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煙管職人は全国で数人と言われ、日本古来の伝統工芸の消滅が危惧されています。<br /><br />岩井三郎展は本八幡駅前の市川市民談話室のギャラリーで開かれました。偶然見る機会に恵まれて、その熟練の技を<br />堪能しました。   残念なことにその後、高齢なこともあって亡くなられました。煙管製作一筋の生きかたに敬意<br />を表するとともに、ご冥福をお祈りします。<br /><br />

煙管(きせる)職人 岩井三郎

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2006/10/19 - 2006/10/19

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pedaru

pedaruさん

煙管職人は全国で数人と言われ、日本古来の伝統工芸の消滅が危惧されています。

岩井三郎展は本八幡駅前の市川市民談話室のギャラリーで開かれました。偶然見る機会に恵まれて、その熟練の技を
堪能しました。   残念なことにその後、高齢なこともあって亡くなられました。煙管製作一筋の生きかたに敬意
を表するとともに、ご冥福をお祈りします。

同行者
一人旅
交通手段
徒歩
  • 総武線 本八幡駅北口を降りると、間もなく

    総武線 本八幡駅北口を降りると、間もなく

  • 14号線の交差点の角に、市民談話室はあります。

    14号線の交差点の角に、市民談話室はあります。

  • 四所銀・銅地に月切り張り雁図 胴鮫皮とあります。

    四所銀・銅地に月切り張り雁図 胴鮫皮とあります。

  • 蛇が巻きついた意匠です。

    蛇が巻きついた意匠です。

  • 上段は銀の象嵌でしょうか、中段は胴地に独楽と紐を、そして下段は火皿に蜘蛛を彫金しています。

    上段は銀の象嵌でしょうか、中段は胴地に独楽と紐を、そして下段は火皿に蜘蛛を彫金しています。

  • この箱の素材は胴、赤銅、四分一、銀等を板の段階でそれぞれロウ付けし、出来上がった板を平に圧延し、それを箱に組み立てロウ付けし、表面をヤスリで平に削り、ヤスリも荒目、中目、細目、油目という何段階もの種類をつかいます。 仕上げ段階では、キシャゲ、またはキサゲと呼ばれる両側に刃の付いた金具でヤスリ目を削り取ります。<br />更に、このあと、現代では#400から#2000位の耐水ペイパーで仕上げますが、恐らく岩井さんは、昔ながらの炭砥ぎをしていたのではないでしょうか。<br />炭砥ぎとは、ホウ炭というホウノキでつくった柔くて、目の細かい炭を小さく割って水をつけながら金属の表面を研ぎます。炭砥ぎの最後は、どろどろに水で捏ねた炭の粉をホウ箸というホウノキで作った細い棒で磨きます。<br />このあと、研磨剤を使って綿の布や鹿皮でピカピカに磨きあげます。<br />気の遠くなるような作業です。<br />

    この箱の素材は胴、赤銅、四分一、銀等を板の段階でそれぞれロウ付けし、出来上がった板を平に圧延し、それを箱に組み立てロウ付けし、表面をヤスリで平に削り、ヤスリも荒目、中目、細目、油目という何段階もの種類をつかいます。 仕上げ段階では、キシャゲ、またはキサゲと呼ばれる両側に刃の付いた金具でヤスリ目を削り取ります。
    更に、このあと、現代では#400から#2000位の耐水ペイパーで仕上げますが、恐らく岩井さんは、昔ながらの炭砥ぎをしていたのではないでしょうか。
    炭砥ぎとは、ホウ炭というホウノキでつくった柔くて、目の細かい炭を小さく割って水をつけながら金属の表面を研ぎます。炭砥ぎの最後は、どろどろに水で捏ねた炭の粉をホウ箸というホウノキで作った細い棒で磨きます。
    このあと、研磨剤を使って綿の布や鹿皮でピカピカに磨きあげます。
    気の遠くなるような作業です。

  • この技術、ならし(金属を金槌でたたく),キリバシ(鋏)、糸鋸、ロウ付け、<br />ヤスリ、ヤットコ(つかんで曲げる)、鏨(たがね)くぼみをつけたり、筋や<br />溝を彫る、テクスチャーをつける、仕上げ(磨き上げる)。<br />これらの技術があれば、アクセサリーもおてのものです。あとはデザインセンスだけですね。

