1)．旅の始めに<br />　　　　　　　　　　　　　　　天空の　雲の仏に　夏木立　　　　　　 <br /><br />　　念願の「チベット旅行」の実現に、聊か気持ちが昂ぶっていた。飛行機でチベット入りすれば、その日のうちに到着するが、高山病を恐れていた。高山病対策としては、体を順次高山に慣らしていくことである。更に、「チベット鉄道」が走る素晴らしい大自然を眺めるには、少々道中は大変ではあるが、「西寧」から列車で24時間かけ、チベットに入るコースを、敢えて選んだのである。<br /><br />2）．青海省「西寧」へ、そして「青海湖」へ<br /><br />　　上海「浦東空港」午後４時20分発の「中国南方航空CZ6882 」で、青海省「西寧」へ向かい、宿泊先の「銀龍飯店」には、午後８時半に到着した。翌朝も、夜来の雨が降り続いていた。朝8時半に、日本製の小型の四駆で、「青海湖一日観光」に出掛けた。海抜3,200ｍの「青海湖」で、船に乗ったものの、生憎の天候で、景色は見えず、寒さも伴い、次第に気が滅入って来た。<br />　　昼食に入った店では、前の客の食べ残しが、そのままの部屋へ通された。「青海湖」では、現在禁漁である「湟魚のスープ」が美味しいとか、高山でしか採れないキノコが今日入っているとか、メニューに無いものを、勧められ、それらを注文した。「湟魚のスープ」はそれなり旨かったが、小骨が多く、食べ辛いものである。禁漁の魚だから、テーブルの上の小骨や頭や尻尾を、先に集めに来た。やがて、この店の女主人が勘定書を持って来た。上海の高級店並みの請求額である。網を張って待っていたら、鴨が葱を背負って、やって来た、と言うことだったのだろう。<br /><br />３）．長距離列車で、「ラサ」へ<br /><br />　　午後5時過ぎ、「西寧」駅前は、長距離列車に乗る人で、既に溢れていた。列車に乗るまでに、高地を通る列車の旅の準備をする必要があった。まずは、「高山病」に効くという中国人必携の漢方薬を、薬屋で購入し、直ぐ横にある、スーパーマーケットで、列車内での3食分の食糧と、飲み物等を購入した。午後７時過ぎ、案内放送後、プラットホームへ向かい、「Ｔ265次、ラサ往き」の2等寝台車に乗ったが、両側が、三段ベットなっており、僕の席は、左手の下段であった。トランクをベットの下に入れ、ベットを整理して、窓際に坐った。この部屋のメンバーは、上段のベットは、２人連れの男で、商人のようである。中段のベットは、３０歳台の夫婦か、男女二人連れであり、下段の僕の隣のベットは、３０代半ばの女性であった。<br />　　列車が動き始めて、暫くは、外を眺めていたが、その内、眠ってしまった。話し声で目が覚めたが、未だ外は暗かった。列車の補給基地の様に見えたが、目が覚めた僕に気が着いた隣の人が、『格爾木（ゴルムド）ですよ』、と教えてくれた。<br />　　<br /><br />4）．チベット自治区、「ラサ」に到着　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　<br /><br /> 　　　　　　　　　　　　　草を食む　三五のヤクに　秋時雨 <br /> <br />　　「チベット自治区」に入り、「那曲」を過ぎる辺りになると、通路側の窓からは、雪に覆われた6,000ｍ級の山が見え始め、やがて7,000m級の山々が連なリ、重なって、目の前に現れては、通り過ぎて行った。汽車は50分遅れて、「西寧」を出発したが、「ラサ」へは、ほぼ定刻の午後７時に、到着した。（「河口慧海　求法の日々を　旅する（１）」に、続く）<br /><br /><br />表紙写真：青海省の省都、西寧駅<br /><br /> ＊　Coordinator:　 H. Gu <br /><br /> <br /><br /><br /><br />

