2010/07 - 2010/07
607位(同エリア936件中)
霞町さん
列車でさらに南下を続け、かつてのオーストリア・ハプスブルク帝国領に入ります。ヴィスワ河をさらに上り、ポーランドでは最後の旅程、古都・クラクフに滞在しました!
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 鉄道
- 航空会社
- スカンジナビア航空
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ワルシャワを午前中に出発すると、午後早いうちにクラクフに到着できます!
クラクフ本駅に降り立つと…
オーストリア…!
薄いクリーム色に塗られた優美な駅舎。廃駅か?という勢いでさびれた駅の多いポーランドで、唐突なほどの違いように唖然とします。プラットホームから駅の建物へ続く道には華奢なアーケードが作りつけられ、某東京ディズニーランドの最寄り駅か、はたまたウィーンか、という華麗さです。
驚愕のあまり、また写真を撮り忘れています。すみません…。でも、この違いは現地に行かねばわかるまい。
代わりの写真で、クラクフの街並み。優雅です!美しいです!!
クラクフはかつてのオーストリア領ガリツィアに属します。だとしても、まるでドイツ風のトルンやグダンスク、一瞬ロシアかと錯覚するようなワルシャワと、同じ国でこうまで空気が異なるのは、驚きとしか言いようがありません。
あちらこちらにはプレッツェル売りの屋台が並んでいます。一つ30円から40円程度。食べてみると、中がしっかりふんわりしたパンのような感じで、かみ締めるほど味が出て美味しい! -
まだ早い時間なので、到着日の午後にヴィエリチカ岩塩鉱に行ってしまうことにしました。
ガイドブックには、クラクフ本駅前のショッピングセンター前からバス304番が出ている、とあります。しかし、探しても探しても見つからない。仕方なく、また地元の通行人に聞きます。
声をかけたおじさんも、これまた非常に親切な方で、バス停まで道案内をしてくれました。ショッピングセンター前の大通りから1本入った場所に、304番のバス停だけ離れて設置されていたのでした。暑い中、日本から来たのか等々話しかけてくれ、本当にありがたかった。
この国では本当に、親切な方に遭遇することが多かったです。
バスは「ヴィエリチカ行き」ですが、終点まで乗ってしまうと遠回りになるようです。終点の3つか4つくらい前で、他の観光客がどやどやと降り、「ヴィエリチカまで100m」といった文言の大書された看板が見えるバス停があるので、そこで降り、看板の指示通りに歩くとすぐに到着できます。
私の行ったときは30分ごとの英語ツアーが出発しているので、大多数の(個人旅行の)日本人はそれに参加することになると思います。
急な階段を降り、鉱山を歩いていきます。写真は塩でできた立像の一つ。
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聖キンガ大聖堂。撮る人(私)のせいで、何がなんだかわからん残念な写真になりました。
ガイドさんは、みんなクラシックな制服に身を固めています。19世紀の香り…。そして、達者な英語で次々とジョークを飛ばします。途切れなく沸き起こる爆笑(もちろん、英語ツアー=たぶん合衆国の人が多い=ノリがいい、のもありますが)。そして大聖堂のような撮影スポットでは、写真の時間を取ってくれるなど、サービス満点です。記念撮影もしてくれます。音と光のショーを見せてくれる場所も!
こういうよくできた観光地で、観光客らしくはしゃぐのも、なかなかいいものです。 -
岩塩鉱ツアーの最後は、お約束のお土産屋です。
岩塩ランプに食用岩塩、置物、琥珀のアクセサリー、塩まみれ(たまに琥珀入り)といった風情です。
観光地で高いのか?と思いますが、日本に輸入されている岩塩ランプの価格と比べれば破格の安さです。
写真の岩塩ランプは1000円弱で買えます!
私はこれからの旅程がまだまだ長いので持ち運べまい、と購入をあきらめました。結構大きいし重いので。がっかり。
最後に地上へ戻るのは、鉄格子のエレベーター。狭い檻にぎゅうぎゅうに押し込められ、生きた心地がいたしませんでした。
これにてクラクフ初日は終了、ホテルへ戻ります。 -
といってもまだまだ明るい!ので、クラクフ本駅前の巨大ショッピングセンターへ夕食を探しに参ります。きっと安いフードコートがあるはず。…探したら、確かにありました。これは便利!
