『燃える大地』＜ゴンドワナの大陸を旅して＞（１９２）グリフィン湖に向かって。

2010/04/25 - 2010/05/10

同じ人工の都市で、つくば市とキャンベラ市の大きな違いは町の真ん中に大きな湖があるかないかにある。この町を二分するキャンベラ湖、いやグリフィン湖。Ｌａｋｅ　Ｂｕｒｌｅｙ　Ｇｒｉｆｆｉｎ．この地球が正に水の惑星で、殆ど荒野に近かった豪州大陸内陸部を広大な牧草地に変え、沿岸部を緑豊かな人工都市に作り上げたのはこの水の力に他ならない。水の価値を最も良く理解している開拓者達は、その国権の最高機関の、その心臓に当たる位置にこんこんと湧き出る人工の泉を配置した。涸れることの無い泉。泉から流れ出た泉水は、Ｃａｐｉｔａｌ　Ｈｉｌｌ正面にせせらぎを作り、更にその丘から流れ落ちた清水は丘の下に広がる各省庁の前の数々の池を満たし、最後はこのグリフィン湖に注ぎいる。

この町の偉大な設計者、Ｂｕｒｌｅｙ　Ｇｒｉｆｆｉｎ．この泉に彼の名前が冠せられているのは至極当然のことかも知れない。凄く大きくて、水の澄んだ湖。日本で言えばそう上野の池や井の頭の約３０倍、日本で３番目に大きい浜名湖の約三分の一、出雲の宍道湖程の大きさがある。この池が人工のものとは、知っていなければ誰も分からないだろう。全く自然の造形として作られている。

ビジネス街と政治行政地区とこの湖が町を二分し、二つの町を結ぶコモンウエルスの橋の袂には高さ１５０ｍ程にも上がるジェット噴水があり、間欠泉のように時々吹き上がる。湖には遊覧船、レガッタ、ボート、スピードボート、流石に釣り人は見えない。が代わりに黒鳥、白鳥、スワンが優雅に群れを成している。これ程素晴らしい人工の都市が世界のどこにあるだろうか・・。

残念でならないのは、この美しい湖の写真、動画、１００枚以上が、以前使用していたパソコンに収められ、そのパソコンが１２月末に壊れた結果、取り出せなくなってしまったことだ。まあ、そういうこともあるだろう。が、自身の眼底に十分焼き付けてあるから、それでも良い。残念でならないが・・・。

エリア キャンベラ(オーストラリア)

• 旅行の満足度: 4.0

Capital Hillの麓には幾つかの省庁があるが、その多くが前に大きな池を備えている。

アボリジニの作品になるのかどうかは分からないが、省庁の前にはこうしたオブジェなども置かれている。

これなども良く分からないオブジェ。

こうした日本風の置石などもある。

さてグリフィン湖に向かって歩く。

この切通しを通り湖に向かう。切通しの両側は博物館になっている。

狭き門より入れ、を地で行く構造。

今日は５月９日、Ｍｏｔｈｅｒ’ｓ　Ｄａｙ．多くの市民が湖の周りをパレードしていた。

声も立てず、騒音も無く、数千人の市民が手をつなぎ、ただ黙々と、ゆっくり歩いていた。誠に良いデモ行進だ。

グリフィン湖に浮かぶ遊覧船。