【青海省】　西寧・青海湖　＊　　天空列車に乗り　チベットへ　旅する

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2010/08/28 - 2010/08/30

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#鉄道・バス

彷徨人MUさん

1)．旅の始めに
　　　　　　　　　　　　　　　天空の　雲の仏に　夏木立　　　　　　

　　念願の「チベット旅行」の実現に、聊か気持ちが昂ぶっていた。飛行機でチベット入りすれば、その日のうちに到着するが、高山病を恐れていた。高山病対策としては、体を順次高山に慣らしていくことである。更に、「チベット鉄道」が走る素晴らしい大自然を眺めるには、少々道中は大変ではあるが、「西寧」から列車で24時間かけ、チベットに入るコースを、敢えて選んだのである。

2）．青海省「西寧」へ、そして「青海湖」へ

　　上海「浦東空港」午後４時20分発の「中国南方航空CZ6882 」で、青海省「西寧」へ向かい、宿泊先の「銀龍飯店」には、午後８時半に到着した。翌朝も、夜来の雨が降り続いていた。朝8時半に、日本製の小型の四駆で、「青海湖一日観光」に出掛けた。海抜3,200ｍの「青海湖」で、船に乗ったものの、生憎の天候で、景色は見えず、寒さも伴い、次第に気が滅入って来た。
　　昼食に入った店では、前の客の食べ残しが、そのままの部屋へ通された。「青海湖」では、現在禁漁である「湟魚のスープ」が美味しいとか、高山でしか採れないキノコが今日入っているとか、メニューに無いものを、勧められ、それらを注文した。「湟魚のスープ」はそれなり旨かったが、小骨が多く、食べ辛いものである。禁漁の魚だから、テーブルの上の小骨や頭や尻尾を、先に集めに来た。やがて、この店の女主人が勘定書を持って来た。上海の高級店並みの請求額である。網を張って待っていたら、鴨が葱を背負って、やって来た、と言うことだったのだろう。

３）．長距離列車で、「ラサ」へ

　　午後5時過ぎ、「西寧」駅前は、長距離列車に乗る人で、既に溢れていた。列車に乗るまでに、高地を通る列車の旅の準備をする必要があった。まずは、「高山病」に効くという中国人必携の漢方薬を、薬屋で購入し、直ぐ横にある、スーパーマーケットで、列車内での3食分の食糧と、飲み物等を購入した。午後７時過ぎ、案内放送後、プラットホームへ向かい、「Ｔ265次、ラサ往き」の2等寝台車に乗ったが、両側が、三段ベットなっており、僕の席は、左手の下段であった。トランクをベットの下に入れ、ベットを整理して、窓際に坐った。この部屋のメンバーは、上段のベットは、２人連れの男で、商人のようである。中段のベットは、３０歳台の夫婦か、男女二人連れであり、下段の僕の隣のベットは、３０代半ばの女性であった。
　　列車が動き始めて、暫くは、外を眺めていたが、その内、眠ってしまった。話し声で目が覚めたが、未だ外は暗かった。列車の補給基地の様に見えたが、目が覚めた僕に気が着いた隣の人が、『格爾木（ゴルムド）ですよ』、と教えてくれた。
　　

4）．チベット自治区、「ラサ」に到着　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　草を食む　三五のヤクに　秋時雨

　　「チベット自治区」に入り、「那曲」を過ぎる辺りになると、通路側の窓からは、雪に覆われた6,000ｍ級の山が見え始め、やがて7,000m級の山々が連なリ、重なって、目の前に現れては、通り過ぎて行った。汽車は50分遅れて、「西寧」を出発したが、「ラサ」へは、ほぼ定刻の午後７時に、到着した。（「河口慧海　求法の日々を　旅する（１）」に、続く）

表紙写真：青海省の省都、西寧駅

＊　Coordinator:　 H. Gu

　　

エリア

中国

交通手段: 鉄道

①青海湖湖畔
②青海湖

タルチョの下を通って、船着場へ
③青海湖湖畔
④青海湖湖畔
⑤青海湖湖畔

民族服を着たチベット族の若者が、雨の中、踊りながら、観光客を歓迎してくれる。
⑥青海湖

湖畔に、綺麗に飾ったヤクが繋がれていた。ヤクに乗って湖畔を見学させると言う商売である。雨降りのため、乗る人はいなく、ヤクは雨の中、辛そうな顔で繋がれていた。
⑦青海湖