ワルシャワで調子に乗ってお菓子ばかり食べ、さすがにまずいような気もしていました。そこで、この日の夕食は「ボルシチ」なる紫色のスープとキャベツのサラダで体内浄化を図ります。
「ボルシチ」は酸味のある、恐らくはビーツの入ったあっさりスープで、とても体に良い感じです。サラダもサイドメニューの割には大量に盛ってくれます。こちらもザワークラウト入りの爽やかな味。
ポーランドのサラダは、日本で考えるような山盛りの生野菜というよりは、コールスローや刻んだ野菜の酢漬けのようなものが多かったように思います。 -
食後はお店見学。洋服のお店は見ても面白みがないので、地下の書店へ行きます。
ポーランドの書店はどこもそうなのですが、歴史関係の本は相変わらずの充実ぶりです。もちろん、グルンヴァルド(タンネンベルク)の戦い関連本もたくさん。ポーランド人の、自国の歴史に関する関心の高さを感じます。
いろいろ見ていると、なんとコミックスのコーナーもあります。なんか…見慣れたあの本やこの本が、1巻遅れくらいでたくさん並んでいる…何この既視感…。「NARUTO」も「闇の末裔」もある。でもみんなポーランド語で書いてるのが不思議。
写真は、日本でも流行っている国擬人化漫画「ヘタリア」の第2巻。堂々とコミックスコーナー中央に平積みしてあります。ポーランド語版が出たとの噂は聞いていましたが、実際に見るとなんだか恥ずかしいようないたたまれないような??変な所で昔の知り合いに会ってしまった感じ?に近いかも。
ポーランドでは漫画に袋をかけることがないようで、立ち読み自由なため、ついつい内容を確認してしまいました。大体日本と同内容らしいです、絵を見た限りでは。ポーランド語の部分は読めないのでわかりませんが。
しかし…ポーランドでこれを売ってしまっていいのだろうか。非常に心配です。
価格は約900円くらい。地元の物価を考えると、結構買いにくいだろう価格設定です。売れて…いるのか…? -
さらにモールを見学します。
写真は、日本にもある「Forever」のはずなのですが…「21」ではなく「18」でした。いったいどういうものなのでしょうか。
その後やっとホテルに帰りました。
翌日は、旅行前から行くのをためらっていたアウシュヴィッツへ、やっぱり行くことにしました。「ドイツ」を巡る旅をしている以上、行かないことはできないと思うに至ったためです。
ただ、写真を撮る気持ちにはどうしてもなれなかったので、カメラは全て宿に置いていきました。そのため、旅行記は文章のみとなります。
クラクフ本駅の、ショッピングセンターと反対側の出口にバスターミナルがあり、そこからバスは出発します。料金は運転手に直接払います。
ポーランド人に有名なドイツ語名「アウシュヴィッツ」を言うのは禁句だ、との噂を聞いていたので、係の人にバスを聞くときは「オシフィエンチム」とのポーランド語名を使いました。その時の係員には「アウシュヴィッツに行くんでしょ?」と聞き返されたので、実際のところどうなのかは不明です。
緊張のせいか、この日に限って酷い乗り物酔いに。よたよたとバスから転がり降りて、他の観光客についていくと、チケット売り場にたどり着けました。英語ツアーに参加しますが、夏のアウシュヴィッツは大変な混雑ぶりです。
現地の感想ですが…
行くのをためらっている方がいるとすれば、ぜひ行くことをお勧めします。
想像しがちな気持ち悪い・おどろおどろしい展示物はあまりありません。ただただ、広くて、巨大で、恐ろしいほど機能的に作られた施設です。そこをひたすら、一日かけて歩かされます。砂埃の中を汗まみれで歩き続けることで初めて、なされた事の凄まじさを体感します。そういう場所です。
個人的な感想ですが、ここで人生を終えねばならなかった人々は、後世の私たちが来て、現場を見ることを望むだろう、という雰囲気を感じました。行かずにもやもやした気持ちでいるよりは、行くべきだと思います。 -
翌日からは、気持ちも軽く、クラクフ観光です!
写真は宿の朝食。コンチネンタル・ブレックファストです。
パンは乾いた感じでいまいちでしたが、つけるものがたくさんついて面白かった。右上の丸い大きなものから時計回りに、
①小鳥さんのかわいい柄のついた、謎の食物。どうもレバーペースト的なものらしい。臭みは全くなくて美味しいのですが、この小鳥さんを使ったの…?
②バター。
③ヌテッラ。イタリア製のチョコスプレッド。ドイツ人が好きだとの事ですが、ポーランド人も食するようです。でも個人的には、東独のヌドッシイの方が断然美味いと思います(後述)。
④泡立てたクリームチーズにマッシュルーム風味をつけたもの。①と重ね塗りするとまた新しい味に。
⑤チーズ。
⑥蜂蜜。なぜかロシア語表記もある。 -
ヴァヴェル城です!
