【日帰り遠足】　東京発・室戸市吉良川町日帰り訪問記

2009/05/30 - 2009/05/30

　既に昨年のことになってしまいますが、東京発、高知県室戸市・吉良川町の古い街並み散策（日帰り）をしました訪問記を記させて頂きます（※　現在、Mixiから随時過去の日記を移植中です）。

　吉良川町は，明治〜昭和初期にかけて，良質の備長炭の集散地として繁栄し，これが阪神方面へ海運で運ばれたとのこと・・・今は，わずか２軒ばかりが備長炭製作を行っている，繁栄も今は昔・・・のひっそりとした町でございます。現在の地理の便の悪さが逆に，繁栄時の建物建築を今に残すこととなりました。
　1997年，国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されました。

　吉良川町は，海岸に近い　浜地区　と，山側の　丘地区　の２つのエリアから形成されており，それぞれ，異なる風景を織りなしております♪

○　浜地区は・・・

「白い漆喰壁の町並みは，吉良川で回船業が盛んになった明治中期に形成された。吉良川産の備長炭を船で京阪神に運び，帰りに日曜雑貨品を積み込む。富を得た商家が，浜地区と呼ばれる旧道沿いに家を建てたのだ。」（『四国　小さな町小さな旅』（山と渓谷社）

○　丘地区は・・・

「浜地区よりも古い時代から開けた丘地区は，もとは農家が多かったそうだ。緩やかに曲がる路地に，”いしぐろ”と呼ばれる石垣が続いている。”いしぐろ”は，台風の暴風雨から家を守り，雨がやめば，早く乾いて家を湿らせない生活の知恵なのだ。」（前掲書籍より）

　写真１枚目のとおり，吉良川町は，東西に長い高知県の東端ちかく，室戸市内にあります。

　高知県内は，高知市より西側には，JR土讃線＋そのまま乗り入れ土佐くろしお鉄道線が，高知県西部の宿毛市まで伸びておりますが，東部につきましては，平成14年にようやく，土佐くろしお鉄道阿佐線（通称：ごめんはなり線）が，御免〜奈半利まで開通したものの，奈半利町より東側室戸市方面は，依然バス頼みの地域です（※　実際には，軽自動車社会です）

★　旅程　★

羽田空港(07:00)→ANA13便→伊丹空港(08:05)

伊丹空港(08:30)→ANA（A-net運航）1603便→高知龍馬空港(09:15)

高知龍馬空港(09:20)→taxi15分(バス路線無し)→後免駅(09:30)

御免駅（09:42)→電車ごめん・なはり線→奈半利駅(10:46)

奈半利駅(11:02)→バス高知東部交通バス　室戸・甲浦行→吉良川学校通(11:26)

*******　現地散策：小さな町です。JTBの街並み散策ツアーでは，散策時間は40分らしい・・・でも，このプランでは，5時間も滞在できます。******

吉良川学校通(16:43)→バス高知東部交通バス　安芸行→奈半利駅(17:07)

奈半利駅(17:18発)→電車ごめん・なはり線→後免駅(18:13)

後免駅(18:20)→　taxi15分　→　高知空港(18:30過ぎ)

高知龍馬空港(19:10)→ANA（A-net運航）1612便→伊丹空港(19:55)

伊丹空港(20:20)→ANA40便→羽田空港(21:35)

　実際の街並み散策の様子は、各写真にコメントさせて頂きます。

エリア 室戸岬周辺(高知)

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 5万円 - 10万円
• 交通手段: ANAグループ

Googleマップを利用させて頂いております。
吉良川町の位置を示させて頂きました。

　土曜日朝一便のANA13便は，予想に反してなかなか大盛況。早朝ということで，航空券運賃が安いこともあるのでしょう，私が”大の苦手”とする’コギャル（死語？）’の方々が多いのは憂鬱・・そのようななか、スーツ姿のビジネスマンの方々も多いこと，多いこと・・・週末ですのに，本当にお疲れ様です。

　さて，伊丹空港からは，A-netさん運航の，ボンバルディアDHC8−Q400のプロペラ機で，軽やかに高知に向けて飛び立ちます〜。

　ボンQ太郎で高知，と言えば，今から遡ること3年前，平成19年3月13日，前脚が出なかったボンQ太郎が，高知空港に無事胴体着陸した，テレビ生中継映像が頭をよぎります・・・。
　が，そのような心配も杞憂に終わり，搭乗したボンQ太郎は，太平洋から空港へアプローチ，無事着陸！

　降機して，徒歩でターミナルに向かいます。高知空港のこののどかさ、いいですね〜。

　もう少し真横から写真を撮りたかったのですが，降機客がウロチョロしないように空港職員さんが見張っているので，大人しく正面からの一枚です。

高知空港（高知龍馬空港） 空港

　後免駅から，「ごめんなはり線」に乗ります♪
　空港からタクシーで無事，後免駅に到着。
　なんか，平仮名で書かれてしまうと，「こちらこそ・・・冷や汗」とつぶやきたくなります（笑）

