２０１１　御所南エリアはイタリアン激戦区　～１km四方内の11店を巡ってみました～

2011/04/19 - 2011/04/19

本旅行記は２０１１年用です。
２０１３年用はこちら↓をご覧ください。
　http://4travel.jp/traveler/molm/album/10750815/


何処の都市部でも珍しい話でないでしょうが、京都市内でも
ご他聞に漏れず、飲食店が集中していたりします。
最も多いのは、南北が御池通～四条通、東西が河原町通～
烏丸通のエリア、若しくは木屋町界隈、祇園界隈でしょう。
molm個人的に注目しているのは以下の約１km四方です。

　　――――丸太町通―――――　　　　↑
　｜　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜　　 北
　烏　　　　　　　　　　　　　　　　　　河
　丸　　　　　　　　　　　　　　　　　　原
　通　　　　　　　　　　　　　　　　　　町
　｜ 　　　　　　　　　　　　　　　　　 通
　｜　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜
　　―――――御池通―――――　

このエリアは京都御所の南に位置し、南東角には京都市役所が
ありまして、御池通の北になると観光客の人通りが減少します。
この辺りを隈なく歩いていると、数多くの飲食店が見受けられ、
その中でもイタリアンが11店も見つかりました。

ただ、残念なことに2012年8月20日で③ビベロンが閉店、
2012年中に⑪伊太利亜 番菜食堂 Kannaが閉店しました。
閉店したものの、敢えて旅行記内には残しておきます。

当初は旅行記として企画するつもりはなかったのですが、数軒
回ってみると各々に特性があり、では全てランチで頂いて11店
紹介してみようと考えました。
（一部の店には｢イタリアン祭りをする｣と伝えてあります）

本旅行記は各店の優劣や順位は関係なく展示し、ガイドブックや
タウン誌が(広告などの関係で)できない企画としてご案内します。
少しでも皆様の参考になれば幸いです。
では、ご覧になってやってください。

エリア 二条・烏丸・河原町(京都)

エクセルで地図を作成してみました。
かなり簡素化し、距離感は必ずしも一致しない
ものの、東西･南北のどの通りになるかを目安に
するため、こんな地図で参考になれば幸いです。

①イタリア食堂コロンボ
②チポラ
【閉店】③ビベロン
④PASTA COLLECTION HOUSE 道月
⑤クレメンティア
⑥ジォカトーリ
⑦オステリア･オマッジオ
⑧ストラーダ
⑨Cucina Italiana 東洞
⑩トラモント
【閉店】⑪伊太利亜 番菜食堂 Kanna

①イタリア食堂 コロンボ
京都市中京区河原町通竹屋町上ル大文字町242-4
　075-241-0032
12:00～14:30 18:00～22:00 水曜定休

場所は河原町通竹屋町上ル西側で、河原町丸太町
交差点から南へ200m程です。
最寄駅は京阪電鉄:神宮丸太町駅で、京都市地下鉄
:京都市役所前駅からでも徒歩10分程度です。
ガラスの鳩のイラストが目印です。

2009年12月訪問

2009年9月11日にオープンしたイタリアンです。
16席とこじんまりしていますが、コロンボ(森鳩)
のＴシャツ着用の男性２名を中心に切り盛りして
いる模様。
スタッフの方が有名店カーサビアンカを経て独立し
イタリアンをリーズナブルに提供されています。
パスタがメインですが一品料理もあり、夜はワインを
飲みながら軽く摘むっていうのもアリでしょうね。
一方ランチは1,200円のみですが、パスタは２種類･
珈琲or紅茶、＋300円で５種類前後からデザートが
選択可能です。

今回はランチで、海老とトレビスのオイルソースの
パスタ、飲み物はエスプレッソ、追加のデザートで
タルトタタンを注文。
先に前菜が出てきて、パスタが出来るまで摘みながら
待つ方式。
手前下から時計回りに、マグロのカルパッチョ･アサリ
のオリーブオイル和え･トマト＆モッツァレラチーズ･
生ハムのサラダ･野菜のラタトゥーユ･キッシュ･
ズッキーニ･鶏レバーペースト塗りのパン。
彩りもあり、手が込んでるため、お得感がある気分。
パスタはシンプルな味付けになっており、トレビスの
シャキシャキ感と苦味がオイルや白ワインと融合し、
食べやすくなっています。
※トレビスはキク科で、見た目が似ている紫キャベツ
　とは異なる
追加したタルトタタンは、リンゴがしっかり味が染み
込んでおり、底のパイ生地のサクッとした食感が楽しめ
エスプレッソにも良く合いました。

