2009/10/24 - 2009/10/24
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世界攻略者さん
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パキスタン・ゴジャール地方。パスー村から国境の町スストまでヒッチハイクで移動しました。乗り物はパキスタン名物のデコトラ。心優しきトラック野郎たちと過ごした3時間は、今も大切な旅のスナップショットです。
**情報は2009年10月のもの。1ルピー=1.1円で計算。
==シリーズ一覧==
フンザ心の旅① ハイダー爺と魔法の青い樽 (フンザの水)
http://4travel.jp/travelogue/10442688
フンザ心の旅② 長谷川メモリアル学校 - 魂の文化祭 その1
http://4travel.jp/travelogue/10443973
フンザ心の旅③ 長谷川メモリアル学校 - 魂の文化祭 その2
http://4travel.jp/travelogue/10444125
フンザ心の旅④ グルミット - 美人村の学園祭
http://4travel.jp/travelogue/10441914
フンザ心の旅⑤ フサニ村 - 吊橋と温泉のある風景
http://4travel.jp/travelogue/10443768
フンザ心の旅⑥ パスー - 村の伝統結婚式
http://4travel.jp/travelogue/10444518
フンザ心の旅⑦ カラコルムハイウェイ - デコトラ街道の男たち <==
http://4travel.jp/travelogue/10444759
フンザ心の旅⑧ チャプルソン谷 - その伝説の何もなさ (ズードホン)
http://4travel.jp/travelogue/10575819
フンザ心の旅⑨ ババグンディ - アフガンへと続く道 (パミール)
http://4travel.jp/travelogue/10575824
変更:
2014/09/15 写真拡大
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[目次]
カラコルム・ハイウェイ
パキスタンのデコトラ
トラック野郎とヒッチハイク
カラコルム劇場 - 車窓の旅
ススト
お別れ -
[カラコルム・ハイウェイ]
パキスタン北部を南北に貫くカラコルム・ハイウェイ(KKH)。私もここまで、ギルギット、カリマバード(フンザ)、グルミット、フサニ、パスーとこの幹線道路を北上してきました。さらにこの道は国境を越えて、中国まで続いています。
地図: 黄色い太線 - 今回走ったルート。 -
この地方では、乗り合いワゴンの本数が少ないこともあり、ヒッチハイクが日常的に行われています。KKHは一本道のため、ヒッチしやすいという事情もあります。私もフサニからパスーまで二度、トラックで移動しました。この時は既に日が暮れていたため、必要に迫られてのヒッチハイクです。その時の経験では、普通の乗用車が無視して通り過ぎていくのに対し、デコトラだけはちゃんと止まってくれました。もともとゆっくり走っているというのもありますが、気のいい運転手が多いように感じます。
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カラコルムハイウェイの裏方といえるのが、道路の修復・改善作業に従事する労働者たち。完成から30年経った今でも、あちこちで土砂崩れの除去、道幅の拡張など一年中工事が行われています。現場で働いている人の多くは中国から来た労働者で、作業用トラックに乗って移動する姿をよく見かけます。特にグルミット以北では、子供からニーハオと挨拶されるほど、この地方での中国人の姿は一般化しています。
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[パキスタンのデコトラ]
パスーでの滞在を終え、さらに北、ススト方面へ向かうことにしました。パスーからスストへは、朝8時くらいに乗り合いワゴンが出るという話です。しかし、それを逃すとフンザ方面から来るワゴンを気長に待たなくてはなりません。昼前には一便来るはずですが、いつ来るかはわからないし、席がある保証もありません。
先を急いでいた私は、村の売店に寄っていたトラックを見てひらめきました。緊急手段ではなく、普通の交通手段として、ヒッチハイクをするのはどうでしょう。北へ向かうトラックなら十中八九、国境の町スストに行くはずです。運転手に聞くと、やはりトラックはスストへ荷物を運ぶ途中でした。 -
彼らが乗るのは、典型的なパキスタン風デコトラ。丸みを帯びたボンネットと上に突き出した屋根。動物や植物をモチーフにした彫刻やデザイン。様々な形の反射板やコーナーポールなどの装飾品など。いわゆる、「全部入り」です。
