1995/05/07 - 1995/05/09
5位(同エリア15件中)
北風さん
パキスタンから入国したその日に、既に国境から200kmも移動していた。
クタクタでたどり着いた街の名前は「BAM(バム)」
別に何かの情報を持ってここに来たわけではなかった。
ただ体力の続く範囲での移動で、闇レートの両替ができる大きな街がここだった。
しかし、ここには驚愕の観光地があった。
OLD MOSLIM TOWN (古代のイスラム教徒の街)
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 高速・路線バス
-
パキスタンのクエッタを出発した列車は、ひたすら砂色の世界を西にひた走る!
今回、列車が鉄の箱だと再認識した。
砂漠のすさまじい陽射しを浴びて、列車の中はサウナ顔負けの暑さだ。
既にこの中に丸一日閉じ込められている俺の身体は、もはや汗さえも出ないくらい脱水している。
とにかく窓を開けて風を入れてみた。
・・・熱風だった。
しかし、ないよりましだ。風と共に砂が身体を覆う。
今、切実に思う!早く着いてくれ! -
旅日記 1995年5月7日
<イラン入国>
俺はこの日、文明と言うものを思い出した。
パキスタンから24時間、砂漠を走る列車から降ろされると、列車のホームが入国管理事務所になっていた。
カラカラに乾燥しきった上に、3mm厚の砂の衣をつけた身体で、どさっと駅のベンチに座る。
見上げるレンガ積みのビルには、イラン革命の父「ホメイニ師」が「Wellcome to IRAN!」と微笑んでくれていた。
列車内で知り合ったイラン軍人Mr.エビがてきぱきと指示を出し、パスポートには、いとも簡単に入国スタンプが押された。
軍事国家で軍人に知り合いがいる事は、水戸黄門の印籠以上に威力があるらしい。
彼の命令調の英語に、いつしか「イエス、サー」と答える俺。多少プライドの引っかかる事もあるが、彼なしにこの物々しい厳戒態勢をくぐり抜ける事はできそうも無かった。俺は従順になった。訓練されたシェパ−ドでもこうはいくまい!
そしてたどり着いたバス停で待っていてくれたのは、はるか昔に見た事がある先進諸国のバスだった。
音も無く開くドア、ハンドルには輝くベンツマーク!当然窓ガラスにひび割れなどあるはずも無く、なんとシートはリクライニング付だ!
バスが走り出す。なんて静かなんだ!窓の風景は、パキスタンと同じ荒野が続くが、この快適さ、スピードは段違いだ! -
愛想のいいドライバーが身振り手振りで話し掛ける。どうもキャンディを勧めているらしい。俺としては前を向いて運転してくれるだけで充分なのだが、とりあえず、くれる物はいただいておかねば!
すると、ドライバーの手がバス特有のばかでかいスピードメーターに延びた。キャンディをくれるんじゃなかったのか?と、スピードメーターがパカッと上に開いた!中には山ほどのキャンディが・・・
イランの豪華バスは、スピードメーターがお菓子の箱のふたを兼ねているらしい。
さすがミラクル国家「イラン」。
一つだけ気がかりなのは、スピードメーターはちゃんと動くのだろうか?
一抹の不安をキャンディと共に舌先で転がしていると、砂漠の真ん中にポツンとステージが組まれていた。
既に対抗車線のバスは停車しており、乗客がステージに上がり始めている。
村の盆踊り大会にしては、360度砂の地平線が広がるこの場所に村らしきものは見えない。
バスドライバーが急いでブレーキを踏んでドアを開ける。
エビが「ここで待ってろ」と言い放ち、ステージへと向かった。
そして、夕陽が真っ赤に砂漠を染め出したのと同時に、テープに録音された「コーラン」が流れ始め、いっせいに人々が跪く。
つまり、これはお祈りをする場所だったのか!
車で移動するイスラム教徒の為にこんな立派なステージが建てられているなんて!
砂の海へと沈む夕陽、敬虔にひざまづく人々、びっくりベンツバス、まさに「ミラクル、イラン」の幕開けだった。 -
ホテルから徒歩で10分、迷路のようなイスラム小路の中にえらく高いドロの塀に囲まれた場所があった。
これが古代イスラム教徒の街らしい。
外から見ると、歴史ある刑務所みたいな気がする。
入り口で入場料30円を払い、塀に開けられた入り口をくぐると、信じられない光景が広がった! -
最初に浮かんだ言葉は「何故?」だった。
これほどにすごい遺跡?が、何故これほど無造作に街の片隅に眠っているのだろうか?
他の国だったらこの OLD TOWN だけで名だたる観光名所になっているぞ! -
この広大な街は、周りを全て20mはあろうかと言う外壁で囲まれていた。
-
本当に1つの街がすっぽり入っていた。
ん?夕陽に照らされた石と泥で作られた家々の小道に子供の声がこだまする。
どこかから食欲をそそる匂いも漂ってきた。
つまり、この古代の街並みには現在でも住民がいると言う事なのか? -
修復されてきたとはいえ、街はきれいな石畳が今も残っている。
遠くに城が見えるこの直線道路が多分メインストリートだったのだろうか?
それにしても、この道、一体どれぐらいの長さがあるんだろう?
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