イタリア語で森鳩(平和の象徴)という店名通り、肩肘
張らず気軽に立ち寄れそうです。
実際、一人客も多かったですし、カウンターもあること
から選択肢が増えることは個人的にありがたいです。
スタッフの方は忙しそうですが、ナイフ･フォークは
気軽に取替可能、支払いは席で清算、お見送りありと
価格帯の割にはサービスが良い感じがしました。
グラスワインも600円〜とリーズナブルですよ。

②チポラ
京都市中京区麩屋町通二条下ル尾張町217
　サンロータス池治１Ｆ 　075-221-6334
11:00～15:00　17:00～22:00　火曜定休
http://www.cipolla.junfoodservice.com/

場所は麩屋町通二条下ル西側のマンション１階にあり
京都市役所の西側の寺町通から更に西へ2筋、北へ
2筋目の手前で、京都市地下鉄:京都市役所前駅から
徒歩５分程度です。

2010年8月訪問

チポラ グルメ・レストラン

店の歴史は40年以上ありますが、2008年に300mほど
北に移動･リニューアルしたイタリアン。
京都のイタリアン業界では創生期３店のうちの一つで
かつてはカーサビアンカ(ここも創業30年以上)の
オーナーシェフが修行をされていました。
現在はオーナーの甥がサービスマンとして中心に
切り盛りし、創業以来シェフは３人ほど替わっている
ようです。
ランチは1,000円･1,600円･2,500円とあり、ディナーは
4,800円と6,500円のコースがあります。
（アラカルトも可能）
またランチはパスタ３種類orピッツァで１つ選択可能。

今回はBランチ(1,600円)を注文し、タリアッテーレ
(きしめん状)の手打ちパスタ･紅茶を選択。
前菜はプロシュート･ピクルス･鴨スモーク･キノコの
マリネ･トマトの煮込み･フリッタータ(キッシュ)とあり
特に鴨スモークが美味。
フリッタータはスライスポテトを挟んである芸の
細かさもあります。
手打ちパスタはサーモンと焼ナスのレモンクリーム
ソースで茄子が
アクセントになる中、レモンを絞ると更に風味が
増しました。
ドルチェはボネ(北イタリアのココアプリン)･いよかん
ジェラート･パンナコッタで、硬めのボネと柔らかい
パンナコッタが対称的。

創業当時は、イタリアンバールの要素もあったためか
移転した今でもカウンターがあったり、イスは創業時
から引き継いでいたりとシェフが代替わりしても店の
伝統を残しているようにも思えます。
それでいてゆる〜いブログがあったりと気軽に利用
できる感じもしますがね。
http://cipollabg.junfoodservice.com/

【閉店】

③biberon -la cucina itariana-

2010年9月訪問

【閉店】

京都市役所から程近い所にあるイタリアンレストラン
で、2009年に20席程度の店をオープン。
店名のbiberonは哺乳瓶を意味しますが、俗語として
大酒飲みを表わすんだとか。
シェフを中心にチーム･ビベロンを結成し、ＨＰで
メンバーを紹介されています。
隊長のシェフは二度の渡伊修行も含め20年ほどの
キャリアを持ち、腕を振舞われています。
ランチは2,000円〜、ディナーコースは5,000円〜。

今回はランチで、前菜は野菜テリーヌ、パスタは
バジリコペーストのジェノバ風、ドルチェは
カッタラーナ、ドリンクはハーブティーを選択。
最初に素朴な味、とうもろこしスープが出てきます。
次のいろいろな野菜とフルーツと海の幸のテリーヌは
色鮮やかで、キュウリ･パプリカ・桃･サーモン･
ズッキーニ･人参･ヤングコーンと盛り沢山。
バジリコペーストのスパゲッティジェノバ風は空豆と
ジャガイモが入っており、ソースがパスタに絡んで
いました。
ドルチェのカッタラーナとは凍らせたプリンを指し、
オレンジ風味のキャラメリゼに仕上がっています。
ハーブティーはカモミールとフルーツフレーバー。

この店の魅力はメニューの豊富さ(ランチでも8種類の
パスタ)に加えテリーヌの鮮やかさにあります。
このテリーヌはアシスタントシェフ自慢の一品で、
前菜はテリーヌがもう１種類ございます。
パーティーは30名まで対応可能なんだとか。
また畑を借りてビベロン農園を設け、店のメニューに
合う野菜作りに勤しむなど、拘りを感じられる店です。

【閉店】

④PASTA COLLECTION HOUSE 道月
京都市中京区麩屋町通押小路南東角橘町616
　075-253-1185
11:30～15:00　17:30～23:00　火曜定休
月曜が祝日の場合は水曜定休

場所は御幸町通押小路南東角にあり、京都市役所
から１筋西、御池通から１筋北で、目立つ町家が
目印です。
京都市地下鉄:京都市役所前駅より徒歩３分程度に
なります。

