2008/04/20 - 2008/04/20
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frau.himmelさん
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ハーメルンのあと、ヒルデスハイムに向かいました。
ヒルデスハイム…。
数年前、ドイツ語を勉強していた頃の新学期のことを思い出しました。
今日から新しい先生、みんなどんな先生だろうとソワソワしていました。
皆が注目する中、教室に入ってこられた大柄なドイツ人の先生は、黒板に「×××Hildesheim」と名前を書かれました。
そして、自分の雰囲気や言葉遣い、その他どんなことでもいいから参考にして、出身地を当ててみなさい!と。
私を含め12,3名の級友は、ベルリンだの、南ドイツだの、真ん中付近だとか、いろいろな地名を言いました。先生は名前の通りヒルデスハイム近郊の生まれの方だったのですが、級友の誰一人としてヒルデスハイムという地名を知らなかったのです。
ドイツが好きでドイツ語を勉強しているにも関わらず…です。
仲間が誰も知らなかったマイナーなヒルデスハイムという街。
驚くべきことにここには世界遺産が2つもあるのです。
◇◆
ツアー4日目にもなると、皆さんお疲れのようで、バスの中ではこっくりこっくりなさっています。
私は性格が貪欲に出来ているのか、この景色は今しか見れない、と思うと勿体無くて居眠りなどしておられません。バッチリ目を見開いて大きな地図を広げて、流れ行く車窓の風景を楽しんでいます。
地図は出来るだけ詳しい地図がいいですね。ツアーのトイレ休憩で寄るドライブインで買える大きな地図など。
ちょっとした集落が出てくると、ここは何という街だとか、こっちの方に行けばあの街にでるのね、とか…。
ツアーのバスの旅ってほんとに楽しいです。
- 同行者
- 一人旅
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
-
ヒルデスハイムの最初の訪問先は、この小高い丘の上に建っている聖ミヒャエル聖堂です。
ベネディクト派の教会として、司教ベルンヴァルトにより1010年から1020年にかけて建てられました。
司教が崇拝する大天使ミヒャエル(また、出てきたね!)を奉る教会としてこの名前がつけられました。 -
宗教改革ではヒルデスハイムも既出のツェレやハーメルンと同様プロテスタントに付いたため、聖ミヒャエル聖堂もプロテスタントに改宗しました。
ところが、修道士やカトリック教会の反対にあい聖堂の地下室(クリプト)だけは今日までカトリックの様式を保っています。
早期ロマネスク様式の重要な教会のひとつです。
◇◆
建物の右手にあるピンク色の花木は半咲きの桜なのです。
桜が散ってから日本を出発したので、この異郷の地で再び桜を見ることができるなんて幸せです。 -
桜の下のグリーンの草むらに見える白い点々は…。
可憐なデージーの花が一面に咲いていました。
のんびりとしたこんな田舎に世界遺産があるのです。 -
ガイドさんと一緒に聖堂の中に入りましょう。
まず目を惹くのが教会本堂に描かれた天井画。
13世紀に描かれたもので、「エッサイの樹」と呼ばれるキリストの系図が描かれています。
ドイツでは国立博物館クラスでもこのような古い絵画はないそうで、これが世界遺産登録の理由のひとつとなりました。 -
何でも1300枚の板に描かれているのですって。
これが戦災にもあわずに鮮やかなまま残っているのは、天井板を外して安全な場所に避難させていたからだそうです。
建物は爆撃を受けたそうですから、ほんとに危なかったですね。
私には、廊下に敷き詰められたペルシャ絨毯のようにしか見えませんが(笑)…。 -
そしてここが祭壇だと思いました。
ずいぶんシンプルですね。 -
外に出ました。
外部はこのように重厚な石造りになっています。
聖ミヒャエル聖堂は空襲により爆撃されましたが、戦後再建されました。 -
壁にユネスコ世界遺産の案内板がありました。
ここにも書いてありますね、1010年に建造、1945年3月22日戦争によって破壊、1945年〜1960年に再び再建された。
そして、1985年聖マリア大聖堂とともに世界遺産に登録された、と。 -
では、街のほうに下りて行きましょう。
早速出てきましたね、大天使ミヒャエルが。
街中の建物の壁絵です。
聖ミヒャエル教会の守護神ですから当然ね。
ブレーメンのベットヒャー通り入口にあった黄金のレリーフ像に比べると、同じく龍(悪魔)を退治していてもこちらの方がやさしい感じです。 -
これから、聖ミヒャエル聖堂と並んで世界遺産に登録されている聖マリア大聖堂に徒歩で移動します。
ハーメルンは道路に描かれたネズミが案内役でしたが、ここはバラの花を辿っていけば大聖堂に行き着くことができるようです。
何故バラなのか?は後で出てまいります。 -
バラの街ヒルデスハイム。バラ関連のお店も多いです。
可憐なバラのグッズで飾られたショーウィンドウ、とてもステキです。 -
正面に見える尖塔は聖アンドレアス教会です。
ここは展望台になっています。 -
聖マリア大聖堂に到着です。
1010年から1020年にかけて建設された初期ロマネスク様式の建物です。
11世紀から14世紀に増築されましたが、1945年の空襲で破壊されました。