後免駅 駅

　駅マスコット、「ごめん　えきお」くん。

　こちらも駅マスコット？
　Local駅ならではの風景です。

　「ごめんなはり線」は，黒潮に洗われる太平洋沿いを，高架線で走行します。
　見晴らしは抜群ですよ〜！

　後免駅から１時間揺られて，終点，奈半利駅に到着です！

　ここは終点。・・・今後，室戸岬を経由して，徳島南部の甲浦に繋がることはないのかな・・・。

甲浦駅 駅

　ここ奈半利から，四国山地に分け入った，北川村の村営バスです♪
　うっそうとした山間の村ですが，ゆず生産が盛んです♪
　あの，「ごっくん馬路」や，「ゆずこしょう」で村おこしに成功した，馬路村のお隣さんです♪

奈半利駅 駅

　　私は，高知東部交通バスで，20分余りゆられて，吉良川町に向かいます♪
　バスは，太平洋にず〜っとへばりついて走る国道を延々と快走♪　渋滞もなくす〜いす〜い・・・のはずが，途中からのろのろ・・・・なんでかな？？先行車両２，３台ものろのろ・・・・カーブになって前方が見えたと思ったら・・・・　「　高知県警察　」のパトカーがの〜んびり先頭を走っています・・・・迷惑なこったーっ（汗）。

　バスの車内には，バス停停留図がアリマセン・・・・ゆえに，どのくらい乗ったら降りるのか，今，目的地のどれくらい前なのか，全く分からず・・・（汗）。
　ひたすら，車内案内テープのみが頼み・・・・。

　しかも，吉良川町，全く観光地として扱われていないらしく，奈半利駅にも，バス車内にはそれらしき宣伝も皆無・・・・心細い・・・・。
（乗り越しても，戻る手段がない・・・・流しのタクシーなどいるはずもないし，バスだって本数が・・・・）

　そうこうしているうちに，

　「　次は，　吉良川学校通，吉良川学校通　です　。」　の案内が・・・ホッ♪
　運賃は，奈半利駅から730円。　

　バス停のそばの，ごっつくて高いコンクリート堤防から，急な階段を下ると，大海原が！
　しかし，風が強い・・・・さすが，台風銀座の室戸です！

　奈半利駅行バス停・・・・。
　こ，これかっ！！
　
　吉良川町・・・・・　全く観光地化する気がない　・・・・・ですね（汗）

　いえいえ，全くもって結構でございます♪
　とっても温かいおじいちゃん，おばあちゃんがいる集落・・・大々的な観光地になってしまうのは逆に残念なことになりそうですから・・・。

（浜地区を歩く）
　四国山地の麓のわずかな平地を縫うようにくねくねと，太平洋の大海原沿いをバスで走ること25分，吉良川集落に入り，「吉良川学校通」のバス停で，一人降車しました。

　・・・・バス停を降りましたが，周囲に古い町並みなど見当たらず・・・・，少し不安な気持ちで，携帯した町並みガイドに従い，山方向に入り込むと・・・そこに，まるで時間が止まったかのような素敵な町並みが佇んでいました。

　路傍のハイビスカスが，ここが南国であることを教えてくれます♪

　御田八幡宮への坂道を登ります。

　振り返ると，大海原が・・・。

　こういう街は，何気ない路地裏に素朴な素顔が隠されていたりします♪

　「こんにちは！」
　見慣れぬ旅人の私の姿を当初認めると，遠巻きに珍しそうな視線を向ける，おじいちゃん，おばあちゃんも，私から挨拶をさせて頂くと，即座に破顔されて，

　「どこから来たが？」「東京です。」
　「東京？東京からわざわざ見に来てくれたがかぇ？」
（ちょっと土佐弁違うかも・・ご容赦下さい。）
　と，色々話しかけて下さいます♪

　あるおばあちゃんなど，
　「　色が白いね〜〜〜べっぴんさんやき！（←注：申し上げるまでもなくお世辞です！突っ込まないで下さいませ）北海道から来たが？」
　「いえ，東京です（汗）。」
　「　東京の人も色が白いんじゃえ！高知は日差しが強いから，ほがな肌を出しちょったらいかんちゃ！皮膚ガンにならんように気をつけて。」

　なかには，５分以上色々話しかけて下さったおばあちゃんも・・・・。
　
　今まで訪れた街のなかで，一番，温かくもてなして下さった街かも〜〜〜ハート
　お名前も存じ上げない，何人ものおじいちゃん，おばあちゃん，お世話になりました＆どうもありがとうございました。

（丘地区を歩いてみました♪

　人々の生活の温もりが溢れている，穏やかな町並みです。

　石を積み重ねた”いしぐろ”の石垣・・・見事な芸術作品です！

　どこへ辿り着くのか・・・ふらふらと引き寄せるように坂を登っていました・・。

　自ら観光地であることを　”意識”して，厚化粧をしてしまった町並み・・・・有名処に多いのですが、観光客を相手にする喫茶店，土産物屋・・・・自らの暖簾や広告旗が，最悪な場合は有線音楽が・・・町並みを破壊してしまうのですが・・・。

