2010/05/21 - 2010/05/21
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サトテツさん
「オリエント急行って乗れるの?しかも蒸気機関車?」
ハネムーンに向けて、ミステリー小説好きの嫁とロンドンを訪ねる計画を立てながら、1日くらいはオックスフォードに日帰りしようとしていた予定日(5月21日)がありました。
そんな頃、たまたま英国の日系旅行会社のメルマガに、オリエント急行の運行案内を見かけたのが事の始まり。
なんと偶然にも、その予定日にオリエント急行のロンドン~オックスフォード間を日帰りで運行するスケジュールがあることを発見。
しかも、通常の電気機関車ではなく、年に僅か2回しかない“蒸気機関車”による運行日が、まさに5月21日。
もしや、蒸気機関車はイギリスで人気があって、もう予約満員かと思って即座に問い合わせてみると、まだ空きがあるとの回答。
かの小説でも名高い往年のビンテージ列車に乗れるかもと嫁さんに相談したら、大喜びで乗りたいと大賛成。
これだけ偶然が重なるということは、きっと「行け」ということ。
ちょっと緊張しましたが、とても、メモリアルな旅になりました。
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 鉄道
-
まず、申し込み後。
コンファメーションレターを1週間前に自宅に郵送してもらうのが通常とのことですが、我々の旅行日程上、既に渡航しているので、レターは滞在先のホテルへ送ってもらうことに。
オリエントエクスプレスの英国向け2010年版パンフレットと、ブラウンの厚紙の封には乗車チケットの代わりとなるインビテーションレターが入っていました。
単なるチケット郵送ではなく、かしこまった招待状を送るっていう演出が、オリエント急行の上質なエクスペリエンスの始まりなんですね。 -
さて、当日。
スマートカジュアルって書いてあるドレスコードの服装は本当にこれでOKなんだろうか…と若干不安を抱きつつ8時過ぎにビクトリア駅へ到着。
指定された2番ホームへ向かうと、オリエント急行がもう停車しています。ブリティッシュ・プルマンのエレガントな客車の外観が朝日に輝いています。
写真左の自動改札は通常の電車用で、オリエント急行の乗客は、タキシードとスーツのおじさん二人が立っているゲートから入ります。通常のホームでもこういう特別扱いするんですね。 -
そのホーム反対側には、オリエント急行専用の搭乗カウンターの入口がありました。前では紅茶とコーヒーが振舞われています。
送られてきたインビテーションレターにはまだ座席と客車の指定はなく、当日、搭乗時にチェックインしてくれたまえ、と書いてあるので、中へ入ります。 -
中に入ってみると、搭乗カウンターとはいえモダンな雰囲気の内装じゃないですか。
奥には待合室のソファーがあって、搭乗を待つ方々が何人か座っています。みなさんの服装もフォーマルって程のものでもなく、一安心。
係りの方にチェックインの手続きをしていただきました。 -
入口の前でコーヒーと紅茶をもらってきて、待合のソファに座って搭乗をしばし待ちます。
入ってくる乗客の皆さんは、白髪まじりの英国紳士淑女が多いですね。
ヨーロッパ各国からか米国の人とおぼしき方もちらほらいらっしゃります。
日本かアジア系の乗客は私達二人のみ。しかも年齢が若い人少ないし、やや恐縮。 -
発車20分前くらいになったので、それでは搭乗。チェックイン時に指定された、ZENAという客車に向かいます。
ここで、スチュワードさんとご挨拶。
この客車に乗車するお客さんの全ての対応の責任者でもあり、食事のサーブなどいろいろとお世話になる方です。(あー、いま思うと名前聞いておけばよかった)
座席を案内されるも、「ちょっと、蒸気機関車を見てきたいんですが…」と、お話しすると、「もちろん、どうぞ。」ということで列車先頭側へ歩いていきました。 -
各客車ごとの名称は、こんなふうに張り出した表示版を掲げるんですね。(走行時は取り外してました。)
実は、このZENA(ゼナ)号には、エピソードがありまして、あのオリエント急行殺人事件で有名なアガサクリスティが、実際に失踪事件を起こした出来事を映画化した『アガサ』 (1976・米)で撮影に使われたことがあるそうです。
他の客車にも歴史があり、PERSEUS(ペルセウス)号は、1965年にウィンストン・チャーチルの葬送列車として使われたり、PHOENIX(フェニックス)号 は、エリザベス女王一家の王室列車として使われていたなど、様々な逸話があるんだそう。 -