ここも聖ミヒャエル聖堂とともに戦後再建されました。 -
それでは、中庭にあるバラの花に会いに行きます。
大聖堂入口付近にあった彫像。 -
「バラの木はこっちです。」の案内板。
教会の中に一旦入って…。 -
この扉は、1015年頃製作された「ベルンヴァルトの扉」と呼ばれている旧約聖書とキリストの物語をレリーフにした青銅製の扉。
アダムとイヴの絵もあるそうですが小さくて見にくいですね。
大変貴重なものらしいです。 -
こんな失敗写真まで出さなくても…。
でも、私的にはお気に入りなんです。
シルエットだけの幻想的なピエタ像…。 -
聖母子像
-
中庭に入って…。
「千年の薔薇」にご対面です。
樹齢1000年の野薔薇が、丁度時期的に芽吹き始めたころで、まだポヤポヤとした頼りなげな葉をつけています。
伝説によると、この薔薇が繁茂する限りヒルデスハイムは繁盛すると言われているそうです。 -
ヒルデスハイムは、1945年に先の大戦で爆撃された時、建物はほとんど崩壊し、植物も全滅したと思われていました。
ところがこの薔薇の木の根は瓦礫に守られて、8週間後に新しい芽を吹き出したそうです。
ヒルデスハイムの市民はどんなに勇気付けられたことでしょう。
そんな謂れが書かれた説明板です。 -
奇跡的に根は残って新しい芽をつけました。
現在も毎年花を咲かせています。
楕円形の小さな白いプレートが見えますか?
ここにはその年に新しく芽吹いた枝に年号がつけられています。 -
薔薇の根元にさっきから小鳥がとまっています。
大勢の観客がいようと写真に撮られようと、ビクともしません。
ツアーの皆さん、「さすがに世界遺産の小鳥は役者だね。」と笑っていました。 -
教会の半円形の礼拝堂の壁に奇跡の薔薇は這っています。
この薔薇が生きている限りヒルデスハイムは繁栄するのです。
まだ時期的に花は見られなかったけど、そんなステキなエピソードを持つ「千年の薔薇」に出会えてよかった!! -
11世紀の貴重な円環蜀台(中央に下がっている王冠のような蜀台)が飾られている中央祭壇を通って…。
-
青い三角形の屋根が並ぶ教会の外観。
北側から見ています。 -
先ほどから何度も登場した司教ベルンヴァルトの銅像。
1000年前にヒルデスハイムに繁栄をもたらした人物です。 -
二つの世界遺産の見学を終えてこれから旧市街に向かいます。
その前にトイレタイム。
ベルンヴァルトの銅像の後ろにあるこの建物の下にトイレはあります。
ところが、トイレに行った人が集合時間になってもなかなか戻ってきません。
早く、早く! 自由時間が少なくなってしまうよ! -
さて、皆揃ったところでこの広場を横切って旧市街広場に…。
◆◇
今回はツアー参加者23名と割合こじんまりしていますからこんな程度で済みますが、もっと人数の多いツアーだったら…、35名とか40名とか。
トイレの行列もこんなものではないでしょうし、集合時間に遅れてくる人の割合も増えますね。
またホテルに到着して、添乗員さんから順番に鍵をもらって部屋に入っても、いつまでもスーツケースは上がってこない(ポーターさんが運んでくれる場合)、ポーターさんが付いていないツアーだったら、エレベーターの前は大きなスーツケースを持った人でごった返して、何台も待たなきゃいけない。
それで、やっと部屋に入ったら疲れちゃって、かばんを広げるのもいやだ!、と言う風になりかねません。
ツアーでは、何でもお膳立てが出来ていて便利な代わり、そういう辛さというものもありますね。 -
途中にあった何か歴史を感じさせるすごい彫像。
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市庁舎広場に着きました。
右手の建物が市庁舎です。
地球の歩き方にも載っていないようなマイナーな街なのに、すごい人だかりですね。
あ、そうか、今日は日曜日でした。 -
1258年に建てられた市庁舎
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市庁舎前の兵士の噴水。
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なんと言ってもこの広場で一番の豪華な建物は、広場南側に建つこの「ヴェデキントの家」。
ルネッサンス様式(ヴェーザールネッサンス様式?)の重厚な木造建築で、ファサード一面にカラフルなレリーフが施されています。
1598年造。1階には銀行が入っています。 -
ヴェデキントの家から少し下がった写真。
左隣は「テンペルハウス」。
ここに観光案内所が入っています。 -
市庁舎広場の西側に建つ大きな家は、右側が「食肉業者組合の家・Knochenhauer-Amtshaus」です。
左は「パン職人組合の家」。 -
「パン職人組合の家」の下はアーケードになっています。
この中に薬屋さんがあって、どうぞ、と言われて入ってみたら、袋一杯の試供品(ハーブ飴、サプリメント、化粧品など)をくれました。
いただいたのは嬉しいけど荷物になるので、チェックアウトの際、ホテルの部屋に「良かったらお使いください」ってメモを置いてきました。
掃除にきたメイドさん使ってくれたかな? -
広場では「オートフェスト」をやっていました。
ホンダのアコードを見つけた私たち、「あっ日本の車だ!」と、異国で日本に出会えた喜びでわーわー言いながら記念撮影をしていました。
そしたら、何事だろうと地元の人たちが大勢集まってきました。
