ROMANIA/SIGHISOARA （ルーマニア・シギショアラ）の中世の城下町

1995/07/02 - 1995/07/03

「ルーマニアの人々が最も愛し自慢する街」
「ヨーロッパで唯一、中世の都市の規模を維持している街」
と、ガイドブックには記載されていた。

確かに、「チムチムチェリー、チムチムチェリー、チムチ〜ム、　チェリ〜」と、オーバーオールを着た煙突掃除のおじさんが出てきそうな雰囲気だった。

近代的な高層ビルなど一つも無く、まるで、映画のセットに迷い込んだようなロマンティックな街中を、海千山千のアジア人、アラブ人に揉まれに揉まれた東洋人バックパッカーが一人、戸惑いながら足を踏み入れた。

エリア その他の都市(ルーマニア)

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 鉄道

「日本の田舎の駅みたいなそっけない所だなぁ」
それが、シギショアラに降り立った第一印象だった。

確かに高層ビルなんて見当たらないが、映画でよく見る中世の街とはずいぶんかけ離れた雰囲気なのだが・・・

とりあえず街の中心を訪ねると、白く輝く教会の方向を指差された。

教会の裏手から街は急速に中世化していった。

既に映画のロケセットみたいな街並みの中、街のシンボルにもなっている丘の上の時計台が見下ろしている。

遠くで見たら小さな丘だったのだけど、意外と坂が急だ。
まるで四国の金毘羅さんのような階段が延々と続いている。

曲がりくねって、幾つもの小道が分かれている石畳。
この造りは、イランで観た十字軍の城そっくりだ。

正午になると、教会の鐘が街中に高く低く鳴り響く。

あれほど強烈な陽射しが、この街では優しく降り注いでいるような錯覚に陥った。

ツーリストらしい白人のおじちゃん、おばちゃんが、丘の上の教会から街を見下ろしていた。
「Ｏｈ！」という感嘆符がここまで聞こえてくる。

一体何が？
黒柳徹子がメアリー・ポピンズでもやっているのだろうか？

俺も見下ろしてみた。
そこには・・・
映画で見たのと同じ中世の街が広がっていた。
「おおぅ！」

やっと見つけたホテル。
US$１２も出すと、結構いいシングルに案内された。
なかなか落ち着いたホテルだ。

なんと、夜中に見知らぬ男が、忍び足で入ってくるというナイトショーつきだった。