1975/02 - 1975/02
113位(同エリア296件中)
片瀬貴文さん
面接して気に入ったクワマとは、すぐに雇用契約を結んだ。
彼は毎朝、市中のうわさや出来事を話してくれる。
私の朝食は、7時45分テーブルにつくことに決めていた。
その時間までに彼は卵料理一皿と果物一皿を作り、コーヒーを沸かしてテーブルをしつらえなければならない。
私のテーブルは窓に向かっていて、洋々たるザイールの大河を隔てた隣国コンゴの山々を眺め、日々刻々変化する大陸の空のたたずまいを愛でながらの朝食は楽しい。
21階からの展望は、実に広々している。
クラシックを聞いていると、何かしら力の湧くのも感じられる。
そこに決まって現れるのが、クワマだった。
「ボンジュール、パトロン、コモサヴァ?。ヴザレビアン?」
(パトロンおはようございます。ご機嫌はいかがですか)
それから彼は私の横に立ったまま、いろいろな話をしてくれる。
サービスのつもりなのか、話好きなためかわからないが、いずれにせよ私には楽しく、貴重な情報源でもある。
この国は情報統制が厳しく、私自身も街に出て一般の人と話す機会が少ないので、彼の話は漫談であると同時に、社会の動きを知るためのレクチャーでもある。
彼は私を、この社会における一人前に育てようと、いっぱしの教育家意識も持っている。
私もこの社会の価値観を吸収しようと、一面では生徒気分なのだ。
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