2009/09/18 - 2009/09/21
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りょしゅうさん
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「有朋自遠方来 不亦楽 」
神話で名高い須佐之男命が祀られ、不思議な霊力があるとされる「須佐神社」。
そして奥出雲に回り、日本の滝百選にも選定されている「龍頭ヶ滝」。
第74代内閣総理大臣「竹下登さんの生家」。
松江藩の筆頭鉄師で日本一の山林王「田部家の土蔵群」など、松江城や出雲大社ほどの知名度はありませんが、古代から栄枯盛衰を重ねた出雲の古い歴史と中国山地の山懐に抱かれた自然の豊かさを充分に感じさせられる所を巡りました。
- 同行者
- 友人
- 交通手段
- 自家用車
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-
「須佐神社」
出雲神話の大スター「須佐之男命が」祀ってあります。
そしてここは出雲国風土記が語る須佐之男命の御終焉の地です。 -
手水舎(ちょうずしゃ)
① まず、右手で柄杓を取り、左手を洗います。
③ 右手に持ち替えて左手に水を受け、その水で口を漱ぎます。
※ 柄杓に口をつけてはいけません。
④ 再度、左手を洗います。
⑤ 柄杓を立てて、柄に水を流します。
⑥ 柄杓を元の場所にふせて置きます。 -
須佐之男命は、2世紀後半に新羅からたたら集団を率いて森を求めてやって来ました。
そして奥出雲の斐伊川(八岐大蛇と重なる)で砂鉄を集め、炭を焼き、鉄を製鉄したそうです。
(この話は国引き神話もイメージさせます) -
宮司の須佐家はスサノオの御子「八島手命」から連綿と続き、その昔は須佐国造を名乗っておられたそうです。
古代出雲王朝というものがあるとしたら、こちらがその本家本元かもしれません。 -
樹齢1,300年といわれる大杉です。
この辺りは霊気が漂っているようです。 -
大社造りの本殿。
二拝二拍手一拝(にはいにはくしゅいっぱい)
出雲大社とはちがいここは普通の拝礼です。 -
「若物たちは何を祈願してもらっているのかな?」
ちょっと微笑ましい光景です。 -
社殿の西を流れる素鵝川の、清冽な流れに目を奪われました。 -
♪「小さい秋み〜つけた」♪♪ -
棚田の稲刈り。
田が小さいから手押しのコンバインです。
朝夕の寒暖の差があり、山の湧き水を引いて作っています。 -
イチオシ
田舎の原風景。
自家消費米だけはこのように「ハデ干し」します。
(おまけに無農薬で牛糞の堆肥)
天日干しした米は旨みが全然ちがいます。
昔はどこでも見かけたものです。 -
中国地方で随一の名瀑と言われる「龍頭ヶ滝」に来ました。 -
落差30mの「雌滝」。 -
雌滝から雄滝までは、推定林齢400年の大杉が30本以上立ち並び、木で造られた階段を数百m登ります。
-
雄滝に到着するとこのような看板が立っています。
雌滝は正直たいしたことはありませんが、ここはなるほどと思えるような滝でした。 -
落差40mの「雄滝」。
今の時期が一番水量が少ないので残念ですがそれでも見事なものです。 -
明治の文人で旅行家「大町桂月」はその著書に「出雲国中滝は龍ヶ滝が第一なり」と記しています。
彼は東京帝大を卒業後、簸川中学校(今の大社高校)の教師をしていました。
しかしわずか1年半で生徒の同盟休校(ストライキ)に理解を示したということで退職しています。
(中々骨っぽい教師のようです) -
左側に滝の裏側に行ける小道がついています。 -
彼女は彼の手を借りながら・・・。 -
滝の裏側。
ここは「裏見の滝」と呼ばれ、百畳敷きの岩窟があります。 -
自然がつくり出す珍しい造形に感嘆しました。
家族連れの方も数組おられましたが、真夏に来れば最高の場所です。 -
「竹下登」元首相の生家。 -
竹下家は江戸時代には庄屋を務め、大地主田部家より 醸造免許の「酒座」を譲り受け、幕末から現在まで代々造り酒屋を営む素封家で「元首相」はその12代目当主です。
-
母屋に隣接する「かけや酒蔵資料館」
竹下本店の主な銘柄
上撰「出雲誉」 (元首相は郷土の誉れ)
純米吟醸「都の西北」 (元首相の母校は早稲田)
大吟醸「我が道を行く」 (元首相の座右の銘)
なんだか分かる気がします。 -
すぐまた隣の「竹下登記念館」
友人は竹下さんとツーショット。 -
竹下家のある掛合町から山一つ越えた「旧吉田村」
この橋の向こうに日本一の山林大地主で、松江藩の筆頭鉄師の「田部家」があります。 -
橋の上から川を覗いてみると、かっての「鉄穴流し(かんなながし)」の為か川底が赤くなっています。
八岐大蛇の流した血で川が赤く染ったと言う伝承がありますが、砂鉄の色だったのではないでしょうか?
