2010/09/15 - 2010/09/15
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にゃんこ姫さん
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このところ旅行の予定がキャンセルされたりして、
つまらないので、手近なところで楽しみを見つける
ことにしました。
9月になっても暑いので、アウトドアの活動は
敬遠して、趣味と実益を兼ねた工場見学を
選択しました。
場所を調べたら、工場所在地からひと駅のところに
「静御前の墓」があるのがわかり、歴史散歩も
兼ねて、お参りしてきました。
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「静御前(しずかごぜん)」について:
平安末期の生まれで、早くから美貌と舞いの
名手「白拍子」として知られていました。
静15歳の時、日照り続きの京の都で、後鳥羽上皇が
100人の美しい舞姫を集め、「雨乞いの舞い」を命じました。
99人の舞いでは効果がなかったのが、最後に静が舞うと、
たちまち激しい雨が降り出し、3日3晩降り続いたと、
『吾妻鏡』に記されています。
平家討伐に功績のあった義経と出会い、
寵愛を受けるようになったのも、その頃のことでした。
その後、義経は兄・頼朝の不興をこうむり、奥州平泉へと
落ちのびました。
静も、そのあとを追って京を立ちますが、途中さまざまな
艱難辛苦(かんなんしんく)にあい、一時は頼朝に捕らわれたりも
しますが、許されて旅を続けるうち、下総国(しもうさのくに)
あたりで義経の死を知り、仏門に入ります。
さらに義経の菩提を弔うため、京都に帰ろうとしましたが、
重なる悲しみと長旅の疲れから、ついにこの栗橋の地(旧・静村)で
病で亡くなったと伝えられます。
侍女の琴柱(ことじ)が、静の遺体を埋葬し、そこに杉の木を
植えましたが、その木は枯れてしまい、かわりにイチョウが
植えられました。
墓にしるしのないのを哀れんだ関東郡代の中川飛弾守忠英(なかがわひだのかみただひで)が「静女の墳(はか)」を建てさせたものと
考えられています。
ただし、静御前の生年と享年は、正確なところは明らかではなく、
死因も、自殺説など異説もあり、また「静御前の墓」と言われる
ものも、新潟県栃尾市など幾つか伝えられています。
************************************************************
奇しくも、私がお参りしたこの日(9月15日)は、静御前の
命日だったのだそうです。
(享年22歳)
私自身はまったく知らずに行ったのですが、不思議な縁を感じます。
「お隣の駅まで来たのなら、私のお墓にもお参りして
ください。」
という静御前の啓示のような気がします。
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 高速・路線バス 私鉄 徒歩
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-
東武日光線・JR宇都宮線『栗橋駅』
東口で下車します。 -
駅前には、こんなオブジェが。
でも、お墓についての表示は
何もありません。 -
「駅から1分」という情報でしたが、
当てずっぽうに、駅前の通りを左に
歩いて行ったら、まさに1分足らずで
お墓に到着。
緑に囲まれていて、傍らのサルスベリが
花盛りです。 -
清めの水舎も、なんとなく女性的で、
いい感じ。 -
予想通りというか、こじんまりした、
可愛いお墓です。
正面の墓碑『静女の墳(はか)』の背後の円盤に、静御前の舞い姿の
レリーフがあったらしいのですが、この時は
気づかなくて、残念! -
墓碑に向かって左の石に刻まれた
静御前の歌。
「吉野山みねのしら雪ふみわけて
入りにしひとのあとぞ恋しき」
(吉野山峯峰の白雪踏み分けて
入りにし人の跡ぞ恋しき)
捕らわれて鎌倉へ送られた静御前が
源頼朝の前で舞った時に詠んだと
言われています。
義経を慕う心を隠さずに詠んでいます。 -
右側の石に刻まれているのは、これ。
同じく、舞いの時に歌ったという
歌です。
「静やしづ しづのおだまき くり返し
昔をいまになすよしもがな」
「倭文(しず)の布を織る糸を巻く
おだまきのように、昔を今に戻すことが
できたらいいのに(倭文は静の掛け言葉)」
という、これもまた堂々と義経への慕情を
詠んだもの。
これに激怒した頼朝が、刀に手をかけたのを、
そばにいた奥方の北条政子が、静の心情を哀れんで
とりなしたと言われています。
うら若き美女でありながら、なかなかに
芯の強い人だったのですね。 -
『義経招魂の碑』。
離ればなれに亡くなった義経と静御前の
ための、いわば「比翼塚(ひよくづか)」ともいえるもの
でしょうね。 -
『静女所生御曹子供養塔』
静御前は、頼朝に捕われた時、義経の子を
身ごもっていました。
頼朝は、「産まれた子が女なら助けるが、
男児なら(後顧の憂いのないよう)殺す。」
と決めていました。