先頭の蒸気機関車ともご対面。
Merchant Navy Class Clan Line 35028というこの蒸気機関車は英国では有名なようで、Wikipediaにも載ってました↓
http://en.wikipedia.org/wiki/SR_Merchant_Navy_Class_35028_Clan_Line
でもって、英国にも鉄っちゃんはおりまして、この当日のオリエント急行の運行をビデオに撮影してYoutubeにあげているツワモノもいました。
この蒸気機関車が走ってる雄姿を見たい方はこちら↓
35028 Clan Line, VSOE London to Oxford, 21 May 2010
http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=NyiBandEQGw -
現役で動いている蒸気機関車って、やっぱり迫力ありますね。
巨大な恐竜をみているような感覚で、普通の車輌とは存在感が全然違います。
重厚感もさることながら、とにかく綺麗に整備されているのが素人目にもわかります。汚れや埃を見つけると係りの人がすかさず拭いていました。 -
グリーンに塗装されたのボイラー部分にあるエンブレム。誇らしげです。
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石炭車には、ブリティッシュ・レイルウェイズのマークもありました。こういう紋章のデザインも渋いです。
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男子としては、車輪に駆動力を伝えるロッド式機構とかにも思わず目がいってしまいます。
油で汚れそうなメカニカルな金属部分もピッカピカに磨いてあります。 -
機関士のおじいさんも、いい味だしてるんですよ。
なんか誇らしげですよね、俺の機関車だぜって感じ。 -
しっかりと石炭をくべています。近寄ると熱が伝わってくるし、蒸気も車輌の下から噴き出してきて、本当に動力はこの蒸気機関なんだと五感で感じます。
すごい仕事やってますよ、おじいさん、かっこいい。 -
そろそろ発車時刻の8:45なので客車に戻りつつ、後方からの機関車ショット。
煙突から蒸気がでてる瞬間は絵になりますね。 -
急いで客車ZENAまで戻って搭乗です。
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客車に乗って、客室に入るドア前にもZENAのプレートがありました。
このブリティッシュ・プルマンの紋章、伝統を感じさせますね。
19世紀後半、鉄道の先端をゆくイギリスで、ジョージ・マーティー・プルマンが寝台とパーラーのある特別列車を開発し運行させ、豪華なプルマン列車の旅が始まったといいます。
その時代は、列車に乗って旅行すること自体が贅沢なことだったそうです。 -
こちらは、ZENAの由来が書かれたプレート。
先ほど触れた、映画『アガサ』で撮影に使われたことも書かれていますね。 -
客室内へ入ると、上品でエレガントな別世界が広がっています。
手の込んだ寄木の内装と白い天井に囲まれ、調度品もクラシカルだし、ランプの照明も落ち着いていて、ほんと優雅な空間です。
既に座られてるみなさんはリラックスしてますね、歓談しながら出発を待っておりました。座席の多くは、向かい合わせの二人掛けです。 -
そして、特にチャイムや汽笛などの合図もなく、ほぼ定刻どおりに列車は走り始めました。
ビクトリア駅を出発したあたりはロンドンの街中なので、レンガづくりの建物の中を抜けていきます。 -
私達の隣は一人掛けの席で、本日は空席のようです。
いやーそれにしても、窓枠も、カーテンも、テーブルも、ランプシェードも、なにからなにまで素敵。網棚ですら美しさに気を配ってますね。 -
客車内後方に仕切られた4人掛けクーペ(コンパートメントのことを、オリエント急行ではクーペと呼ぶんです)と、隣の客車へ抜ける通路。
このような木製の扉でさえも気品があります。 -
壁を構成する寄木細工の装飾はアールデコ調。
アーツ&クラフトが根付く国イギリスの職人さんが、精巧につくってるんですね。 -
こちらは、扉の上のZENAのエンブレム。
これも人の手で精細に描いているものと思われます。 -
シートの全体はこんな感じ。シートというよりも、ふかふかのチェアーですね。
すわり心地がよくて、気を抜くと寝てしまいそう。 -
