2009/11/12 - 2009/11/15
653位(同エリア822件中)
極楽人さん
コルドバ(Cordoba)
アンダルシア州の北端に位置する古都で、起源は古代ローマ時代にさかのぼります。
8世紀にはイスラム教国の首都となり、文化・学問の中心として繁栄を極めました。10世紀頃には世界最大の人口を擁する都市でもあったようです。
現在でもアンダルシア屈指の大都会ですが、旧市街(ユダヤ人街)や新市街のあちこちに往時の繁栄の跡が見られます。
今回の『アンダルシアの旅』の最終訪問地でもあります。
メジャーな観光地は得意ではありませんが、マドリッドに戻るには好都合な位置にあることや、設備の良いユースホステルがあることなどで滞在を決めました。
2泊した後、マドリッドからスイスへ向かうことになります。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 高速・路線バス
- 航空会社
- スイスインターナショナルエアラインズ
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-
エステポナを 9:00 出発、マラが到着は10:15。
(写真はマラガのバスターミナル)
マラガでコルドバ行きのバスに乗り換えて、
11:00 出発、コルドバまでは約4時間の行程です。
(12.71ユーロ) -
バスは地中海を離れ、よく整備された道路を一路北へ向かって走ります。
オリーブ畑の先に、青い山並みが見えてきました。 -
バスでは、空いているときや座席指定が厳しくない場合は、一番前の席に座るようにしています。
視界が広く、次々と流れては過ぎてゆく景色に退屈することがありません。 -
北上するにつれて、濃緑色のオリーブ畑の間に黄色の畑が混じるようになって来ました。
黄色は、収穫を終えたブドウ畑のようです。
ワインを造っているんですね。 -
14:15 コルドバ到着。
地理が分からず、重い荷物も持っていたので、すぐタクシーで旧市街(ユダヤ人街)のユースホステルに向かいました。(遠くないことは分かっていました。)
『コルドバ・ユースホステル』は白いモダンな建物、ここに2泊します。1泊22ユーロで朝食付きです。
価格だけなら、周辺の安宿と大して変わりません。
でもぜひ体験してみたかったのです。
会員カードは夏のうちににWebで申し込み、取得しておきました。(年会費 2,500円) -
ベットの数は167基、'90年オープンの3階建て。
ユースホステルガイドには「テラスでは洗濯物も干せる」と、ありました。
そろそろ洗濯をしなきゃ、というのがここへ来たもうひとつの動機です。青空の下、よく乾きそうです。
食堂、サロン、多目的ルームなど、設備も揃っています。大きな中庭(写真)もあって、温かい日はここで食事もできるようです。
この日は、先生に引率された『中学生のグループ』と『お年寄りの団体』で賑わっていました。 -
指定された部屋は3ベッドルーム。窓際に"先客”の荷物が置いてありました。
写真に写っていない手前には、左にトイレと洗面所、右にシャワー室。トイレはちゃんと流れ、お湯も勢いよく出ます。
学生時代はよくお世話になりました。
当時の旅は『ヒッチハイクとユースホステル』が基本、それこそパンをかじって歩きまわりました。
その頃は『個室』などなく、大きなフロアーには兵舎のように整然とベッドが並んでいたものです。
40年も前の話です。あれからずいぶん進歩しました。
"先客"とは夕方になって遇いました。
日本の若者。その日が最終日の3泊目だそうで、積もる話は夕食のときにしっかり聞きました。
前日までは、もう2人の日本人学生が同室だったようです。
スペインのユースでは、同じ国の旅行者をまとめることが多いようです。
この夜は近くの食堂で「歓迎会」兼「送別会」。
彼は次の朝に旅立ち、2泊目は贅沢な“一人部屋”になりました。 -
メジャーな観光地は、見たいところを自分で探す必要がありません。
たくさんの名所や旧跡が、“順路”や“上手な見方”まで含めて用意されています。
苦労はしませんが、そのぶん面白みには欠けます。
“自分だけの旅”には、なかなかなりにくいのです。
しかし人間、素直が一番。
ここは『大人の寛容さ』で、順路に従って一通り廻ってみることにします。
ユースホステルを出発。
周辺はカフェや土産物店が軒を連ねる、賑やかな一角です。観光客が多く、夜まで人通りが絶えません。
鎌倉なら『小町通り』でしょうか。 -
それもその筈で、ここは『メスキータ』のすぐ西側なのです。
メスキータは、8世紀に建設が始まった大モスク。
10世紀までに何度か拡張され、キリスト教徒に奪還された後はキリスト教の聖堂として、現在までコルドバのシンボルであり続けています。
すぐ隣のアルカサル(宮殿=ここでは省略)と並んで、観光にとっても最大の目玉スポットです。 -