2010年9月訪問

京都市役所の近くに2010年3月にオープンした、
築100年の町家でのパスタ屋があります。
イタリアからパスタ職人をヘッドハンティングし
毎朝仕込まれる手打ちパスタは気候条件に応じて
配分を変えるほどの拘り。
自家菜園での野菜を駆使し、旬の食材に合わせた
メニューを提供され、オープン当初から平日ランチ
でも予約が必要なほど人気を博しています。
ランチも前菜･パン･パスタ２種類(２つで一人前の量)
･ドルチェ･ドリンクとついて1,500円〜あります。

今回はCOLLECTION Ｂで、ショートパスタＡ･ロング
パスタＢ、ティラミスと紅茶を選択。
前菜の和牛のインボルティーニ(巻物)はトマト＆
ローズマリーのソースが掛かっており、前菜にしては
豪華な一品。
パンはバケットが中心で、Flip Up!からの仕入れ。
ショートパスタはアサリとイカのフェンネルソースで
セリ科のフェンネルを炒めてクリームソースに仕上げ
ています。
ロングパスタは冷製カッペリーニ(細麺)に桜島地鶏の
コンフィを赤蕪ソースで絡めて、食べやすいように
しております。
これにティラミスと紅茶を含めるとＣＰが高いと
言えるのではないでしょうか。

社長はまだ30歳を過ぎたばかりのイケメンで、魚料理
中心の２号店トラットリアをオープンするほど勢いを
感じます。
市役所界隈はランチ激戦区ながら、平日でも予約が
必要なほど繁昌しており、若い女性が中心の客層。
テーブル席と座敷席があるので、予約される際に確認
した方が良いかもしれませんね。

⑤クレメンティア
京都市中京区間之町通二条上ル夷町572
　075-231-5606
11:30～15:00 18:00～22:30 月曜定休･月1回不定休
日曜12:00～15:00 18:00～22:00
http://www.clementia-ainomachi.com/

場所は間之町通二条上ルにあり、烏丸通から３筋東、
御池通から北へ２筋目と３筋目の間にございます。
京都市地下鉄なら烏丸御池or丸太町駅より徒歩７分
くらいで到着可能です。

2010年7月訪問

烏丸二条から３筋東に入った間之町通沿いの
マンション１Fにあるイタリアンのビストロが
2009年9月オープンしました。
シェフのご主人とパティシエの経験がある奥さん
２人で切り盛りし(奥さんは育休中)、イタリア語で
｢寛容｣という店名Clementiaの通り、おもてなしを
重視したスタイルとなっております。
ビストロ形式なのでランチも通しで１時間くらい
要するため、お急ぎの場合には向かない店ですね。
食材についてはシェフのご出身:滋賀県の野菜を中心に
京都府や三重県を中心に仕入れているそうです。
ランチ(メニュー)は1,600円〜、ディナーはアラカルト
or4,500円〜のコースになります。

この日は1,600円のランチを注文し、アッサムティーを
選択。
前菜は上から時計回りに生野菜サラダ・南イタリアの
炒め物(ラタトゥーユに近い)・パッションフルーツと
レモンのミルクセーキ・地鶏の魔女風を１皿に盛られ
地鶏はマスタードとスパイスで下味をつけてオーブン
にて焼いてありました。
スープは滋賀県安土産大豆の冷製スープで、豆乳とは
少し違う大豆の風味があり、底にはリンゴとブドウを
煮詰めたモノが入っておりました。
パスタは自家製ソーセージとズッキーニで、黄色の
ズッキーニは実家から送られ、爽やかながらソーセージ
がアクセントに。
デザートはバニラとカシスのアイス２種で、バニラの
アイスは自家製シュー生地に挟まれていました。
アッサムティーはポット２杯分あり、また下から上がる
砂時計風(？)にはしゃれた印象もありましたね。

店もご夫婦も若いものの、前菜やデザートには生の
フルーツが入り、見た目・味わいが爽やかになるよう
一工夫されていました。
パスタ･メインはご主人が調理されるものの、盛りつけ･
運びなどは手が空いた方が行うようで、広めの厨房で
目まぐるしく動いている(決して慌ただしくはない)光景
を見届けることができます。
カウンター･テーブル合わせて20席程度なので、２人で
こなせる範囲内でしょうし、リピーターもガッチリと
掴んでいる模様です。

⑥ giocattoli（ジォカトーリ）
京都市中京区間之町通二条下ル松屋町 DODOHOUSE１Ｆ
　075-212-0611
15:00～21:30　月曜定休
http://ameblo.jp/giocattoli/