さて、オリエント急行の車内見物も終えて、ブランチタイムです。
テーブルには、ぴしっとアイロン掛けされた真っ白なクロスが張られ、食器やカトラリーがきれいに並べられています。 -
では、テーブル上のいろんなものを、一つ一つウォッチするとしましょう。
まず、コーヒーカップ。VSOPのロゴが素敵です。Venice Simplon Orient-Express(ヴェニス・シンプロン・オリエント・エクスプレス)の頭文字です。
そういやイギリスなのに紅茶じゃないのかと思ったけど、そもそもオリエント急行は欧州縦断の路線なので、やっぱスタンダードはコーヒーなんですね。 -
左は、日本でも見かける英国王室御用達のWilkin&Son’sのストロベリージャム、マーマレード、はちみつ。
右は、オランダ産バターでございます。 -
銀製のシルバーウェアにも、VSOPの刻印がありました。見えますかね。
-
テーブル上に置いてあった、本日の旅の行程表に目を通します。
ロンドンビクトリア駅からオックスフォード駅までの路線と各通過駅、ほかに蒸気機関車の解説や目的地のブレナム宮殿の話など載ってます。
こんなペラいちの印刷物も、なんかかっこいい。 -
テーブル脇には、ブリティッシュ・プルマンの各客車の解説などが載ったパンフレットもありました。
もちろん全ページ英語…。なので、帰国してから辞書片手に読むとしましょう。 -
こちらは、本日の食事のメニューとワインリスト。
表紙にゴールドの箔押しがしてあったので、思わず接写。 -
なかを開くと、ちゃんと今日の日付まで印刷されてますよ。
-
この日帰りのオリエント急行では、往路と復路で2度の食事がいただけます。
まずはブランチメニュー。
・オリエントエクスプレスベリーニ
・フレッシュフルーツカクテル
・ニラ入りスクランブルエッグ、スモークサーモン(Inveraweはスコットランドで有名なスモークサーモンメーカー)、ハーブロースティポテト(じゃがいもの千切りを固まりにして焼いたもので、ロスティと書くことも)
・モーニングベーカリーセレクション、ジャムとバター
・レインフォレストアライアンスコーヒー(これはサステイナブルコーヒーとも呼ばれ、コーヒー農園を営む人々を支援し、熱帯雨林の環境保全や生態系維持を目指す世界規模の団体があって、そこが認証したコーヒー豆を使っているということ)
なお、ディナーメニューは後編で。 -
さっそく、ウェルカムドリンクのベリーニを、あのスチュワードのおじさんがつくってくれました。
ベリーニとは、シャンパンと桃のジュースとのカクテルで、おじさんが目の前でミックスしてくれます。(写真撮るタイミング逃した…) -
で、このベリーニを飲み進めると、 VSOPのロゴが見えてくるんですね。粋な演出?です。
-
メニューを見ていると、さっそく1品目が運ばれてきました。
ナッツとフルーツ入りヨーグルトのようなもの。でも、メニューには載ってない?かな。 -
そして、メニューの並び順とは関係なく、コーヒーのサーブもやってきました。
スチュワードのおじさんに、「ハネムーンかい?」と声をかけられたところです。図星ですね。 -
この写真、僕がコーヒーの飲み方が下手な訳ではないんですよ。
蒸気機関車は年代モノなので?おもいっきり急停止したりするんですが、その時、コーヒーが溢れてソーサーにこぼれる訳です。ソーサーって、こういうときの為にあるのかもとちょっと納得。 -
次に、メニューどおりフルーツカクテルがやってまいりました。
一口サイズで皮も剥かれてて、とっても、ジューシー、フルーティー。 -
こちらは、ニラ入りスクランブルエッグ、スモークサーモンとハーブロースティポテトです。
スモークサーモンには、キャビアが載ってるじゃないですか。人生でキャビア頂くのは、片手で数えて何回目か。
また、このハーブロースティポテト(じゃがいもの千切りを固まりにして焼いたもの)が、表面はサクサクで中はほくっとして塩加減もほどよく、いけます。 -
こちらは、ベーカリーセレクションのパン。数種類あって自分で選べます。
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最後のデザートですね。ちっちゃなフルーツパイです。
-
こうしてテーブルだけを写真で切り取ると、まるでレストランです。
ちゃんとした食事がでる列車の旅は初めてですが、ゆったりと優雅な時間が流れて、とても気分がいいもんだなぁと実感。 -
食事をとっている間にロンドン郊外へ抜けてサリー州に移り、林の中を走るような風景にかわります。