ポーランド王国全盛期、王たちの住まった場所です。しかし、内部はかなりの大工事中。今回の旅行は本当に工事現場が多かった。
王族の私室はツアー形式での参加となります。日本語があるわけもなく、またまた英語ツアーです。日本語を忘れそうな勢いです。
ポーランド全体を通じて、日本人にはほとんど会うことがありませんでした。いったいどこにいるのでしょうか。その代わり、どこでも見かけたのはドイツ人。(すごく早口でしゃべり、さっさと移動していくので、おそらくオーストリア人ではないと思います、たぶん)ドイツ人は旅行好きなのでしょうか。
ガイドさんの英語はこれまた達者なもので、非常に熱く王国の歴史、分割の歴史を語ります。王宮内の調度品は多くが後世に補充されたものであること、列強がポーランドをどう支配したかを。
こうした記憶の共有が、ポーランド人であることにとって、本当に大切なのだと感じます。栄光も屈辱も、成功も失敗も。 -
ヴァヴェル城内に残る「竜の洞窟」です。
昔々、悪い竜が住んでいて、人々を苦しめていました…クラクフの伝説です。お土産屋にはそれにちなんだ竜のぬいぐるみなどが見られます。
洞窟内はじめじめして、水がぽたぽた滴って肌寒く、確かに竜がいたかもしれないと本気で信じてしまいそう。
わずか100円足らずで入れる上、夏は夜遅くまで営業しています。 -
こちらも竜の洞窟。
写真を撮る人の腕が悪くてなにがなんだかわからん。 -
洞窟を出たところで、竜に会えます!
火を噴く竜と記念撮影!
…ガスバーナーでも仕込んであるのか、本当にゴーゴーと火を噴きます。なんだこれ。ポーランドの人の感覚はたまに不思議です。
観光客たちはそれぞれカメラを構え、火を噴く瞬間を待ち続けます。なんとか吹いたときにシャッターを切りました!
しかし、明るい背景ではわかりにくい。これでも夜7時過ぎ。高緯度地方の夏は本当に明るい。 -
ある日のクラクフの食事。
クラクフ旧市街ではいくつかセルフ式レストランを発見したので入りまくります。何しろ量を自分で調整できる上に野菜も採れて、安い!400円くらいで十分に食事ができます。
ただ、観光客相手ではないので、メニューがポーランド語のみ、かつ写真もない。仕方なく、ガイドブックで解読したり、お店の人に料理の写真を見せて似たものを頼んだり。
写真はポーランド風のジャガイモパンケーキなるもの。パンケーキというよりはお焼きの油っぽいかんじで、炒めたマッシュルームがのっています。ヨーグルトドリンクとサラダを付けてバランスを取ったつもり。これで10ズウォティとちょっとくらい。
ポーランドの食事は、だいたい日本人の口に合うものが多いと思います。塩加減も程よく、食べやすいです。ただ、少しまったるい味付けかも。 -
今年はグルンヴァルド(タンネンベルク)の戦いから600年!
というわけで、クラクフでもこんなポスターが貼ってありました。バルバカン近くの公園でたくさん掲示されています。各種関連イベントをやっているみたいです。
ポーランド人にとって、この戦いの意義は大きいものなのでしょう。かつて存在した王国の、栄光の歴史。ドイツ騎士団=つまりドイツ人を打ち負かした戦い。600年経っても色褪せない思い出、何度も思い返す記憶。
この後行ったドイツでは、こうしたイベントやポスターは全く見かけませんでした…。 -
ヴァヴェル城の入場券も、グルンヴァルドの戦い記念で特別仕様です。
かつての「ドイツ」を追って旅行をする身としては、いろいろなことを考えさせられます。 -
バルバカン。かつての城壁の一部。
夏季は内部を見学できます。騎士の戦いを再現するイベントもやっていたらしいのですが、日程が合わず見られなかった。残念。 -
ストリートパフォーマーも多い。
写真はフロリアンスカ門にて。この二人連れは本当に上手い演奏で次々と名曲を披露し、足を止める人も多かった。
ヨーロッパはどこでもストリートパフォーマーがいます。しばらく過ごすと、旅行者でもだんだん上手い・下手が分かってくるような気がします。
こうしてヨーロッパの人々の耳が鍛えられるのでしょう。
にしても。
夕暮れ時のこんな瞬間、流れる空気の違い、不思議なほどに明るいままの夜に、ああ、遠くまで来たもんだなーと実感します。
日本食が恋しくなる人間ではないので、ガス入りミネラルウォーターと現地食を摂取しつつ(中華もアジア料理も一切なし)、翌日は元気にチェコへ移動です。 -
ついでに織物会館…
工事中です…。
日本だったらば、わざわざ夏の観光シーズンに工事をすることはないように思うのですが。
工事現場の外側にお土産屋は移動しているので、買い物は支障なくできます。
不思議商品として、大量のマトリョーシカがあります。ポーランド名産・マトリョーシカ?
この向かいに聖マリア教会があります。毎時ごとにラッパが吹き鳴らされますが、これは敵襲を知らせたかつてのラッパ手を悼むものだそうです。
途中でぴたりと途切れる瞬間の張り詰めた空気。再び、侵略に晒され続けたクラクフの歴史を思い起こします。
聖マリア教会のチケット売り場が教会の向かい側にありますが、その売り場前がラッパを聴く特等席です。尖塔のてっぺんから金色のラッパがひょいと出て、音が途切れたあとにラッパ手が下の人々にラッパを振ってくれます!
観光客たちもいっせいに拍手し、手を振ります。私も手を振りました!
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