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エクラン山群の中心部にあって、ベラルドに次いでアルピニストの基地として有名なエールフロワドやセザンヌ小屋は、佐貫亦男氏、新田次郎氏の旅行記にも登場し、周辺にはハイカー用のコースも沢山あるのですが、ラルジャンティエール・ラ・ベッセ駅(ラルジャンティエール・レ・ゼクラン駅)からの午前中1便しかないミニバスに乗ったのは、私だけでした。<br /><br />しかし、ハイカーがいないのではなく、バスの終点、セザンヌ小屋近くの駐車場は多くの車で埋まっていました。<br />ここから一番人気のハイキング・コースは、グラシエ・ブラン小屋までの往復なのですが、ケヴ・レイノルズ氏のガイドブックによると、上部にはデリケートな場所があるとか。<br />当時全く自信の無かった私は、素直にその忠告に従って氷河末端部分までとしました。<br /><br />とは言うものの、帰りのバスは夕刻の一便しかないので、昼食後、セザンヌ小屋からバス道路と並行したハイキング道をエールフロワド方向へ歩くことにしました。このコースは、谷間ながら途中でモン・ペルヴーを眺められることもあり、初心者用のコースとしてガイドブックにも紹介されています。結局、エールフロワドを過ぎ、サン・タントワーヌ村まで歩いたところで、雲行きも怪しくなりハイキングの終点としました。<br /><br />ここまでなら良かったのですが、帰りのバスが大変でした。<br />村の食堂でハーフ・ボトルのワインのお替りまでしてタップリと時間を費やした後、安全を期してバスの到着予定時間の30分前には村の中心部に向かったのですが、バス停が見つかりません。道行く人や、教会の隣の雑貨屋で尋ねても知らないとの返事、止む無くバス会社に電話すると、その教会前で待てとのこと。雨も落ちてきたので、屋根のある他人の家の荷物用の外階段に移ってバスが近づいたら大きく手を振って知らせようと待ちましたが、時間になっても朝乗ったミニバスは来ません。その内に雨が激しくなり、見通しが悪くなって、知らぬ間にバスが通り過ぎてしまう危険が増します。車の音が聞こえる度に階段を降りては目を凝らし、予定時間を優に20分過ぎてもバスが来ないと不安が募ります。見過ごしてしまったのではないかとか、元々私一人しか客は無いので運行を止めてしまったのではないかとか。<br /><br />かつて新田次郎氏が態度の悪いバスの運転手を怒鳴りつけたというこの地で、バスがらみのトラブルが頭を過ぎりましたが、待ちに待ったバスは30分くらい遅れて到着しました。予定していたブリアンソン行きのバスにも乗り継げませんでしたが、運転手には何も言えず、ラルジャンティエール・ラ・ベッセ駅で静かに1時間後の列車を待ちました。<br />

エールフロワド村  Ailefroide

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2004/07/05 - 2004/07/05

304位(同エリア2220件中)

2

18

いぶれす

いぶれすさん

エクラン山群の中心部にあって、ベラルドに次いでアルピニストの基地として有名なエールフロワドやセザンヌ小屋は、佐貫亦男氏、新田次郎氏の旅行記にも登場し、周辺にはハイカー用のコースも沢山あるのですが、ラルジャンティエール・ラ・ベッセ駅(ラルジャンティエール・レ・ゼクラン駅)からの午前中1便しかないミニバスに乗ったのは、私だけでした。

しかし、ハイカーがいないのではなく、バスの終点、セザンヌ小屋近くの駐車場は多くの車で埋まっていました。
ここから一番人気のハイキング・コースは、グラシエ・ブラン小屋までの往復なのですが、ケヴ・レイノルズ氏のガイドブックによると、上部にはデリケートな場所があるとか。
当時全く自信の無かった私は、素直にその忠告に従って氷河末端部分までとしました。

とは言うものの、帰りのバスは夕刻の一便しかないので、昼食後、セザンヌ小屋からバス道路と並行したハイキング道をエールフロワド方向へ歩くことにしました。このコースは、谷間ながら途中でモン・ペルヴーを眺められることもあり、初心者用のコースとしてガイドブックにも紹介されています。結局、エールフロワドを過ぎ、サン・タントワーヌ村まで歩いたところで、雲行きも怪しくなりハイキングの終点としました。

ここまでなら良かったのですが、帰りのバスが大変でした。
村の食堂でハーフ・ボトルのワインのお替りまでしてタップリと時間を費やした後、安全を期してバスの到着予定時間の30分前には村の中心部に向かったのですが、バス停が見つかりません。道行く人や、教会の隣の雑貨屋で尋ねても知らないとの返事、止む無くバス会社に電話すると、その教会前で待てとのこと。雨も落ちてきたので、屋根のある他人の家の荷物用の外階段に移ってバスが近づいたら大きく手を振って知らせようと待ちましたが、時間になっても朝乗ったミニバスは来ません。その内に雨が激しくなり、見通しが悪くなって、知らぬ間にバスが通り過ぎてしまう危険が増します。車の音が聞こえる度に階段を降りては目を凝らし、予定時間を優に20分過ぎてもバスが来ないと不安が募ります。見過ごしてしまったのではないかとか、元々私一人しか客は無いので運行を止めてしまったのではないかとか。

