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グルジア。日本から遠く離れたコーカサスの一国。英語では“Georgea”、現地語では“サカルトヴェロ”と呼ばれる国。ロシアの南部、あのチェチェンとも国境を接し、内部にはアブハジアや南オセティアなど大きな民族問題を抱えている。今なお政情不安定だ。あと、あのスターリンもグルジア出身だ。<br />実は、一年前に同じコーカサスの国アルメニアに訪れたのだがその際にグルジアにも行ってみたいと思い、それが今回の訪問のきっかけだ。<br />全くの未知の国だが、そこには多くの魅力があったのだ…。<br /><br />2003年1月1日、トルコの国境を抜け、グルジア入国を果たす。しかしながら、その国境通過はなかなかタフなものだった。<br />まず、グルジアの国境係員は皆迷彩服を着ており、国境警備隊も兼任しているような風格。カラシニコフを手にした人を横に、手続きを行うのはなんとも威圧感を感じる。旧ソ連だった影響か、権威主義的なものを感じざるを得なかった。ちゃんとグルジア・ビザ(イスタンブールのグルジア領事館で取得:$40)のついたパスポートを手渡す。なぜかUS$10要求された。国境通過代!?ニヤニヤしている迷彩服の役人が気になる…。<br /><br />コンピュータに個人情報をしっかりと入力され、パスポートを返してもらう。入国スタンプもちゃんと押されてあった。無事グルジア入国!と思いきや、一人の迷彩服の役人に出口方向を案内してもらっていたところ、人気のないところでおもむろに賄賂要求!「10ドルくれ!」とか「シガレット?ヴォドカ?」とか。「NO!!」と返事してもしつこく要求してくる。困ったもんだ。だんだん声の調子も強くなり、顔をしかめてくる。険悪な雰囲気に。ん〜、相手はカラシニコフ…。悔しかったけど、5ドルあげてその場を開放されることに。グルジア役人腐ってるよ…。<br /><br />次に待ち受けていたのは税関。ちゃんと係員がいて、バックパックの中身をすべて調べる様子。その前に、用紙を一枚手渡され、それに必要事項を記入するように言われる。中身をいろいろ調べられてウソが発覚するとややこしくなりそうだったから、ほぼ正直に記入する。用紙を手渡し、バックパックを台の上に載せる。“No bomb?”“No drug?”…もちろん持ってないよ。正直に“No”と答える。すると、中身を特に調べられるわけでもなく、思った以上に易く通過することができた。やっと入国だー!<br /><br />と思いきや、最後の出口にもう一つゲートが。そこには、日本の公務員的な制服を身に着けた係員が5人程たむろしていた。イヤな予感はしたが、案の定、賄賂を要求された。「一人あたり10ドル。5人いるから50ドルくれ。」…呆れた。先ほどの件もあり、相当腹が立っていた。ここは毅然とした態度でいこうと思った。“NO!!”“For what!?”徹底的に否定し、反抗する。10分ほど言い合いをしただろうか、ようやくあきらめたようで無事開放された。やっとグルジア入国を果たす。あぁ、本当に疲れた。ってか、グルジア役人本当に腐ってる…。<br /><br />後々考えてみると、普段トルコ人や自国民の相手ばかりしている中、たまたま通りかかったアジア人をちょっとからかってみようか、なんて思っただけなのかもしれない。とにもかくにも無事通過。こうしてグルジアの旅が始まったのであった。

イヤな国境の出来事もすっかり忘れさせてくれたグルジアの麗しき都

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2003/01/01 - 2003/01/05

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旅〜kimama

旅〜kimamaさん

グルジア。日本から遠く離れたコーカサスの一国。英語では“Georgea”、現地語では“サカルトヴェロ”と呼ばれる国。ロシアの南部、あのチェチェンとも国境を接し、内部にはアブハジアや南オセティアなど大きな民族問題を抱えている。今なお政情不安定だ。あと、あのスターリンもグルジア出身だ。
実は、一年前に同じコーカサスの国アルメニアに訪れたのだがその際にグルジアにも行ってみたいと思い、それが今回の訪問のきっかけだ。
全くの未知の国だが、そこには多くの魅力があったのだ…。

