2010/09/10 - 2010/09/10
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ぺこにゃんさん
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大池(勝間田池)からの薬師寺遠望は奈良の代表的な風景です。
しかし,この風景もこの秋で見納め。
なぜなら平城京当時から1300年の時を経て現存している国宝・東塔が解体修理に入るからです。
次回見られるのは平成30年。
これは行っておくべきでしょう。
とある晴れた日の午後,ふらっと出かけてきました。
(薬師寺HPより)
薬師寺は「法相宗[ほっそうしゅう]」の大本山です。
天武天皇により発願(680),持統天皇によって本尊開眼(697),更に文武天皇の御代に至り,飛鳥の地において堂宇の完成を見ました。その後,平城遷都(710)に伴い現在地に移されたものです。
現在は平成10年よりユネスコ世界遺産に登録されています。
- 交通手段
- 私鉄 徒歩
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近鉄西ノ京駅から薬師寺とは反対の西側へと歩いていくと,「大池」と呼ばれる池があります。
万葉集に出てくる勝間田池はこの大池とする説が有力です。 -
綺麗な池ではありませんが,鳥や亀が泳いでいるのどかな池です。
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大池の回りをぐるっと歩いていくと,池越しに薬師寺が姿を現します。
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写真右から古めかしい東塔,鮮やかな色彩の西塔,そして金堂を見ることが出来ます。
背後に見える山は若草山です。 -
角度によっては,東大寺大仏殿,興福寺五重塔も見ることができるのです。
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さらにこの角度から見ると,興福寺五重塔だけでなく南円堂も見ることができます。
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薬師寺の遠景を堪能したあとは,てくてく歩いて薬師寺の南にある休ヶ岡八幡宮の参道へとやってきました。
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■休ヶ岡八幡宮(やすみがおかはちまんぐう)
薬師寺の鎮守社である休ヶ岡八幡宮です。
寛平年間(889〜898)に宇佐八幡神社から現在地に勧請されました。
古来より薬師寺への参拝はまず休ヶ岡八幡宮にて身を清めてからというのが作法と伝えられています。 -
では境内へと入ります。
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社殿は,1603年に豊臣秀頼によって再建されたもので,本殿の両脇に脇殿を付属させた珍しい様式です。
しかも小高い石壇の上に載っています。 -
本殿には「僧形八幡神」,「神功皇后」,「仲津媛」が祀られていましたが,現在は博物館に預けられているそうです。
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では休ヶ岡八幡宮から薬師寺へと向かいましょう。
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■孫太郎稲荷神社
途中にあった孫太郎稲荷神社。
お寺に稲荷神社があるのも珍しいとか。 -
瑠璃橋の向こうに薬師寺・南門が見えました。
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瑠璃橋は乾川に架かっています。
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【南門】
南門は寺院の正門「南大門」に当たります。
もともと西門だったものを南大門跡地に移築したためか,やけに小さな門です。
切妻造の四脚門,本瓦葺,室町時代(1512年)の建物です。 -
南門の向こうに東塔を眺めます。
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南門を通って入ることはできませんので,横から入ります。
なお,薬師寺には白鳳伽藍と玄奘三蔵伽藍の2つの伽藍がありますが,私が訪れたのは南側の白鳳伽藍です。 -
【中門】
1984年に建てられた新しい門です。 -
中門前から西塔。
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同じく中門前から東塔。
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しっかりと清めてから奥へと進みます。
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まずは中門。
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【二天王像】
中門と共に焼失した二天王像は1991年に復元されました。
鎧を着ているのが特徴です。
こちらは阿形像。 -
足元を見ると邪鬼を踏みつけています。
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こちらは吽形像。
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こらちも邪鬼を踏みつけていますが,左手までがっちり押さえつけています。
こちらの邪鬼のほうが痛そうな表情をしているのは気のせいでしょうか… -
【金堂】
中門から中に入ると正面に見えるのが金堂です。
一見四重の建物のように見えますが,二重の建物で上・下層とも「裳階(もこし)」という庇状のものが設けられています。
「龍宮造り」と呼ばれているそうです。 -
【東塔(国宝)】
創建時から唯一現存する建築物です。
各層に裳階を付けているので6層に見えますが三重塔です。
この秋から解体修理が行われることになっています。 -
【西塔】
東塔とは対称的に鮮やかな色彩の西塔は1981年に建立されました。
朱色と緑色で彩られた西塔は,これぞまさに「青丹よし」の奈良であるとアピールしているようです。 -
では西回廊から回って行きます。
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西回廊から見た西塔と東塔。
双塔の全体像を写真に収めることは難しいです。
撮影ポイントが無いのではなく,フレーム内に収まらないだけなんですが。 -
イチオシ
回廊の屋根とコラボしてみました。
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西塔の北側を回って行きます。
