リベンジ誓う！　初めてのパリ、弾丸になっちゃた旅行（その③パリ２日目）

2010/06/21 - 2010/06/26

学生の頃から、ずっと憧れていたパリ。
辻仁成さん著「いつか、一緒にパリへ行こう」を読んだあの頃から約10年。
ついにその「いつか」がやって来ました。

パリに興味のない夫を説き伏せ、なんとか仕事を休めるぎりぎりの５日間休んでもらい、約５カ月ほど準備に準備を重ねて実現した、今回のパリ行き。

パリでしたかった事は、映画のロケ地巡り、地元っ子に混じってカフェでお茶、雑貨屋巡り、おいしい物を食べる・・・などありましたが、とにかく自分にはパリの存在そのものが特別だったので、観光地巡りではない、「パリの息吹を感じるような旅」にすることが目標でした。

しかし、現地まるまる滞在日は２日、の弾丸日程で予定消化できるほどパリは甘くなく・・・

行こうと計画していた場所の多くに行けずに終わってしまいました・・・！

それでも、これが私たちが体験した初めてのパリ。
必ず再訪すると心に誓い、
同じように弾丸トラベルする方、これから初めてパリを訪問する方の参考に少しでもなればと、
おせっかい情報、反省等含め(笑)、記録することにいたします。

エリア パリ(フランス)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5
• ホテル: 5.0
• グルメ: 4.5
• ショッピング: 4.0
• 交通: 4.5

• 同行者: カップル・夫婦
• 一人あたり費用: 20万円 - 25万円
• 交通手段: 鉄道 タクシー
• 航空会社: エミレーツ航空
• 旅行の手配内容: 個別手配

一夜明けて、パリでの初めての朝。
目覚めた瞬間から、絶え間なく鳥のさえずりがしている。
部屋の窓からは、向かいのアパルトマンの窓が見える。　大通り沿いの街並みもパリっぽくていいけど、こういう、隠れ家のようなパリの風景もいい。

窓の下を見下ろすと、ホテルの中庭とテラスが見える。　今からあそこで朝食だ。

今回このホテルを選んだ最大のポイントが、このお庭での朝食タイム。
初めてプチホテルのサイトでこの庭の写真を見て、なんてすてきなんだと一目ぼれ。
それからホテル選びはいろいろと迷ったけれど、結局最終的に、一目ぼれしたこの庭に戻ってきた。

空気はひんやりしている。
日中あれだけ暑くなるが、朝のうちはけっこう気温が低めのようだ。
まだ先客はだれもいないので、庭を見渡せるテラスに席をとる。
噴水のこぽこぽいう水音と、鳥のさえずりが心地いい。

すぐにおじさんスタッフさんがやってきた。
「ボンジュール♪　グッドモーニング♪　サヴァ？」
にこにこと、フランス語と英語を交えて挨拶してくれた。
自然、こちらも両者混じったよく分からない答え方になる(笑)。

コーヒーと紅茶とココア、どれがいいか訊いてくれる。
夫はコーヒー、私はいつもは紅茶派だが、トイレが近くなっては困るのでココアを選択。

たぶん生搾りしているであろうオレンジジュース。
かご盛りのパンに、バターと４種類の小さなジャムがついてくる。
パンはどれも美味しかった。
クロワッサンはさくさくして、日本でよくあるべちゃっとしたのとはやっぱり全然違っていた。
バケットは太いのではなく、細めの物。
本で見たように、真ん中をナイフで切ってバターを塗って食べてみる。
美味しい。
日本で売っている物のように「麩」みたいだったり、ぐみぐみだったりせず、しっかりとした噛みごたえ。
やっぱりパリなんだなあ(^^)。

滞在中、街のブーランジェリーでパンを買って食べる機会がなかったのだけど、朝食のパンが美味しかったので満足だった。

身支度を整えて、ホテルを出発。
と、門のところでお散歩中のわんこ達に出会う。

パリは犬が多いと本で読んでいたけど、本当にそうだった。
散歩させている人もよく見かけたし、お店番しているわんこもいた。

さて、今日はまずはべた観光からということで、凱旋門とエッフェル塔を目指す。

初めてのメトロだ。
「セーブル・バビローヌ」駅から「コンコルド」駅で乗り換え、「シャルルドゴール・エトワール」へ。
メトロ駅構内で迷わないよう、迷っても路線図を出したりして旅行者オーラを出さないよう、事前に乗換路線、方面、何個目の駅か、をメモに書いていた。

