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――― 飛行機がゆっくりと滑走路を滑り始め、離陸するまでの時間が好きだ。重い機体がふわっと宙に浮く瞬間、無条件の開放感を感じる。リクエストした窓際の席で外の景色を見ながら、いつの間にか自分の心の中を見つめている。外が曇っているので、残念ながら下界が見えるのも束の間だろう。寝ないで出てきたので、まもなく睡魔が訪れるに違いない。<br /><br /> 2年ぶりに降り立ったモスクワ・シェレメーチェボ第2空港は、到着口からの通路に外からの光が入るようになって驚くほど明るくなっていた。気の滅入るような薄暗い照明がトレードマークのようでもあったのだが、これで外国人にとってのモスクワの第一印象はかなり変わるに違いない。ロシアもずいぶんと変わってきたものだ。<br /><br /> トランジットカウンターを通り、4時間半後のキエフ行きの便を待つ。とはいえ、初っ端から免税店でお土産を買い込むわけにもいかないし、うろうろしながら一人で時間をつぶすのはなかなか容易ではない。そこで、2階に上がってカフェに入り、ワインを注文して今回の旅程をさらうことにした。しばらくして、少しの間自分の荷物を見ていてほしい、と頼んできたシリア人の男性と世間話などしていると、意外に早く搭乗時刻が近づいてきた。モスクワ21:50発、離陸する頃ちょうど夕日が美しかった。<br /><br /> 1時間45分後にキエフに到着、パスポートコントロールで待つこと1時間、税関では申告書と財布の中身を調べられ、お土産にたばこやお酒は持っていないかとしつこく聞かれ、やれやれと少々うんざりしながら出口を出ると送迎のドライバーが待っていてくれてほっとした。自分で手配していても、やはり顔を合わせるまでは不安がないとはいえないものである。飛行機を乗り継いで夜遅く到着した時の送迎車はとてもありがたい。

素顔のロシア旅行記 キエフ~サンクトペテルブルグ(1)

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2005/05/15 - 2005/05/23

213位(同エリア272件中)

    3

    JIC旅行センター

    JIC旅行センターさん

    ――― 飛行機がゆっくりと滑走路を滑り始め、離陸するまでの時間が好きだ。重い機体がふわっと宙に浮く瞬間、無条件の開放感を感じる。リクエストした窓際の席で外の景色を見ながら、いつの間にか自分の心の中を見つめている。外が曇っているので、残念ながら下界が見えるのも束の間だろう。寝ないで出てきたので、まもなく睡魔が訪れるに違いない。

     2年ぶりに降り立ったモスクワ・シェレメーチェボ第2空港は、到着口からの通路に外からの光が入るようになって驚くほど明るくなっていた。気の滅入るような薄暗い照明がトレードマークのようでもあったのだが、これで外国人にとってのモスクワの第一印象はかなり変わるに違いない。ロシアもずいぶんと変わってきたものだ。

     トランジットカウンターを通り、4時間半後のキエフ行きの便を待つ。とはいえ、初っ端から免税店でお土産を買い込むわけにもいかないし、うろうろしながら一人で時間をつぶすのはなかなか容易ではない。そこで、2階に上がってカフェに入り、ワインを注文して今回の旅程をさらうことにした。しばらくして、少しの間自分の荷物を見ていてほしい、と頼んできたシリア人の男性と世間話などしていると、意外に早く搭乗時刻が近づいてきた。モスクワ21:50発、離陸する頃ちょうど夕日が美しかった。

     1時間45分後にキエフに到着、パスポートコントロールで待つこと1時間、税関では申告書と財布の中身を調べられ、お土産にたばこやお酒は持っていないかとしつこく聞かれ、やれやれと少々うんざりしながら出口を出ると送迎のドライバーが待っていてくれてほっとした。自分で手配していても、やはり顔を合わせるまでは不安がないとはいえないものである。飛行機を乗り継いで夜遅く到着した時の送迎車はとてもありがたい。

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    • ■緑あふれるキエフ<br /><br /> ホテルで一晩ぐっすり眠って朝起きると、すっかり体はキエフ時間になじんでいた。朝食後、よく晴れた市内へ出かける。今日のメインはぺチェールスカ大修道院、ソフィア大聖堂、メインストリートのフレシャーチク通りとウラジーミル通り周辺。2泊の滞在だが、実質的な観光の時間は丸一日とみて精力的に廻らなければいけない。尋ね歩いてたどりついたバス停から24番のバスに乗って行った。<br /><br /> 後で気づいたのだが、修道院には私は正面入り口ではないところから入ったらしかった。長い坂道を下っていても切符売り場らしきものがなかったのだが、敷地内に入っていることに違いなさそうだったので、構わず先に進んだ。ここでは観光客もずいぶん見かけたが、頭にスカーフを被って黙々と歩いている巡礼者の多いこと。年齢もさまざまで、皆どこからか集まってくる。静かな面持ちの若い女性たちの凛とした美しさが印象的だった。特別な祭事なのか日常の礼拝なのかわからなかったが、途中で黒い服の修道士たちと祈りの言葉を唱えながらそれに続く巡礼者の一行に出会った。<br /><br />世界遺産にも登録されている修道院であるが、観光地でなく聖地であるのだと改めて感じた。ヨーロッパなどで教会に行くと、郷に入れば・・・の心得で周囲に倣ってみることも多いのだが、ここではどうしてもそれができず、巡礼者に会うと邪魔をしないようにと脇に寄ってしまった。無論、それで疎ましがられるようなこともなかった。<br /><br /> 小道では若い修道士が携帯電話で小声で話をしている姿をよく見かけた。恋人と語らっているのだろうか、とても絵になる光景だった。カトリックとはこんなところでも違う。聖堂をめぐり、昔修道僧が掘った洞窟の地下墓地へ参り、満開のライラックやタンポポ、ゼラニウムなどの花を愛で、ドニエプル川を眺めながらしばらく時間をすごした後に、修道院を後にした。せっかくだから、帰りはしばらく川沿いの高台の緑地帯を歩きながらメトロの駅へ向かった。