ここにも「スサノオ神話」が息づいていました。 -
「田部家」は山林38000ヘクタール。山内従業員2000名以上。
田地が500ヘクタール。小作1000戸。牛馬1000頭。
を所有する大地主でした。
(田地は1000ヘクタール説もあります。そもそも昔の奥出雲は山また山の狭隘な地なのでほとんどが棚田で地価は安かったそうです) -
数年前にNHKでアーカイブス『冬奥出雲・山林大地主の村 伝統守り続ける家の年越し』というタイトルで500年続く田部家と吉田村の様子が放映されたことがあります。
-
映画『大誘拐』のモデルにもなっています。
代々庄屋を続けたあの「竹下さん」の家でも、この田部家の「中番頭」に過ぎなかったと言うから驚きです。
この奥に母屋がありますが、残念ながら公開はされていません。 -
現在の母屋は数年前に建てられエレベーター付だそうです。
現在の門と玄関はこの道路をグルッと回ったところにあるとか。
狭い吉田の通りに面して立ち並ぶので、全てが写真に納まりません。 -
タタラ製鉄でこの地方は、江戸から明治末期の最盛期には全国需要の八割にも及ぶ鉄を生産したそうです。
田部家はその中でも群を抜いていました。 -
「文政蔵」「宝永蔵」というように、その時代ごとの名前が付けられ21棟の蔵が建てられました。
また、「出雲綿屋」という屋号で4艘の千石船を所有し鉄の交易もしたそうです。 -
坂の両側に、家並みが続く本町通り。
鉄師頭取「田部家」を核に、番頭屋敷、手代屋敷などが軒を連ね、幾筋もの小路が延び、独特のたたずまいを残しています。 -
吉田公園から見た「吉田村」
中国山地の懐に抱かれて・・・
「青い空」
「緑の山」
「赤い屋根」が美しい静かな村でした。 -
スナック「マオ」
今夜は友人たちと最後の夜。
「不亦楽 」といきたいものです。 -
「ママ」です。 -
向こうには岡山からいらっしゃった観光客。
多分旅館の紹介で入店なさったのでしょう。 -
こちらは竹野屋旅館(竹内まりやの実家)の宿泊客。
浴衣のお父さん、お嬢様が今日、出雲大社で挙式なされたそうです。
奥で手を広げた人、カラオケで「祝い船」を歌っていました。 -
負けずに僕らも・・・ -
「旅姿三人男」を歌っています。
看板になるまで歌い続けました。
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この旅行記へのコメント (6)
-
- 前日光さん 2010/08/20 23:15:25
- はじめまして(^-^)
- こんばんは。
島根の方だとのこと、ご挨拶させていただきたく書き込みしました。
10日ほど前に、須佐神社や吉田町に行ってきました。
田部家が、そんなにものすごいものだとは知らず、きちんと見ないで通過してしまいました。
4年ほど前に「絲原記念館」を見学しておりましたので、同じようなものだろうと思ってしまったのです。
りょしゅうさんの旅行記を読んでいたならと、後悔頻りです。
りょしゅうさんは、八岐大蛇の正体は、やはり鉄に絡んでいると解釈されているようですね。
反乱する暴れ川斐伊川が大蛇の正体というのも、捨てがたい気がしますが、奥出雲界隈を彷徨っていますと、鉄との深い結びつきを思わずにはいられませんね。
テレビ放映された「田部家」のことは、考えてみますと私も見ていたはずなんです。確かに、お正月の寒そうな格式ある屋敷が映し出されていました。
あの放送と田部家が結びつきませんでした!