    この技術、ならし(金属を金槌でたたく),キリバシ(鋏)、糸鋸、ロウ付け、
    ヤスリ、ヤットコ(つかんで曲げる)、鏨(たがね)くぼみをつけたり、筋や
    溝を彫る、テクスチャーをつける、仕上げ(磨き上げる)。
    これらの技術があれば、アクセサリーもおてのものです。あとはデザインセンスだけですね。

  • 製作工程 金 銀 赤銅(銅・金の合金)や四分一(銅三・銀一の割合の合金)などの材料を組み合わせ、ロウづけしたものを型にとり、芯金(しんがね)に合わせて、金槌でたたきながら形を整えていきます。そして、合わせ目に再びロウづけし、ヤスリで荒ら仕上げをします。次々と細かいヤスリをかけ、最後に「キシャゲ」という刃の付いた工具でヤスリ目を削り取り、炭研ぎ(ほうの木の炭で研ぐ)をしてからていねいにバフという研磨機で磨き上げます。<br /><br />煙管は刻みタバコをいれるところを「火皿」、吸うところを「吸い口」、このふたつをつないでいる竹の管を「ラオ」と言います。<br />昔は、ラオ屋さんという職業があって、金魚売りや、飴売り、シジミ売りのように、街角で商いをしていました。 どんな仕事かと言うとヤニでつまった煙管を客から預かり、熱い蒸気で溶かし、きれいに掃除して客に返します。屋台のような車のついた台で火をたいて押して歩き、蒸気の勢いで笛を鳴らし、ピーッ と言う音が、ラオやさんの特徴でした。<br /><br />見たような事を言う? そうなんです、私が子供の頃には、まだ、あったんですよ。

    製作工程 金 銀 赤銅(銅・金の合金)や四分一(銅三・銀一の割合の合金)などの材料を組み合わせ、ロウづけしたものを型にとり、芯金(しんがね)に合わせて、金槌でたたきながら形を整えていきます。そして、合わせ目に再びロウづけし、ヤスリで荒ら仕上げをします。次々と細かいヤスリをかけ、最後に「キシャゲ」という刃の付いた工具でヤスリ目を削り取り、炭研ぎ(ほうの木の炭で研ぐ)をしてからていねいにバフという研磨機で磨き上げます。

    煙管は刻みタバコをいれるところを「火皿」、吸うところを「吸い口」、このふたつをつないでいる竹の管を「ラオ」と言います。
    昔は、ラオ屋さんという職業があって、金魚売りや、飴売り、シジミ売りのように、街角で商いをしていました。 どんな仕事かと言うとヤニでつまった煙管を客から預かり、熱い蒸気で溶かし、きれいに掃除して客に返します。屋台のような車のついた台で火をたいて押して歩き、蒸気の勢いで笛を鳴らし、ピーッ と言う音が、ラオやさんの特徴でした。

    見たような事を言う? そうなんです、私が子供の頃には、まだ、あったんですよ。

  • 魚や虫などの模様がついています。おやっ 左端の作品をよく見てみてください、トンボがとまっています。遊び心満点です。

    魚や虫などの模様がついています。おやっ 左端の作品をよく見てみてください、トンボがとまっています。遊び心満点です。

  • 「息子さんは跡を継がないんですか?」 「息子には貧乏をさせたくないから<br />跡は継がせません。」

    「息子さんは跡を継がないんですか?」 「息子には貧乏をさせたくないから
    跡は継がせません。」

  • ご自宅の玄関横には誇り高きこの標章が掲げてあります。

    ご自宅の玄関横には誇り高きこの標章が掲げてあります。

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この旅行記へのコメント (15)

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  • 三昧さん 2012/04/26 00:25:05
    私の子供の頃にも、ピー!ってありました
    pedaruさん、今晩は

    私の子供の頃にも、ラオ屋ありましたね。ピーって鳴らしてね。
    あの頃の老人は煙管や両切タバコ吸ってましたね。(フィルタータバコが無かったから)。
    火種がもったいないから手のひらで火種ころがして、次のキザミに火付けてる老人もいましたね。