メスキータの中庭。
レコンキスタ後はキリスト教徒によって相当改造されたようです。
素人目には、今もイスラム建築の面影を強く残しているように見えます。 -
北側の露地は入り組んでいます。
迷い込んだように入った露地が、『花の小路』と呼ばれる観光スポットでした。
ごく小さな露地に、大げさな名をつけたものです。
家並みの上に、ちょうどメスキータの尖塔が見えるところがミソですね。 -
その横にあるお土産屋さん。
「さあ、入って入って!」の声に導かれて店内に入ると、「これが2000年前の井戸です。」とご主人。
たしか日本語でも、何か書いてありました。 -
メスキータの分厚く長い壁に沿って、街を流れるグアダルキビル川を見に行きます。
-
頑丈な橋は『ローマ橋』。
対岸まで渡りきってメスキータを眺めたところです。
(修復中で、写真にクレーンが入ってしまいます。)
流れる水は赤っぽく汚れていて、これはコルドバ周辺の赤土のせいかも知れません。 -
こちら側なら、クレーンは写りません。
日差しが強いので、写真では肉眼以上に陰影が強く出ます。 -
川辺はちょっとした公園になっています。
秋の気配の中、散歩をする人、走っている人。
川に沿って、すこし東へ移動しました。 -
『ローマ橋』の東側にある『ミラフローレス橋』から見た、コルドバ市街です。
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その先の露地を入ると『ポトロ(子馬)広場』。
「子馬」はコルドバの紋章です。
建物はセルバンテスの小説『ドン・キホーテ』にも登場する古い旅籠だそうです。
たった今、大きな団体さんが入場してゆきました。 -
主要な建築物は、夜間にはつつましくライトアップされます。
メスキータの尖塔も、明るい陽射しの下とは別の、荘厳で神秘的な姿に浮かび上がります。 -
これはメスキータの回廊につけられた、窓(?)。
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ローマ橋とメスキータ。
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ローマ橋突端の見張り塔『カラオーラの塔』。
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翌日、朝食前の散歩がてらに、もう一度『ローマ橋』を渡ってみました。
空が明るくなる8時まで、橋のたもとにあるBARで時間を潰します。好物のコルタード(コーヒー)は1ユーロ。 -
『ローマ橋』の上から旧市街方面を見たところ。
表紙に使った「橋上のモニュメント写真」も、このときのものです。 -
夜明けのメスキータ。
-
ユースホステルの朝食は 8:15から。
パンにハムにシリアルにジュースにコーヒーです。
同室者の出発を見送ったあと、旧市街の城壁『アルモドバール門』をくぐって新市街に出ます。 -
壁の外側は、街を南北に貫く幅の広いグリーンベルト。
椰子の並木に南国ムードがただよいます。 -
先を左折すると、豪華な建物。
ユースでもらった地図によると、大学に所属する『司祭館』だそうです。 -
右折すると、鉄道駅。隣接してバスターミナルがあります。
ユースホステルからは、ゆっくり歩いて20分というところでしょうか。 -
駅前通りを北へ進みます。
右側に出てきたのは、今は州政府の施設として使われている古い宮殿。教会が付属しています。 -
その先に、『カプチーノス教会』が。
白壁に囲まれた静かな一角は『灯火のキリスト広場』と呼ばれ、夜には十字架を囲むカンテラに灯が点るようです。
ちょうど写真右端のギタリストが『アルハンブラの思い出』を奏でていました。
“出来すぎ”のようにも感じましたが、雰囲気はとってもアンダルシア。 -
教会のすぐ後ろに、花ざかりの坂道。
『バイリオ坂』というそうです。 -
市庁舎の横にはローマ時代の遺跡。
いまだ「発掘調査中」でした。 -
繁華街に出ました。
四方を華麗な建築物に囲まれた、新市街の中心『テンディーリャス広場』です。 -
ビルの上には雄々しい像が。
広場に繋がる道筋には、銀行、保険会社、ホテル、レストラン、ブランドショップなどが並んでいます。 -
これはマドリッドでもよく行った、有名大型デパート。
お土産を買う気なら、なんでもあります。 -
11月中旬、売り場はそろそろクリスマスの飾り付けが始まっています。
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「売らんか!」という名の靴屋さん。
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公園では青空市も開かれていました。
