学術的には重要だけど観光的には余り有名ではない、地獄のように暑いエルタヒン遺跡へ行ってきました。

2011/04/20 - 2011/04/20

メキシコの多くのピラミッド遺跡中でも四角い窓の様な壁ガンを備えた特異なピラミッドがあることで有名なEl Tajin（エル・タヒン）遺跡を訪問しました。
メキシコ湾岸に近く湿度が高く、また暑期の最中とあって、気温が39度を超えている中での遺跡公園散策は地獄のような暑さとの我慢比べとなりました。
発掘済みの遺跡は未だ全体の１０％程度との事ですが、充分広い範囲に沢山の遺跡群があり、規模から言ってパレンケに匹敵するのではないかと思います。紀元600～1200年に栄えたと言われるので、テオティワカンの最盛期の後頃から発展した都市国家のようです。

メキシコ市を含め近隣主要都市からも離れており、アクセスが便利ではないので観光地としてはそれ程有名ではないが、考古学的な価値はかなり高いらしいです。

エリア エルタヒン遺跡周辺(メキシコ)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.5
• 交通: 2.5

• 同行者: 家族旅行
• 旅行の手配内容: 個別手配

ロケーションがメキシコ市から車で行っても飛行機で行っても余り便利な場所でない為か、他の有名な遺跡と比べて訪問する観光客はそれ程多くは無いようだが、INAH（メキシコ歴史考古学研究機構）での扱いが高いのは遺跡公園の設備が充実していることでもよく判る。
これは遺跡公園に立ち入って直ぐの景色。
観光的にはイマイチでも歴史的な重要性としてはかなり高い水準なのでしょう。

石畳の通路、多くの建造物、ピラミッド群が直ぐに目に入ってくる。

未だ全体の10％程度しか発掘されていないと聞いた。
気温は既に38度程まで上昇し、少し歩く度に木陰を探しながら歩く身になれば、広場の様な日差しを遮る物の無いこんな場所は早く通過したいが、規模が大きいので結構な距離になる。

エル・タヒンでは何と合計17カ所！の球戯場遺跡が発掘されていると聞いているが、これは最初の一つ。
この遺跡の球戯場の特徴はボールを通す石で出来た輪っかが球戯場の両サイド壁面に存在しない事だそうで、天然ゴムのボールを使った古代球技の初期の様子を伝える遺跡だそうである。

これが壁ガンの遺跡の原型かも知れないピラミッド。
四角い段々が続く。
エジプトでは階段ピラミッドが初期段階で後期程滑らかな傾斜になるが、メキシコでは逆だったのかも？

右手奥が有名な壁ガンのピラミッド。この景色は遺跡公園の５％にも満たない範囲を見ているので、まだ１０％程度しか発掘されていないのであれば、この写真の景色は全体の０．５％程という事になる。此処は中央広場

壁ガンのピラミッドを横から見た所。小窓の様な四角な窓口が沢山ある。

これが正面から見た景観。
四角い窓跡が続く。

広場の先には別の球戯場と思われる遺跡がある。

これも別の球戯場。
此れまで1か所の遺跡で此れ程沢山の球戯場を備えた処は見た事が無い。
どれだけ球技が好きだったのか？プロかしらん？

縁が外部に出っ張っている遺跡構造。
オーバーハングしているタルー・タブレロ構造はメキシコでも此処エル・タヒンにしか未だ発見されておらず、珍しい構造です。

少し高台になった所から壁ガンのピラミッド方向を眺める。
ピラミッド状の建築物がとても密接して隣接しているのは余り例がない。

北球技場を背景に。
暑いので帽子を用意していかないと大変！

タヒン・チコと呼ばれる場所。屋根があるところは壁画が保存されている所

壁画の色がよく残っていますね。

緑色の顔料が良く残っています。

タヒン・チコの神殿跡

この遺跡に残るアステカ・アーチ

40℃近い暑さの中では歩いている人全てがトボトボと歩いている様に見えます（笑）
少しでも歩く速度を上げると汗が吹き出します。

レリーフが残る球戯場の一角

レリーフの拡大写真

皆、暑くてバテています。

この遺跡は比較的建物の密度が高く、他の遺跡に比べても建て込んでいるといってよい程沢山の建築物があります。
また、大きな道路通路で各建物が計画的に結ばれていると言う形跡も無く、雑然とどんどん建て増して行ったかの様です。
遺跡を一周する間に1L程の水はすっかり無くなり、遺跡見学の後にはKioscoでアイスキャンディーを買い込んで食べました。