    黒鯛釣師も大人になってから煙は好きで、葉巻、タバコ、煙管吸いました。でも、一番は煙管ですね!江戸時代の人は、あんな旨いもん吸ってたんですね。禁煙して25年近くになりますが、吸っていた時は一日100本以上タバコ吸ってました。葉巻なら、ハバナかフィリピンのが旨かったですね。タバコは缶ピーが旨かったですね。

    キザミが手に入るのなら、今でもチョット吸ってみたくなりました。

    pedaru

    pedaruさん からの返信 2012/04/26 06:20:30
    RE: 私の子供の頃にも、ピー!ってありました

    黒鯛釣師さん お便り有り難うございます。

    煙草好きの黒鯛釣師さん、よく禁煙できましたね。私も何度も?禁煙してやっと定着しました。
    缶に入った両切りの「ピース」、あれは良かったですね。缶を開けると、芳しい香りが、鼻をくすぐりました。一本目は頭がクラッときましたね。

    田舎なら今でも、きざみは手に入る気がしますが、ヤメてください、チョットで何度も禁煙を失敗しています。

    pedaru
  • yukibxさん 2011/07/02 01:51:47
    煙管、松代の門そして門、モザイク
    はじめましてpedaruさん。

    旅行記を読ませていただきました。pedaruさんの世界はとても
    すてきです。

    煙管、門、モザイク。。。

    そして短いコメントにpedaruさんのお人柄が伺えます。

    この夏もよき旅を!楽しみにしています。

    yukibx

    (拙旅行記のご訪問+投票をありがとうございます。これからも徐々に
    手を入れてゆこうと思っています。)

    pedaru

    pedaruさん からの返信 2011/07/02 07:04:56
    RE: 煙管、松代の門そして門、モザイク
    はじめまして、

    女性のパリ、タイトルからしておしゃれですねえ、モチーフがいいですね。

    いろんな角度から旅を楽しむというのは、すばらしいことだと思います。

    私めの、旅行記、お褒めにいただき嬉しく思います。
  • Yattokame!さん 2011/06/17 02:38:36
    煙管
    pedaruさん

    こんにちは。

    丁寧な仕事の煙管の数々を拝見すると、技術が消えていくのが惜しく感じられます。消えていく手仕事は他にもいろいろあるのでしょう。効率をひたすら追求する時代においては、腕一本で食べていくことが難しいですね。

    Yattokame!

    pedaru

    pedaruさん からの返信 2011/06/17 07:09:35
    RE: 煙管

    Yattokame!さん  おはようございます。

    丁寧な旅行記 ときどき拝見しています。そして一度見たら忘れられない強烈な印象のyattlkame!さんのシンボル写真。

    手仕事をしている職人さんは、みな誇り高いですね。でも経済的には、その技術のわりには、恵まれていません。 ドイツのマイスターのように世の尊敬をあつめてしかるべきだとおもいます。
  • hot chocolateさん 2011/06/14 00:04:13
    見事な煙管!
    pedaruさま、こんばんは。

    初めて書き込みさせていただきます。
    pedaruさんの「腕木門シリーズ」で、何回か市川が旅行記に登場していたので、市川にお住まいなのかと、勝手に想像しておりました。

    本八幡北口周辺、私もしょっちゅう行くところです。
    但し車で通ることが多いですが・・・
    私も、市民談話室は、作品展示のため、何回か利用したことがあります。
    あの辺は再開発で、これからずいぶん変わっていくのでしょうね。

    ところで、市民談話室で煙管製作一筋の岩井三郎さんの展示があったとのことですが、市川にお住まいの方だったんですね。

    今後ともよろしくお願いいたします。

    hot chocolate

    pedaru

    pedaruさん からの返信 2011/06/14 06:36:58
    RE: 見事な煙管!

    hot chocolateさん おはようございます。

    市民談話室は職場が本八幡駅近くにあるので、銀行に行ったときなどに、前を通って、興味のある展覧会などがあると、ふっらっと、寄ってみます。

    ところで、hot chocolateさんの談話室での展示とはなんでしょう?たいへん気になるところです。 旅行記の中にヒントのかけらはありますか?

    また見せてもらいます。

    hot chocolate

    hot chocolateさん からの返信 2011/06/14 20:41:25
    RE: 見事な煙管!
    pedaruさま、こんばんは。

    >ところで、hot chocolateさんの談話室での展示とはなんでしょう?たいへん気になるところです。 旅行記の中にヒントのかけらはありますか?

