![祖父母が生前に住み、子供の頃何度も訪れた思い出の田舎・あきる野を10年ぶりに歩きます。<br />昔よく来たおやきの店、新スポットの温泉・瀬音の湯、秋の広徳寺のイチョウの絨毯…。<br />そして五日市の狭い路地を抜けてその奥へ。<br />変わらない路地の先には初めての光景がありました。<br />時を遡るような気分になりながら思ったのは、ここは永遠の田舎なんだ…ということ。](https://cdn.4travel.jp/img/thumbnails/imk/travelogue_album/10/40/24/650x_10402422.jpg?updated_at=1258986036)
2009/11/18 - 2009/11/18
141位(同エリア286件中)
がりさん
祖父母が生前に住み、子供の頃何度も訪れた思い出の田舎・あきる野を10年ぶりに歩きます。
昔よく来たおやきの店、新スポットの温泉・瀬音の湯、秋の広徳寺のイチョウの絨毯…。
そして五日市の狭い路地を抜けてその奥へ。
変わらない路地の先には初めての光景がありました。
時を遡るような気分になりながら思ったのは、ここは永遠の田舎なんだ…ということ。
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風もそれほど冷たくなく、暖かな秋の日。
あちこちに秋の花が咲いていました。
東京なのにどこか遠くまで来たような気分になる田舎があきる野です♪ -
やって来たのは、乙訓おやき店。
五日市名物のおやきのお店なのですが、田舎へ来る度に寄っていた思い出深い店です。
昔はおばあちゃんがおやきを焼いていて、その姿はテレビなどでも紹介されました。
おばあちゃんは僕ら家族の顔を覚えててくれたので、行くといつもおやきを10枚くらいタダでくれたものです(笑)。
人情味溢れるおばあちゃんでしたが、今は引退して2代目のおかあさんが店を切り盛りしています。
おばあちゃん、今も元気でしょうか? -
店に入ると、おかあさんがおやきを焼いていました。
お土産に7枚頂くことに、1枚100円で700円。
「どう?外は風強くない?」
と、近所の馴染みの客に話すみたいな口調のおかあさん。
「落ち葉集めてもね〜、すぐに風で飛ばされちゃうのよ〜」
今もこんな素朴な店であることが嬉しい。
「これ、1枚あげるね、今食べて」
と、7枚+1枚くれました!
さすがに10枚ではなかったけれど、今時おやき1枚タダでくれるなんて店はそんなにないはず。
おばあちゃんの意思が受け継がれてることに感激しました。 -
というわけで、頂いたおやきをさっそく食べる。
ん〜、この味変わってない、すっごく美味しい♪
手作りの温かみと懐かしさを感じるおやきです。
3枚ぐらい一気に食べれそうです。 -
赤く光る秋。
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ここは光明山荘。
ここで川魚かなんかを食べた記憶がある。
今も営業してるんだ〜。 -
橋のアーチ。
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つづいては、あきる野の新スポットだという温泉へ。
訪れる人が多いのか、車が頻繁に通ります。
道中の紅葉が綺麗でした。 -
この輝きは見事です。
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温泉に着くと、真っ白な湯気が!
そのまま雲を作りだしそうな感じ。 -
温泉はこちら、瀬音の湯です。
2年前にオープンしたばかりの温泉施設で宿泊もできるそう。
もちろん僕も初めて来ました。 -
ちなみにここ、莫大な建設費用がかかったとかで、オープン時にはかなり批判の声がありました。
現在ではかなり評判の良い温泉になってるようですが…。 -
無料の足湯。
自分は足湯の気持ち良さってあんまりよくわからないんだよなぁ。 -
紅葉のテーブル。
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子供達が描いた絵。
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800円を払って、さっそく温泉へ。
残念ながら温泉は撮影禁止でした。
内風呂と露天風呂があり、すごく気持ちいい温泉でした!