場所は間之町通二条下ル西側で、烏丸通から３筋東、
御池通から１筋北を越えた所になります。
京都市地下鉄:烏丸御池駅より徒歩５分程度になります。

2010年9月訪問

giocattoli グルメ・レストラン

間之町二条下ルにあるイタリア料理店で、シェフが
調理･ホール全て１人でこなす職人タイプの店です。
20席足らずの狭い店内で、リピーターらしき客層が
ランチを嗜み、やや一見さんがフラリと入るような
雰囲気じゃないかも。
ブログ(ツイッターのような記事もありますが)でも
想像ができるように、料理の種類(特にドルチェ)が
多く、シェフの拘りの一品が提供されます。

2012年以降はランチがなくなりました。
15時開店で、カフェ利用も可能だそうです。

今回は前菜･パスタ･ドルチェ･飲み物のＡランチ
(1,500円)を注文し、パスタはサルシッチャ+キノコの
ソース(自家製麺なので+200円)、飲み物は
エスプレッソを薄めたレギュラーコーヒーに近いもの
を選択。(メニューにはこう ↑ 記されています)
前菜は一口サイズで、キノコソテー･鯵マリネサラダ･
ブロッコリー･レバーペースト･枝豆チーズ盛られ、
何れもシェフの一手間加えられた一品たちで、パンも
自家製です。
パスタは平打ち麺で、サルシッチャ(生ソーセージ)と
ともに深い味わいでした。
ドルチェはゴルゴンゾーラチーズケーキ･ローズマリー
アイスとやや珍しい内容でしたが、こちらにもシェフの
拘りを感じます。
コーヒーはエスプレッソをお湯で薄めていました。

ワインもボトルで2,800〜10,000円くらいと幅広く、少量
多品種にて保管されているようです。
仕入れ状況やシェフの気分(？)でメニューも頻繁に
変わるように、良い意味での個性･個人商店を発揮して
おり、全て１人で賄っているのは物凄い労力だと想像
できます。
客層は常連が多そうですが、多忙な職人タイプなので、
時間など大目に見てあげる余裕があった方が良いかも。
尚、メニューに関してはブログで紹介しているので、
参照にされれば良いかも。

http://ameblo.jp/giocattoli/

⑦オステリア･オマッジオ
京都市中京区夷川通麩屋町西入ル木屋町484
　075-211-7791
12:00～13:30(L.O.)　18:00～22:30(L.O.)
木曜終日・金曜ランチ定休
http://osteria-omaggio.com/

場所は夷川通を富小路と麩屋町の間で、家具問屋が
多い地区になります。
京都市地下鉄なら、京都市役所前駅･烏丸御池駅or
丸太町駅のいずれからでも徒歩10分圏内です。

2010年10月訪問

オマッジオ グルメ・レストラン

京都御所から少し南の夷川通沿いにイタリアンで、
店の前のベスパが目印となります。
古い倉庫を吹き抜け天井にしたりと改装した店内は
バル風になっており、南イタリア料理を中心にランチ･
ディナーを楽しめ、ドルチェはテイクアウトも可能。
ランチは1,000円〜、ディナーはアラカルト中心に提供
されますが、派手さはなくとも各々の料理の質の高く、
昼からワインで楽しむお客さんを良く見かけます。

今回はpranzoB(1,400円)を注文し、メインは穴子の
テリーヌ、ドルチェはトルタリモーネに紅茶を選択。
前菜は「サラダ」という名の野菜ソテーが出ますが、
軽く火を通し野菜の旨みを存分に引き出しています。
パスタはタリオリーニ･イワシのラグーソースで、
シチリア風なのか少し磯と塩の味わいを出しており、
ワインが進みそうな一品です。
メインはパスタとワンプレートになっており、穴子の
テリーヌは１本の穴子を何層にも繋いで２cm以上の
厚さを保っております。
トルタリモーネはレモンタルトにメレンゲを乗せて
バーナーで焦げ目をつけており、爽やかな甘さと
酸っぱさが調和しておりました。

この店の魅力はランチでもメイン･ドルチェが5品から
選べる豊富さだけでなく、これらの仕込み･調理を
シェフ一人で賄っている作業に注目すべきでしょう。
ランチタイムでも手が空けばディナーの仕込みをして
おり、朝から夜遅くまでの働きぶりに驚かされます。
ホールの方はいるものの、玄関に肉を干していたり
メニューからもバリエーションが多かったりと来客を
飽きさせないような工夫すら感じられるほどです。
店内は古くとも欧州に来たような雰囲気を醸し出し、
料理以外でも楽しめる空間提供されています。

⑧ストラーダ
京都市中京区御池通柳馬場東入ル東八幡町
　075-241-0800
11:30～15:00　17:00～22:00
月曜終日・火曜ランチ定休
http://www.strada-oike.com/index.html

