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<br />2010年10月25日(火)<br /><br />地平線を深紅に染めて、太陽が昇った。<br /><br />仰ぎ見る上空の空は、紺碧よりももっと青い。<br /><br />その鮮やかな赤さから青さに向けての、見事な色調の変化。<br /><br /><br />新たな今日と言う地球舞台が、開かれつつある予兆を示す、神々の国の緞帳なのだろうか。<br /><br />今、わが搭乗機はイランの上空を飛んでいる。<br /><br /><br />今朝3時10分に、暗黒のドバイ空港を飛び立った関西空港直行便エミレーツ航空「B777-300機」は、深夜のホルムズ海峡を渡り切って、対岸のイランに達している。<br /><br />ホルムズ湾は、日本に来る石油タンカー船の80%、年間3400隻が通過すると言われ、最狭33キロのこの海峡は、世界経済のというより日本人生活のアキレス腱。<br /><br />石油産地のペルシャ湾とオマーン湾間に位置し、過去においても触雷事件があったり、民間航空機の撃墜事件があったり、最近でも衝突事件があって緊張が絶えない。<br /><br />地図を見ると、「ケルマーン」なる都市の上空のようだが、この聞き慣れない町は3世紀に起源を持つ歴史のある都市らしい。<br /><br /><br />「おはようございます」<br /><br />午前3時直前、まだ一睡も出来ていない夜の中ほどにあるわれわれを、からかわれたような挨拶を受けながら、エミレーツ航空に乗り込んだ。<br /><br />そして、美人揃いの客室乗務員の明るい微笑みに慰めに癒され、ハード面でも世界有数と聞く機内期待感と共に導かれながら、席に着いた。<br /><br />機内では久々に流暢な日本語が聞かれ、驚くと、彼女は「日本人です」とのことだった。<br /><br /><br />彼女たちはエンジ色のベレー帽のような帽子に、真っ白なヒジャブを背中まで垂らせ、異国情緒を漂わせている。<br /><br />この制服は一見奇異に感じたものだが、間もなく見慣れてかっこよく感じられるようになる。<br /><br /><br />離陸後まもなく、軽食のサービスがあった。<br /><br />すしとサンドイッチだが、あまり空腹を感じない。<br /><br /><br />やがて室内の照明が消され、天井にキラキラ輝く星たちが、プラネタリウムのように客室の天井に浮かんだ。<br /><br />砂漠に仰ぐ大空のイメージだろうか。<br /><br />流石「エミレート航空」と思わせる鮮やかな演出に、しばらく目が奪われる。<br /><br /><br />客室の窓は、自動的にシャッターが下ろされた。<br /><br />これはワンタッチボタンで開けることもできるのだが、チョイとだけすかせる加減が出来ないので、開けようとするとどっと光が客室に飛び込むこととなる不便さがある。<br /><br />そして遠慮がちにときどき窓外の景色を見ながら、仰いだのが「神の緞帳」だった。<br /><br /><br />(2006.10.26片瀬貴文)<br />

ライン・マイン・ドナウ【95】神々の国の緞帳が上ろうとしているイラン上空飛行

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2010/10/25 - 2010/10/25

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ソフィ

ソフィさん


2010年10月25日(火)

地平線を深紅に染めて、太陽が昇った。

仰ぎ見る上空の空は、紺碧よりももっと青い。

その鮮やかな赤さから青さに向けての、見事な色調の変化。


新たな今日と言う地球舞台が、開かれつつある予兆を示す、神々の国の緞帳なのだろうか。

今、わが搭乗機はイランの上空を飛んでいる。


今朝3時10分に、暗黒のドバイ空港を飛び立った関西空港直行便エミレーツ航空「B777-300機」は、深夜のホルムズ海峡を渡り切って、対岸のイランに達している。

ホルムズ湾は、日本に来る石油タンカー船の80%、年間3400隻が通過すると言われ、最狭33キロのこの海峡は、世界経済のというより日本人生活のアキレス腱。

石油産地のペルシャ湾とオマーン湾間に位置し、過去においても触雷事件があったり、民間航空機の撃墜事件があったり、最近でも衝突事件があって緊張が絶えない。

地図を見ると、「ケルマーン」なる都市の上空のようだが、この聞き慣れない町は3世紀に起源を持つ歴史のある都市らしい。


「おはようございます」

午前3時直前、まだ一睡も出来ていない夜の中ほどにあるわれわれを、からかわれたような挨拶を受けながら、エミレーツ航空に乗り込んだ。

そして、美人揃いの客室乗務員の明るい微笑みに慰めに癒され、ハード面でも世界有数と聞く機内期待感と共に導かれながら、席に着いた。

機内では久々に流暢な日本語が聞かれ、驚くと、彼女は「日本人です」とのことだった。


彼女たちはエンジ色のベレー帽のような帽子に、真っ白なヒジャブを背中まで垂らせ、異国情緒を漂わせている。

この制服は一見奇異に感じたものだが、間もなく見慣れてかっこよく感じられるようになる。


離陸後まもなく、軽食のサービスがあった。

すしとサンドイッチだが、あまり空腹を感じない。


やがて室内の照明が消され、天井にキラキラ輝く星たちが、プラネタリウムのように客室の天井に浮かんだ。

砂漠に仰ぐ大空のイメージだろうか。

流石「エミレート航空」と思わせる鮮やかな演出に、しばらく目が奪われる。


客室の窓は、自動的にシャッターが下ろされた。

これはワンタッチボタンで開けることもできるのだが、チョイとだけすかせる加減が出来ないので、開けようとするとどっと光が客室に飛び込むこととなる不便さがある。

そして遠慮がちにときどき窓外の景色を見ながら、仰いだのが「神の緞帳」だった。


(2006.10.26片瀬貴文)

  • エミレーツ航空<br />B777−300<br />ドバイ発関空行き<br />ビジネスクラス機内

    エミレーツ航空
    B777−300
    ドバイ発関空行き
    ビジネスクラス機内

  • 午前3時半<br />ドバイ上空

    午前3時半
    ドバイ上空

  • エミレーツ航空<br />機内食<br />ドバイ出発直後の軽食

    エミレーツ航空
    機内食
    ドバイ出発直後の軽食

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