2003年1月1日、トルコの国境を抜け、グルジア入国を果たす。しかしながら、その国境通過はなかなかタフなものだった。
まず、グルジアの国境係員は皆迷彩服を着ており、国境警備隊も兼任しているような風格。カラシニコフを手にした人を横に、手続きを行うのはなんとも威圧感を感じる。旧ソ連だった影響か、権威主義的なものを感じざるを得なかった。ちゃんとグルジア・ビザ(イスタンブールのグルジア領事館で取得:$40)のついたパスポートを手渡す。なぜかUS$10要求された。国境通過代!?ニヤニヤしている迷彩服の役人が気になる…。

コンピュータに個人情報をしっかりと入力され、パスポートを返してもらう。入国スタンプもちゃんと押されてあった。無事グルジア入国!と思いきや、一人の迷彩服の役人に出口方向を案内してもらっていたところ、人気のないところでおもむろに賄賂要求!「10ドルくれ!」とか「シガレット?ヴォドカ?」とか。「NO!!」と返事してもしつこく要求してくる。困ったもんだ。だんだん声の調子も強くなり、顔をしかめてくる。険悪な雰囲気に。ん〜、相手はカラシニコフ…。悔しかったけど、5ドルあげてその場を開放されることに。グルジア役人腐ってるよ…。

次に待ち受けていたのは税関。ちゃんと係員がいて、バックパックの中身をすべて調べる様子。その前に、用紙を一枚手渡され、それに必要事項を記入するように言われる。中身をいろいろ調べられてウソが発覚するとややこしくなりそうだったから、ほぼ正直に記入する。用紙を手渡し、バックパックを台の上に載せる。“No bomb?”“No drug?”…もちろん持ってないよ。正直に“No”と答える。すると、中身を特に調べられるわけでもなく、思った以上に易く通過することができた。やっと入国だー!

と思いきや、最後の出口にもう一つゲートが。そこには、日本の公務員的な制服を身に着けた係員が5人程たむろしていた。イヤな予感はしたが、案の定、賄賂を要求された。「一人あたり10ドル。5人いるから50ドルくれ。」…呆れた。先ほどの件もあり、相当腹が立っていた。ここは毅然とした態度でいこうと思った。“NO!!”“For what!?”徹底的に否定し、反抗する。10分ほど言い合いをしただろうか、ようやくあきらめたようで無事開放された。やっとグルジア入国を果たす。あぁ、本当に疲れた。ってか、グルジア役人本当に腐ってる…。

後々考えてみると、普段トルコ人や自国民の相手ばかりしている中、たまたま通りかかったアジア人をちょっとからかってみようか、なんて思っただけなのかもしれない。とにもかくにも無事通過。こうしてグルジアの旅が始まったのであった。

旅行の満足度
4.0
観光
4.0
ホテル
2.5
グルメ
2.5
ショッピング
2.0
交通
3.0
同行者
一人旅
一人あたり費用
3万円 - 5万円
交通手段
鉄道 タクシー
旅行の手配内容
個別手配

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  • どうにかグルジア国境を抜け出したあと、タクシーにて黒海沿岸の街バトゥーミを目指す。タクシー・ドライバーとはUS$5で交渉成立。ガイドにはUS$7と書いてあったから、納得のいくところ。<br />まず驚いたのが…街灯がほとんどないのだ。国境を通過する頃には日が暮れてしまったのだが、バトゥーミの街へ向かう道はとにかく暗いのだ。しかも、バトゥーミの街中にも街灯がほとんどなく、暗闇の中で人がうごめいているといった様子。車のヘッドライトが街を明るくしているという感じだ。<br />当初はバトゥーミで一泊し、翌日バスで首都のトビリシを目指そうと思っていたが、タクシーの運転手によると夜行列車があるとのこと。今から駅に向かって、切符を買えば翌朝トビリシに着く列車に乗れるよと教えられた。確かに、駅で切符が買え、駅の係員にも同じように案内された。<br />列車を待っている間、売店で買ったグルジア・ビールを飲んだり、プラットフォームをぶらぶらして時間をつぶした。写真はグルジア人・アジャラ人・ロシア人と様々な人。グルジアでは当たり前?<br />列車の旅は1等ということもあり、かなり快適だった。<br />(画像:マヒンジャウリ駅のプラットホームにて)

