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クイーンズタウン滞在二日目、我々はリアルジャーニーという現地の旅行社でミルフォードサウンドツアーを申し込んでいた。ミルフォードサウンド世界遺産にも指定されたフィヨルランド国立公園に氷河により形成されたフィヨルド。内陸に入り組んだタスマン海を船で航行し、自然が織り成す風景や、棲息するアザラシやイルカなどのウォッチングも楽しむことができる、ニュージーランドにおける最大の観光地の一つ。ミルフォードサウンドは平均すると年間の3分の2は雨が降るといわれており、快晴でミルフォードサウンドを観光できることは非常に希である。<br /><br />ミルフォードサウンドはクイーンズタウンからバスで片道5時間の道のり、ツアーでいくには一歳の娘を連れて行くには負担が大きいので、小型飛行機でクイーンズタウンとミルフォードサウンドの往復する現地ツアーに申し込んでいた。飛行機であれば片道僅か30分、娘を連れていくにしても十分な移動時間、しかも上空から眺めるフィヨルドの風景を我々は大変楽しみにしていた。<br /><br />指定された時間にホテルのロビーで送迎車を待っていると、一本の電話がホテルのレセプションに届いた。フロントの女性はロビーのソファーに座っていた私に「worldspan様ですか?」と声をかけ、私がツアーを申し込んでいたリアルジャーニーズから電話がかかっていることを告げられ、私は電話を受けた。<br />「worldspan様、大変申し訳ございませんが、ミルフォードサウンドは大雨で予定されていた船が出航できません。フライトのみであれば何とか可能ですがいかがされますか??」<br /><br />予想だしていない事態に私は動揺し、しばらく言葉が出なかった。今我々が滞在しているクイーンズタウンは快晴だ。しかもツアーに際し、ホテルの出発一時間前にリアルジャーニーズに電話し、フライト情報を確認してほしいと事前にメールが入っていたので、私は携帯電話から旅行社に確認するとフライトはスケジュール通りである旨を聞いていたので、絶対にミルフォードサウンドのツアーは催行される者だと思っていた。一度深呼吸して気を取り直し、本当に現地の船は出航できないのか訪ねてみると、フライトだけならば可能だという。それでも良ければ飛行機を飛ばすこともできると言うが、天候が良くないのであまり勧められないと助言された。<br /> <br /> ミルフォードサウンドサウンドのフライトはよく揺れることで知られる。天候が悪ければいっそう揺れることは想像できる。妻は酔いやすいので、多分空中遊覧なんて楽しむどころではないだろうし、天候が悪い中で果たしてフィヨルドをみることができるのかも疑問だった。結局悩んだ末、敢なくツアーはキャンセル。こうしてあっけなく我々のニュージーランド旅行のメインイベントは幻と化した。<br /><br />ツアーに取っていた時間が丸々空いてしまった我々は、この時間を市内観光に充ててゆっくりしようと気分入れ替えて町へと繰り出した。湖畔沿いを歩いていると、港に蒸気船が停泊しているのが目に入った。そこでふと思いついたのが、蒸気船で対岸のウォルターピークの牧場に行くツアー。せっかくニュージーランドまできたのだから、牧場での羊の毛刈りでも楽しむか、ということで、ウォルターピーク牧場へのツアーを申し込んだ。<br /><br />1912年、1隻の蒸気船がワカティプ湖に就航した。その船は、クイーンズタウン周辺で最も高い山の名前を冠し、TSSアーンスロー号と名付けられた。TSSアーンスロー号はワカティプ湖に点在する農場を結び、そこに住む人々の交通手段や家畜や貨物輸送する船として、コミュニティを形成する上で重要な役割を演じた。時代は移ろったが、その蒸気船は約100年を経ても未だ現役、観光船に改修されたとはいえ、ローンチされた当時の美しい姿は現在も変わらず、「湖上の貴婦人」と称される。<br /><br />TSSアーンスロー号がクイーンズタウンから結ぶウォルターピークは、当時から結ばれた農場の一つである。ウォルターピークについては『子連れでニュージーランド旅行 4』で紹介したとおり、1860年にロシア人探検家タンゼルマンにより開拓され、後にマッケンジー家に渡り繁栄した高原牧場だ。<br /><br /> クイーンズタウンから対岸のウォルターピークまでの乗船時間は約40分、船の客室は二階建て、ビュッフェが設置され、ピアノの生演奏を楽しむことができる。風を切って進む蒸気船から美しい山々の風景を見つつ、そのバックグランドミュージックに、ピアノの生演奏・・・、蒸気船での移動もまた十分に楽しむことができる。<br />ウォルターピークでは、ツアー客が羊達へ餌を与えたり、牧羊犬の牧羊をまとめ上げる様子を見たり、旧マッケンジー家邸宅でアフタヌーンティーを楽しんだりできる。しかしこのツアーの最大の見所は、羊の毛刈りショーだろう。約120キロの羊をヒョイッと人間が座るように座らせ、電気バリカンのようなものであっという間に手際よく毛が刈られていく姿は、刈られた羊は素っ裸にされたようで少々気の毒に感じるが、圧巻の一言だ。<br /><br />ウォルターピークツアーでは、このほかに上陸後ホーストレックを楽しむもの、バーベキューを楽しむものなどある。もちろん蒸気船で単純往復するだけのツアーもあるが、せっかくならば上陸し、羊の毛刈りショーを楽しみ、湖畔を眺めながらアフタヌーンティーを楽しんでクイーンズタウンに戻ることをおすすめしたい。<br />