場所は柳馬場御池北東角にあり、京都市地下鉄:
烏丸御池駅or京都市役所前駅から徒歩５分程度。

2010年10月訪問

御池中学校の南側に御池通に面している石壁の建物が
高級なイタリアンを醸し出しています。
オーナーは、京都のイタリアンのパイオニア的存在
｢フクムラ｣の創業シェフで、一旦料理人を引退され
農家に転じられたのですが、自家菜園を継続しつつ
オーナーとして復帰し、シェフは東京からスカウト
されてオープンした経緯があるそうです。
料理はある程度シェフに任せ、パスタは自家製、
食材も良質な惜しみなく使用されています。
壁にはローマのカンポ･デイ･フィオーリ広場の市場
風景の大きな絵が飾られており、如何にも高級店な
雰囲気が出ております。
ランチも安めのパスタセットがあるものの、基本は
4,200円〜で、ディナーも7,500円〜ございます。

【2012年現在はメニュー構成が変わっています】

今回はパスタセット(2,625円)を注文。
最初にグリッシーニが出てきますが、これが細長く
自家製なのを想像できます。
本日の気まぐれサラダはホタテと生ハムが添えられて
いて、軽く炙ったホタテが風味のある外側と甘みの
ある内側で調和。
パスタは６種類から２種類選べ、タリアッテーレと
カルボナーラを。
タリアッテーレはムール貝･ズッキーニが入っており、
温かくともサラダ感覚で頂けます。
カルボナーラはオーナーの自家製卵を使用しており、
スパイスを少し効かせ後味がアッサリしており非常に
美味でした。
ドルチェは、万願寺唐辛子のロールケーキと栗の
コンポートで、ロールケーキは言われてみれば唐辛子
の風味があり、カスタード風のクリームと馴染んで、
シロップ付けした栗がアクセントになっております。

単に店が高級だけでなく京都のイタリアン創生期から
支えたオーナーに新たな風を送るシェフが融合して
おり、タイミング良く料理が出されるサービスの方も
質が高いと言えるでしょう。
高級店なので、メインを含めた4,200円〜のコースが
向くでしょう。

2012年現在は1,500円〜のランチメニューもあります。

⑨Cucina Italiana 東洞(とうどう)
京都市中京区東洞院通竹屋町下ル三本木五町目496-3
　075-212-5207
11:30～14:00　17:30～22:00　木曜定休
http://www.mrmd.co.jp/toudou/

場所は東洞院通竹屋町下ル東側にあり、竹間公園の
南側、中京もえぎ幼稚園の隣りになります。
京都市地下鉄:丸太町駅から徒歩５分、烏丸御池駅から
徒歩10分程度でしょう。

2011年2月訪問

京都御所の南側:東洞院(ひがしのとういん)通を
竹屋町通を南下した所にある町家のイタリアンで、
通り名を店名に引用。
ここのシェフはキャリアが長く、切り盛りしていた
店を閉め新たに2007年10月にこの店をオープンし、
スーシェフと２人体制で１Ｆはカウンター、２Ｆは
テーブル席(個室もあり)の30席弱で料理を提供。
（ホール担当もいますが）
ランチも2,100円のパスタセットor3,800円のコースが
あり、平日は予約しなくても気軽に伺えるでしょう。

今回はパスタセットを注文し、ドリンクはカプチーノ
を選択。
アミューズは大根と蕪のグリル･バーニャカウダーの
ソースで、残ったソースでパンを頂くほどの美味しさ。
※バーニャカウダーソースとはイタリア北部:ピエモンテ
　州の料理でにんにくとアンチョビ、オリーブオイルを
　煮立てて作る
前菜は鴨モモのコンフィと黒大根サラダ、金時人参の
パンナコッタ、玉葱とパルメジャーノのスウォルマート
(キッシュみたいなもの)で、一品ずつ丁寧に作られた
盛り付け･味わいです。
パスタ１皿目は明石産イイダコのブッカニエラで、蛸を
柔らかくして海鮮トマトソースで絡めてあります。
パスタ２皿目は奥丹波鶏とグリーンピースのリゾットで、
鶏のコクとチーズが絡んでもしつこさがなかったです。
ドルチェはカッタラーナで、凍らせたプリンを解凍して
頂きます。
パスタは２皿で通常の１皿分の量ですが、仕事の丁寧さ
を鑑みて手頃、それ以上の印象がありました。

この店の魅力は高級店の割に、価格がリーズナブルで
夜でもコースが6,500円〜になっております。
ワイワイとしたトラットリアというよりは、落ち着いた
リストランテに近いものの、フォーマルな格好をする
必要もなく、気軽に伺える要素を感じられます。
シェフは京都イタリアン業界で名の通った方で、他の
イタリアンへ食べに行くとそこのシェフがビビるという
エピソードがあるほど。
（本人は至って温和な方ですがねぇ）
大きな店ではないので、じっくりとシェフの料理を
嗜める意味ではシェフが看板と言っても語弊がない
でしょう。