    どうにかグルジア国境を抜け出したあと、タクシーにて黒海沿岸の街バトゥーミを目指す。タクシー・ドライバーとはUS$5で交渉成立。ガイドにはUS$7と書いてあったから、納得のいくところ。
    まず驚いたのが…街灯がほとんどないのだ。国境を通過する頃には日が暮れてしまったのだが、バトゥーミの街へ向かう道はとにかく暗いのだ。しかも、バトゥーミの街中にも街灯がほとんどなく、暗闇の中で人がうごめいているといった様子。車のヘッドライトが街を明るくしているという感じだ。
    当初はバトゥーミで一泊し、翌日バスで首都のトビリシを目指そうと思っていたが、タクシーの運転手によると夜行列車があるとのこと。今から駅に向かって、切符を買えば翌朝トビリシに着く列車に乗れるよと教えられた。確かに、駅で切符が買え、駅の係員にも同じように案内された。
    列車を待っている間、売店で買ったグルジア・ビールを飲んだり、プラットフォームをぶらぶらして時間をつぶした。写真はグルジア人・アジャラ人・ロシア人と様々な人。グルジアでは当たり前?
    列車の旅は1等ということもあり、かなり快適だった。
    (画像:マヒンジャウリ駅のプラットホームにて)

  • イヴェリアホテル。「ホテル」とが付けられてあるのだが…実はこのホテルの客室のほとんどが難民の住居として使用されている。確かに、外からはたくさんの洗濯物やベニヤ板が見え、かなりの生活感がうかがえる。実際宿として機能しているのは2階部分だけだそうだ。<br />その難民というのは、グルジア北西部のアブハジア自治州に関わる内戦の結果生じたものだ。イヴェリアホテルはグルジアの複雑な「いま」を垣間見れる独特な建物であるとも言える。

    イヴェリアホテル。「ホテル」とが付けられてあるのだが…実はこのホテルの客室のほとんどが難民の住居として使用されている。確かに、外からはたくさんの洗濯物やベニヤ板が見え、かなりの生活感がうかがえる。実際宿として機能しているのは2階部分だけだそうだ。
    その難民というのは、グルジア北西部のアブハジア自治州に関わる内戦の結果生じたものだ。イヴェリアホテルはグルジアの複雑な「いま」を垣間見れる独特な建物であるとも言える。

  • バスの役割は手軽な運賃で、目的地へと人を運ぶこと。多くの人を載せることができ、動きさえすればよいのだが…トビリシではそのバスの最低限の役割をかろうじて果たしているといった感じだった。おそらく、旧ソ連製のものであると思うが、車にしろバスにしろとにかく「本当に動くの!?」と心配になるようなものがここかしこに走っている。現在に残る社会主義の遺産の一つとも言えるだろう。環境や快適さを追求できるようになるのは、まだまだ先のようだ。

    バスの役割は手軽な運賃で、目的地へと人を運ぶこと。多くの人を載せることができ、動きさえすればよいのだが…トビリシではそのバスの最低限の役割をかろうじて果たしているといった感じだった。おそらく、旧ソ連製のものであると思うが、車にしろバスにしろとにかく「本当に動くの!?」と心配になるようなものがここかしこに走っている。現在に残る社会主義の遺産の一つとも言えるだろう。環境や快適さを追求できるようになるのは、まだまだ先のようだ。

  • トラックをはじめとした大型自動車はとにかくスゴイ。なにがスゴイかって言えば、古さもさることながら、それから出される排気ガス。黒い煙をムンムンと吐き出し、街中を何のお構いナシに走っている。日本だと車検に通らないこと間違いなし。グルジアでは、まだまだ環境といった分野に意識はいっていないようだ。たとえあるにしても資金繰りが困難が業者が多いようにも思える。

    トラックをはじめとした大型自動車はとにかくスゴイ。なにがスゴイかって言えば、古さもさることながら、それから出される排気ガス。黒い煙をムンムンと吐き出し、街中を何のお構いナシに走っている。日本だと車検に通らないこと間違いなし。グルジアでは、まだまだ環境といった分野に意識はいっていないようだ。たとえあるにしても資金繰りが困難が業者が多いようにも思える。

  • 街中を歩いているとユニークな看板を見つけた。「SUMITOMOタイヤ」のもので、そこには3種類のタイヤとその力強さをイメージしてか日本の力士…そう、あの小錦が描かれていたのだ。グルジアで日本的なものを見られようとは思いもしなかっただけに、嬉しかった。日本の企業は本当に世界各国に展開しているんだなぁと思った。<br />そういえば、日本人になじみのあるグルジア人と言えば、そう、力士の「黒海」であろう。グルジアでは日本の相撲が案外ポピュラーなのかもしれない。