が、それ以前に問題発生。
まずはカルネを買わねばと、
自動券売機もあるが、窓口で「アン・カルネ・シルブプレ」と言え、と本に書いてあったのでそのほうが手っとり早いと窓口に向かう。
が・・・窓口のお兄さんにそのセリフを言ったところ、「券売機で買え」と指さす。
それがめんどいから言ってるんじゃん・・・。

しかたないので、夫と二人、たぶんこうだろうと機械を操作する（ガイドブックには、券売機の詳しい操作までは載っていないのだ。　このへん、ガイドブックの改善を望む）
まったく、旅行者オーラを出さない対策をしてきたのにこれでは出しまくりではないか(笑)。

ちょっと苦労したがなんとかカルネ購入。
ふう。
こういうところで時間のロスが発生しがちなので、初めての個人旅行の方は、予定は余裕を持って、が大事だと思います。

ホームに着いてみると、どこからか音楽が。
あ、これは・・・！
やはり。
パリのメトロ構内では楽器を演奏している人がたくさんいると本にあったが、本当にバイオリンを演奏している人がいたのだ。

乗り換えた駅でも、バイオリンを奏でる人がいたし、次の日には何人かの楽隊で演奏しているのにも遭遇した。　というか、だいたいどこの駅でも音楽がどこからか聞こえていた気がする。

さらにさらに、対向路線のメトロ車内で見かけたのだが、車内でパペット人形劇のようなものが行われていた(笑)！
乗客はその横でふつうのテンション(笑)。
日本の電車内であんなのやろうもんなら、即行で駅員が飛んできそうだ。
おもしろいなあ、パリ。

「シャルルドゴール・エトワール」駅を出ると、
おおっ！　凱旋門だ。

正面からの写真はよく見るけれど、横からのアングルは初めて。

周辺は写真を撮る観光客でいっぱいだ。

凱旋門周辺に何か所かある階段を降りると地下通路になっていて、そこから門の下に出ることができる。

凱旋門の下、というか内側ってこんな風になっているんだ。
一面にレリーフが施されている。
凱旋門といえば、正面からの姿しか知らなかったのでちょっと驚き。

ここでちょっと横道にそれるが、パリの公衆トイレのお話。

凱旋門近くにあったこちらのグレーのものが公衆トイレだ。
男性が二人ほど並んでいた。
見ていると、一人が出てくるとドアは一旦自動で閉まり、便器が自動洗浄されるようだ。
その間は、ドアはロックされる。
洗浄が終わるとランプの色が変わるので、ドアを開けて入る。
料金は不要。

夫が利用してみたが、女性はどうも入りづらいような・・・。
用を足して出てきてから洗浄のためにドアが閉まるスピードが微妙にゆっくりなので（速かったら危ないけど）、使用後の便器がしばらく外から丸見えになるのが辛い(笑)・・・。

幸い、私は滞在中これのお世話になることはなかった。
トイレに関しては、その数が多い日本はありがたいと思う。
せめてメトロの駅にはトイレを作ってほしいものだ・・・。

凱旋門を後に「トロカデロ」までメトロに乗り、やって来ましたエッフェル塔！

なんといっても、憧れ続けたパリの象徴だ。
べたな観光スポットに裂く時間はないぜっと思っていても、これだけは特別だ。

メトロ出口からすぐのシャイヨ宮広場に立つと、その姿がドーンと眼前にそびえる。
今の時間、こちらからだとちょっと逆光のようだ。
こんなにドカーンと、周りになにもない所に建ってるんだなあ。

私の中では、エッフェル塔とパリの街並みがからんだ図のイメージが強いので、単体でドカンと建っているこのアングルはちょっとだけ拍子抜け・・・。

イエナ橋のたもとまでやって来た。

ああ、こういうの。
セーヌ河との共演。
こういうのが絵になるんだよね、エッフェル。

エッフェル塔の足元まで来ると、観光客がいっぱい。
塔に上る入口には長蛇の列が・・・それを見た瞬間に、上ることはあきらめた(笑)。

階段ルートの入口だけは空いていた(笑)。
時間がたっぷりあったら、トライしてみたい気も・・・する。

エッフェルを真下から見上げる。

すごいすごい！
こんなアングルは初めてだ。

考えてみたら、真下から見上げられる塔ってあんまりないんじゃないだろうか。

シャイヨ宮からこの辺りまでずっと、エッフェル塔の置物やキーホルダーらしき物をじゃらじゃらと腕に提げたお土産売りがたくさんいた。
ちょっとでも立ち止っていようものなら、寄ってきて営業する(笑)。
地面にふろしきを敷いて売っている人もたくさん。
でも、「ノン・メルシ」と言って首を振れば、あまりしつこくはしてこない。
実際に購入している人もけっこういたけど(笑)。

