1997/11/21 - 1997/11/21
463位(同エリア626件中)
北風さん
ツアー3日目はルートに湖めぐりが入っていた。
いや、点在する湖の周辺に村があるので、湖と湖をつなぐような形で自然と道路が敷かれたのかもしれない。
数多くの湖は、ほとんどが白い湖だった。
まぁ早く言えば、プチ・ウユニ塩湖がいっぱい!
つまり、ここら辺一体が古代は海だったらしい。
ドライバーのおっちゃんがのたまった。
「今夜は Laguna Verde(ベルデ湖)で泊まりだ!」
・・・ん? Verde? スペイン語で緑を意味するのでは?
いざ、緑色の湖へ!
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旅日記
『ツアー3日目』
ウユニの朝は寒い。
まぁ標高4000mの荒野なら、暑くて寝苦しい事は病気で発熱した時以外はありえないかもしれないが・・
朝6:00、ツアー・ガイドが部屋に飛び込んできた夢を見た。
まるで野戦病院の様にベッドが並ぶ大部屋のど真ん中で、「朝です。朝食を食べてすぐに出かけます」と大声で叫んでいる。
ツアー・ガイドにガバッと寝袋を剥ぎとられた瞬間、あまりの寒さにこれが現実だと思い知らされた。
どこの世界にあさの6:00に尻に帆をかけて、出発の準備をするツアーがあるんだ?
これは、夜逃げの予行練習ツアーなのか?
それとも自衛隊の予備訓練なのか? -
朝日が昇りきった頃、爆走する車の正面になにやら見慣れた景色が出現した!
・・これは、ドライバーのおっちゃん、寝ぼけてウユニ塩湖に引き返したのか? -
しかし、あの塩湖にしてはかなりサイズが小さい。
湖の塩もまだ完全に干上がってないらしく、湖畔は干上がりかけた塩の模様がまだらに浮かんでいた。
どうやら、これは違う湖らしい。
ドライバーが言うには、ここから先、こういう湖が点在しているとの事。 -
<Laguna Cororada(コロラダ湖)>
湖を越えると、そこはまた湖だった。
赤い水をたたえるコロラダ湖らしい。
確かに一つ一つの湖は絶景にも値するのだが、さすがにこんだけ似た景色だと・・
ん、この湖には鳥がいるぞ。 -
フラミンゴ?
-
静かな湖畔の干からびた所には・・・
塩じゃないか? これ?
あのフラミンゴは塩水を飲んでいるのか? -
指を水に入れて舐めてみる。
「塩っぱい!」
つまり、どこにでもある塩湖だった。
(元来、他の国では非常に珍しいものかもしれないが・・・)
塩分濃度が非常に高いイスラエルの死海に行った時、ガイドが言うには、
「ここでは塩が固まって柱になるほど塩分濃度が高いので生物は生きられません。だから、死海と名づけられました。」
との事だったが、ここではフラミンゴがしきりにくちばしを突っ込む水中になにか生物がいるのだろうか?
まさかこれだけの群れが、うがいをする為に来ているわけではあるまい。 -
どうもフラミンゴの防衛エリアは、半径30mぐらいはあるらしい。
カメラ片手に観光客が近づこうとすると、その一歩目に既に一羽が反応していた。
「バサ、バサ」・・
「バサ、バサ、バサ」・・
「バサ、サ、サ、サ、サ」
見る見る間に連鎖反応のように群れが飛び立ち始める。 -
・・・そして誰もいなくなった。
-
何度目の湖観光だろう?
ランクルが白い湖畔の道にハンドルを向けた。
ドライバーが叫ぶ!
「着いたぞ!Laguna Verde(ベルデ湖)だ!」 -
<Laguna Verde(ベルデ湖)>
一日中湖めぐりをしていた気がするが、今日のハイライトはこの湖らしかった。
「Verde」その名の通り、緑色の湖だ。
今夜はこの湖畔にある山小屋みたいなホテルが宿との事。 -
-
到着した時は、今日見た数えられないぐらい美しい湖と何ら変わりはなかった。
が、しかし、夕暮れが押し迫る2時間後、その様相は急変する。
小型の台風の様な突風が、湖に浮かぶ塩の島から塩を引っぺがし吹雪のように白煙を上げさせ始める。
「塩の吹雪だ!」 -
旅日記
『塩の嵐とアメリカン』
それにしてもすごい風だった。
気を抜くと身体ごと持っていかれそうになる。
血相を変えて不時着してきたフラミンゴも、その場で両足で踏ん張っている。
もはやトレードマークの一本足にこだわっている場合じゃないらしい。
そして、アメリカンのカップルがいた。
ツアー客の中で最も若く、陽気でおしゃべり、人の迷惑かえりみないマイ・ペース、まぁ、どこから見てもアメリカンだ。
この嵐の中、このアメリカンの手には驚くべきものが握られていた。
一瞬目を疑ったのは俺だけじゃないはずだ。
スープの皿のような形、プラスチックらしき素材、派手なデザイン、
・・・あれがペット用の食事皿でなければ、「フリスピー」以外の何物でもない気がする。
白人は意外と知能指数が低いとの噂は、このカップルが元凶なんじゃないだろうか?
体重61kgの人間が両足で踏ん張らなければならない
この強風下、こいつらはフリスピーで何をするつもりなのだろう?
アメリカン、この人種は奥が深い。
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