    街中を歩いているとユニークな看板を見つけた。「SUMITOMOタイヤ」のもので、そこには3種類のタイヤとその力強さをイメージしてか日本の力士…そう、あの小錦が描かれていたのだ。グルジアで日本的なものを見られようとは思いもしなかっただけに、嬉しかった。日本の企業は本当に世界各国に展開しているんだなぁと思った。
    そういえば、日本人になじみのあるグルジア人と言えば、そう、力士の「黒海」であろう。グルジアでは日本の相撲が案外ポピュラーなのかもしれない。

  • 言わずと知れた世界的飲料物コカ・コーラ。コーラの飲めない国はこの地球上ないのではないかと思えるくらい、どこでも目にすることができる。例に漏れず、このグルジアでもお目にかかれた。「Coca cola」の文字の上にちゃんとグルジア文字でも示されてあった。<br />

    言わずと知れた世界的飲料物コカ・コーラ。コーラの飲めない国はこの地球上ないのではないかと思えるくらい、どこでも目にすることができる。例に漏れず、このグルジアでもお目にかかれた。「Coca cola」の文字の上にちゃんとグルジア文字でも示されてあった。

  • トビリシ一の繁華街、ルスタヴェリ大通り。車や人の往来が結構多いのだが、やはり何か垢抜けない様子。洗練されていないというか、何と言うか…。西側諸国からやって来た人にはきっと物足りないといった印象を与えるだろう。<br />そのなかでも、特に異彩を放っていたのがこの写真の建物。何であるかは忘れたが、なかなかユニークな建物であった。周りがパッとしないだけに、この建物が異様に目立っていた。<br />自分はこのルスタヴェリ大通りを少し入ったところにある「Hotel Ipari」というところに投宿していた。

    トビリシ一の繁華街、ルスタヴェリ大通り。車や人の往来が結構多いのだが、やはり何か垢抜けない様子。洗練されていないというか、何と言うか…。西側諸国からやって来た人にはきっと物足りないといった印象を与えるだろう。
    そのなかでも、特に異彩を放っていたのがこの写真の建物。何であるかは忘れたが、なかなかユニークな建物であった。周りがパッとしないだけに、この建物が異様に目立っていた。
    自分はこのルスタヴェリ大通りを少し入ったところにある「Hotel Ipari」というところに投宿していた。

  • 旧市街の入り口、タヴィスプレバ広場。この広場の裏には、トビリシ一番の見どころである古い民家が広がっている。<br />また、このタヴィスプレバ広場はルスタヴェリ大通りの起点にもなっていて、ロータリー状になっている。それを取り囲むように、きれいな近代的な建物が建っていた。

    旧市街の入り口、タヴィスプレバ広場。この広場の裏には、トビリシ一番の見どころである古い民家が広がっている。
    また、このタヴィスプレバ広場はルスタヴェリ大通りの起点にもなっていて、ロータリー状になっている。それを取り囲むように、きれいな近代的な建物が建っていた。

  • タヴィスプレバ広場中央部にクリスマス・ツリーが立っていた。かなり巨大なものだ。西側諸国とは違って、正教のクリスマスは1月の上旬なのだそうだ。昨年、アルメニアを訪問したときも、彼らは1月の頭にクリスマスを祝っていた。グルジアの人たちにとっても、おそらくクリスマスは一年の最大の行事でもあるのだろう。

    タヴィスプレバ広場中央部にクリスマス・ツリーが立っていた。かなり巨大なものだ。西側諸国とは違って、正教のクリスマスは1月の上旬なのだそうだ。昨年、アルメニアを訪問したときも、彼らは1月の頭にクリスマスを祝っていた。グルジアの人たちにとっても、おそらくクリスマスは一年の最大の行事でもあるのだろう。

  • タヴィスプレバ広場からさらに奥に入っていくと、トビリシの古き良き時代の名残である旧市街が広がっている。路地も、アスファルトから石畳に変わる。個人的な意見だが、この街並は本当に独特で、かなり古びているのだけど美しいと思った。世界遺産に登録されていても不思議ではないと思えるくらいだ。駅や通りや建物が薄汚れてパッとしなかったが故に、この旧市街には心が揺さぶられた。

    タヴィスプレバ広場からさらに奥に入っていくと、トビリシの古き良き時代の名残である旧市街が広がっている。路地も、アスファルトから石畳に変わる。個人的な意見だが、この街並は本当に独特で、かなり古びているのだけど美しいと思った。世界遺産に登録されていても不思議ではないと思えるくらいだ。駅や通りや建物が薄汚れてパッとしなかったが故に、この旧市街には心が揺さぶられた。

