<br />1976年7月<br /><br />総務課長のンポイが私に近づけば近づくほど、ほかのザイール人とンポイとの距離が開いて行く。<br /><br />ンポイの威令が行き届かず、ザイール人の親玉としての期待に背くことになる。<br /><br />彼らは、同国人の間の階級社会に、慣れていないようだ。<br /><br />同じようにわれわれ日本人は、ザイール人の部族社会に慣れていないが・・・。<br /><br /><br />ンポイが来るまでは、マセンギがザイール人の親玉だった。<br /><br />西カサイ族の運輸省首席参事官ユマは、同郷のンポイを私の組織に送り込むに当たり、バ・ザイール族出身のマセンギの罷免を求めたが、私が応じなかった経緯がある。<br /><br />そうした空気を知っているマセンギが、上司とは言えンポイには、敵意さえ持っている可能性がある。<br /><br />この二人のチームワークをいかに築いて行くかが、課題である。<br /><br /><br />もう一人ザイール人の中心的人物に、物品購入・渉外を担当するルフングラがいる。<br /><br />彼はエカテール（赤道州）の出身という点で、部内で一匹オオカミ的立場を築いているが、ザイール社会での生き方に長けていて、この社会に不慣れなわれわれが途方に暮れたときに、救いの神になってくれることがある。<br /><br />簡単にいえば「顔が利く」ということだが、恐らく政府のあちこちに同郷人がいて、組織を超えた特別の団結を保っているのだろう。<br /><br /><br />かつて運輸省にも務めた経歴があり、その時大臣から貰ったというルノーのスポーツカーが自慢だ。<br /><br />しかし彼の調達品は、伝票の数と実際が合わず、単価も信用できないと言われている。<br /><br />このような例はザイール社会では普通のことであり、あまり神経質に追求せず、「ゆとりのある節度」をもって接することが肝要らしい。<br /><br /><br />写真は、ソフィーさんのマイページ（写真5,800枚）、<br />http://4travel.jp/traveler/katase/<br /><br />スイスの写真が美しい、片瀬貴文さんのマイページ（写真2,400枚）<br />http://4travel.jp/traveler/takafumi/<br /><br />文字が大きくて読みやすい、片瀬貴文の記録<br />http://blog.alc.co.jp/d/2001114<br /><br />もっと読みやすい「人生漫歩録」<br />http://kk1717.blog83.fc2.com/<br /><br />などもご覧ください。<br />

キンシャサ日記【667】ザイール人気質に慣れ始める

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1976/07 - 1976/07

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#カルチャー体験

ソフィさん

1976年7月

総務課長のンポイが私に近づけば近づくほど、ほかのザイール人とンポイとの距離が開いて行く。

ンポイの威令が行き届かず、ザイール人の親玉としての期待に背くことになる。

彼らは、同国人の間の階級社会に、慣れていないようだ。

同じようにわれわれ日本人は、ザイール人の部族社会に慣れていないが・・・。

ンポイが来るまでは、マセンギがザイール人の親玉だった。

西カサイ族の運輸省首席参事官ユマは、同郷のンポイを私の組織に送り込むに当たり、バ・ザイール族出身のマセンギの罷免を求めたが、私が応じなかった経緯がある。

そうした空気を知っているマセンギが、上司とは言えンポイには、敵意さえ持っている可能性がある。

この二人のチームワークをいかに築いて行くかが、課題である。

もう一人ザイール人の中心的人物に、物品購入・渉外を担当するルフングラがいる。

彼はエカテール（赤道州）の出身という点で、部内で一匹オオカミ的立場を築いているが、ザイール社会での生き方に長けていて、この社会に不慣れなわれわれが途方に暮れたときに、救いの神になってくれることがある。

簡単にいえば「顔が利く」ということだが、恐らく政府のあちこちに同郷人がいて、組織を超えた特別の団結を保っているのだろう。

かつて運輸省にも務めた経歴があり、その時大臣から貰ったというルノーのスポーツカーが自慢だ。

しかし彼の調達品は、伝票の数と実際が合わず、単価も信用できないと言われている。

このような例はザイール社会では普通のことであり、あまり神経質に追求せず、「ゆとりのある節度」をもって接することが肝要らしい。

写真は、ソフィーさんのマイページ（写真5,800枚）、
http://4travel.jp/traveler/katase/

スイスの写真が美しい、片瀬貴文さんのマイページ（写真2,400枚）
http://4travel.jp/traveler/takafumi/

文字が大きくて読みやすい、片瀬貴文の記録
http://blog.alc.co.jp/d/2001114

もっと読みやすい「人生漫歩録」
http://kk1717.blog83.fc2.com/

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