ちなみに、塔の足元近くの売店でトートバッグと缶入りキャンディを買ったのだけど、この時の店員の態度がすごかった・・・。
携帯電話でとても楽しそうにおしゃべりに興じながらレジ精算のすべてをやってくださったのだ(笑)。
一度たりともこちらに目を向けることもなし。
日本だったら即クビ間違いなしだ(笑)。
なんというか・・・すごいぞパリ。

ちなみに帰りのシャルルドゴール空港の売店の店員などお菓子を食べながらレジをやっていたし、街で入ったスーパーのレジ係も隣レジの店員と（客を挟んで）おしゃべりしながら作業していた。
日本て、ひょっとしてものすごくマジメでものすごく丁寧な国なのかも・・・(笑)。

日本では、たとえ高級店でなくても店員にはある程度の接客態度が要求されて当たり前になっているけど、他国では、高級店でなければそれなり、でも別によいという認識なんだろうか・・・。
私たち日本人の当たり前、な感覚についてちょっと考えてしまった。
ひょっとしたら日本人は甘やかされすぎ、なのか・・・？

シャンドゥマルス公園まで歩いてきて、反対側からエッフェルを眺める。

青空を背に建つその姿は、やはり美しい。

公園の芝生では、親子づれが遊んでいた。
地元っ子だろうか。

エッフェル塔を見ながら遊ぶのが日常だなんて、なんて贅沢なんだ。

セーヌの中州にある「白鳥の小道」からエッフェルを眺めるため、河岸を歩いてビル・アケム橋へ向かう。

河岸にあるベンチでは地元のサラリーマンらしき人たちがランチをとっている。
日本人らしき人がいると思ったら、「パリ日本文化会館」なるものがそばにあった。

「白鳥の小道」は緑の多い遊歩道だった。
地元っ子が散歩したりジョギングしたりしている。

ここから眺めるエッフェル塔がきれいだと聞いていた。
なるほど、なかなかだ。
でも、落ち葉の季節のほうがより風情があるかもしれない。

それにしても、本を読むお兄さん・・・エッフェル塔を間近に眺めながら読書なんて、何度も言うけど贅沢だなあ。

河岸を歩いてエッフェル塔まで戻る途中、自家用らしき船がいくつも停泊しているのを見かけた。

パリでは、船で水上生活している人がいると以前テレビで見たが、どうやら本当らしい。

デッキでわんこがお昼寝していた。
いいなあ、気持ち良さそうだった(^^)。

さて、エッフェル塔からは観光ボートでサンジェルマン方面へ戻る。

事前に調べておいたのは「バトビュス」という観光船。
この「バトビュス」、バスのように乗り降り自由、という点が便利だと思って選んだ。
１時間近くかかるクルーズに参加する時間がもったいない者にとっては、手軽に、移動手段の一つとしてセーヌクルーズを楽しめる。

イエナ橋のすぐ近くのチケット売り場で1日券（これが最小販売単位）を買い、１５分ほど船の到着を待って乗船。
船内は観光客でいっぱい。
天井は透明なので、日差しがまぶしい。

出発して一瞬、どっち周りで進んでいくのか分からなかったが、次の停留所を告げるアナウンスで判明。
エッフェル塔を出て、反時計周りにセーヌを進んでいくようだ。

降りる少し前を見計らって、席を立ちデッキへ出てみた。

先述した「Before Sunset」でも、観光ボートに乗るシーンがある。
二人がデッキで話すそのシーンで印象的だったのが、何度もくぐり抜ける橋。
影になって、また光の下に出て・・・その繰り返しが二人の揺れる気持ちを表現しているようできれいだった。

実際のデッキは乗客がたくさんいて、映画の再現というわけにはいかないけれど(笑)。

ノートルダム寺院の横あたりでバトビュスを下船。
予定ではここまでを午前中に終えるつもりだったけれど、実際はすでに14時を回ってしまった。

ここから午後はマレ地区に向かいランチの後雑貨屋などを巡るつもりだったが、時間がおしてしまったので予定変更。
とりあえずは、後でお茶するつもりだったカフェでランチをとることにする。

向かったのは下船した場所からほど近い「ラ・フルミ・エレ」というカフェ。
店内に本棚があるブックカフェのようなかわいいお店だそうだ。

青いファサードが目印のお店はすぐ見つかったけれど、ランチタイムは終わってしまってお茶メニューしかない、と言われてしまった。
残念・・・ここのキッシュが美味しそうだったのだけど・・・。
キッシュは軽食だからノンストップであるだろうと思っていたけど、そういうわけでもなかったみたい。
要注意です。