  • 旧市街には銅像やオブジェなどもところどころ置かれ、レトロな雰囲気を利用したカフェなんかもあり、“観光的”な一面がうかがえるところでもある。(土産物屋やペンションといったものは見つけることができなかったが…。)しかし、ここに住んでいる人たちは、この美しい街並を意識せずして、ただただ日常生活を営んでいた。

    旧市街には銅像やオブジェなどもところどころ置かれ、レトロな雰囲気を利用したカフェなんかもあり、“観光的”な一面がうかがえるところでもある。(土産物屋やペンションといったものは見つけることができなかったが…。)しかし、ここに住んでいる人たちは、この美しい街並を意識せずして、ただただ日常生活を営んでいた。

  • 旧市街の街並の特徴を挙げるとすれば、このテラスのように張り出された家々であろう。2階より上の部分が外に張り出され、細部には彫刻なども施してあり、どことなくイスラム的な雰囲気も漂わせる独特な造りをしている。このテラスも様々なタイプがあって、見るものを飽きさせない。このような家を見ていると、グルジアに対するイメージが変わっていくような気がした。(少なくとも国境でのイヤなイメージはすでに消え去っていた)

    旧市街の街並の特徴を挙げるとすれば、このテラスのように張り出された家々であろう。2階より上の部分が外に張り出され、細部には彫刻なども施してあり、どことなくイスラム的な雰囲気も漂わせる独特な造りをしている。このテラスも様々なタイプがあって、見るものを飽きさせない。このような家を見ていると、グルジアに対するイメージが変わっていくような気がした。(少なくとも国境でのイヤなイメージはすでに消え去っていた)

  • グルジアには2003年1月時点で3つの世界遺産(①ムツヘタの都市-博物館保護区 ②バグラチ大聖堂とゲラチ修道院 ③アッパー・スヴァネティ)がユネスコに登録されているが、このトビリシの旧市街も伝統的・独創的観点から、登録されてもよいのではと思った。

    グルジアには2003年1月時点で3つの世界遺産(①ムツヘタの都市-博物館保護区 ②バグラチ大聖堂とゲラチ修道院 ③アッパー・スヴァネティ)がユネスコに登録されているが、このトビリシの旧市街も伝統的・独創的観点から、登録されてもよいのではと思った。

  • 旧市街のとある民家の張り出したテラス。古いからこそ、赴き深いものに見えた。こういう古さは、その都市の誇りある伝統・歴史としてずっと残されてほしいと願うばかりだ。<br />そういえば、このような家の造りをイスタンブールでも見たなぁ。この地域一帯に広がる伝統的なものなのだろうか…?

    旧市街のとある民家の張り出したテラス。古いからこそ、赴き深いものに見えた。こういう古さは、その都市の誇りある伝統・歴史としてずっと残されてほしいと願うばかりだ。
    そういえば、このような家の造りをイスタンブールでも見たなぁ。この地域一帯に広がる伝統的なものなのだろうか…?

  • トビリシがちょっと薄暗く、色彩的に冴えない街だから、このような原色に不意に目がひきつけられる。ただ、木でできた壁面に水色のペンキが塗ってあるだけなのだが、味があると思った。<br />番地が示されてあるその下に、グルジア文字のアルファベットがずらっと並べて書いてあった。ん〜、いったいどんな意味…!?

    トビリシがちょっと薄暗く、色彩的に冴えない街だから、このような原色に不意に目がひきつけられる。ただ、木でできた壁面に水色のペンキが塗ってあるだけなのだが、味があると思った。
    番地が示されてあるその下に、グルジア文字のアルファベットがずらっと並べて書いてあった。ん〜、いったいどんな意味…!?

  • 決してお金持ちではないけれど、旧市街の人たちは精一杯おしゃれを演出している、そんな気がしてならなかった。

    決してお金持ちではないけれど、旧市街の人たちは精一杯おしゃれを演出している、そんな気がしてならなかった。

  • イスラム教国での大衆文化の一つであるハマム(公共浴場)。なぜか、キリスト教国であるグルジアにもありました。おそらく、オスマン・トルコ時代の影響を受けた名残だろう。ハンガリーにおける数々の温泉もトルコの影響を受けたものだから、まぁ考えてみるとこのグルジアにあって当然といえば当然なのかも。

    イスラム教国での大衆文化の一つであるハマム(公共浴場)。なぜか、キリスト教国であるグルジアにもありました。おそらく、オスマン・トルコ時代の影響を受けた名残だろう。ハンガリーにおける数々の温泉もトルコの影響を受けたものだから、まぁ考えてみるとこのグルジアにあって当然といえば当然なのかも。