    え〜、それは・・・
    内緒です♪(笑)

    hot choco
  • ひろ★ひろさん 2011/06/09 21:19:39
    お元気ですか?(^v^)
    pedaruさんこんばんは♪

    先ずは自分の旅行記への投稿ありがとうございました(^O^)

    実は自分は20代の頃(もう20年前ですが・・・笑)この街に住んでたんです。

    本八幡の駅、懐かしかったなぁ。

    またpedaruさんと行動範囲が重なる場所もあるので勝手に親近感持たせて頂いてます(^O^)


    でもこの煙管・・・いいですねぇ。
    こんな渋く歴史のあるものは知らないでいました。

    だから今回の旅行記はとっても勉強になってますヨ!

    またこれからもストイックな旅行記楽しみにしてます!!

    それではまたデス

    pedaru

    pedaruさん からの返信 2011/06/10 07:07:40
    RE: お元気ですか?(^v^)
    おはようございます。

    本八幡がなつかしい、と聞いてなんだか、嬉しくなりました。
    近年、本八幡は変貌しつつあります。高層ビルが建設され、再開発が
    進んでいます。 今も市民談話室の向かいは、ビル建設中です。

    おかげでビル風がすごく、傍の空き地に、小型の風力発電機を設置して
    自然エネルギー発電を(自然じゃあないなぁー。)したらいいのに。
    と思うほど、つねに強い風がふいています。

    この近くを傘をさして通ると、かなりの確立でオチョコになります。
    壊れた傘を捨てる人が多く、一画は傘の山で、ここは傘塚と呼ばれて
    います。(これは嘘でした。)
  • 義臣さん 2011/06/07 19:34:17
    煙管
    はじめまして

    煙管の文字に、、目が止まりました

    私も一本持っていますが

    此方のように美しさがあるものではありませんが

    それでも 知らずに磨いてみようとはじめたら

    様子がちょっと変 よく見たら 銀でした

    銀煙管、、はじめて自分の物なのに 価値を見つけ

    大事にしまってあります。

                 義臣

    pedaru

    pedaruさん からの返信 2011/06/09 06:33:00
    RE: 煙管
    おはようございます

    銀の煙管なんて素晴らしいですね。
    私が子供だった頃、面白半分に父の煙管を掃除した事があります。

    火皿に水をいれて火鉢の炭火の上に乗せ、何度も沸騰させてから、
    藁の穂を通して、ヤニをとりました。そして土などにこすりつけて、
    黒い錆びのようなものを取り、磨きました。
    真鍮の煙管がふつうでしたね。 

    父に褒められた思い出があります。

    昔の煙管は、みな手作りですから、特に銀煙管など大切になさってください。
  • わんぱく大将さん 2011/06/06 05:47:02
    ラオ屋さん
    pedaruさん

    本物の職人技と言うのは、現代生活が消して行くもののようですね。
    畳を替える、襖をはり替える(うちの実家はこの前まであって)
    又、豆腐屋さん、鍋修理、包丁研ぎ、竹やさん。私の子供の時も、当たり前のようにあったのですが。 料理にしても、包丁を使わぬとも かつら剥きできる道具もあるし。 手先の器用さは、日本人、どこにも負けないと思います。(が、しかし、私は本当に不器用で)

     大将

    pedaru

    pedaruさん からの返信 2011/06/07 05:48:20
    RE: ラオ屋さん
    おはようございます。

    相変わらず朝早くにお邪魔します。

    職人といっても、いろいろありますが、どんなに景気が良くても、手でやる仕事は限られています。反面、景気が悪くなると、仕事が少なくなって、注文の会社などから工賃を値切られるそうです。
    誇り高くて、良心的な職人は、それでも手を抜かず、自分に厳しい仕事をしています。  こんな職人さんをたくさん知っています。  「昔は職人上がり」とか「職人のくせに」などと、職人の社会的立場は低いものでしたが、近年では、収入の多少にこだわらず、生涯自分の好きな物づくりに、誇りと喜びをを見出し、大学など高等教育をうけた人々が、職人を目指している話をききます。
    職人の良いところは、腕さえ良ければ、だれに媚びることなく何処へ行っても、どんな時でも、生きていける自信を持っていることですね。

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