しかたがないので、すぐさま次の候補を考える。
「ノンストップで食事ができる店」と本で紹介されていた、サン・ルイ島のお店を思い出した。
ここからなら歩いて行けるだろう。

「ポム・カネル」というそのお店はサン・ルイ島のちょうど真ん中あたりにある。
この時間だ、お客さんは少ない。
思い切って入ってみると、しゃれてはいないけど庶民的な雰囲気で、なかなか居心地よさげだ。

店の奥にショーケースがあり、たくさんのタルトが並んでいる。
そうそう、ここは甘くない食事系のタルトがおいしいと書いてあった。

メニューはフランス語オンリーだが見やすい。
タルトにも惹かれたが、ガレットがあったので、昨夜クレプリーに入りそこねたことだし、私はハム・チーズ・オニオン・卵のガレットを注文。
夫はいろいろ種類のある食事系タルトからチキン入りのものを。
ちなみに、夫が関空で買った旅のフランス語本の食事関連単語のページは、カフェやレストランでそこそこ役立った(笑)。

料理が来るのを待っている間に、ちらほらとお客が入ってくる。
地元の人っぽいお客さんが多いようだった。

ほどなく、料理が到着。

わあ、けっこうボリュームがありそうだ。
ガレットは何度か日本のカフェで食べたことがあったけれど、これは生地の厚みが全然違う。
日本のはぺらぺらだけど、こちらのはしっかりしていて食べ応えがある。
しかもパリっと焼かれてあるのがまたいい。

夫のタルトにはたっぷりの野菜も付いていた。
うれしい。　野菜は二人で分け合う。
私はこういう、飾らず素朴でシンプルだけど、しっかり食べ応えのあるタイプの料理が好きだ。
静かだし、落ち着くいい店だったなあ。

サン・ルイ島は、メインの通りに小さなお店がずうっと並んでいる。

そして「ここはアイス島ですか！？」って思うくらい、アイスクリームのお店が多い。
もともと有名なのは「ベルティヨン」だと思うけど、その本来のお店以外に、ベルティヨンのアイスを売る店がたくさんたくさんあるのだ。
ベルティヨン以外のアイス屋さんもあるようだったし、とにかく道行く人がみんなアイスをなめていた(笑)。

ちなみに私たちはベルティヨンは食べなかったが、エッフェル塔近くの出店で買ったソフトクリームに関してだけ言えば、昔イギリスで食べたソフトクリームのほうがクリーミーで美味しかったように思う。
パリのは、なんだかソルベに近い感じだった。

メイン通りのお店にはファサードのかわいい店もたくさん。

おみやげ屋さんに駄菓子屋さん、ワイン屋さんや、いろんなチーズがウィンドウに積み上げられたお店なんかもあった。
時間があれば、ゆっくり見て回ると楽しいかも。

さて、予定変更してこの後はサント・シャペルのステンドグラスを見に行き、それからルーブル美術館へ行くことにした。

サント・シャペルに向かっている途中、馬に乗ったお巡りさんに出会った。
あれはパフォーマンスでもなんでもなく、実際ああやって仕事してるんだろうなあ。

ノートルダム寺院横に偶然見つけたインフォメーションで、ミュージアムパスを購入することに。

「ミュゼパスはありますか？」と訊くと、
「あるけど、実は明日ストがあって美術館のいくつかは閉館になるかもしれない。それでもいいか？」と言うではないか。

スト！？
パリにはストが多いと本で読んではいたが、よりにもよって本当に遭遇することになろうとは・・・。
明日はオルセー美術館に行く予定なのだが・・・どの美術館が閉館になるかは分からない、とのこと。
そんなあ〜・・・。

しかしとにかく、今日はこれからサント・シャペルとルーブルに行く。
チケット購入の列に並ぶのは嫌なので、とりあえずパスは購入した。

これが正解。
サント・シャペルには入館受付時間ぎりぎりに間に合ったのだが、それでもパスを持っていない人はもう入れなかったようだった。
セーフ。

ちょっと迷って、有名なステンドグラスのある聖堂へ。
それは狭い螺旋階段をあがった２階にあった。

このステンドグラスの美しさについては、すでにたくさんの旅行者の方々が書いていると思うので、ここでは多くはふれないでおく。

ただ、前評判で期待しすぎていたからか・・・聖堂の一部が修復中で覆いがかかっていたからか・・・正直、そこまで「大感動！！」という感じでもなかった・・・。

バラ窓の下のテラス窓が開けてあって、そこから光が入っていたせいもあるかもしれない。
天井が、写真で見てイメージしていたほど高くなかったせいもあるかも・・・。

なんにせよ、前評判は見すぎないほうがいいと思います(笑)。
偶然このステンドグラスに出会っていたのだとしたら、感動が全然違ったと思う・・・。
まあ、そんなことは無理だけれど(笑)。