  •  夜の旧市街を歩いてみた。ほのかに街灯が照らされ、それが石畳に反射し、中世そのもののような雰囲気がそこにはあった。日本の異常とも言えるネオンとは全く正反対の、暗闇とほのかな明かりの芸術がそこにはあった。暗闇の中でライトアップされた教会は実に神秘的であった。

     夜の旧市街を歩いてみた。ほのかに街灯が照らされ、それが石畳に反射し、中世そのもののような雰囲気がそこにはあった。日本の異常とも言えるネオンとは全く正反対の、暗闇とほのかな明かりの芸術がそこにはあった。暗闇の中でライトアップされた教会は実に神秘的であった。

  • トビリシの街を貫くように流れる川、ムトゥクワリ川。決してきれいな川とは言えないが、通り沿いに歩道があり、木の植え込みなどもあって、ちょっとした散歩にはもってこいの場所だ。冬の通りは、人影もなくひっそりとしていて、静かな午後の散歩を楽しむことができた。

    トビリシの街を貫くように流れる川、ムトゥクワリ川。決してきれいな川とは言えないが、通り沿いに歩道があり、木の植え込みなどもあって、ちょっとした散歩にはもってこいの場所だ。冬の通りは、人影もなくひっそりとしていて、静かな午後の散歩を楽しむことができた。

  • ムトゥクワリ川を旧市街側から眺めると、対岸が切り立った崖になっているのが分かる。都市部における川沿いは、コンクリートで堤防が築かれていたりするのが普通であるが、この一帯は岩石がむき出しになっており、その自然な様が逆に新鮮に見えて、迫力があった。川面に映る対称の風景が美しさを増していた。

    ムトゥクワリ川を旧市街側から眺めると、対岸が切り立った崖になっているのが分かる。都市部における川沿いは、コンクリートで堤防が築かれていたりするのが普通であるが、この一帯は岩石がむき出しになっており、その自然な様が逆に新鮮に見えて、迫力があった。川面に映る対称の風景が美しさを増していた。

  • このムトゥクワリ川の崖の上に小さな教会が一つ立っていた。メテヒ教会と呼ばれるグルジア正教の教会で、決して大きくきらびやかな教会ではないのだが、周りの風景にすごく溶け込んでいて、一種の風格さえ感じる。かつてモンゴル軍に破壊され、その後再建されたという古い歴史を持つ教会でもあるようだ。

    このムトゥクワリ川の崖の上に小さな教会が一つ立っていた。メテヒ教会と呼ばれるグルジア正教の教会で、決して大きくきらびやかな教会ではないのだが、周りの風景にすごく溶け込んでいて、一種の風格さえ感じる。かつてモンゴル軍に破壊され、その後再建されたという古い歴史を持つ教会でもあるようだ。

  • メテヒ教会から旧市街側を眺めると、なだらかな丘があるのに気づく。そして、その丘の上に目を遣ると、要塞らしきものがあるのが分かる。民家脇の小さな道を上へ上へと登っていくと、そこには真新しい教会が立っていた。薄いベージュ色で、きれいな感じだった。メテヒ教会とは対照的に、この教会はたった今歴史を刻み始めたばかりのようだ。

    メテヒ教会から旧市街側を眺めると、なだらかな丘があるのに気づく。そして、その丘の上に目を遣ると、要塞らしきものがあるのが分かる。民家脇の小さな道を上へ上へと登っていくと、そこには真新しい教会が立っていた。薄いベージュ色で、きれいな感じだった。メテヒ教会とは対照的に、この教会はたった今歴史を刻み始めたばかりのようだ。

  • 真新しい教会の立つ丘は、ナリカラ要塞と呼ばれ、以前は立派な砦が築かれていた。しかし、砦内の城に納めてあった火薬が爆発してしまい、建物や砦が破壊されてしまったそうだ。<br /> しかし、今ではトビリシの街が一望できる絶好のヴュー・ポイントとなっており、自分が行った時にもグルジア人カップルがトビリシの街を眺めながらデートを楽しんでいた。

    真新しい教会の立つ丘は、ナリカラ要塞と呼ばれ、以前は立派な砦が築かれていた。しかし、砦内の城に納めてあった火薬が爆発してしまい、建物や砦が破壊されてしまったそうだ。
     しかし、今ではトビリシの街が一望できる絶好のヴュー・ポイントとなっており、自分が行った時にもグルジア人カップルがトビリシの街を眺めながらデートを楽しんでいた。