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聖ニクラウス広場の脇道から、旧市街へ戻ります。
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『聖ビクトリア教会』の露地を横目に見ながら進むと・・・
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通りの先にメスキータの中央塔が見えてきます。
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いくつか省略しましたが、簡単ながらこれで街をほぼひと周りしました。
コルドバでは、“スタート”も“ゴール”も『メスキータ』です。 -
次の朝、10:00 発のバスでマドリッドに向かいます。
運賃は14.5ユーロ。鉄道だと2時間弱の道のりを、約4.5時間かけて進みます。そのかわり料金は1/3以下です。
およそ1時間走ったところ(写真)でトイレ休憩、
簡単な食事をとったり、買い物をしたりできます。お土産屋さんもありました。
ここがアンダルシア州の北端のようです。 -
それからは休憩もなく、バスは一路マドリッドをめざします。
中部のカスティーリャ州へ、『ラ・マンチャ』地方を通過します。
土の色が、いっそう赤味を増してきたように感じました。 -
遠くの丘に見えるのは、名物の『風車』のようです。
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具合よく、バスが近づいてくれました。
でも、いきなり出現したので撮影態勢が間に合いません。
ニコンの『クールピクス』なら、もっと素早く撮れたかも知れません。 -
『風力』に続いて、今度は『太陽光』発電。
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さらに、『牛力』?
ときどき見かけた看板ですが、『牧場』ですか『焼肉レストラン』ですか。 -
3時少し前、マドリッドの南バスターミナルに到着しました。
宿は、明日の“朝便”を考慮して空港近くのホテルを予約してあります。
バスターミナルと地下で繋がる『メンデス・アルバーロ駅』から地下鉄6号線で、『アベニーダ・デ・アメリカ駅』へ。そこからはタクシーでホテルに向かいます。 -
ホテルは、Aparthotel Compostera Suites。
朝食付きで52ユーロ。バラハス空港まではほんの数キロです。
玄関脇の管理室で鍵をもらって指定の棟へ入ります。
「売れ残ったマンションをホテルにしたみたい」と、クチコミ情報にありました。まさにそんな雰囲気。他にお客は見えず、周囲も閑散としています。
緑色のプールはさておき、建物はチリひとつない清潔さで管理されていて、なんだか冷たい感じがします。
『空港シャトル』が決め手のひとつでしたが、翌日は「日曜日なので運行しません。」と冷たいご返事。
よく調べなかった自分が悪い、と諦めました。 -
しかし、部屋は広くて機能的です。
大きめの居間に大きめの寝室、洗面所やお風呂も十分広くて、新婚生活ならピッタリです。
居間には大型テレビ、ピカピカのキッチンはIHに電子レンジ、冷蔵庫も調理器具も揃っています。
そのうえホテルの裏手(徒歩10分)には、巨大なショッピングモールがあります。
泊まるだけの状態にして食材をたっぷり買い込んでくれば、とても便利なホテルだと思いました。
そうするつもりでしたが、少し早く到着しすぎました。
最大の弱点は街へのアクセス。これはちょっと面倒です。 -
午後5時、ちょっとSOLまで行ってみようと思い立ちました。今回、マドリッドの繁華街にはまだ行っていません。
ホテルを出て大通りへ。長い歩道橋を渡って道路の反対側のバス停からCOMES社のバスで、2駅目の AVENIDA DE AMERICA まで行きます。(1.65ユーロ)
そこから地下鉄6号線でQUATRO CAMINOSまで行き、フロアーが異なるホームへエレベータ移動して地下鉄一号線に乗り換え、6つ目の駅がSOLとなります。
(地下鉄は何度乗り換えても1ユーロ)
住人ならともかく、はじめての観光客には負担です。
お蔭で、地下鉄の乗り方が上手になりました。 -
2年ぶりのSOLは、相変わらずの賑わいでした。
グランビアあたりまで歩いて、また戻って、都会を一人でブラついてもそんなにすることはありません。
簡単な食事を済ませ、午後9時前にホテルへ戻りました。
大きなお風呂につかり、冷蔵庫からモールで買っておいたビールと生ハムを取り出して、一人で乾杯。
これで、アンダルシア・モロッコの旅は終わりました。
翌朝、バラハス空港からスイスヘ向かいます。(完)
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