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ゴールデンウィーク最後の日曜日の5月8日、京都大原を訪れた。京都駅の観光案内所に行くと、毎月の「花だより」が入手できる。5月は、石楠花(しゃくなげ)、ぼたん、あやめ、かきつばた、藤が見ごろであるが、石楠花が見ごろの大原を訪れることにした。<br /><br />三千院は、京都市左京区大原にある天台宗の寺院、本尊は薬師如来、開基は最澄である。8世紀、最澄の時代に比叡山に建立された円融房に起源であり、以前は「円融房」が正式の寺名だった。一方、往生極楽院は、平安時代末期の12世紀から大原の地にあった阿弥陀堂であり、1871年に三千院の本坊がこの地に移転してきてから、その境内に取り込まれた。往生極楽院は入母屋造で、重要文化財、中尊の像高2.3メートルの阿弥陀三尊像(国宝)が堂内の空間一杯に安置されている。 <br /><br />往生極楽院は12世紀に建てられた阿弥陀堂で、内部には国宝の阿弥陀三尊像を安置している。庭園の石楠花はまさに満開、控えめな淡い紫色の花が、古来から日本人に愛されたのであろう。チェコから来たと言う京大の研究生は、この花が大変お気に入りだと言っていた。また、忘れな草や山つつじも満開。恐らくは紅葉の時期がもっとも賑わうのであろうが、春の花が咲き競う5月も華やかで魅力がいっぱいである。ただ、大震災の影響は顕著で、みやげ物売り場の売り子さんは、お客、特に外国人観光客が激減していることを嘆いていた。<br /><br />三千院を訪れた後、車で10分のところに寂光院がある。寂光院は天台宗の寺院、本尊は地蔵菩薩、開基(創立者)は聖徳太子と伝えられる。平清盛の娘・建礼門院が、平家滅亡後隠棲した所であり、『平家物語』ゆかりの寺として平家物語ファンを惹きつけている。<br /><br />建礼門院徳子(1155−1213)は平清盛の娘、高倉天皇の中宮で、安徳天皇の生母である。寿永4年(1185年)、壇ノ浦で平家一族が滅亡した時に海に身を投げたが、海中から救い出され、侍女の阿波内侍とともに尼となって寂光院で余生を送った。平家一門と高倉・安徳両帝の冥福をひたすら祈っていた建礼門院をたずねて後白河法皇が寂光院を訪れるのは文治2年(1186年)のことで、この故事は『平家物語』の「大原御幸」の段において語られ、物語のテーマである「諸行無常」を象徴するエピソードとして印象深い。高校時代に読んだ(読まされた)この段は、古文の教師の大野先生のお気に入りで、先生の講義が鮮明に思い出された。<br /><br />本堂は淀殿の命で片桐且元が慶長年間(1600年ころ)再興したものであったが、残念なことに平成12年(2000年)5月9日の放火で焼失した(寂光院放火事件、犯人未逮捕のまま2007年5月9日公訴時効成立)。この際、本尊の地蔵菩薩立像(重文)も焼損し、堂内にあった建礼門院と阿波内侍の張り子像(建礼門院の手紙や写経を使用して作ったものという)も焼けてしまった。現在の本堂は平成17年(2005年)6月再建された。同時に新しく作られた本尊や建礼門院と阿波内侍の像も安置されている。<br /><br />寂光院の庭園には石楠花はないが、山つつじが満開、またあじさいも一部咲き始めていた。まぶたを閉じると、建礼門院、後白河法皇を始め、この寺を訪れたであろう秀吉、淀君など古の歴史の主人公が語りかけてくるようであった。<br />

五月晴れの京都、大原:三千院の石楠花、寂光院の山つつじ

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2011/05/08 - 2011/05/08

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ゴールデンウィーク最後の日曜日の5月8日、京都大原を訪れた。京都駅の観光案内所に行くと、毎月の「花だより」が入手できる。5月は、石楠花(しゃくなげ)、ぼたん、あやめ、かきつばた、藤が見ごろであるが、石楠花が見ごろの大原を訪れることにした。

三千院は、京都市左京区大原にある天台宗の寺院、本尊は薬師如来、開基は最澄である。8世紀、最澄の時代に比叡山に建立された円融房に起源であり、以前は「円融房」が正式の寺名だった。一方、往生極楽院は、平安時代末期の12世紀から大原の地にあった阿弥陀堂であり、1871年に三千院の本坊がこの地に移転してきてから、その境内に取り込まれた。往生極楽院は入母屋造で、重要文化財、中尊の像高2.3メートルの阿弥陀三尊像(国宝)が堂内の空間一杯に安置されている。