子連れでニュージーランド旅行 6 -ワカティプ湖のTSSアーンスロー号

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2010/12/10 - 2010/12/18

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worldspan

worldspanさん

クイーンズタウン滞在二日目、我々はリアルジャーニーという現地の旅行社でミルフォードサウンドツアーを申し込んでいた。ミルフォードサウンド世界遺産にも指定されたフィヨルランド国立公園に氷河により形成されたフィヨルド。内陸に入り組んだタスマン海を船で航行し、自然が織り成す風景や、棲息するアザラシやイルカなどのウォッチングも楽しむことができる、ニュージーランドにおける最大の観光地の一つ。ミルフォードサウンドは平均すると年間の3分の2は雨が降るといわれており、快晴でミルフォードサウンドを観光できることは非常に希である。

ミルフォードサウンドはクイーンズタウンからバスで片道5時間の道のり、ツアーでいくには一歳の娘を連れて行くには負担が大きいので、小型飛行機でクイーンズタウンとミルフォードサウンドの往復する現地ツアーに申し込んでいた。飛行機であれば片道僅か30分、娘を連れていくにしても十分な移動時間、しかも上空から眺めるフィヨルドの風景を我々は大変楽しみにしていた。

指定された時間にホテルのロビーで送迎車を待っていると、一本の電話がホテルのレセプションに届いた。フロントの女性はロビーのソファーに座っていた私に「worldspan様ですか?」と声をかけ、私がツアーを申し込んでいたリアルジャーニーズから電話がかかっていることを告げられ、私は電話を受けた。
「worldspan様、大変申し訳ございませんが、ミルフォードサウンドは大雨で予定されていた船が出航できません。フライトのみであれば何とか可能ですがいかがされますか??」

予想だしていない事態に私は動揺し、しばらく言葉が出なかった。今我々が滞在しているクイーンズタウンは快晴だ。しかもツアーに際し、ホテルの出発一時間前にリアルジャーニーズに電話し、フライト情報を確認してほしいと事前にメールが入っていたので、私は携帯電話から旅行社に確認するとフライトはスケジュール通りである旨を聞いていたので、絶対にミルフォードサウンドのツアーは催行される者だと思っていた。一度深呼吸して気を取り直し、本当に現地の船は出航できないのか訪ねてみると、フライトだけならば可能だという。それでも良ければ飛行機を飛ばすこともできると言うが、天候が良くないのであまり勧められないと助言された。
 
 ミルフォードサウンドサウンドのフライトはよく揺れることで知られる。天候が悪ければいっそう揺れることは想像できる。妻は酔いやすいので、多分空中遊覧なんて楽しむどころではないだろうし、天候が悪い中で果たしてフィヨルドをみることができるのかも疑問だった。結局悩んだ末、敢なくツアーはキャンセル。こうしてあっけなく我々のニュージーランド旅行のメインイベントは幻と化した。

ツアーに取っていた時間が丸々空いてしまった我々は、この時間を市内観光に充ててゆっくりしようと気分入れ替えて町へと繰り出した。湖畔沿いを歩いていると、港に蒸気船が停泊しているのが目に入った。そこでふと思いついたのが、蒸気船で対岸のウォルターピークの牧場に行くツアー。せっかくニュージーランドまできたのだから、牧場での羊の毛刈りでも楽しむか、ということで、ウォルターピーク牧場へのツアーを申し込んだ。

1912年、1隻の蒸気船がワカティプ湖に就航した。その船は、クイーンズタウン周辺で最も高い山の名前を冠し、TSSアーンスロー号と名付けられた。TSSアーンスロー号はワカティプ湖に点在する農場を結び、そこに住む人々の交通手段や家畜や貨物輸送する船として、コミュニティを形成する上で重要な役割を演じた。時代は移ろったが、その蒸気船は約100年を経ても未だ現役、観光船に改修されたとはいえ、ローンチされた当時の美しい姿は現在も変わらず、「湖上の貴婦人」と称される。