湖畔のレストランで昼食。

「柳芽菜炒鶏蛋」
⑧青海湖

青海湖畔のレストランでの昼食。

「野○○炒肉」（野生キノコと豚肉の炒め）

　　　　　　　　　　○○（mogu,キノコのこと）
⑨青海湖

青海湖湖畔のレストランで昼食

「ヤクの肉とジャガイモの炒め」
⑩青海湖畔

レストランでの昼食。

「青海湖」で獲れる「湟魚」のスープ。

「湟魚」はチベット人にとっては、神聖な魚のようだ。毎年、この「青海湖」周辺のチベット人は、この魚を湖に放生する仏教の儀式を守っている。今では保護魚類のようであり、毎年稚魚を湖に放流し、資源保護を図っているようだ。したがって今は禁漁になっていると言う説明であった。しかし不思議にも、レストランでは、スープにすると、美味しい魚ですよと、客の耳元で囁きながら、提供している。その分、代償はとても高くなるのだが。
⑪青海湖畔

レストランでの昼食。

「青海湖」で獲れる「湟魚」の頭部、小骨が多い魚である
⑫青海湖
　　西寧から青海湖に向かう「西湟公路」沿いにある「文成公主」の像。公主がチベットに嫁ぐ時に通った嘗ての「唐蕃古道」である。
⑬青海湖
　　正面は「西寧駅」
⑭、2等寝台車内
　　一部屋6人。三段ベットが向き合っている。僕は下段のベット、ラサまで523元だった。上段に行くほど、料金少し安くなるようだ。
⑮，2等寝台車内
　　ベットの枕元にある酸素の「吸入口」。呼吸が苦しくなったら、開いて吸うのであるが、僕には必要はなかった。
⑯，2等寝台車内
　　車内での食事。インスタントラーメンと、インスタントの飲み物。
⑰、車窓からの景色

「西寧駅」を50分ほど遅れて出発した。午後8時少し前だが、まだ明るい。車窓からの日没の風景。
⑱、途中駅、ゴムルド駅

　　次の朝5時ごろ、目が覚めると「ゴルムド」の駅だった。外を見ると、水や酸素などの補給をしていた。⑯
⑲．車窓からの景色
⑳．車窓からの景色

　　ベットに寝ながら、通路側の外の風景を見る
?.　車窓からの風景
?．車窓からの風景

　　　通ってきた線路が後ろに見える。
?．車窓からの風景

　　　遠くに雪山が見えてきた。
?．車窓からの風景
?．車窓からの風景

　　　　湿地帯を行く
?．車窓からの風景

　　　牧草地にはヤクが放牧されている
?．車窓からの風景
?．車窓からの景色
?．車窓からの景色
?．車窓からの風景
?．車窓からの風景
?．車窓からの風景
?．車窓からの風景
?．車窓からの風景

　　　湖の周りに広がる牧草地。ヤクや羊が放牧されている。
?．車窓からの風景

　　　湖の周りに広がる牧草地。
?．車窓からの風景
?．車窓からの風景

　　雪山が連なる
?．車窓からの風景

　　　　雪山が、連なる
?．途中の駅（チベット自治区）

　　午後３時ごろ、「那曲駅」を通過
?．車窓からの風景

　　チベット自治区、ダムシュン郊外
?．車窓からの風景

　　　　チベット自治区、ダムシュン郊外
?．車窓からの風景
　　　
　　　　チベット自治区、ダムシュン郊外
?．車窓からの風景
　　　
　　　　チベット自治区、ダムシュン郊外
?．車窓からの景色

　　　　　チベット自治区、ダムシュン郊外
?．車窓からの景色

　　　　　チベット自治区、ダムシュン郊外
?．車窓からの景色

　　　　　チベット自治区、
　　　　　7,000m級の山が連なるニェチェンタンラ峰（7,162ｍ）
?．車窓からの景色

　　　　7,000m級の山が連なる
?．車窓からの景色

　　　　7,000m級の山が連なる

7,000m級の山が連なる