右が金堂で,奥が大講堂です。
晴れた日を選んだこともあり,とても鮮やかな写真となりました。 -
金堂と東塔。
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燈籠と共に。
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金堂内部には薬師三尊像(国宝)が安置されています。
中央に薬師如来,向かって右に日光菩薩,左に月光菩薩がお祀りされています。
金堂内部に入らずとも,お顔を拝見できます。
金堂内では定期的に説法を行っています。
タイミングよく時間となったので説法を聞きました。
面白くありながらもわかりやすく説明してくれますので,時間がある方は是非とも聞いていただきたいです。 -
【大講堂】
金堂の北出口からは大講堂の雄大な姿を見ることが出来ます。
伽藍最大の建物で,正面41m,奥行き20m,高さ17mあるそうです。
本尊には弥勒三尊像(重文),日本最古の仏足石・仏足跡歌碑(国宝)があります。 -
大講堂から見た双塔,金堂です。
伽藍内に「双塔」がある形式を薬師寺式伽藍形式または白鳳伽藍形式と言います。 -
大講堂から東回廊へとやってきました。
回廊は二重構造の「複廊」となっています。
写真は外側の回廊です。 -
連子窓越しに伽藍内部を見ました。
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【東院堂】
東院堂は、養老年間(717〜724)に吉備内親王が元明天皇の冥福を祈り,建立されました。
堂内には,白鳳仏を代表する聖観世音菩薩(国宝)が安置され,その四方は鎌倉時代の四天王像が守護しています。 -
東院堂のやや南側からの眺めです。
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再び中門に戻ってきました。
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ラストは東塔です。
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イチオシ
回廊から東塔を見上げます。
東塔と西塔の違いですが,西塔の初層には連子窓があるのに対し,東塔の初層は白壁で塗り込まれております。
かつては東塔にも連子窓があったそうです。
もう一つの大きな違いは,もちろん「色」ですが,1300年前は同じような色をしていたかもしれません。 -
創建1300年であることを知らなくても,古い建物であることがわかります。
地震がくれば一発アウトですね。
今回の解体修理には耐震性強化も含まれています。 -
近くから東塔を見上げます。
裳階を付けている特異な形が全体として美しくまとまっているのでしょう。
法隆寺夢殿の秘仏・救世観音を開扉させた東洋美術研究家フェノロサが「凍れる音楽」と称したという説明をよく見かけますが,根拠の無い間違いです。
とはいえ,もらったパンフレットにも「凍れる音楽」と記載されていたので,そのように賞賛されたことは事実なのでしょう。 -
塔の上層の相輪を望遠レンズで撮影しました。
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相輪上部のこの部分は「水煙」といいます。
水煙には「飛天」が透かし彫りされています。
一番下の飛天は横笛を吹いています。 -
イチオシ
最後に見納めの一枚です。
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中門へと戻ってきました。
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イチオシ
去り際に中門から金堂を眺めます。
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残り少ない時間で玄奘三蔵伽藍に行こうかと迷ったのですが,見納めということでもう一度大池へと向かいました。
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イチオシ
日が傾いてきたおかげで,先ほどよりはっきりと姿を捉えることが出来ました。
この景色も見納めです。
平成30年に復活ということですが,いろんな建物が建ってこの通りの景観とはいかないのでしょうね。 -
というわけで,とある夏の日の薬師寺でした。
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この旅行記へのコメント (4)
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- 鴨川の夕立!さん 2010/10/17 22:44:54
- ナイスアングル!
- いやあ いいアングルですね
おみそれいたしましたm(_"_)m ペコ
- ぺこにゃんさん からの返信 2010/10/19 00:02:00
- RE: ナイスアングル!
- > いやあ いいアングルですね
> おみそれいたしましたm(_"_)m ペコ
いいアングルを見つけた!と思って何枚も写真を撮りました。
でも後で写真を見てみると,西塔の中心と屋根の中心がずれてしまっており,対称性が不十分でした。
塔の屋根も切れてるし。
まだまだ未熟です…
ぺこにゃん
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- ゆうこママさん 2010/10/17 21:55:11
- ありがとう
- こんばんは。
すてきな旅行記をありがとうございました。
あの塔にはもうすぐ会えなくなるのかとしみじみ思いながら拝見。
胸に迫るものがあります。
薬師寺への愛情に満ちた気持ちのいいコメントにいざなわれて、同じルートを歩いたような気分に浸っております。
西塔には青空が似合いますね。
飛天も青い空の下で軽やかな楽を奏でていそうですね。
- ぺこにゃんさん からの返信 2010/10/18 23:58:18
- RE: ありがとう
- ゆうこママさん,こんばんは。
> こんばんは。
> すてきな旅行記をありがとうございました。
> あの塔にはもうすぐ会えなくなるのかとしみじみ思いながら拝見。
> 胸に迫るものがあります。
> 薬師寺への愛情に満ちた気持ちのいいコメントにいざなわれて、同じルートを歩いたような気分に浸っております。
> 西塔には青空が似合いますね。
> 飛天も青い空の下で軽やかな楽を奏でていそうですね。
晴れの日を狙って行きました。
雲ひとつない天気のもと,「青丹よし」の奈良を満喫できました。
同じルートを歩いた気分といわれるのは嬉しいですね。
ただ写真を並べるだけでなく,構成をいろいろ考えながら作っているので。
でもこの景色も,しばらく見れなくなるとは寂しいです。
修理が終われば是非とも訪れてみたいです。
ぺこにゃん
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