TSSアーンスロー号がクイーンズタウンから結ぶウォルターピークは、当時から結ばれた農場の一つである。ウォルターピークについては『子連れでニュージーランド旅行 4』で紹介したとおり、1860年にロシア人探検家タンゼルマンにより開拓され、後にマッケンジー家に渡り繁栄した高原牧場だ。

 クイーンズタウンから対岸のウォルターピークまでの乗船時間は約40分、船の客室は二階建て、ビュッフェが設置され、ピアノの生演奏を楽しむことができる。風を切って進む蒸気船から美しい山々の風景を見つつ、そのバックグランドミュージックに、ピアノの生演奏・・・、蒸気船での移動もまた十分に楽しむことができる。
ウォルターピークでは、ツアー客が羊達へ餌を与えたり、牧羊犬の牧羊をまとめ上げる様子を見たり、旧マッケンジー家邸宅でアフタヌーンティーを楽しんだりできる。しかしこのツアーの最大の見所は、羊の毛刈りショーだろう。約120キロの羊をヒョイッと人間が座るように座らせ、電気バリカンのようなものであっという間に手際よく毛が刈られていく姿は、刈られた羊は素っ裸にされたようで少々気の毒に感じるが、圧巻の一言だ。

ウォルターピークツアーでは、このほかに上陸後ホーストレックを楽しむもの、バーベキューを楽しむものなどある。もちろん蒸気船で単純往復するだけのツアーもあるが、せっかくならば上陸し、羊の毛刈りショーを楽しみ、湖畔を眺めながらアフタヌーンティーを楽しんでクイーンズタウンに戻ることをおすすめしたい。

旅行の満足度
5.0
観光
5.0
ホテル
4.5
グルメ
5.0
ショッピング
5.0
交通
4.5
同行者
乳幼児連れ家族旅行
一人あたり費用
10万円 - 15万円
交通手段
鉄道 高速・路線バス レンタカー 飛行機
航空会社
ジェットスター航空 ニュージーランド航空
旅行の手配内容
個別手配
  • クイーンズタウンに停泊するTSSアーンスロー号

    クイーンズタウンに停泊するTSSアーンスロー号

  • 船内にはビュッフェもある。

    船内にはビュッフェもある。

  • ピアノの生演奏。

    ピアノの生演奏。

  • エンジンルームを一部みることができる

    エンジンルームを一部みることができる

  • 蒸気船のエンジンルーム

    蒸気船のエンジンルーム

  • 現在もコークスを燃料として航行する

    現在もコークスを燃料として航行する

  • 燃料をくべている様子も見ることができる。

    燃料をくべている様子も見ることができる。

  • 乗務員がコークスを釜に入れて燃やす

    乗務員がコークスを釜に入れて燃やす

  • その熱で蒸気が管を通り、シリンダーへ圧力をかける。

    その熱で蒸気が管を通り、シリンダーへ圧力をかける。

  • こうして船のスクリューが回転し船が航行するシステム。

    こうして船のスクリューが回転し船が航行するシステム。

  • TSSとは&quot;Twin Screw Steam Steamer&quot;の略だとは・・・。

    TSSとは"Twin Screw Steam Steamer"の略だとは・・・。

  • 操舵室の立派な舵。映画に出てきそう。

    操舵室の立派な舵。映画に出てきそう。

  • 一階の部屋はとても整えられているが、二階から乗降する上、細く急な階段を使わなければならず、景色も余りよくないせいか、誰も座っていない。

    一階の部屋はとても整えられているが、二階から乗降する上、細く急な階段を使わなければならず、景色も余りよくないせいか、誰も座っていない。

  • 女性用トイレはあっちです。

    女性用トイレはあっちです。

  • 美しい眺め

    美しい眺め

  • 雲の影が山肌に・・・。

    雲の影が山肌に・・・。

  • 山肌に美しい黄色い花! 実はこれエニシダと呼ばれるヨーロッパからの外来種で、牧草の天敵といわれてニュージーランドでは厄介者とされています。更にこの花は何と花粉症まで起こさせるという恐ろしい花。私自身ウォルターピークに到着後花粉症が発生し、エライ目に遭いました。

    山肌に美しい黄色い花! 実はこれエニシダと呼ばれるヨーロッパからの外来種で、牧草の天敵といわれてニュージーランドでは厄介者とされています。更にこの花は何と花粉症まで起こさせるという恐ろしい花。私自身ウォルターピークに到着後花粉症が発生し、エライ目に遭いました。

  • マッケンジー家が見えてきた。

    マッケンジー家が見えてきた。

  • ウォルターピークに到着

    ウォルターピークに到着

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