ログハウス調の内風呂は太陽光が燦々と降り注ぐ明るい雰囲気で、林を眺めながらの露天風呂も最高です。
温泉は無色透明だけど、不思議なほどにツルツル。
美肌の湯というのも、うなずけますね。 -
観光客だけでなく、地元の人も多く来ていました。
こんな温泉が近くにあったらそれは極楽です〜。 -
風呂上がりの昼食は館内の川霧という店へ。
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待ってる間、あきる野の広報を読む。
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あきる野の醤油の広告。
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野菜天せいろを頂きました。
美味しいけど、なんか個性が無いなぁ。
この店にはもっとあきる野らしいメニューを取り入れてほしい。 -
瀬音の湯には土産屋もありました。
あきる野の物だったら何でも揃ってるって品揃えです。 -
土産に寿美屋のよもぎそばを買いました。
寿美屋はあきる野では超有名な店です。
そばもうどんも絶品なんですよ〜。 -
瀬音の湯を出て林の中の道を歩く。
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石舟橋という吊り橋に出てきました。
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吊り橋とはいえ、あんまりスリルはない。
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でも橋からの秋川の眺めはなかなか。
車で来た人も、ここまで歩いて見に来てました。 -
紅葉の盛りだったら見事だろうな。
やや盛り過ぎで、ちょっと残念でした。 -
落ち葉のアート。
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秋から冬へ季節は変わるようです。
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まだまだ五日市までの道は長い!
どんどん歩いて行かなくては。 -
檜原街道を東へ。
途中にあった秋川の酒の看板。 -
丸太がずらり。
今でもこの辺で林業が行われてるんだ。 -
秋川ドライブイン。
営業中とあったけど、ほんとに営業してるのか?っていうくらい暗く静まり返ってました。 -
沢戸橋のところ。
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ここからは秋川沿いの道を歩くことに。
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と思ったら、なぜか山の中に迷い込む(笑)。
どこに続くのかわからない山道を上ったり下ったり。
誰も人いないし、心細くなるような道でした。 -
山道はなかなか終わりが見えず、延々と歩く。
道がぬかるんでるところがあって、一度だけ滑りました…。 -
やっと山道を抜け出せました。
着いたのは、無人のバンガローが並ぶ場所。
こんな所があきる野にあるんだ…。 -
夏には客が来るのだろうか。
ここは青少年旅行村だったようです。 -
秋川を離れて、イチョウの木がある広徳寺へ向かいます。
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「広徳寺、行くんでしょ?向こうだよ!」
と工事のおじさん。
ありがとうございます〜、と言うと。
「ところで、旅客機が3機並んで飛んでるんだけどなんだろう?」
おじさんが指差す方向を見ると、確かに空を飛ぶ3機の姿が!
「珍しいな〜。何なのかね〜?」
う〜ん、旅客機じゃなくて自衛隊機なのかも…。
おじさんは不思議そうに空を見上げてました。 -
広徳寺に着きました。
ここに来たのはたぶん初めて。 -
境内全域が都の史跡になっている、あきる野の名刹です。
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なんとも風情ある山門がそびえます。
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秋の今は、美しいイチョウを見に訪れる観光客が多いようです。
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山門を抜けると…。
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大きなイチョウの木が2本。
足下には一面のイチョウの絨毯! -
これは見事な美しさ。
秋に最高の美観を作りだす寺です。 -
イチョウの上を歩くと気持ちいい♪
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イチョウの向こうは本堂。
本堂もまた風情ある立派な建物でした。 -
広徳寺には都の天然記念物となっているタラヨウとカヤもあります。