「サクラ」役を果たした私たち、少しは日本の販促に貢献したかしら?(笑) -
集合時間までちょっと早いので、このアンドレアス教会の展望台に上がりました。
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ここは1389年に出来た古い教会で、尖塔の下が展望台になっています。
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ここが入口です。
入場料1.5ユーロ払って…。
展望台は2段階に分かれていて、結構ラフな造りの木の階段。
ステップだけで縦板は張ってないので、下方や正面の高さがモロに素通しで見えます。
高所恐怖症の私は1段目の展望台でギブアップ…。
皆よく上まで登れるよね〜! -
1段目の展望台だって、こんなにきれいな風景を臨むことができますよ。
眼下の市庁舎広場。 -
オレンジ色の屋根の向こうの青い屋根は、聖ミヒャエル聖堂。
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こちらは聖マリア大聖堂側です。
早く皆降りていらっしゃい〜! -
ヒルデスハイムから今夜のホテルがあるゴスラーにやってきました。
今夜から2晩のルームメートはOさん。とても気さくなお母さんってタイプの方です。
彼女もいろんなところにツアーで一人旅をしているそうです。
で、旅行した国の感想を聞くとよく覚えていない、って…。
ツアーって効率よく連れて行ってもらえるのはいいんだけど、よっぽど自分で下調べなどの努力をしないと、あんまり印象に残らないんですよね。
高いお金を出して旅行するんだから勿体無いですね。
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この旅行記へのコメント (4)
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- ぴよ太さん 2016/04/10 00:08:19
- ヒルデスハイム
- frau.himmelさん、こんばんは。
旅行記(ケルン編)に投票していただき、更にジャーマンレイルパス特典のリンクまで教えていただきまして、ありがとうございました。
こういうレアな情報をお持ちのfrau.himmelさんは、本当に勉強家なのだなあと、改めて実感しました。
ヒルデスハイムの町、とても素敵ですね。特に「エッサイの樹」と「ヴェデキントの家」は素晴らしいです。是非この目で見たくなりました(その時には双眼鏡は必携です!極度の近視なもので…)
それに、ツェレも、ゴスラーも行きたいし…ドイツ旅行は何度かしているのですが、行きたい町や場所はどんどん増えて続ける一方…「ドイツは一度行ったからいいや」とならないところが不思議です。
またお邪魔いたします。
ぴよ太
- frau.himmelさん からの返信 2016/04/11 22:07:19
- RE: ヒルデスハイム
- ぴよ太さん、こんばんは。
返信遅くなってごめんなさい。
またまた古い旅行記をたくさん見ていただいて、ありがとうございます。
どんなことを書いたのか覚えていなくて、久しぶりに再会してまいりました。
ヒルデスハイム、思いだしました!
昔、ドイツ語を習っている時にその名前の先生に教わったのでした。
ぴよ太さんはご存じありません?青山の・・・。
たしか東ドイツ出身の先生で、お話がとても面白い先生でした。
ヒルデスハイムはいい町でしたね。
実は私もあの時一度行ったきりで、もう一度、ブラウンシュヴァイクと合わせて行ってみたいと思いながら、なかなか行けません。
ドイツは行きたいところが多過ぎて、絞るのに苦労します。
ツェレ、ゴスラーも素敵な街です。
この二つの町にはその後も行きました。
> こういうレアな情報をお持ちのfrau.himmelさんは、本当に勉強家なのだなあと、改めて実感しました。
何をおっしゃいます、ぴよ太さん。
ぴよ太さんこそ、普通の旅行記では知り得ない情報、シュタウフェンの沈没する(?)町のこととか、ケルンの廃墟の教会とか、よくお調べになって、私の方がいろいろ勉強させていただいています。
次の旅の計画とか、諸々の身辺のこととか、ここのところ忙しくてなかなか次の旅行記投稿もままなりませんが、ぴよ太さんの旅行記は楽しみにしています。
himmel
-
- ベームさん 2012/02/16 21:07:32
- 参考にさせていただいています。
- himmelさん、
今晩は。
今春の北ドイツ旅行にあたりhimmelさんの”2008年春、北ドイツ漫遊”を参考に町ごとの散策ルートを考えています。有難うございます。
ベーム
- frau.himmelさん からの返信 2012/02/17 08:43:57
- RE: 参考にさせていただいています。
- ベームさん おはようございます。
私もまさに昨日、ベームさんの旅行記をいろいろ見せていただいて、コピーをとらせていただいていました。
ベームさんのご推奨のボーデン湖あたり、特にライヒェナウ島、それからドレスデン近郊のモーリッツブルク城…、その他いろいろ.
いいですねー。
いきたいところが増えてきて困ります。
今日ものちほどお邪魔させてくださいね。
himmel
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