  • 何となく薄暗い印象を持ったトビリシであったが、ここからの風景は本当に美しく、日に照らされたその姿は感動的であった。ゆるやかに蛇行するムトゥクワリ川沿いに街が開け、どこまでも家並みが広がっていた。高層ビルや近代建築なんか見られなかったけど、歴史を十分に感じる風景であった。

    何となく薄暗い印象を持ったトビリシであったが、ここからの風景は本当に美しく、日に照らされたその姿は感動的であった。ゆるやかに蛇行するムトゥクワリ川沿いに街が開け、どこまでも家並みが広がっていた。高層ビルや近代建築なんか見られなかったけど、歴史を十分に感じる風景であった。

  • 旧市街に目を遣ると、ほとんどの家が赤い屋根で覆われ、その間から教会の尖塔が頭を突き出していた。要塞からの風景はどこを見ても本当にきれいだった。「あー、自分は本当にグルジアまでやって来たんだなぁ」と実感するひと時であった。

    旧市街に目を遣ると、ほとんどの家が赤い屋根で覆われ、その間から教会の尖塔が頭を突き出していた。要塞からの風景はどこを見ても本当にきれいだった。「あー、自分は本当にグルジアまでやって来たんだなぁ」と実感するひと時であった。

  • ハンガリーに始まった今回の旅。ルーマニア・ブルガリア・トルコを経てグルジアにやって来たが、宗教的な面から見ると、トルコのみがイスラム教、そして残りはキリスト教が信者の大多数を占めている。また、キリスト教の中でもハンガリーだけはプロテスタントとカトリックの世界で、残りの3つはオーソドックス(正教)に属する。しかしながら、グルジアのそれはルーマニアやブルガリアのものとは趣を異にしていた。

    ハンガリーに始まった今回の旅。ルーマニア・ブルガリア・トルコを経てグルジアにやって来たが、宗教的な面から見ると、トルコのみがイスラム教、そして残りはキリスト教が信者の大多数を占めている。また、キリスト教の中でもハンガリーだけはプロテスタントとカトリックの世界で、残りの3つはオーソドックス(正教)に属する。しかしながら、グルジアのそれはルーマニアやブルガリアのものとは趣を異にしていた。

  • グルジア正教の教会は概してシンプルな造りで、丹念に一つ一つの石が積み上げられてできている。キリスト教の初期の時代を思わせるようで、本当に人手によって魂を込めて造られたんだなぁといった感じがうかがえる。

    グルジア正教の教会は概してシンプルな造りで、丹念に一つ一つの石が積み上げられてできている。キリスト教の初期の時代を思わせるようで、本当に人手によって魂を込めて造られたんだなぁといった感じがうかがえる。

  • 旧市街のエキゾチックな邸宅とユニークな造りをしたグルジア正教会は、トビリシの街に芸術と歴史のエレメントをしっかりと根付かせ、訪れる者の興味を十二分に引き立ててくれる。

    旧市街のエキゾチックな邸宅とユニークな造りをしたグルジア正教会は、トビリシの街に芸術と歴史のエレメントをしっかりと根付かせ、訪れる者の興味を十二分に引き立ててくれる。

  • ナリカラ要塞の麓にある教会。いくつかの家々に囲まれているのだが、やや寂れた感があり、辺りはひっそりと静まり返っていた。

    ナリカラ要塞の麓にある教会。いくつかの家々に囲まれているのだが、やや寂れた感があり、辺りはひっそりと静まり返っていた。

  • 先にも紹介したメテヒ教会。本当に小さく飾りっ気もないんだけど、これがまたかなりの絵になるんだな。

    先にも紹介したメテヒ教会。本当に小さく飾りっ気もないんだけど、これがまたかなりの絵になるんだな。

  • グルジア正の教会ばかりを見ていると、西のゴシックやバロック式の教会が新鮮に思える。確かに、仏教で「寺」と言っても、日本とタイ、スリランカ、チベットなど他の国のものとは全然違うもんね。

    グルジア正の教会ばかりを見ていると、西のゴシックやバロック式の教会が新鮮に思える。確かに、仏教で「寺」と言っても、日本とタイ、スリランカ、チベットなど他の国のものとは全然違うもんね。

  • グルジア正教会の総本山、シオニ教会。こじんまりとしてはいるが、グルジア各地の教会の中枢をなす重要な教会なのだ。人々の大きな拠り所になっていることであろう。

    グルジア正教会の総本山、シオニ教会。こじんまりとしてはいるが、グルジア各地の教会の中枢をなす重要な教会なのだ。人々の大きな拠り所になっていることであろう。

  • ナリカラ要塞ふもとの教会。元はベージュ色の美しい教会であったのだろうが、今では黒ずんだ色をしていて、屋根の一部も錆付いていた。再び美しい輝きを取り戻すときはくるのだろうか?