      ■緑あふれるキエフ

       ホテルで一晩ぐっすり眠って朝起きると、すっかり体はキエフ時間になじんでいた。朝食後、よく晴れた市内へ出かける。今日のメインはぺチェールスカ大修道院、ソフィア大聖堂、メインストリートのフレシャーチク通りとウラジーミル通り周辺。2泊の滞在だが、実質的な観光の時間は丸一日とみて精力的に廻らなければいけない。尋ね歩いてたどりついたバス停から24番のバスに乗って行った。

       後で気づいたのだが、修道院には私は正面入り口ではないところから入ったらしかった。長い坂道を下っていても切符売り場らしきものがなかったのだが、敷地内に入っていることに違いなさそうだったので、構わず先に進んだ。ここでは観光客もずいぶん見かけたが、頭にスカーフを被って黙々と歩いている巡礼者の多いこと。年齢もさまざまで、皆どこからか集まってくる。静かな面持ちの若い女性たちの凛とした美しさが印象的だった。特別な祭事なのか日常の礼拝なのかわからなかったが、途中で黒い服の修道士たちと祈りの言葉を唱えながらそれに続く巡礼者の一行に出会った。

      世界遺産にも登録されている修道院であるが、観光地でなく聖地であるのだと改めて感じた。ヨーロッパなどで教会に行くと、郷に入れば・・・の心得で周囲に倣ってみることも多いのだが、ここではどうしてもそれができず、巡礼者に会うと邪魔をしないようにと脇に寄ってしまった。無論、それで疎ましがられるようなこともなかった。

       小道では若い修道士が携帯電話で小声で話をしている姿をよく見かけた。恋人と語らっているのだろうか、とても絵になる光景だった。カトリックとはこんなところでも違う。聖堂をめぐり、昔修道僧が掘った洞窟の地下墓地へ参り、満開のライラックやタンポポ、ゼラニウムなどの花を愛で、ドニエプル川を眺めながらしばらく時間をすごした後に、修道院を後にした。せっかくだから、帰りはしばらく川沿いの高台の緑地帯を歩きながらメトロの駅へ向かった。

    •  キエフのソフィア大聖堂は、市の中心近くにある。世界史の教科書で見て以来憧れていた緑のクーポラ。キエフはロシアの発祥の地である。聖堂の中には11世紀のフレスコ画が残っている。じっと眺めて古い時代にチャンネルを合わせてみようとしてみた。ロシアで聖堂を見ていてよく思うのだが、正教の教会は派手で華やかな外観と、内部の聖像画やイコンの重厚さとのギャップがとても大きく、聖堂の中に入ると大抵外見から受けた印象を裏切られる。だから、ユニークな建築物として外観だけを見てカメラに収めて通りすぎるのは、とてももったいないことだと思う。私は信者ではないが、ロシアに行くと少しゆっくりと古い聖堂の中で時間をすごすことが多い。<br /><br /> 続いて、ウラジーミル通りを歩いてアンドレイ教会へと向かった。こちらはイタリア人の設計によるもので、明るい水色のエレガントな教会である。そこからはアンドレイ坂と呼ばれる下り坂が続いており、一見、普通の土産物や通りにも見えるのだが、絵や、木の小箱、民芸品など自作の物を売っている芸術家たちの集まっているところで、一つ一つ見て歩くととても愛着を感じるものが多くて楽しい。脇にはオープンカフェがあり、なかなかおしゃれなエリアだ。カフェに目のない私は、迷わずエスプレッソで一服した。そのアンドレイ坂を下りきると、下町地区になり、またそこを抜けるとドニエプル川沿いに出る。次に目指すのはドニエプル川の遊覧である。<br /><br /> 船の入り口で切符を買って2階のデッキ席へ。同席の旅行者らしい若い女性がビールを買ってきてゆっくりと楽しんでいるのを見て、私も真似をすることにした。ドイツ出身で、今ウクライナのリボフで働いているという彼女は英語が話せず、やむなく片言のロシア語で話をすることになった。とはいえ、彼女がニコニコと話してくれることの半分くらいは、ただニコニコしながら相槌を打っていただけだったのだが・・・。同じく水辺が大好きだという彼女と一緒に、私たちは陽の傾きかかったドニエプル川からの眺めを堪能しながら1時間ほどの素敵な船旅はあっという間に終わってしまった。

