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2000年06月26日の旅日記http://4travel.jp/traveler/u-hayashima/album/10057998/より以下を抜粋<br /><br /><br />北アイルランドのベルファスト空港は出口をでると空港施設内に手洗いのない珍しい空港である。ベルファスト市内中心部のヨーロッパ・ホテルへ到着して市内観光とゴルフプレイをコンシェルジェに相談すると早速アレンさんという若いガイドがワゴン車で迎えにやってきた。ゴルフ場も三時からプレイの予約ができたという。<br /><br />先ずハウスペインティングの場所へ連れて行かれた。ここはベルファスト市南部のフォールスロードやアンダーソンタウンという名の住宅地域である。長屋風の切り妻造り二階建ての切り妻部分の壁面一杯を使って、銃を手にした男の絵とか覆面をした男達の絵が描かれている。IRAの指導者ゲーリー・アダムスの肖像を描いた壁もある。どうも北アイルランドの分離独立運動をモチーフとした絵のようである。中には鳩の絵とFOR PEACEという標語が描かれている壁面もある。住宅の周りには橙色、白色、緑色からなる三色旗がはためいている。これはカソリックの旗である。ここは北アイルランド独立運動の拠点地域であるようだ。後に調べてみると旅行のガイドブックには危険な地域だから立ち入らないようにと注記されている場所であった。<br /><br />壁に描かれた絵の意味するものにきな臭いものを感じながらも、一種独特の趣のある住宅の壁面に施されたペインティングを鑑賞したり、カメラに納めていると、通りすがりの広場に大勢人々が集まって、制服を着用した軍隊か警察の集団を取り囲んでいた。瞥見しただけなのでその集団が何をしているのか或いはしようとしていたのか判らない。運転手も見られては拙いものを見られてしまったというような顔をして急いでその場を通り抜けようとしたので敢えて誰も質問をしなかった。<br /><br />これらのペインティングの施された家々の地域から離れていくと道路に門がある。この門は夜間には扉が閉められて通行できなくなるのだという。何故そのようなことをするのかと訝っているとやがて「ピース・ウオール」と運転手が指さす所に高い壁がある。冷戦時代にベルリンを東西に隔てていたような隔壁である。これはカソリック教徒とプロテスタント教徒の居住区を区分する隔壁なのである。カソリックのほうが人数的にも少なくて狭い場所に閉じ込められているようである。聞いてみると運転手はカソリックであるという。宗教問題や民族問題に深入りすると旅行中のことでもあり、紛争に巻き込まれる恐れがあるので同行者の一行は運転手がこの場所へ異邦人を案内した意図を忖度しながらも正面切った質問は避けることにした。<br /><br />翻って北アイルランドの宗教紛争と民族紛争の歴史を繙いてみるとその遠因は1536年のヘンリー8世の宗教改革にまで遡及る。元来ケルト系原住民が居住していた北アイルランドにアングロ・サクソンが侵攻してきて13世紀半ばにはその四分の三を支配するようになった。そしてイングランド国教がローマ教会から独立したのを機にイギリスは宗教改革をアイルランドにも強制し、ヘンリー8世はアイルランド国教を導入しアングロ・ノルマン系の反抗を受けたのである。18世紀に入ると異教徒刑罰法が制定されてカトリック教徒は政治経済の権利を剥奪され、プロテスタント地主にカソリック小作という支配関係が定着した。そしてカトリック教徒の間に自治と独立の運動が始まったのである。<br /><br />1916六年のイースター蜂起の失敗ののち反英運動は独立運動に発展し1916年愛英条約によってアイルランド自由国が成立した。しかしアルスター地方の北部六州はイギリス領に留まり今日の北アイルランドとなった。しかし、カトリック教徒の公民権が制限される等の制限が残ったため独立運動が後をたたず,一九六九年にイギリス治安部隊が常駐するに及んでIRAのテロ活動が活発化したのである。<br /><br />

