2011/05/17 - 2011/05/17
69位(同エリア206件中)
ハンクさん
5月17日現在、三河八橋の無量寿寺(むりょうじゅじ)は愛知県の花、杜若(かきつばた)が満開である。県内の近場にある花の名所であり、旅行記というと大げさであるが、満開のかきつばたを写真に残したいと思い、久々に立ち寄ってみた。目に留めていただければ幸いである。また5月いっぱいは満開が続くとのこと、お近くの方は可憐な青紫の花を観賞にお出かけいただきたい。公共交通機関の場合は、名鉄三河線、三河八橋駅から徒歩10分以内の距離である。
無量寿寺とは各地に存在する仏教の寺院名であり、無量寿とは量りきれない寿命の意で、阿弥陀如来の意訳であるという。関東地方に多く、茨城県鉾田市の浄土真宗本願寺派の寺院、栃木県真岡市の天台宗の寺院、埼玉県川越市の天台宗の寺院が、また岡山県岡山市には念仏宗の寺院が現存する。
愛知県知立市にある無量寿寺は、臨済宗妙心寺派の寺院。山号は八橋山。寺伝によれば、慶雲元年(704年)、慶雲寺として創建され、弘仁12年(822年)密円が現在地に移転させ、真言宗の無量寿寺として整備された。文化9年(1812年)方巌売茶(ほうがん ばいさ)翁により再建が行われ、杜若庭園もこの時完成した。境内にカキツバタを配した煎茶式庭園が造られ、境内には業平竹や杜若姫の供養塔などもあり、在原業平とのかかわりが深いことをしのばせる。寺の「杜若庭園」は,江戸時代中期の特色を示す庭園である。回遊式(1〜4段)になっていて花を見ながら庭を楽しむことができる。本堂は大正2年焼失後、大正6年に再興されている。
「から衣 きつつなれにし 妻しあれば はるばる来ぬる 旅をしぞ思ふ」、『古今和歌集』『伊勢物語』に登場する在原業平の歌である。平安の歌人、在原業平が東下りの折に「かきつばた」の5文字を句頭にいれて歌を詠んだ八橋は、伊勢物語の昔から広く知られるかきつばたの名勝地であった。特に、無量寿寺の庭園は「心」という文字を形どった「心字池、玉川庭」の様式をよく残した見事なもので、5月に庭園内の池一面にかきつばたの咲き揃った景観に魅了された。
庭園内には、在原業平を追って想い叶わずに自殺したという小野篁の娘杜若姫を祀る供養塔が、また荻生徂徠の弟子が在原業平の逸話を書き付けたという亀甲碑(八橋古碑)がある。
無量寿寺の横には、日吉山王社という神社が建てられていて興味深い。慶雲元年(704)無量寿寺の創建に際し、山門鎮護の神として日吉山王宮より勧請したという。
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 自家用車
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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無量寿寺の本殿
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イチオシ
無量寿寺に咲き誇るかきつばたの花
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無量寿寺に咲き誇るかきつばたの花
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在原業平の像
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在原業平の「から衣 きつつなれにし 妻しあれば はるばる来ぬる 旅をしぞ思ふ」の石碑
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『謡曲「杜若」と業平の和歌』の説明
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無量寿寺に咲き誇るかきつばたの花
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無量寿寺に咲き誇るかきつばたの花
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無量寿寺に咲き誇るかきつばたの花
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無量寿寺に咲き誇るかきつばたの花
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「ひともとすすき」、伊勢物語の謡曲「筒井筒」にならって植えられたというすすき
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「業平の竹」、業平の恋物語にちなむ縁結びの竹
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業平の和歌にちなむ石碑
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在原業平を追って想い叶わずに自殺したという小野篁の娘杜若姫を祀る供養塔
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荻生徂徠の弟子が在原業平の逸話を書き付けたという亀甲碑(八橋古碑)
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無量寿寺に隣接する日吉神社
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日吉神社の本殿
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日吉神社の鳥居
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