1997/12/21 - 1997/12/25
40位(同エリア62件中)
北風さん
パイネトレッキング後、チリ南端の街へ急いだ。
街の名は、「プンタ・アレナス」
チリの最南端の街。
マゼラン海峡を望むこの街は、パナマ運河ができるまでは世界の大型船の港町として栄えていたらしいのだが・・・
この街には色がなかった。
確かに街は大きく、郊外には巨大なショッピング・モールまである。
しかし、この裏寂れた雰囲気は何だろう?
街行く人々は、羊の毛皮がついたB−3タイプの革ジャンの襟を立て、強風に凍えながらさまよっている様に見えた。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 高速・路線バス
-
街の中心「アルマス広場」には、マゼラン海峡の発見者「マゼラン」の像が!
寒々しい雰囲気の街中で、この広場だけは妙に観光客の姿が目立つ。
と、言うか、他に観る所が無い? -
「腰掛けたアラカルフ族の足に触ると無事に航海を終えられる」との言い伝えがあるらしい。
たった今もヨーロピアンらしいおじちゃんがハンバーガー片手に撫で回していた。
おじちゃんが去った後に興味半分で俺もピカピカに光っている足先にタッチ!
・・・無事に航海を終えるどころか、手の平にハンバーガーの油のヌルヌル感だけが後悔として残った。 -
どことなくグレーが似合う街並みの中、唯一楽しげな音色を響かせているのは、懐かしい音楽の「ジングルベル」!
そう、クリスマスの時期が来ていた。
街角には庭の木をそのまま使ったクリスマス・ツリーまでがその日をアピール!
もうすぐ「真夏のクリスマス」が始まる! -
旅日記
『ペンション・ウアラ』
巨大なクリスマス・ツリーを通り過ぎると、バスはプンタ・アレナスのバス停でドアを開いた。
身体が重い!
パイネ・トレッキングの後遺症で、太ももの筋肉は総ストライキをおこしている。
今日という日は、チリの安ホテル客引きの姿が見える事が有難い。
たいがいの客引きは、そのまま車でホテルまで連れてってくれるからだ。
黒のキャッツ・アイにレザーのミニという、どこから見てもパンクの姉ちゃんが声をかけてきた。
ここがモスクワなら、「おい、兄ちゃん金だせ!」と言われそうだが、なんとこのお姉ちゃん、ホテルの客引きだった。
鉛の様な疲労感とミニ・スカートを足して2で割ると、俺はここのホテルに泊まる決意を固めるまで2分もかからなかったかもしれない。
このペンションは、当たりだった。
なんともユニークなペンションの家族。
普通なら、夜中に騒ぐツーリストを怒るはずのオーナー家族が、ここでは夜中にギター片手に大声を張り上げる。
俺がクリスマスを過ごす場所は決まった。 -
旅日記
『X'mas in PATAGONIA !』
1997年12月24日、こんな南の最果ての地にもサンタは来るらしい。
今回は薄汚れた東洋人の格好をしているが・・・
クリスマス・イブの夜、ツーリスト達は手に手にプレゼントを持ち寄り、ペンション・オーナーの子供達に手渡した。
オーナーの若主人のプロ並みのギターがうなる!
昼間はパンク、夜は良妻に激変する美人奥さんのハスキーな声が響き渡る!
いやぁー、楽しい!
歌い、笑い、飲んで、南米のクリスマスは過ぎていく。 -
旅日記
『南極の罠』
午前5時、あまりの喉の乾きで眼が覚めた。
薄暗がりの中、灼熱色に熱せられたガス・ストーブのフェンスが、ボーッと浮かび上がっている。
南極に手が届きそうなこの土地で、腹が立つほどの寒さを防いでくれるのは、この超強力発熱機、日本じゃ死体焼却炉でしかお眼にかかれない様な気違いじみた出力のおかげだ。
が、しかし、この小型原子炉の前にベッドがある人間にとっては話は別だった。
毎晩、焚き木の側であぶられている魚の夢にうなされている原因はわかっている。
極度の脱水症状を示すカサカサに乾いた唇の欲求に従い、水のあるキッチンへ向かう。
壁一つ隔てただけのキッチンは、そのままペンギンが住めそうなぐらい寒かった。
寝起きに耐熱耐寒テストは心臓にこたえる。
喉がなるほど水を飲んでいると、辺りに朝がやって来た。
今まで気がつかなかったが、朝焼けに頭を抱えてうずくまる男のシルエットが浮かび上がってきた。
これは夢なのだろうか?
こういう場合、かける言葉に国籍は関係ないと思う。
「誰だ?どうしたんだ?」
闇の中から返ってきた声の主は、南極行きの船を待っているドイツ系ナミビア人、スネークのものだった。
「やられた、・・・南極行きの船代全部」
ここプンタ・アレナスは、南極行きの船を見つけられる数少ない場所の一つだった。
かくいう俺もチリ海軍事務所まで押しかけて船を探した。
「US$1800!」それが船代として要求された時点で俺の財布はその能力を失ってしまったが、スネークはこの為だけにここまで来ただけあって、来週船に乗るはずだった。
スネーク曰く、「明日支払う金をポケットに入れて飲みに行き、ご機嫌で帰宅する途中、ポリスに呼び止められ身体検査をされた後なくなっていた」との事。
いくら南米で1.2を争う治安のいい国だとはいえ、歴史上この国は汚職軍人だらけの軍事国家だった所だ。
まさかUS$1800をポケットに入れて夜に外出するとは!
スネークの南極は遠くなった。 -
旅日記
『チリ出国』
サンチアゴから南下するバスでの事だった。
前席の好奇心で瞳がキラキラ輝いている白人のおっちゃんが尋ねてきた。
「君、アルティプラーノ(高原民族)だろ?」
・・・ペルー、ボリビアじゃ、完全に現地人と間違われていたが、ここじゃ幻の高原民族に昇格したらしい。
確かにチリは白人が非常に多い。
いや、それよりも褐色の肌をしたインディヘナをほとんど見ない。
(噂じゃ、白人がアンデス高地へ追いやったらしい)
白人国家の例に漏れず、文化水準、治安も南米で1,2を争う程安定しており、おまけに農業、漁業、牧畜業の国だから、飯はうまいし、人はほがらか!
難を言えば、物価がペルー、ボリビアの2倍以上と言う事だろうか?
(まぁ、それでも日本より安いのだが)
北部は砂漠、南部はフィヨルド、内陸部はアンデス山脈、フンボルト寒流が連れてくる台風並みの寒風、この国は国家版へレン・ケラー並みに厳しい環境が取り巻いている。
こんな国にまぁよくこんな人の良い白人が生まれたもんだ。
チリは俺の好きな南米の国にランクインした。
さて、明日は最終目的地、世界最南端の都市ウシュアイアに向けて、アルゼンチン入国だ。
風は更に強く、寒くなるらしい。
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