私が吉田町を訪れた8月9日は、とても暑い日だったのです。
ここでゆっくりしていると、須佐神社に到着するのが遅くなってしまうということもありました。おまけに、あまりに暑かったので、途中にある「八雲風穴」に、ついフラリと立ち寄ってしまったのです。
錦秋の頃、秋の刈り入れの頃、この山里を訪ねたいと思います。
自由の身になるまで、もう少し!我慢して。。。
そうしたら、思い切り島根を満喫したいという野望を持っております。
山陰には全く縁もゆかりもない地方に住む人間ですが、7年前の神在月に訪れて以来、島根の虜になってしまいました。
今後ともよろしくお願いいたします。
前日光
- りょしゅうさん からの返信 2010/08/21 17:26:05
- RE: はじめまして(^-^)
- 前日光さん書き込みありがとうございます。
おっしゃる通り、私の住んでるところは島根県。
生まれも育ちも出雲大社のお膝元です。
したがってズーズー弁である「出雲弁」しか話せません(笑)。
田部家は絲原家(絲原記念館)、桜井家(可部屋集成館)などと共に奥出雲御三家といわれています。
他の2家は記念館などで内部をある程度公開していますが、田辺家は公開していませんので塀の外の土蔵群しか見えません。
しかしそれだけで田部家のかっての繁栄ぶりは充分窺えます。
田部家がこの吉田町に居を構えたのは、1,600年代後半からで元治2年(1865)には吉田町に大火が起こります。
田部家はこの大火の火元であった為、地元に遠慮をして現在の場所に本普請でなく仮普請をしたそうです。
その建物は、前日光さんが見られたTV番組(多分「NHK特集冬・奥出雲・山林大地主の村」だと思う)に映し出されたように仮普請とは思えないような重厚で格式ある日本建築でした。
暫く前に現代的な母屋に建替えされましたが、勿体ないことに25代目の当主をはじめ家族の方は松江にお住まいだそうです。
八岐大蛇の正体は船通(鳥髪、鳥上)山を水源とする斐伊川の支流を、頭が8つある大蛇に見立てたとする説が地元では定説ですが、大蛇のしっぽから天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)がでてきたことなど、古代出雲のたたら製鉄文化を連想させます。
しかし不思議なことに『出雲風土記』にはこの八岐大蛇退治は出てこないのです。
この物語の主人公『素戔男尊』の直系を名乗る家が出雲市には二家あります。
それは日御碕神社と須佐神社の宮司家でそれぞれ九十七代、七十八代、と続いています。
このように出雲は神代が現代に息づく不思議な国です。
尚私事で恐縮ですが、来月から半年、島根県が「出雲のかたりべ」の養成講座を設けます。
続くかどうか分かりませんが僕もそこで勉強することにしました。
三年後には今修理中の出雲大社の正遷宮を迎えます、そのころにはもっとましなことが言えるようになっていると思います(笑)
これをご縁によろしくお願いいたします。
りょしゅう
-
- antabaさん 2010/07/05 10:58:22
- 絶対行くことにします!
- りょしゅうさん、はじめまして〜antabaと申します。
来月島根旅行を計画してまして、
4トラ散策中こちらへ辿り着きました!
島根県はまだ訪れたことがないので、
松江や出雲大社観光を考えていたのですが、
りょしゅうさんのこちらの旅行記を拝見して、
須佐神社、吉田の町並みに心を奪われ
絶対に奥出雲観光することにいたしました。
時間があれば龍頭が滝も是非いきたいなぁ。
またチョコチョコお邪魔させてください。
ありがとうございました〜(^^)
antaba
- りょしゅうさん からの返信 2010/07/05 18:36:05
- RE: 絶対行くことにします!
- antabaさん嬉しい書き込みありがとうございました。
奥出雲は観光地としては非常にマイナーなところですが、「スサノオ」が活躍した・・・出雲が1番輝いていたころの舞台。
いわば「神話の夢舞台」なのです。
そのスサノオを祀る「須佐神社」(出雲市)は、最近日本一(?)のパワースポットとかで脚光をあびています。
吉田村はなんと言っても日本一の山林地主「田部家」の土蔵群が見ごたえがあります。
インターネットで「田部長衛門」を検索して予備知識を仕入れて訪ねれば、よりそのすごさがわかると思います。
須佐神社と田部家の中間にある「龍頭が滝」は夏が一番良いでしょう。
ここら辺りは食堂らしいところはほとんど有りませんから、途中のマーケットでおにぎり等を買って滝つぼ付近で食べるのも一興です。
ともかく移動には車がないと無理です。
道路事情は交通量も少なく走りやすいと思いますがナビは必要です。
他に何か知りたい情報などがあれば何でも聞いてください。
地元の者でないとわからないこともあると思います。
わかる範囲内でお答えします。
りょしゅう
- antabaさん からの返信 2010/07/05 23:17:44
- RE: RE: 絶対行くことにします!
- りょしゅうさん、色々アドバイスありがとうございます!
勉強は苦手ですが、σ(^_^;)
訪れようとしている場所の事を少し調べてみようと思います。
感動も一味ちがってくるでしょうから。
レンタカーはナビ装備のを予約済みです!
龍頭が滝でのおにぎり、とっても魅力的なのですが、
ひとつネックなのが、2歳の怪獣も一緒だということ。
ちょっとでも目を離すと何をしでかすかわからないので、
のんびり滝の見えるところでお昼なんて、無理だろうなぁ。
滝まで歩けるかもチト心配なんです。。。
(行きはよいよい帰りは・・・)
また何かありましたら教えてくださいね♪
antaba
- antabaさん からの返信 2010/08/19 00:15:29
- 行ってきました!
- りょしゅうさん、こんばんは。
その節はお世話になりました。
宣言通り、一目ぼれした奥出雲を旅してきました!
期待以上に素敵なところでした。
田部家のスケールには正直驚きました。
町の小ささとのギャップも!
また数年したら再訪したいですね。
子供がもう少し大きくなったらちゃんと見せてあげたいと思います。
あ、後からの申告で申し訳ないですが、
私の旅行記にりょしゅうさんのお名前を書かせて頂いてます。
ご了承ください。<(_ _)>
antaba
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