現在はパスタ３種類を少量ずつのパスタランチ
(2,900円)もあり、量のバランスを考えた味付けに
なっているのは驚きました。

⑩トラモント
京都市中京区寺町通二条南角榎木町97
　075-256-1917
10:00～21:00　日曜定休

場所は寺町二条交差点のほぼ南東角にあり、ビルに
掲げてあるイタリアン国旗が目印です。
隣りには梶井基次郎の『檸檬』に登場した｢八百卯｣
跡(2009年閉店)がございます。
京都市地下鉄:京都市役所前駅より徒歩５分程度。

2011年4月訪問

トラモント グルメ・レストラン

寺町二条近くにある喫茶店ですが、店の前にイタリア
国旗がありスパゲッティ(敢えてパスタとは記さず)
メニューが豊富です。
モーニングがあったり、通し営業のため、イタリアン
メニューが主力の喫茶店という表記が近いかも。
店内も古き良き雰囲気で、電話ボックスがあることから
かつては公衆電話が置いてあったことが想像できます。
ややご年配の夫婦やスタッフで切り盛りされ、マスター
が殆どのスパゲッティを調理されています。
麺はバリラ社の乾麺を使用しており、柔らかめを好む
方には向く店だと言えますし、ソースも20種類ほど
取り扱われています。

今回はアサリのカプリ風･生トマトソースを注文。
(バケット付きで1,050円)
口にしてみると麺の茹で加減が自分に合い、柔らか目が
好みの方ならお勧めでしょう。
塩加減も程よく、胃に優しいスパゲッティでした。
マスターは実践経験が豊富なため、家庭レベルで真似
できそうでできない絶妙さが店の魅力なのかも。

客層は常連客を中心で、時間を問わず客が途切れない
様子であり、マダムと客の会話からリピーターに支え
られている印象です。
ランチタイムを逃してもスパゲッティを食べたい、
わざわざイタリアン専門店には入る気分ではない心境で
あればピッタリの店であり、気軽に足を運べる点も店の
魅力かもしれません。
喫茶店orイタリアンのジャンルなんかどっちでも良く、
少なくとも喫茶店レベルのイタリアンを超越しています。
古き良きスパゲッティが維持され、伊達に長年営業して
いないなと感心させられました。

【閉店】

⑪伊太利亜 番菜食堂 Kanna


2012年1月訪問　

【閉店】

【閉店】

元々近所でイタリアンバルを営業されていましたが、
移転を機にリニューアルされ、2012年1月に現在地で
オープン。
カウンター10席ほどに店主さんが一人で切り盛りされ
全体的にアッサリ目の味わいで頂けます。
手軽なイタリアンをコンセプトとされ、テーブルワイン
がグラスで390円〜あるようです。
労働者への配慮もあり、ランチメニューにはニンニクを
使用せず、代わりに生姜で香り付けされています。

今回はランチ(900円)を注文し、パスタは豚バラ肉の
白ワインソースを選択。
パスタの前にプレートが出てきますが、パン・サラダ・
小鉢系２種・有機野菜スープです。
小鉢は、捻りコンニャクのトマトソース和え・切干大根と
豚バラ肉のマスタード&白ワイン和えと、和風食材から
イタリアンの味付けでした。
パスタもスープも味付けは軽めで、胃に優しい印象です。
（もしかしたら物足りないという意見があるかも）

シェフ曰く、普段のイタリアの食事は味もアッサリ目
だそうです。
野菜などの素材を前面に出すため味付けも少なくしており
一方でおばんざいの食材をイタリアンという個性も醸し
出しています。
（系列店におばんざい居酒屋がありますし）
ご多分に漏れず京都市役所周辺は飲食店激戦区であり、
近所の人に通ってもらえるよう、価格も抑え薄味に徹して
いるかも。
肩肘張らず普段使いできそうな店です。

【閉店】

以上の11店を紹介しました【２店閉店】が、価格帯や
スタッフ構成、スタイルなど個性様々です。
全ての店に共通するパスタでのランチを注文したものの
改めてシェフや味わいが色々あるもんだと感じました。

都心部とはいえ、１km四方にて11店が凌ぎを削るという
よりも、個性ある11店がこの地で結果的に集まったと
解釈した方が良いのかもしれません。
このエリアは繁華街の中心部ではなく、かといって人の
往来がそれなりにあるので、面白い地区だと思えます。

