そうだ べレンを見よう♪　2009　vol.1

2009/12/02 - 2009/12/02

カトリック国スペインの伝統的なクリスマスの飾り物は
ツリーでもサンタでもなく、BELEN（べレン）です。

ベツレヘムの洞穴で生まれたキリストの生誕場面を
人形で再現したものを 【BELEN べレン】 と呼びます。
（べレンとはスペイン語でベツレヘムのこと）

会社帰りに、べレンの展示で有名な病院の前を通ったので
ちょっと写真を撮ってきました。

スペイン滞在最初の９年間はこのすぐ近くに住んでいたため
毎年欠かさずにこのべレンを見に来ていたものです。


病院：Hospital San Rafael

エリア マドリード(スペイン)

サン･ラファエル病院
（ベルナベウ球場の近くです）

サン･フアン･デ･ディオス男子修道院経営の病院です。

元々は小児科専門でしたが、今は何でもあり。

会社からメトロへ行く途中通りかかったら、
「BELEN」って案内表示が出てたので
久し振りにここのマリアさんが見たくて寄りました。

べレンを展示してある建物のある敷地内へ行くと、まずはイエス像がお出迎え。

べレンの案内は悪戯小僧っぽい天使。

ツリーは派手じゃない。

天辺の星が、三賢者をイエス誕生の場へ導いた星に見えます。

べレンの基本は
マリア様・御子イエス・ヨセフ
３人を見守る天使と牛とロバ

他には
真っ先に生誕の祝いに駆けつけた羊飼いたち

ちょっと遠くに、東方の三賢者

もっと遠くにヘロデ王

後は、イエス誕生には直接関係ないけれど、雰囲気作りのために、商人や農夫や釣り人などが自由に配置されます。

大抵のべレンは、母マリアもヨセフと共にひざまずいて御子イエスを拝んでいるのですが、ここのマリア様は赤子と共に臥しています。

出産したばかりの母の姿はこうあるべき。

これが珍しくて、ここのべレンが気に入っています。

真ん中　暗くて見難いですが、

REYES MAGOS（レジェス・マゴス）「東方の三博士」。
Melchor　Gaspar　Baltasar（メルチョール・ガスパール・バルタサール）の3人の王。

新約聖書のマタイ福音書に次のようなくだりがあります。
***********
イエスがベツレヘムで生まれたとき、東から来た博士たちがエルサレムに着いて聞いた、「ユダヤ人の王としてお生まれになった方はどこにいらっしゃいますか。私たちは東の方でその星を見たので、その方を拝みに来ました」　（略）
見よ、彼らが東方で見た星が先に進んで、幼子のいる所まで行きその上にとまった。博士たちは非常に喜んで、母マリアのそばにいる幼子に会い、ひれ伏して拝み、宝の箱を開けて黄金・乳香・没薬などの贈り物を捧げた。
************

この話にのっとって、カトリック国スペインでは子供たちにプレゼントを持ってくるのはサンタクロースではなくレジェスです。
レジェスの日は1月6日（主御公現の祝日）。

こういう立派なべレンを飾る家庭では、1月6日に御子イエスのいる場所に到着するように、毎日少しずつレジェス人形を移動させます。
同僚の話では、子供が寝ている間に移動するので（親が動かす）朝起きてチェックするのがすごく楽しかったとか。本当にレジェスが動いてると信じていたそう。


因みに、イエス人形をクリスマスイブに置く所もあります。

照明が落ちて夜になると
三賢者を導く星と月が出た。

今回　目が釘付けになったのがアーチ部分の中の市場。

本物そっくりの鍋、銅器、絨毯などが売られています。
こういう大きなべレンはドールハウス的要素もあって面白いんです。

人形は手前に大きめのを、奥には小さめのを配置することによって遠近感を出してます。

ここ サン･ラファエル病院のべレン展示場では、毎年この電車が走る模型も飾って子供達に大人気です。

この日はウィークデーの夕方で、まだべレン展示期間が始まったばかりだったので、まだ人が余りいませんでしたが、週末やクリスマス休暇になると大混雑するほどマドリードでは有名なべレンです。

ビール蒸留所とルノーのディーラーもある

おっ！　この町ビーチもある。
海水浴してるよ〜

マリンロードのマンションも高級そうだ。

なんかこんな街並、スペイン北部カンタブリア海沿岸の街っぽい。（サン･セバスティアンやサンタンデールなど）

べレン見学は無料

宗教施設ですので寄付を募っています。

寄付をしたら来年のカレンダーをくれました。

べレンを見てメトロへ行く途中。

私がスペインへ来た当初から同じ場所に出てるクリスマス市。市と言ってもこの1店舗だけだけど。何故かこの1軒だけ毎年この時季にこの場所に出現する。

こちらは教会の前の花屋。

立派なポインセチアがたくさん
毎日、買おうかなーどーしよーかなー
と思いながら通り過ぎる。

クリスマス市でも花屋でも売ってるコレ、何だと思いますか？
苔です。

べレンの装飾用に使うのです。
サン･ラファエル病院のべレンにも使用してます。
上の写真、川畔の緑がそうです。

苔を利用するような立派なべレンを飾れるお宅は、家自体もとても広いお宅でしょうね。

我が家では無理。

我が家のべレンは学生の頃から毎年少しずつ収集していったこの泥人形べレン。

写っていないけど、この周囲にこの倍くらいの脇役人形たちがいます。

この旅行記へのコメント （2）

• Mirabellaさん 2009/12/13 11:55:49

  REYES MAGOS

  MILFLORESさん
  
  こんにちは。
  REYES MAGOSについてはスペインに行くまで全く知りませんでした。
  １月６日にトストン（って名前でしたよね？）を食べるのに、ホームステイ先のママが部屋に呼びに来たのを覚えています。
  寝ているところを起こされたのは、唯一あの時だけです。
  
  べレンの飾りは地味な印象なので、初めて見た時は派手なスペインのイメージとかけ離れて意外に思いましたが、ベレンを見ているとクリスマスを祝う本当の意味がわかるので良いですね。
  
  ちなみによくある名前のアナベレンのベレンは、やはりこのベレンなのですか？
  
  Mirabella

  MILFLORESさん からの返信 2009/12/14 03:41:22

  RE: REYES MAGOS

  Mirabellaさん　こんにちは！
  
  Belenを見にいらして下さってありがとうございます。
  何もスペインの特許ではありませんが、普通日本で想像されているツリーやサンタとは違う、もっとカトリックの真の姿のクリスマスを紹介したくてアップしました。
  
  １月６日のお菓子、ROSCONですね！
  あれもスペインだけじゃないんですよ。
  フランスやメキシコにもあります。
  やはり中にサプライズが入っている〜
  こちらの旅行記でちょっと出番作ってあげました（笑）
  　↓
  http://4travel.jp/traveler/milflores/album/10208982/
  
  で、女性の名前のBELENはそうですね、この飾りのBELENと同じく「ベツレヘム」の意のBELENから来てるんだと思いますよ。
  男の子だと同じようにキリスト教関連の地名からIsraelなんてのも名前になっちゃいますが・・・こんなお名前のお友達いらっしゃいますか？