誕生したのは男の子だったので、その子は
静の抵抗もむなしく海に流されました。 -
『静女塚碑』
そうとう古い物らしく、字はほとんど
消えています。 -
それで、全文を記した石が
新たに建てられたようです。 -
お墓の一隅にある歌碑。
-
これも、読みやすいように別の石に
彫られたものが、そばに立っています。
「舞ふ蝶の果や夢みるつかの蔭」
(舞う蝶の果てや夢見る塚の蔭)
江戸時代の歌人、坐泉の作。 -
そばの建物の壁には、静御前に関する
資料が貼られていました。 -
「静御前の墓」の説明。
栗橋町の指定文化財です。 -
お墓の近くに『静桜』という桜の木が
植えられているそうです。
(捜してみたのですが、見つかりませんでした。
花の季節なら、すぐわかったのでしょうが。)
静御前が義経の菩提を弔うために植えた桜が、
その名の起こりとされています。
おしべが花びらのように変化したものが
一重の花びらに混じり、一重と八重の間の
ような咲き方をする珍しい桜です。
ソメイヨシノなどに比べて、開花が遅く、
4月中旬なのだそうです。
来春は、ぜひとも見てみたいものです。 -
お墓の裏には、箱庭のような小さな公園
(といっていいのか・・・?)が。 -
むしろ「坪庭」という風情です。
-
こんなテントと数軒の商店が。
ああ、一応、「商店街」なのですね。
らしくないけど。 (失礼!) -
お墓の真ん前に和菓子屋さんが
あったので、何か、静御前ゆかりの
お菓子を買って帰ることにしました。
「三笠屋」さんというお店です。
奥さんらしい感じの良い女性が
商品の整理をしていました。
まだ午前8時半にもなっていないので、
どうかと思いましたが、だいじょうぶでした。 -
『静御前』という最中(もなか)を
奨められました。
自分用なので、3個入りを購入。
ひとつは家族におみやげにあげて、
2個は私のぶん。(笑)
帰宅後、食べてみたら、3つとも
違う味の餡でした。
左から、「あずきあん」「白あん」「ウグイス
あん」。
かなりの甘さでしたが、おいしかった♪
「午後1時から、『墓前祭』があります。」
と教えられましたが・・・。
あ〜、次の工場見学の予約が入っているの
ですよね〜。
というわけで、心を残しながら、駅へと
戻ったのでした。
ー『おいしい工場見学』編につづくー
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この旅行記へのコメント (2)
-
- saikai99さん 2010/09/21 20:28:13
- 秋の気配に。。。(^^♪
- にゃんこ姫さん こんばんゎ♪
静御前の墓碑があるとは 初めて知りました
そして にゃんこ姫さんが 奇しくもお参り?されたのが
9月15日は、静御前の命日だったとか。。。?
やっぱり 姫のペンネームは伊達じゃないですね(*^o^*)
こちらも夜になりますと 庭の鈴虫やコオロギが涼しげな
音色を奏でてやっと!秋の気配です
カリブ海クルーズの準備はOKでしょうか?
いぃなぁ〜〜〜スーツケースに押し込んで連れて行って下さい。
saikai99
- にゃんこ姫さん からの返信 2010/09/22 20:15:29
- RE: 秋の気配に。。。(^^♪
- saikai99 さん、今晩は。
毎度お立ち寄りと、ご丁寧なコメント、
ありがとうございます。
> 静御前の墓碑があるとは 初めて知りました
>
> そして にゃんこ姫さんが 奇しくもお参り?されたのが
> 9月15日は、静御前の命日だったとか。。。?
かなりマイナーなようで、沿線の住人でも、
知らない人が多いのでは?
命日だったとは、私も驚きました。
超常現象は、あまり信用しないのですが、
なぜか、このたびは「呼ばれた」ような気がしています。
お参りすることで、少しでも故人の(といっても、
遠い昔の、ですが)霊が慰められたらいいな、と
思います。
> こちらも夜になりますと 庭の鈴虫やコオロギが涼しげな
> 音色を奏でてやっと!秋の気配です
そうですね。
蝉の声もほとんど絶えて、秋の虫の合唱と
なりましたね。
折しも、今夜は「中秋の名月」です。
雨の予報でしたが、宵の口から東の空に、
美しい満月を拝むことができました。
その後、雲が出てきて、隠れてしまいましたが。
そちらでは、ご覧になれましたか?
> カリブ海クルーズの準備はOKでしょうか?
それが・・・まだまだ先のことという感じで、
さっぱりなのです。
「夏休みの宿題」と同じで、締め切り間近に
ならないと始動しないようで・・・。(^^;)
一応、水着だけは、スポーツクラブ仕様の
は役に立たないので、季節が終わる前に
「らしい」ものを買ってきましたが。
> いぃなぁ〜〜〜スーツケースに押し込んで連れて行って下さい。
saikai99さんの奥様は、あまりクルーズが
お好きでないとか・・・。
我が家のオットもなので、この次は、お互い、
パートナーを置いて、ご一緒しましょうか。 (爆)
冗談はともかく、夫婦2人旅は、マンネリ打破には
いいみたいですね。 (笑)
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