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イチョウと山門。
これはほんとに絵になる〜。 -
広徳寺をあとにして、武蔵五日市駅を目指します。
時刻は午後3時過ぎ。 -
この小和田地区には、かつて日本中を震撼させた連続幼女誘拐殺人事件の犯人が住んでいた。
当時は取材陣などで賑わったらしいけど、今はただ静かな町並みがつづくだけです。 -
小和田橋で秋川を越えます。
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川沿いには犬の散歩やジョギングを楽しむ人の姿がありました。
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阿伎留神社に着きました。
ここは子供の頃来た覚えがあって、全然あの頃と変わってない印象ですね。 -
なんともいえない懐かしさ…。
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夕方の光が境内に射し込みます。
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久しぶりの参拝をしました。
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武蔵五日市駅はもうすぐそこでしたが、最後にひとつの場所に寄って行くことにしました。
かつて祖父母が住んでいた家の跡地を見たかったのです。
何度も遊びに行ったあの場所へ。 -
このそば屋から漂ってくる香り…。
以前確かに嗅いだことがあるような。
もしかしたら、よく出前をとっていたそば屋なのかも。 -
街道沿いのいなげや。
ここは割と前からあった気がする。
中を覗くと、季節を反映しておでんコーナーが充実してました。 -
五日市では有名な油屋旅館。
鶴瓶さんも宿泊されたようです。 -
ここは昔スーパーだったと記憶してる。
今はこれはなんの店なんだ? -
五日市図書館。
前と変わらない場所にありました。 -
右は五日市中学校。
僕の記憶では、いつもこの学校は無人だった。
この町に来るのは、いつも夏休みとかお正月だったから。
今日は学校の周りを生徒達がジョギングしていて、妙に不思議な風景に思えた。 -
五日市憲法の碑。
明治時代、千葉卓三郎が起草した日本帝国憲法が五日市憲法。
教科書にこの碑の写真を見つけたときは、ちょっと嬉しかったなぁ。 -
細い路地を奥へ。
知らない人だったら絶対に入らないような狭い路地。
子供の頃はそうでもないと思ったけど、大人になった今歩くとその狭さに驚いた。
10年ぶりに歩く道、砂利を踏む音、隣家から漂う不思議な匂い…。
路地の奥に、かつて家はあった。 -
時を遡るような気分で歩いた先には、更地があった。
かつての家はすでに存在していなかった。
それはもちろん知っていることだったけど、そこには意外な光景があった。
更地の角に2つの鉢が置かれていて、それぞれにピンク色の花が生けられていたのだ。
もしかしたら、伯父が生けたものかもしれない。
並んだ2つの花は、祖父と祖母の姿のようでもあった。
辺りを見回し、誰も見ていないことを確認した。
そして思わず、手を合わせた。 -
祖父が亡くなる前の数年間、僕はこの町に来なくなった。
ある程度の年齢に達していたから、田舎に遊びに行くなんて子供じみた行為だと思うようになっていたのだ。
祖父は僕にとても会いたがっていた、と知ったときにはもう遅かった。
祖父が亡くなった10年前、この狭い路地を歩きながら、ただただ喪失感を感じていた。
そのとき初めて、永遠なんて存在しないんだ…ということに気付いたのだ。 -
夕暮れの空の下、駅までの道を歩く。
永遠なんて存在しない。
だけど、ここは僕にとっては永遠に田舎だ。
今はもう誰もいない、田舎。
子供の頃、帰るときみたいにこう呟く。
また来るね。
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この旅行記へのコメント (4)
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- 迷子さん 2013/05/31 03:47:24
- 思い出に道案内された旅
- 初めましてm(__)m。
記憶に残る田舎と
年月が過ぎて再び歩く田舎
2つが交じり合ったような素敵な1日だったんですね。
東京にこんな場所があったのが判って
なんとも言えずホッコリした感じで嬉しいです。
自分もお祖母ちゃんの家を思い出しました。
と言っても
がりさんとは逆で普段の住まいが田舎で
学校の休みの度に遊びに行く
祖母の居る都会?が楽しみでした。
思い出はお金では買えない貴重品
しかし貴重ではあるけど
鍵を掛けて仕舞って置かなくても
誰にも盗まれる心配の無い
何時でも取り出せて眺められる
何て素晴らしいお宝でしょうか!
改めて思い出を辿る旅の
良さを再発見させて頂きました、ありがとうです。
- がりさん からの返信 2013/05/31 23:18:56
- RE: 思い出に道案内された旅
- 迷子さん、はじめまして!