ご参考になれば幸いです。
ご覧頂き、ありがとうございました。

この旅行記へのコメント （12）

• わんぱく大将さん 2012/04/05 03:34:39

  毎度！

  molmさん
  
  毎度、お久しぶりで。もう一度、拝見というより拝読させていただきました。　店、それぞれですね。と、同時に、やはり日本人シェフはどの国でも腕を見せてるというか。
  
  先日もキジ料理で有名な所（かなり田舎。ＢＣＮより１時間以上電車に乗り、駅から２０分位、山側の、のどかな村に）
  に行ってきたのですが（キジが食べられるかの連絡があり、無理というと、魚に）　お客お腹具合に合わせて料理をしてくれました。　腹八分目でやめといて、そのあとデザート３皿に。チップ入れて１人８０ユーロ。
  本当なら１００ユーロは超えるというお昼でしたが。　作ってくれたのは日本人シェフ。　元々日本料理をしてた人で。　やはり日本人、手先が器用で、流石だなと思いました。
  
  　大将

  molmさん からの返信 2012/04/05 23:43:50

  RE: わかるような気がします

  大将さん、お久です。
  
  これらの１１店は各々個性がありますし、相応のスタイルも確立してるように
  思えますよ。
  もちろん料理もしっかりしてるし、時間があれば巡ってみるのはアリかも。
  
  ところでキジ料理はジビエ(野生物)なんですか？
  日本ではジビエは滅多に頂けませんからねぇ。
  
  日本で満足だからこそ海外に出ないmolm

  わんぱく大将さん からの返信 2012/04/06 23:36:40

  RE: RE: わかるような気がします

  > 大将さん、お久です。
  >
  > これらの１１店は各々個性がありますし、相応のスタイルも確立してるように
  > 思えますよ。
  > もちろん料理もしっかりしてるし、時間があれば巡ってみるのはアリかも。
  >
  > ところでキジ料理はジビエ(野生物)なんですか？
  > 日本ではジビエは滅多に頂けませんからねぇ。
  >
  > 日本で満足だからこそ海外に出ないmolm
  
  molmさん
  
  昔からいいますやろ。　外に出ると余計、今のありがたさがわかる。日本の素晴らしさがわかります。勿論料理も。日本人調理人は器用ですから、その国の料理をこえてしまうものも多いはず。
  
  　大将

  molmさん からの返信 2012/04/07 00:15:43

  RE: なるほど〜

  大将さん、海外に出てこそ日本の良さがわかるもんなんですね。
  
  日本では質の良さを求めるのが当たり前ですし、そんな「おもてなし」の
  心が質の良い料理を生み出すということですか。
  確かに工業製品で、当初は真似であっても本家を抜くことが頻繁にありますし。
  
  料理でも、各々の良さを理解する姿勢が大事ですから。
  
  molm

• ひろかなさん 2012/02/25 16:18:18

  やっぱりね(^^)

  molmさん、こんにちは〜
  
  ご無沙汰しております。
  
  先日テレビで「イタリア食堂コロンボ」が紹介されていました。
  テレビではタラコスパだったのですが、実に美味しそうでした。
  
  molmさんは、絶対に行かれているだろうなぁと思ったらその通りでした！
  グラスワインもリーズナブルなんですね。
  前菜と一緒にいただきたい♪
  ぜひ、ぜひ行って見たいです(^^)
  
  　　　　ひろ　改め　ひろかな
  

  molmさん からの返信 2012/02/25 21:45:36

  RE: やっぱりね(^^)

  ひろかなさん、「やっぱりね」は褒め言葉として受け取ります。(笑)
  
  コロンボはかなり良心的な価格ですよ。
  もう１年以上も行ってませんが、スタイル(特に前菜)は変えてないでしょう。
  この前菜はグッと心を掴まされましたので、是非お召しを♪
  
  最近?Kannaもオープンしたから追加しました。
  半分くらいの店は二度目が伺えてないものの、好きなの選んでくださいな。
  
  molm

• わんぱく大将さん 2011/04/25 03:33:40

  一度に来れれると

  molmさん、毎度！
  またまた、懇切、丁寧な味のある旅行記を有難うございます。
  この中から、１、２軒、日帰りで決めるとなると難しいですね。
  どこも特徴があるし。　　やっぱり日本ですよね。　　細かい！
  私も、イタリアン大好きですが、こちらスペインは例えば、スパゲッティもみんな軟らかすぎて。　　美味しいイタリアン、長いこと食べてません。
  もう一度、じっくり読ませていただきますね。それはそれで、夜、何食べよ？
  
  　　大将

  molmさん からの返信 2011/04/25 11:23:24

  RE: どれか好きなの選んでください

  大将さん、以前から気になるエリアだったので特集(？)組んでみました。
  
  もう少し南の四条界隈ならもっと多いのでしょうが、金銭的にも取材しにくい
  状態ですし、またチェーン店や東京・大阪資本も多いので、このエリアにしました。
  この１０店は全て個人商店or地元資本の飲食運営会社になるもんで。
  
  確かにテキトーにやっている店は見あたらず、それどころか各店のマンパワーで
  切り盛りして大丈夫かと心配する店があるほど。
  それだけに優劣は関係なく、いずれも個性溢れていますよ。
  もし機会があれば是非。
  
