2010/02/24 - 2010/02/24
619位(同エリア776件中)
WT信さん
サン・ミケーレ別荘へ向かうバスが、山道に差し掛かると、車体は左右に大きく振られ、写真を撮どころの騒ぎではない。
おまけに上に登るにつれて空は白い雲に覆われ、サン・ミケーレ別荘に着いた頃は、見下ろす海はたなびく霞みで真下の景観しか判らない。
年代を感じさせる白壁の別荘が連なる並木道を進むと、たわわに生ったオレンジの木が見下ろすサン・ミケーレ別荘の表門に出た。
観光者の入り口は、その先の「VILLA SAN MICHELE」の垂れ幕をかけた、白壁の建て物をまがった所にあった。
サン・ミケーレ別荘はナポリで開業していた医師で作家の、スエーデン人アクセル・ムンテが建てた別荘。
アクセル・ムンテはこの地にローマ時代の別荘の廃墟に建っていた民家を購入し、改築した。
改築した建て物のあちこちにローマ時代の遺跡から収集した柱や壁などの建築素材をさりげなく使用し、蒐集家としても知られるムンテが蒐集していたギリシャ、ローマの彫像や壺などの遺品を、あたかも室内装飾したかの様に配置した。
同時に隣接してあった聖人ミケーレの古い礼拝堂を改築し、一体として庭園の中に採り入れ、この礼拝堂の名前からヴィラ・サン・ミケーレ(サン・ミケーレ別荘)と呼ばれるようになった。
住居部分と礼拝堂の間は、あたかも藤棚が天井の様になった柱廊で繋がれ、礼拝堂横の柱廊の突端のテラスにはスフインクスの彫像が、断崖の上に頭を突き出して置かれている。
スフインクスが見つめる先は、天気が良ければナポリ湾とヴァスビオ山が見えていると思われるが、今日は見えていたのは、真下のマリーナ・グランデの美しい海岸線だけであった。
しかしその景観をスフインクスがどんな顔で見つめているのかは、誰も知ることが叶わない。
礼拝堂から伸びているヒマラヤ杉の並木道の庭園を戻れば、サン・ミケーレ別荘一周散策は終わる。
入り口の近くに洒落た、しかしとても判りやすいサン・ミケーレ別荘の鳥瞰図風の案内板が建っているので、是非参照して下さい。
現在はサン・ミケーレ別荘はスエーデンの財団が所有、管理し、美術館として一般に公開している。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 観光バス 船
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
PR
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
WT信さんの関連旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
45