旅行記を読んで下さり、ありがとうございます。
しかもこんなかなり以前に作った旅行記に足を止めて頂き、本当に嬉しいです♪
> 記憶に残る田舎と
> 年月が過ぎて再び歩く田舎
> 2つが交じり合ったような素敵な1日だったんですね。
本当に僕にとってはとても印象的な1日でした。
子供の頃に戻ったような、センチメンタルな気分になりながら歩いてました。
あの路地の先に、まだ家があって祖父母がいるような気がして…。
でもそこに更地がぽつんとあるのを見たとき、時の流れを感じましたね。
もうあの頃には二度と戻れないんだなぁ、と。。
> 東京にこんな場所があったのが判って
> なんとも言えずホッコリした感じで嬉しいです。
あきる野はとても素敵な所ですよ〜。
東京とは思えないほど自然が残ってますし、田舎っぽい風情があります。
いつだったかムツゴロウさんが動物王国を作ってましたが、いつの間にか無くなっちゃいましたね(笑)。
> 思い出はお金では買えない貴重品
> しかし貴重ではあるけど
> 鍵を掛けて仕舞って置かなくても
> 誰にも盗まれる心配の無い
> 何時でも取り出せて眺められる
> 何て素晴らしいお宝でしょうか!
本当にその通りですね。
だからこそ今を大切に生きて、たくさん思い出を作っていきたいな〜、と思います。
やっぱり思い出のストックがたくさんある人生に憧れますね♪
-
- ゆういちろうさん 2009/11/24 22:24:16
- 無常
- がりさん、こんばんは。
思い出のおやき
ご家族の皆さんは喜んでくれましたか?
相変わらずの読み応えある旅行記で、楽しませていただきました。
また、お爺様とお婆様との思い出をシンクロさせながらの旅行記は
私の祖父母との思い出をも呼び起こし、切なくなってしまいましたよ。
それはこのお家の跡の光景が、私の祖父母のそれと似ているからかも知れません。
路地を抜けた先にある家…。現在は更地になってしまった場所…。
そしてそこに咲いていたピンクの花…。
それが初夏に訪れた際の、祖父母の家の現在の光景でした。
その時は軽いショックを受けてしまいましたが、しかしながら世は諸行無常。
形在る物としての存在は、確かに全く無くなってはしまいましたが
でも彼らとの思い出は、私の命がある内は心の中に生き続けています。
そしてその思い出は私の大切な宝物の一つです。
がりさんもきっと同じような気持ちなんじゃないでしょうか?
ゆういちろう
- がりさん からの返信 2009/11/25 23:26:34
- RE: 無常
- ゆういちろうさん、こんばんは!
今回も旅行記を読んで頂きありがとうございます。
> 思い出のおやき
> ご家族の皆さんは喜んでくれましたか?
はい、とても(笑)。
レンジで温めて食べても絶品です。
一枚一枚が手作りだからこそ美味しいんですよね〜。
東京にも人の温もりを感じる店が残ってることが嬉しいです。
10年ぶりの田舎で、町も随分変わっただろうなと想像してたのですが、ほとんど変わってない感じでした。
変わったのは家が消えていたことくらい。
ゆういちろうさんの御祖父母のお宅の光景と似てましたか。
かつてあった家は、平成に入っても昭和をそのまま引きずってるような雰囲気の家でした。
テレビにリモコンが無いことに驚いたり、和式の便所におそるおそる入ったことを今でも覚えてます。
古い時代にタイムスリップしたような感覚になる家でしたね。
> 形在る物としての存在は、確かに全く無くなってはしまいましたが
> でも彼らとの思い出は、私の命がある内は心の中に生き続けています。
> そしてその思い出は私の大切な宝物の一つです。
この前、円楽さんに楽太郎さんも同じことを言っててグッと込み上げてくるものがありましたね。
結局僕らが今できることは、忘れないこと、だけなのかもしれません。
思い出はお金には換算できない価値があります。
そういう思い出を持てているということは、幸せなことだなと思いますね。
これからもそういうことを大切にしていきたいです!
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