サント・シャペルを出たところで時刻は１８時前。
今日は水曜日でルーブルは２２時まで開館なのでまだ時間に余裕はあるけれど、今夜は疲れたし早めにホテルに戻りたいので、そのままルーブルへ向かうことにした。

ポン・ヌフを渡って、ディナー客を待っているカフェのテラス席などを横目にぷらぷら歩く。
地図で見るかぎり、ルーブルにはどこからどう入っていいのかいまいち分かりづらかったが、一番はじめに目についた入口から入ってみた。

入ると広場になっている。
ピラミッドのある入口に向かう前にベンチで一息。
隣のベンチでは、地元の人であろう老夫婦が並んでそれぞれに本を読んでいる。
ああ、いいなあ。
こういう静かな場所に二人で座って、あんなふうに本読んで・・・。
しかも時々おじいさんがおばあさんにキスしたりして、仲むつまじい。
パリには、こんな老夫婦がいるのだなあ・・・としばし感慨。

さて、疲れた足と気力をふりしぼって進むと、かのピラミッドが見えた。
噴水の周りではたくさんの人が涼をとっている。
とにかくこの日も暑かったので無理もない。
夜間開館とはいえ、こんなに大勢人が集まるんだなあ、さすがに世界的有名な美術館だ。

中に入ってまたびっくり。
中央の案内エリアは、すごい人でざわめいている。
夜間開館だからって空いてると思ったら大間違いだったようだ。
でもミュゼパスがあるので、荷物検査さえ抜ければすぐに入れた。

パリでは美術館巡りは私の中ではメインでなかったので、ここも個々の作品というより、全体の雰囲気を感じたいと思っていた。
あとは、モナリザさえチェックできればよい(笑)。

写真は「サモトラケのニケ」。
大階段を上り切ったところに配置してあるので、階段下から見上げると飛んでいきそうな雰囲気がよく伝わる。
展示術の妙だと思った。

まるで回廊のような展示スペースは、日本の美術館なんかとはスケールが違った。

教科書に出てくるような作品が、手で触れられそうな状態でばんばん展示してある。
この太っ腹さ加減というか、堂々さ加減というか、は、欧米の美術館で心から感心する点だ。
日本みたいにちまちまロープ張って展示したりしないのだ(笑)。

とはいえ、さすがにかの「モナリザ」だけはやっぱり特別扱いのよう(笑)。

私は、モナリザそのものよりも、それに群がる人々の図のほうがおもしろくて撮りたかった(笑)。
こういうところは、万国共通なんだ(^^)。

こういうシーンできっとスリが多いんだと、写真を必死に撮っている夫のカバンを背後からしっかと握る(笑)。

で、肝心のモナリザは、ちょっと遠かった・・・。
もう少し近づいて表情などじっくり見られたらよかったんだけど・・・。

どの展示スペースも、とにかくスケールが大きい。
人と作品の大きさを見比べてもらえば、それが分かると思う。

なんだかこういう場所にいると、美術品のことは詳しく分からなくても、気持ちが解放されるというか、大きな何かで満たされるような、そんな感じになる。

展示作品以外にも、回廊の窓からふと見える彫刻なんかも、隠れた名作だったりする。

展示エリアの合間には、こんなシッティングスペースも用意されていた。

ルーブル美術館の中央案内スペースから奥に進んだ所は、ちょっとしたショッピングセンター風になっていた。
といっても、夜間開館の時間には閉まっていたが。

その中の一角に、フードコートのようなものがある。
どうも、この春に改装されたばかりのようだ。
今日はここで夕食にすることにした。

オリエンタル風な店が多いようだったが、私はほとんど食欲がない・・・。
いろいろ迷ったがこれというものが見つからず、結局、夫が注文したチキンのプレートがハンパないボリュームだったので、それを少し分けてもらって済ますことにした。

時間はすでに２１時ごろ。
早めに帰るつもりだったが結局遅くなってしまった。

しかも帰り道、ルーブル内でつながっているメトロの入口がすでに閉まっていて、すごく遠回りして別の入口まで歩かなければならなくなり・・・とても疲れてホテルへたどり着いた。