車体の色と荷台のペイントは同系統の色が使われ、それなりにアートセンスを感じます。屋根に吊るされたしっぽの毛は、いまだに何の意味があるのかわかりません。 -
デコトラには2種類あり、普通の日本でも見かけるようなトラックを装飾したものと、ローカルトラックを改造したものがあります。前者をモダン・デコトラ(一枚目の写真)、後者をローカル・デコトラ(写真)と呼ぶことにしましょう。
ローカル・デコトラの最大の特徴は、屋根の上のひさしのような出っ張りが運転席と合体していることです。この帽子のような突き出しと運転席の両側ドアは木製で、屋根のない運転席の上に被せるように一体化しています。このようなデザインのため、よく見ると、車幅よりフロントガラスが一回り狭いのに気づきます。(写真) -
[トラック野郎とヒッチハイク]
ヒッチハイクのお願いはあっさり受け入れられ、一緒にスストに向かうことになりました。トラックは二台編成で、前のトラックに2人、後ろのトラックに3人乗っています。私は前のトラックの真ん中に座り、車は再び走り出します。
出発して二キロも走らないうちに、車は突然ストップ。バトゥーラ氷河の登山道手前、ジャナバード村のガソリンスタンドそばの場所です。一体、何か問題があったのでしょう。 -
同乗者の人は、私の足元にあった鍋やガスボンベを車内から取り出し、なにやら道端で調理のようなことを始めます。鍋に水を入れてお湯を沸かし、お茶の葉やミルクを投入。唐突ですが、ここで小休憩にするようです。パスーの売店に寄ったのも、必要なミルクを買うためだったのでしょう。
確かに、グルミットより北は食堂らしい食堂はありません。5人もいれば、自分たちで作ったほうが便利なのです。 -
彼らがお茶を作っている時間を利用して、車内を見学させてもらいます。木製のドアや天井は花柄模様で埋められ、中も派手な内装になっています。上を見ると、換気扇のような扇風機やスピーカー、それに車の電飾をコントロールするスイッチボートのようなものがぶら下がっています。実に手作り感あふれる運転席ですね。一方、ダッシュボードなど、運転の関わるものはいたって普通です。
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ここまで2キロ乗っただけですが、いくつか気になることがありました。まず、運転席の場所がおかしい。アンバサダーばりに運転席とハンドルの位置がずれています。また座席、特に助手席の位置が高いので、普通に座ると正面の景色が見えません。これは、このトラック固有の問題なのか、ローカル・デコトラ共通のデザインなのか、よくわかりません。
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そうこうしているうちに、チャイの準備ができました。さあ飲め飲めと「ゲスト」である私にお茶を勧めるフレンドリーな男たち。実は私が加わったため、コップが一つ足りないのですが、私の遠慮を受け入れてくれる彼らではありません。甘い手作りチャイを美味しくいただき、再び出発です。
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[カラコルム劇場 - 車窓の旅]
ローカル・デコトラの場合、フロントガラスが小さくて低いため、外の景色を見るのにあまり適していません。しかし時間が経つにつれ、この特徴ある車窓に逆に愛着が沸いてきました。まるで、横長テレビで風景映像でも見ているかのようです。
「カラコルム劇場へようこそ」
ワイドスクリーンに映る景色を見ながら、カラコルムハイウェイを北上していきます。 -
少し走ると、バトゥーラ氷河が道路左手に見えてきました(画面中央)。土砂をかぶっているのでピンときませんが、56kmに渡る大氷河です。
この後どんな景色が出てくるんだろう、期待しちゃいますね。実は、先ほど説明した制限などもあり、景色をちゃんと見るには、腰を前方にずらして視線を低くしなくてはなりません。座り寝みたいな感じで。逆に空を見上げる時は、体を前に乗り出してフロントガラスに顔を近づけます。正直不便です。だけど面白い。 -
私は二人に挟まれて、運転席の隣に座っています。運転手とその相棒は、何か楽しげに現地語で会話しています。比較的英語通用度の高いパキスタン北部ですが、彼らは南部出身。しかも労働者階級なので、ちゃんとした英語教育を受けている訳ではありません。
お互いの言葉はわかりませんが、時折シンプルな英語とジェスチャーでやりとりします。言葉が通じないのが、逆に心地よかったりします。 -
スストへの道は、フンザ川に沿った一本道。国境まで荷物を運んだトラックとよくすれ違います。このあたりは完全にデコトラ街道です。