かつて新田次郎氏が態度の悪いバスの運転手を怒鳴りつけたというこの地で、バスがらみのトラブルが頭を過ぎりましたが、待ちに待ったバスは30分くらい遅れて到着しました。予定していたブリアンソン行きのバスにも乗り継げませんでしたが、運転手には何も言えず、ラルジャンティエール・ラ・ベッセ駅で静かに1時間後の列車を待ちました。

  • ラルジャンティエール・ラ・ベッセ駅

    ラルジャンティエール・ラ・ベッセ駅

  • ハイキングの出発地点 セザンヌ小屋付近。 奥に見えるグラシエ・ブランの末端を目指します。

    ハイキングの出発地点 セザンヌ小屋付近。 奥に見えるグラシエ・ブランの末端を目指します。

  • 中央を横に延びるラテラル・モレーン上にグラシエ・ノワールに向かうトレールが延びています。左奥の頂上が雲に隠されているのがバール・デ・ゼクランの頂でしょうか。

    中央を横に延びるラテラル・モレーン上にグラシエ・ノワールに向かうトレールが延びています。左奥の頂上が雲に隠されているのがバール・デ・ゼクランの頂でしょうか。

  • 左側の岩にこれから登るハイキング道が切られています。

    左側の岩にこれから登るハイキング道が切られています。

  • 歩き始めて1時間強で氷河末端部分に達しました。中央奥に小屋が見えます。

    歩き始めて1時間強で氷河末端部分に達しました。中央奥に小屋が見えます。

  • グラシエ・ブランの氷河末端部分

    グラシエ・ブランの氷河末端部分

  • 同上

    同上

  • 北側から望むモン・ペルヴー

    北側から望むモン・ペルヴー

  • グラシエ・ブラン小屋へのトレイル。今から思えば、ここで尻込みしたのは残念ではありますが。

    グラシエ・ブラン小屋へのトレイル。今から思えば、ここで尻込みしたのは残念ではありますが。

  • 表紙としたモン・ペルヴー。 右下には、街の中のような軽装のハイカーが見えます。

    表紙としたモン・ペルヴー。 右下には、街の中のような軽装のハイカーが見えます。

  • 出発地点を見下ろして。中央右に見えるのが駐車場です。

    出発地点を見下ろして。中央右に見えるのが駐車場です。

  • このコースから左(西)に分岐するグラシエ・ノワールへのトレイル。

    このコースから左(西)に分岐するグラシエ・ノワールへのトレイル。

  • 谷の北東に延びる針峰群

    谷の北東に延びる針峰群

  • プレ・ド・マダム・カルル付近より。右上に近くまで歩いたグラシエ・ブラン。

    プレ・ド・マダム・カルル付近より。右上に近くまで歩いたグラシエ・ブラン。

  • 花のトレイル

    花のトレイル

  • モン・ペルヴー南の谷を挟んで聳えるポワント・ギヤール。この谷にも多くの魅力的なハイキング・コースがあるようです。

    モン・ペルヴー南の谷を挟んで聳えるポワント・ギヤール。この谷にも多くの魅力的なハイキング・コースがあるようです。

  • エールフロワド付近から見たモン・ペルヴーの南東側

    エールフロワド付近から見たモン・ペルヴーの南東側

  • サン・タントワーヌ付近より歩いてきた谷奥のセザンヌ小屋方向を振り返って。

    サン・タントワーヌ付近より歩いてきた谷奥のセザンヌ小屋方向を振り返って。

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この旅行記へのコメント (2)

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  • 4nobuさん 2010/04/13 10:17:01
    フレンチアルプス記事歓迎!
    今日は
    フレンチアルプスの記事は少なく新鮮です。
    興味があるのですが情報が少なくてなかなか腰があがりません。これからもいろいろ教えてください。

    バスが来なくて心配だった事が時々あります。スイス・フランス国境近くのエモッソン湖からマーティニへの帰りにシャトラール・ジェトロの駅員から下の街道からトリアンまでのバスがあり急げば間に合うと聞き、急いで(草ぼうぼうの)道なき道を駆けて下り数分遅れで着いたがその後10分経っても来ない。始発は隣のシャトラール駅だからバスはそんなに遅れるはずがない。早く行ってしまったかと落胆した。ヒッチハイクのサインでも車はとまってくれない。ようやく20分ぐらい後に来た。
    オランダ、イタリアでは運休にもあいましたがバスは時々こんな目にあいますね。

    いぶれす

    いぶれすさん からの返信 2010/04/13 19:04:42
    RE: フレンチアルプス
    ご投稿、ご投票ありがとうございました。
    この時のバスは、小さな運送会社が経営しているもので、公共とは言い難いようなものでしたから本当に心配しました。やはりこの地方を快適に旅行するには、4nobuさまのように車を運転できる方でないと難しいのではないかという気がします。
    フレンチ・アルプスの情報をとのことですが、この年は、あと一ヶ所しか行けませんでしたし、その後も訪れていませんので残念ながらあまりお役にたてそうもありません。ただ、その時調べたURLが沢山残っていますので、アップの際には、それらを貼り付けるようにします。

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