有名なアスコット競馬場の近くも通過したりしました。 -
行程表の路線図にもありましたが、幾つものローカル駅を通過したりします。
臨時列車のため、他の電車の通過待ちで停車することも。 -
おなかも一杯になって、カクテルも飲んで、だいぶいい気分になってきました。
車窓の風景は、ウェストバークシャー州あたりに移り、広大な牧草地が広がっています。
いい天気です。
イギリスでこの晴天はラッキーと言えますね。 -
遠くにのどかな家並みと、菜の花畑が見えてきました。
-
一面の黄色が目に眩しい。
牧歌的だなぁ。 -
さて、ちょっとトイレへ。
旅行前に幾つかのブログを拝見して、オリエント急行はトイレも素敵なんだということを読んでいたので、カメラ持参です。
この丸いステンドグラスの窓は、客車の外観デザインのアクセントにもなっていますね。 -
しっかりしたタオルが一枚一枚用意してあり、清潔かつ贅沢です。
-
そして、必見なのが、床に埋めこまれたモザイクタイルの絵。
ちょっと踏んでしまうのを躊躇してしまいますね。
客車ごとにこの絵柄はそれぞれ違うんだそうですが、さすがに、他の客車のトイレ巡りはしませんでした。 -
そんななか、オリエント急行グッズの車内販売がやってきまして、このスチュワードベア君をご購入。
座席に座ってもらい記念ショットです。 -
さてさて、もうすぐオックスフォード到着です。
向かいの席の窓枠越しに景色を見ていたら、「世界の車窓から」のテーマソングが頭の中に流れてきました(笑)
>>オリエント急行・蒸気機関車で往くロンドン〜ブレナム宮殿<中編> へ
http://4travel.jp/traveler/satotetsu/album/10516018
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この旅行記へのコメント (2)
-
- Michyさん 2010/08/05 12:39:40
- 憧れのオリエント急行
- サトテツさん、こんにちは!
そしてご結婚おめでとうございます…かな?
本当に素敵なハネムーンですね(^。^)
憧れのオリエント急行、先日イギリスの旅から戻ってきた私には理想とする眩しい位の素敵な旅行記です。
イギリスにいた時から一度は乗ってみたいと願っていましたが、ハネムーンでとは、本当に羨ましい!
お天気も良く、車窓の景色も美しく、本当に全てがパーフェクト!
オリエント急行ともなるとやはり食器やメニュー、パンフレットも素敵ですね。 そしてトイレまでホテル並みなのですね。
拝見していて、ため息の嵐です。
早く続きがみたいです。
Michy
- サトテツさん からの返信 2010/08/07 21:56:34
- RE: 憧れのオリエント急行
- Michyさん、こんにちは!
というか、ご無沙汰してます。ですね。
(出張しててネット見てなかったので返信遅くなりました。)
オリエント急行で旅をするなんて、一生のうちに1回くらいは出来るんだろうか(笑)と思ってましたが、おもいきって行ってよかったです、ホント。
嫁孝行にもなりましたし、自分のなかでも、今までで最も印象深い旅の一日になりました。
この旅行記を見直すと、自分って本当にオリエント急行に乗ったんだろうか?という気分がするくらい、非日常な体験だったなぁと思っています。
イギリスに入ってからは晴天に恵まれたんですが、その前のルートのフランスやドイツは、まあ天気が悪くて…残念だったんで、このオリエント急行乗車日の青空にはかなり救われました。
後編は、いつになるのか。うーん、期待せずにお待ちください。。。
Michyさんはイギリスはヨーク方面を訪れていらっしゃったんですね。
旅行記拝見させていただきま〜す。
> サトテツさん、こんにちは!
>
> そしてご結婚おめでとうございます…かな?
> 本当に素敵なハネムーンですね(^。^)
>
> 憧れのオリエント急行、先日イギリスの旅から戻ってきた私には理想とする眩しい位の素敵な旅行記です。
> イギリスにいた時から一度は乗ってみたいと願っていましたが、ハネムーンでとは、本当に羨ましい!
> お天気も良く、車窓の景色も美しく、本当に全てがパーフェクト!
>
> オリエント急行ともなるとやはり食器やメニュー、パンフレットも素敵ですね。 そしてトイレまでホテル並みなのですね。
> 拝見していて、ため息の嵐です。
>
> 早く続きがみたいです。
>
>
> Michy
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