『燃える大地』＜ゴンドワナの大陸を旅して＞（１０８）放牧場と風力発電。

2010/04/25 - 2010/05/10

日本は人口密度が高く、新幹線で東京から大阪まで行っても、町とか人家が絶えるということもなく、町や駅がひっきりなしに続くが、豪州の場合は人口は殆ど海岸周辺部に集中していて、一旦町を出ると、果てしない原野、草原、牧場などが続いている。そんな中に人家が時々まばらに見えるだけだ。

ほんの１０分、１５分も走るとGhan号はもうアデレードの街を離れ、見渡す限りの放牧場の真っ只中を走る。それもゆっくりとしたスピードで。大体８０キロ前後、中央線の「かいじ」や「スーパーあずさ」よりも遅いスピードだ。急ぐ旅でないのだから、これで良いのだろう。

窓の外には広大な牧場が広がっている。なだらかな丘陵のあちこちに牛の群れが見えるが、牧童などはどこにも見えない。土地が広いから放し飼いにして、どこかへ逃げていくなんて心配もないのだろう。だから日本にあるような柵とか有刺鉄線なども見当たらない。ただ日本と比べ、土地は痩せているようで、緑はそれ程多くない。だから牛にとってもこれだけ広い土地が必要になるのかも知れないが・・

国道らしき道路が線路に沿って、ずっと北上している。この道路はきっと、３０００キロ離れたダーゥインの町まで続いているに違いない。時々トラックが走ったり、たまに乗用車なども見える。日本の国道のようにトラックが数珠繋ぎになって走る、という光景はない。本当の田舎道、といった感じだ。

しかしこの国が先進国の１国であることの間違いない事実として、この放牧場やら閑散とした原野を走る国道の先に風力発電の大きな塔が忽然と現れる。丘陵を埋め尽くす凄い数だ。豪州は単に放牧と綿羊の国ではなかった。見えないところで、こうした先端技術を利用し、国富に努力している。矢張りタイの田舎では見られない光景だった。

エリア アデレード(オーストラリア)

• 旅行の満足度: 4.5

Ghan号は１５分も走れば、アデレードの郊外に出るが、まだこの辺は近郊農家のハウス栽培なども見られる。

町を出ると果てしない草原が続いている。

放牧場なども見えてきた。

その広さは広大で、境界線と言ったものはどこにも見えない。

時々林に囲まれた集落なども見ることがある。

前方の丘に風力発電の塔が見える。その前の国道を走る２両連結のトラック。

かなり大規模な風力発電だ。

平原はどこまでも続く。大草原の真っ只中を列車は進んでいく。

再びの風力発電とその前を走る国道。

アデレードを出て約１時間、漸くYarra　Valley,Barossa　Valleyなどの山並が見えてきた。