先ほどの話と矛盾しますが、トラックのいいところは確実に景色を楽しめるところ。フロントシートしかないのだから。乗り合いワゴンなどでは、助手席は女性の指定席のようなもので、男性はまず座れません。 -
工事現場が見えてきました。20人ほどの作業員が、土砂崩れ防止の壁を建築しています。赤い揃いのジャンパーを着ているのは、中国路橋集団の労働者たち。この会社はカラコルムハイウェイの工事をたくさん請け負っているようです。トラックは視点が高くゆっくり走るので、道路脇の作業の様子がよくわかります。
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カラコルムハイウェイの道沿いに、
「FWO - Builder of KKH」
と書かれた看板をよく見かけます。FWOとはパキスタン軍の一部門で、僻地の道路工事などを受け持ってきました。KKHのパキスタン側を担当したのもこの組織です。確かにKKHはFWOが造ったのですが、当時から大量の中国人が建設に関わっていました。今も昔も中国人はカラコルムハイウェイの裏側の主役であり、カラコルム劇場に欠かせない登場人物なのです。 -
パスーとスストの間には、小村がいくつかあるだけで、大きな町はありません。集落が近づくと、自然と道端の緑も増えてきます。紅葉並木の中、晩秋のゴジャールを駆け抜けます。
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[ススト]
パスーから1時間45分、スストに到着したようです。町の入り口にあるガソリンスタンドに立ち寄ります。 -
ここはデコトラ街道の終着点。ガソリンスタンドの周りには、新旧多数のデコトラが駐車されています。
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2台のモダン・デコトラを見つけました。車体は日野自動車製。これらの一般的なトラックも、荷台とフロントバンパーを装飾することにより、デコトラらしく改造されています。さすがに、車体そのものには手を加えてません。
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運転手に中を見せてもらいました。普通に現代的で小奇麗ですが、シートカバーなどにこだわりを感じます。ローカル・デコトラと違い、前方の視界は広くクリアーです。
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ガソリンを補給した後、少し走ってスストのメイン通りに到着しました。スストは道の両側に商店が並ぶだけの殺風景な町。このまま進むと、町の端にイミグレがあります。ここには中国人労働者も多く滞在しており、主にホテルの部屋を貸しきって暮らしています。彼らはあくまで出稼ぎなので、町の商店などを経営しているのは、基本的にパキスタン人です。
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[お別れ]
車を道端に止め、荷物の依頼主のもとに向かいます。今回、ペルシャワールからスストの売店までお米や商品を運ぶのが、彼らの仕事。店主にチャイを振舞われ、とりあえず一服です。
私も少しここでブラブラしたいのですが、ズードホン行きのジープを探しに大通りに戻らなくてはなりません。いずれにせよ、スストで一泊せずに済んだのは、彼らのお陰です。 -
本当に助かりました。お礼として、余っている果物やミネラル水を渡そうとするのですが、彼らは頑固として受け取りません。当たり前のことをしただけで、見返りをもらうという発想がないのです。この心の広さは、トラック野郎という職業から来るものなのかもしれません。
最後にひとりひとりと握手をして、礼を述べます。彼らとの一期一会は、ヒッチハイクでしか得られない味わい深いものでした。今写真を見ても思い出す、乾燥した空気とトラックの揺れ。安心感を与えてくれる彼らの大らかさとチャイの甘さ。そして、彼らと共に見たカラコルム劇場の風景は、これからも忘れることはないでしょう。
[リンク集]
==パキスタン旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?view_mode=&dmos=os&level1=1&level2=798&level3=&sort=when
==国内旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=dm&sort=when
==海外旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&sort=when
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