       キエフのソフィア大聖堂は、市の中心近くにある。世界史の教科書で見て以来憧れていた緑のクーポラ。キエフはロシアの発祥の地である。聖堂の中には11世紀のフレスコ画が残っている。じっと眺めて古い時代にチャンネルを合わせてみようとしてみた。ロシアで聖堂を見ていてよく思うのだが、正教の教会は派手で華やかな外観と、内部の聖像画やイコンの重厚さとのギャップがとても大きく、聖堂の中に入ると大抵外見から受けた印象を裏切られる。だから、ユニークな建築物として外観だけを見てカメラに収めて通りすぎるのは、とてももったいないことだと思う。私は信者ではないが、ロシアに行くと少しゆっくりと古い聖堂の中で時間をすごすことが多い。

       続いて、ウラジーミル通りを歩いてアンドレイ教会へと向かった。こちらはイタリア人の設計によるもので、明るい水色のエレガントな教会である。そこからはアンドレイ坂と呼ばれる下り坂が続いており、一見、普通の土産物や通りにも見えるのだが、絵や、木の小箱、民芸品など自作の物を売っている芸術家たちの集まっているところで、一つ一つ見て歩くととても愛着を感じるものが多くて楽しい。脇にはオープンカフェがあり、なかなかおしゃれなエリアだ。カフェに目のない私は、迷わずエスプレッソで一服した。そのアンドレイ坂を下りきると、下町地区になり、またそこを抜けるとドニエプル川沿いに出る。次に目指すのはドニエプル川の遊覧である。

       船の入り口で切符を買って2階のデッキ席へ。同席の旅行者らしい若い女性がビールを買ってきてゆっくりと楽しんでいるのを見て、私も真似をすることにした。ドイツ出身で、今ウクライナのリボフで働いているという彼女は英語が話せず、やむなく片言のロシア語で話をすることになった。とはいえ、彼女がニコニコと話してくれることの半分くらいは、ただニコニコしながら相槌を打っていただけだったのだが・・・。同じく水辺が大好きだという彼女と一緒に、私たちは陽の傾きかかったドニエプル川からの眺めを堪能しながら1時間ほどの素敵な船旅はあっという間に終わってしまった。

    •  翌朝は、出発の前にもうひと行動しようと、早起きをして出かけた。前日はなかなか慣れず、ホテルに戻るまで散々迷ったものだが、2日目になるとかなりスムーズなのがうれしかった。もうお昼過ぎには去らなければならなかったのだが・・・。メトロに乗ってドニエプル川の東岸へ行ってみた。メトロは川を渡る前から地上を走り、「ドニエプル」「水辺公園」「左岸」といった川に関わる名前の駅が続く。<br /><br /> 中心地へ戻り、最後に遊覧船乗り場の近く「ポシトヴァ・プロシチャ」からケーブルカーに乗ってみた。3-4分でミハイロフ広場に着くと、目前に緑にかこまれた美しい水色の聖堂が現れ、思わずため息が出た。思わぬところに宝物を見つけた気分だった。できれば少しゆっくり浸っていたかったのだが、時間が迫っていたので後ろ髪をひかれつつ先を急いだ。<br /><br /> キエフには今回初めて訪れたのだが、5月中旬のこの時期は、街路樹のマロニエやライラックの花が満開、道端も花壇も花盛りで非常に美しかった。きっとまた来よう・・・と思いながら、迎えに来てくれたドライバーと共にキエフ・ボリスポリ空港へと向かった。<br /><br />http://www.jic-web.co.jp/study/jclub/info.html

       翌朝は、出発の前にもうひと行動しようと、早起きをして出かけた。前日はなかなか慣れず、ホテルに戻るまで散々迷ったものだが、2日目になるとかなりスムーズなのがうれしかった。もうお昼過ぎには去らなければならなかったのだが・・・。メトロに乗ってドニエプル川の東岸へ行ってみた。メトロは川を渡る前から地上を走り、「ドニエプル」「水辺公園」「左岸」といった川に関わる名前の駅が続く。

       中心地へ戻り、最後に遊覧船乗り場の近く「ポシトヴァ・プロシチャ」からケーブルカーに乗ってみた。3-4分でミハイロフ広場に着くと、目前に緑にかこまれた美しい水色の聖堂が現れ、思わずため息が出た。思わぬところに宝物を見つけた気分だった。できれば少しゆっくり浸っていたかったのだが、時間が迫っていたので後ろ髪をひかれつつ先を急いだ。

       キエフには今回初めて訪れたのだが、5月中旬のこの時期は、街路樹のマロニエやライラックの花が満開、道端も花壇も花盛りで非常に美しかった。きっとまた来よう・・・と思いながら、迎えに来てくれたドライバーと共にキエフ・ボリスポリ空港へと向かった。

      http://www.jic-web.co.jp/study/jclub/info.html

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