ワープロで描いた俳画・・・北アイルランドの宗教対立の厳しさ

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2000/07/01 - 2000/07/01

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早島 潮

早島 潮さん

2000年06月26日の旅日記http://4travel.jp/traveler/u-hayashima/album/10057998/より以下を抜粋


北アイルランドのベルファスト空港は出口をでると空港施設内に手洗いのない珍しい空港である。ベルファスト市内中心部のヨーロッパ・ホテルへ到着して市内観光とゴルフプレイをコンシェルジェに相談すると早速アレンさんという若いガイドがワゴン車で迎えにやってきた。ゴルフ場も三時からプレイの予約ができたという。

先ずハウスペインティングの場所へ連れて行かれた。ここはベルファスト市南部のフォールスロードやアンダーソンタウンという名の住宅地域である。長屋風の切り妻造り二階建ての切り妻部分の壁面一杯を使って、銃を手にした男の絵とか覆面をした男達の絵が描かれている。IRAの指導者ゲーリー・アダムスの肖像を描いた壁もある。どうも北アイルランドの分離独立運動をモチーフとした絵のようである。中には鳩の絵とFOR PEACEという標語が描かれている壁面もある。住宅の周りには橙色、白色、緑色からなる三色旗がはためいている。これはカソリックの旗である。ここは北アイルランド独立運動の拠点地域であるようだ。後に調べてみると旅行のガイドブックには危険な地域だから立ち入らないようにと注記されている場所であった。

壁に描かれた絵の意味するものにきな臭いものを感じながらも、一種独特の趣のある住宅の壁面に施されたペインティングを鑑賞したり、カメラに納めていると、通りすがりの広場に大勢人々が集まって、制服を着用した軍隊か警察の集団を取り囲んでいた。瞥見しただけなのでその集団が何をしているのか或いはしようとしていたのか判らない。運転手も見られては拙いものを見られてしまったというような顔をして急いでその場を通り抜けようとしたので敢えて誰も質問をしなかった。

これらのペインティングの施された家々の地域から離れていくと道路に門がある。この門は夜間には扉が閉められて通行できなくなるのだという。何故そのようなことをするのかと訝っているとやがて「ピース・ウオール」と運転手が指さす所に高い壁がある。冷戦時代にベルリンを東西に隔てていたような隔壁である。これはカソリック教徒とプロテスタント教徒の居住区を区分する隔壁なのである。カソリックのほうが人数的にも少なくて狭い場所に閉じ込められているようである。聞いてみると運転手はカソリックであるという。宗教問題や民族問題に深入りすると旅行中のことでもあり、紛争に巻き込まれる恐れがあるので同行者の一行は運転手がこの場所へ異邦人を案内した意図を忖度しながらも正面切った質問は避けることにした。

翻って北アイルランドの宗教紛争と民族紛争の歴史を繙いてみるとその遠因は1536年のヘンリー8世の宗教改革にまで遡及る。元来ケルト系原住民が居住していた北アイルランドにアングロ・サクソンが侵攻してきて13世紀半ばにはその四分の三を支配するようになった。そしてイングランド国教がローマ教会から独立したのを機にイギリスは宗教改革をアイルランドにも強制し、ヘンリー8世はアイルランド国教を導入しアングロ・ノルマン系の反抗を受けたのである。18世紀に入ると異教徒刑罰法が制定されてカトリック教徒は政治経済の権利を剥奪され、プロテスタント地主にカソリック小作という支配関係が定着した。そしてカトリック教徒の間に自治と独立の運動が始まったのである。

1916六年のイースター蜂起の失敗ののち反英運動は独立運動に発展し1916年愛英条約によってアイルランド自由国が成立した。しかしアルスター地方の北部六州はイギリス領に留まり今日の北アイルランドとなった。しかし、カトリック教徒の公民権が制限される等の制限が残ったため独立運動が後をたたず,一九六九年にイギリス治安部隊が常駐するに及んでIRAのテロ活動が活発化したのである。

同行者
友人
交通手段
タクシー

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