  どちらかというとフレンチ派のmolm

  わんぱく大将さん からの返信 2011/04/26 02:39:02

  RE: RE: どれか好きなの選んでください

  > 大将さん、以前から気になるエリアだったので特集(？)組んでみました。
  >
  > もう少し南の四条界隈ならもっと多いのでしょうが、金銭的にも取材しにくい
  > 状態ですし、またチェーン店や東京・大阪資本も多いので、このエリアにしました。
  > この１０店は全て個人商店or地元資本の飲食運営会社になるもんで。
  >
  > 確かにテキトーにやっている店は見あたらず、それどころか各店のマンパワーで
  > 切り盛りして大丈夫かと心配する店があるほど。
  > それだけに優劣は関係なく、いずれも個性溢れていますよ。
  > もし機会があれば是非。
  >
  > どちらかというとフレンチ派のmolm
  
  molm殿
  
  　ＢＣＮに”踊り”に来ていただき有難うございます。お土産も置いていってくださり、恐縮です！
  
  そうか、molmさんはフレンチ派か。　　フレンチもロシア料理に影響を与えておりますが。　　簡単で、美味しいのもロシア料理。たまに作ります。
  この間はミスタイプで　”来られては〜”の間違いでした。　　おっちょこちょいなので、失礼をおば。
  
  　　大将

  molmさん からの返信 2011/04/27 20:31:03

  RE: イタリアンって出店しやすいんでしょうか

  大将さん、バルセロナまでエア踊りをさせてもらいました。
  ｢踊れ踊れ朝まで踊れ(dancing alnaight)｣なんて鎌倉仏教ではありましたが、
  そこはラテン系の気質、どちらかというと｢踊るあほうに見るあほう｣に近い
  かもしれません。
  
  イタリアンは嫌いではありませんが、続けては食べようと思わないです。
  この企画は連日ではなく気長にやれますし、実際イタリアンが多いのも事実。
  その中でも各店個性があり、それが面白味だったりもしますよ。
  この区画でフレンチも７〜８店ほどあったりします。
  手打ちの蕎麦屋は４軒だったりするんですが。
  
  molm

• ツーリスト今中さん 2011/04/23 21:35:21

  お見事（＾◇＾）

  いつに増してお見事！拍手喝采です！
  
  お目にかかった時にノウハウを伺っていたのでそれを思い出しながら、、、
  フムフム、、、と感心して眺めています
  日頃のデータ整理の賜物ですね
  私の場合京都でイタリアンを食べる機会はあまりなさそうですが
  街並みも含めて楽しませて頂きました。
  
  食べ歩きもしないとならないから楽しみでもあり苦しみもあったり、、、
  痛い！懐でしょうか？
  
  
  こちらは気温の低い日が続いていますが
  毛蟹、北寄貝、あさり（厚岸のは大きいです！、時鮭と
  味覚は春です（＾◇＾）
  
  昨晩はスーパーに遅くに行ったので半額以下で上記ゲットして
  自宅でしっかり食べました！
  毛蟹も重いのを選んだので中身もぎっちり詰まっていていっぱい780円⇒300円に値下げしてあって大変お得。もちろんひとりで全部食べました。
  普段、あんまり毛蟹食べないんですがこれを逃す手はないと手に取ったら結構重かったし美味しかったですぅ〜
  molmさんもまたどうぞ！
  そうそう、今日はもちろんゆめちからではないけれど道産小麦のパンを食べました

  molmさん からの返信 2011/04/23 22:22:16

  RE: 恐縮です

  ツーリスト今中さん、どうもお待たせしました。
  やっと10店完成しましたよ。（^^;
  
  確かに日頃のデータ管理の恩恵はあるでしょうね。
  ある程度ストックがあれば、店の組み合わせだけでテーマに沿った旅行記を
  作成できたりしますから。
  他サイトに登録している分も含め、京都市内のグルメだけで200店近く保存
  していますし。
  
  まぁ今回は街歩きをテーマにしておらず、特定エリアの10店案内だけなので
  殺風景かもしれませんが、如何に集中しているかを紹介したかったんですよ。
  懐具合ですか？
  昨年の夏場に集中しているものの、半年以上に亘って食べ歩いているので、
  そう痛くはありませんよ。
  最も高くて2,625円ですから。（^^;
  
  ｢ゆめちから｣旅行記は、もう少しお待ちください。
  現在、その１作成中なのですが、時間･気力･集中力を要するため、文書を考える
  作業が大変で行き詰っております。（-_-;
  ｢ゆめちから｣の件を含め、改めて北海道に伺いたいですね。
  毛蟹･アサリ･牡蠣あたりを頂きたいものです。
  
  molm