    ナリカラ要塞ふもとの教会。元はベージュ色の美しい教会であったのだろうが、今では黒ずんだ色をしていて、屋根の一部も錆付いていた。再び美しい輝きを取り戻すときはくるのだろうか?

  • ナリカラ要塞の上にそびえ立つ真新しい教会。この教会も、これからトビリシの街並の移り変わりをしっかりと見守っていくのだろう。

    ナリカラ要塞の上にそびえ立つ真新しい教会。この教会も、これからトビリシの街並の移り変わりをしっかりと見守っていくのだろう。

  • ナリカラ要塞の真新しい教会。新しいと言えど、しっかりと伝統が守られていて、他のグルジア正教会とは違わないものであった。<br />この教会の周りを、一人の老婆が熱心に箒で砂や埃を掃いていた。いつまでも美しい姿であってほしい。

    ナリカラ要塞の真新しい教会。新しいと言えど、しっかりと伝統が守られていて、他のグルジア正教会とは違わないものであった。
    この教会の周りを、一人の老婆が熱心に箒で砂や埃を掃いていた。いつまでも美しい姿であってほしい。

  • 旧ソ連の一員でありながらもトビリシは新旧のものが調和よく混ざり合い、独特の街並みを創り出していた。確かに、老朽化した味気のないソ連時代の建築物やインフラの不整備、難民流入問題など様々な問題を抱えているが、日本とは違った文化や街並み民族の交錯を十分に味わうことができる魅力的な首都であった。古き良きものを残しつつ、民族の調和と安定した社会のもと、トビリシの発展を願いたい。END

    旧ソ連の一員でありながらもトビリシは新旧のものが調和よく混ざり合い、独特の街並みを創り出していた。確かに、老朽化した味気のないソ連時代の建築物やインフラの不整備、難民流入問題など様々な問題を抱えているが、日本とは違った文化や街並み民族の交錯を十分に味わうことができる魅力的な首都であった。古き良きものを残しつつ、民族の調和と安定した社会のもと、トビリシの発展を願いたい。END

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  • captainfutureさん 2010/11/18 11:42:47
    初めまして
    いつかコーカサスを旅してみたいと思っていまして、今回のグルジア編、一枚一枚興味深く拝見しました。
    難民ホテルとして知られているイヴェリアホテル、やはりスゴイ迫力ですね。
    旧市街の様子、いい感じです。
    国境でイヤなお思いをされても、これで忘れてしまったという気持ちが分かるような気がしました。

    いい旅行記を拝見させて頂き、ありがとうございました。

    旅〜kimama

    旅〜kimamaさん からの返信 2010/11/23 23:15:25
    RE: 初めまして
    Captainfutureさん

    はじめまして。
    メッセージを残していただき、ありがとうございます。
    今から約8年前と古い情報ですが、お役に立てれば幸いです。
    この2003年初頭から現在に至る8年間に、グルジアは「バラ革命」を通じた市民の力による政治が始まったものの、ロシアとの南オセチア自治州を巡る争奪や今なお続くアブハジア自治州の独立問題など未だ混沌とした様相を呈していますが、魅力あふれる国であることは間違いありません。
    トビリシの旧市街は本当に趣があって、フォトジェニックな場所がいたるところにあります。
    自分は訪問することができませんでしたが、グルジア軍用道路やスヴァネティ地方も素晴らしい景色が堪能できると聞いています。
    いつの日かCapitainfutureさんもグルジアの旅を是非とも満喫されてください!

    また、Capitainfutureさんのシルクロード&ウイグル旅行記も拝見させていただきました。
    街並みや街道沿いの風景、人々、食べ物などいろんな写真が掲載されていて、丁寧なコメント付きでウイグル旅行を楽しませていただきました。
    自分もウズベキスタンを旅行した時に、中央アジアの魅力に惹かれ、いつかはカシュガルをはじめとするウイグルに行ってみたいという思いがありましたが、Capitainfutureさんの旅行記を見ていてますますその気持ちが高まりました。
    ありがとうございます!

旅〜kimamaさんのトラベラーページ

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