往生極楽院は12世紀に建てられた阿弥陀堂で、内部には国宝の阿弥陀三尊像を安置している。庭園の石楠花はまさに満開、控えめな淡い紫色の花が、古来から日本人に愛されたのであろう。チェコから来たと言う京大の研究生は、この花が大変お気に入りだと言っていた。また、忘れな草や山つつじも満開。恐らくは紅葉の時期がもっとも賑わうのであろうが、春の花が咲き競う5月も華やかで魅力がいっぱいである。ただ、大震災の影響は顕著で、みやげ物売り場の売り子さんは、お客、特に外国人観光客が激減していることを嘆いていた。

三千院を訪れた後、車で10分のところに寂光院がある。寂光院は天台宗の寺院、本尊は地蔵菩薩、開基(創立者)は聖徳太子と伝えられる。平清盛の娘・建礼門院が、平家滅亡後隠棲した所であり、『平家物語』ゆかりの寺として平家物語ファンを惹きつけている。

建礼門院徳子(1155−1213)は平清盛の娘、高倉天皇の中宮で、安徳天皇の生母である。寿永4年(1185年)、壇ノ浦で平家一族が滅亡した時に海に身を投げたが、海中から救い出され、侍女の阿波内侍とともに尼となって寂光院で余生を送った。平家一門と高倉・安徳両帝の冥福をひたすら祈っていた建礼門院をたずねて後白河法皇が寂光院を訪れるのは文治2年(1186年)のことで、この故事は『平家物語』の「大原御幸」の段において語られ、物語のテーマである「諸行無常」を象徴するエピソードとして印象深い。高校時代に読んだ(読まされた)この段は、古文の教師の大野先生のお気に入りで、先生の講義が鮮明に思い出された。

本堂は淀殿の命で片桐且元が慶長年間(1600年ころ)再興したものであったが、残念なことに平成12年(2000年)5月9日の放火で焼失した(寂光院放火事件、犯人未逮捕のまま2007年5月9日公訴時効成立)。この際、本尊の地蔵菩薩立像(重文)も焼損し、堂内にあった建礼門院と阿波内侍の張り子像(建礼門院の手紙や写経を使用して作ったものという)も焼けてしまった。現在の本堂は平成17年(2005年)6月再建された。同時に新しく作られた本尊や建礼門院と阿波内侍の像も安置されている。

寂光院の庭園には石楠花はないが、山つつじが満開、またあじさいも一部咲き始めていた。まぶたを閉じると、建礼門院、後白河法皇を始め、この寺を訪れたであろう秀吉、淀君など古の歴史の主人公が語りかけてくるようであった。

同行者
家族旅行
一人あたり費用
1万円未満
交通手段
自家用車
旅行の手配内容
個別手配
  • わすれな草も満開

    わすれな草も満開

  • 山つつじも満開

    山つつじも満開

  • 三千院参道の茶店の中庭

    三千院参道の茶店の中庭

  • 大原女祭りで大原女に扮する観光客

    大原女祭りで大原女に扮する観光客

  • 三千院御殿門

    三千院御殿門

  • 往生極楽院の縁側と庭園

    往生極楽院の縁側と庭園

  • 往生極楽院本殿

    往生極楽院本殿

  • 往生極楽院(重要文化財)の中には阿弥陀三尊像(国宝)

    往生極楽院(重要文化財)の中には阿弥陀三尊像(国宝)

  • 往生極楽院庭園の地蔵

    往生極楽院庭園の地蔵

  • 満開の石楠花

    満開の石楠花

  • 往生極楽院の参道

    往生極楽院の参道

  • わらべ地蔵

    わらべ地蔵

  • 満開の石楠花

    イチオシ

    満開の石楠花

  • 金色不動堂

    金色不動堂

  • 観音堂

    観音堂

  • 庭園の一角にある湧水

    庭園の一角にある湧水

  • 庭園のもみじ

    庭園のもみじ

  • 寂光院入り口

    寂光院入り口

  • 寂光院門

    寂光院門

  • 山つつじが満開の寂光院

    山つつじが満開の寂光院

  • 寂光院本殿

    寂光院本殿

  • 諸行無常の鐘楼

    諸行無常の鐘楼

  • 寂光院本堂

    寂光院本堂

  • 弧雲(茶室)

    弧雲(茶室)

  • 庭園に咲く白い花

    庭園に咲く白い花

  • 豊臣秀吉家寄進の鉄燈籠

    豊臣秀吉家寄進の鉄燈籠

  • 満開の山つつじと本殿

    満開の山つつじと本殿

  • 鉢に植えられた花も満開

    鉢に植えられた花も満開

  • 庭園内の四方正面の池

    庭園内の四方正面の池

  • 紫陽花も一部咲きかけている

    紫陽花も一部咲きかけている

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