　この吉良川，重要伝統的建造物群保存地区（国）に選定され，古い建物の維持や補修に大変な努力をなさっておられると思いますが，”観光地”としての意気込みや自負は全くありません・・・町並み自体の価値を格別意識しておられない・・・という印象すら受けます。

　それゆえ，普通の生活，素顔の生活がそこには息づいており，人々の生活の温もりが路地に溢れているんです・・・・生活音がしたり，ピアノを練習する音が聞こえてきたり・・・。

　なんだか，普段着でいて，とっても癒される，小さな小さな街でした♪

この旅行記へのコメント （4）

• tijanさん 2010/04/03 10:47:36

  吉良川町、いいですね〜！

  みなこ＠TYOさん、はじめまして。tijanと申します。
  旅行記楽しく拝見させていただきました！
  吉良川町、重伝建に指定されながら普通の生活感があって素敵な所ですね。
  地区も二手に分かれていてたくさん散策できそうですね。
  電車とバスを乗り継いでというのもポイント高いです！
  この不便さがこの町を残してくれているのでしょうかね？
  日帰りで行かれたというのはすごいです！相当行程を練られましたか？
  私は旅慣れてないんで行くの大変そうですけどここはぜひ行ってみたいです！
  高知の旅のイメージがなんとなくできてきました♪
  素敵な旅行記ありがとうございました！
  

  しょう美奈子さん からの返信 2010/04/03 22:11:24

  RE: 吉良川町、いいですね〜！

  　tiianさん♪
  
  　拙い日記をご覧下さり有難うございます(^^ゞ。
  　訪問日は幸運にも（夏でもないのに暑かったので不幸とも・・）抜けるような青空でしたので、いしぐろ壁や白壁が映えて目に鮮やかでございました。
  　仰るとおり、二つの街並みを持っていてなかなか楽しかったです。観光地化があまりされていないのもポイントが高いです。
  
  　女の場合、泊まりがけだと衣類だ、化粧品だ、使い慣れているドライヤーだ何やかんやと荷物が嵩張って（pack自体が面倒）、日帰りの方がバック一つで非常に気楽でございます（私だけかもしれませんが・・・）。
  　行程は、ふらり思いつき旅なので、大抵前日金曜日に色々検索して、０時までに航空券を決済というパターンです！でも行き先を街並み資料（書籍や写真集など）で決めたり、現地の交通手段を組み合わせる作業が楽しいんですよ♪
  
  　またお立ち寄り頂けましたら幸甚です<(_ _)>。
  
  
  
  > みなこ＠TYOさん、はじめまして。tijanと申します。
  > 旅行記楽しく拝見させていただきました！
  > 吉良川町、重伝建に指定されながら普通の生活感があって素敵な所ですね。
  > 地区も二手に分かれていてたくさん散策できそうですね。
  > 電車とバスを乗り継いでというのもポイント高いです！
  > この不便さがこの町を残してくれているのでしょうかね？
  > 日帰りで行かれたというのはすごいです！相当行程を練られましたか？
  > 私は旅慣れてないんで行くの大変そうですけどここはぜひ行ってみたいです！
  > 高知の旅のイメージがなんとなくできてきました♪
  > 素敵な旅行記ありがとうございました！
  >

• さすらいの食いしんぼうさん 2010/02/15 16:25:12

  こんなステキなニッポンが...

  はじめまして、
  
  NHKの番組「こんなステキなニッポンが」のような吉良川町の旅行記、楽しませてもらいました。
  
  おまけに飛行機や列車の写真もたっぷり入れていただき、飛行機がちょっと好きで体内のテツ分がこれまたちょっと高い自分には素通りできない旅行記でした。
  
  これからもどうぞよろしく。
  
  コミュ「飛行機の部屋」でおとなりの席にいるさすらいの食いしんぼうより

  しょう美奈子さん からの返信 2010/02/15 17:19:17

  RE: こんなステキなニッポンが...

  　さすらいのくいしんぼうぼう様♪
  
  　初めまして。
  　拙い旅行記をご覧下さり、また過分なお褒め言葉まで頂戴してしまい
  大変恐縮です<(_ _)>。
  
  　フォートラベルさんは、写真のアップロードがミクシィに比べて面倒なので（あちらは専用ソフトで一斉に100枚Uploadできる）移植が面倒だったり、写真もかなり落としてしまうのですが（このとき、鉄分と空分を落としてしまう・・）、ご覧下さる方がいらっしゃって嬉しいです！
  
  　今後とも、宜しくお願い申し上げます！
  
  > はじめまして、
  >
  > NHKの番組「こんなステキなニッポンが」のような吉良川町の旅行記、楽しませてもらいました。
  >
  > おまけに飛行機や列車の写真もたっぷり入れていただき、飛行機がちょっと好きで体内のテツ分がこれまたちょっと高い自分には素通りできない旅行記でした。
  >
  > これからもどうぞよろしく。
  >
  > コミュ「飛行機の部屋」でおとなりの席にいるさすらいの食いしんぼうより