ターミナルまでは走って５分くらいかかります。
でもバス待って乗って行ったら同じかもっとかかるんじゃあないんでしょうか？　

「絶対バス！」機長は断言します

「いいか　ゲートを出たら左に走れ　次の角にバス乗り場がある」機長は機内誌を広げてバス乗り場の位置を教えてくれます。

でも右に曲がればすぐ国際線じゃあありませんか。。。。　

　ようやくタキシーウェイへ動き出しました。　
でも２０機以上がタキシーウェイ上に並んで出発を待っています。既にゲートを出てから１時間３０分以上経過。ここでも暫くの間　飛行機は止まったままです。　

期待から不安へ　
そして不安は悪い方の確信に変わっていきます。　

ようやく離陸　
後はＳＦＯで走るしかありません。　

ぬるいコーヒーのサービスを受けていると機内放送です　

＜乗り継ぎ予定のシカゴ便は午後４時に変更　フランクフルト便は午後６時に変更・・・・＞　

あ　
やめて　
聞きたくありません　

＜成田線は明日１２時に変更＞　

うわぁどおしましょう。　

明日の会議　
明後日の月末集計　

何よりも困ることがあるんです。
今回の旅行中、義母を老人健康施設のショートステイに預けてきました。明日夕方には自宅に戻ってくるのです。　

私達の計画ではほぼ同時に帰宅して何食わぬ顔で義母をお向かえする予定だったんです。

　何はともあれ、ＳＦＯに到着したら国際線ターミナルに急ごう。相方とそう話し合います。

　既に周りのお客さん達にも私達夫婦の異常な緊張が伝わっていたようです。　普通なら一番先頭の列から順序良く降りていくアメリカ人達がわしらを先に通してくれます。大きな体のアメリカ人が＜ぐっどらっく！＞と私の肩をたたいて応援してくださいます。　

おっと、ここを左だな。　
急ぎ足でバスゲートに向かいます。　

後ろから肩たたかれて振り向くと　
何と　機長さんではありませんか！　

「さぁこっちだ！」　
駆け出す機長　
私達もダッシュします。　

果たしてバスゲートは全く目立たない場所にありました。　
気が動転していた私達だけでは多分見つけられなかったでしょう。　
ゲート番の職員が驚いています。だって機長がお客さんを先導して来たんです。　
すぐに国際線ターミナルに連絡してくれます。　

そおか！ここで連絡して待っていてもらうんだ。　

バスゲートで機長と握手。　

ありがとう　助かりました　

私達二人だけ乗せたバスは走ります。　
すぐに国際線の一階に到着。　
二階に駆け上がると遠くから女性職員が手を振っています。

あそこだ！待っていてくれたんだ！！　

女性職員がこっちに駆け出します。私達も走ります。

「急いで！」　
並んで駆け出します　
「こっちよ！」

何があっても飛行機止めてやる。　
ドアが閉まりかけていたら靴先突っ込んででも日本に帰るんだ。　

ああ良かった　
間に合ったんだ　

「はいパスポートとチケット！」　

「Ｎｏ！ＮＡＲＩＴＡ！　
Ｉｔ’ｓ　ＩＮＣＨＥＯＮ！」
待っていてくれたのは韓国ソウル行きの便でした。　


お隣の成田行きは既にもぬけの殻だったんです。。。。

何事も無かったように女性職員は片付け始めます。　

呆然と立ち尽くす私
追いついてきた相方が最後の期待を込めて叫びます。

「インチョン行き乗せて！　インチョンからならきっと日本に帰れる！」　

むなしくも閉まる扉　
うなだれてカスタマーサービスに向かいます。　

国際線の入り口にはセキュリティ。　
そおかぁ、もし国内線から走って国際線に向かったらここで時間喰ってたんだな。　
今になってはむなしい話ですが、国内線機長の判断は正しかったんです。　

さあカスタマーサービス　

対応してくれたのは女性職員でした。

「乗り継げなかったのは気の毒だけど、エアラインにミスは無い。明日の飛行機の座席をあげるから自分で宿とって明日午前１１時に来い」　

「えっ！コネクティングフライトでしょう。待っているってチェックインの時もサテライトも言っていましたよ」

「今回の遅延は悪天候に順ずるものです。エアラインには責任はありません」　

「順ずるってどういう事でしょう」
後で調べたら空港管制上のトラブルとなっていました

「私どもの機材のみ遅れたのではありません。すべてのエアラインが遅れているんです。明日の便の確保も本来的には優先事項ではないんですよ。」

私達だってこのまま引き下がれません。
「出発の空港は快晴だったし、こっちだっていい天気ではありませんか（まだ管制トラブルだって知っていません）せめて宿代出してよ」　

「この決定はすべての関係するエアラインのミーティングで決まった事です。」　

途中から話に加わったカスタマーサービスの責任者が続けます。　「お気の毒ですがご了承ください」　

涙顔の相方。　途方に暮れる私。　
渡されたのは明日の搭乗券（トリプルセブンの真ん中の席）と安ホテル紹介のフリーダイヤル番号を書いた紙切れだけでした。

続く。。。。