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2008年9月21日(日)<br /><br />午前4時30分・・・。<br /><br />目覚ましはもちろん鳴っていない。<br />いつ寝始めたか考えてはいけない。<br />寝たことは確かだから、あとは黙って旅に出るだけ。<br /><br />シャワーを浴びてから、荷造りをはじめる。<br />宿を出たのがその1時間後の午前5時30分。<br />外はまだ夜といってもいいくらいである。<br />プリウスに乗り込んでUS-191号線を北上してアーチーズ国立公園に戻った。<br /><br />ツールゲートは、もちろんまだ開いていない。<br />「おじゃましまーす」<br /><br />と意味不明な独り言を言いながらゲートを通過したときに、ある物に目が留まった。<br /><br />「おお!?」<br /><br />ツールゲートに券売機が備え付けてあるのに気がついた。<br />昨日は全然気がつかなかったが、便利になったものだと感心する。<br />そのままゲートを抜けて地図を頼りにランドスケープアーチのあるデビルスガーデンと呼ばれるポイントまで車を走らせる。<br /><br />デリケートアーチよりもさらに奥へと車を走らると、デビルスガーデンのトレイルヘッドがある駐車場に到着した。<br />キャンピングカー数台と観光客の乗用車が数台早くも停まっている。<br /><br />さっそく準備をするのだが、今日もアキレス腱あたりの擦り傷部分が非常に傷む。<br />絆創膏を貼ってみるが、役に立ちそうもなかった。<br />今回の旅で一番の失敗かもしれない。<br /><br />午前6時30分。<br />まだ暗かったので、洞窟でも探検するような頭に装備するスペランカーランプを装備して電源をオン。<br />スイッチを入れた途端に、付近の欧米人観光客からどよめきが起こる。<br /><br />「やり過ぎですか?」<br /><br />日本語の問いに答えてくれる者はいない。<br /><br />だが、このライトを点けて面倒なことがひとつあった。<br />トレイルヘッドには照明はもちろんない。<br />つまり真っ暗で見通しの悪い道を唯一進めるのがあちきの頭頂部から発せられる光である。<br />そんな頼もしいあちきの後ろには、あちきを良い道案内にしたてて付いて来る観光客が数名いた。<br /><br />だがよく考えてみるとこれは不条理である。<br />この自然の宝庫の国立公園には、動物園でしかお目にかからない猛獣がいないわけではない。<br /><br />たぶんというか、きっといる。<br /><br />そんな猛獣に真っ先に出くわすとすれば、先頭を行くあちきではないか?<br />道案内になり猛獣に真っ先に襲われるためにここに来たつもりはない。<br /><br />この不条理にどう対処するか考えていると東の空が白んできた。<br />足元が見えるようになると後ろの観光客は、あちきを抜いてどんどん先を進んでいくではないか。<br /><br />あちきの役目は終った。<br />ライトの電源をオフにしてスペランカーランプを頭から取ってバックに放り込む。<br />一人たたずむあちきに声をかける者は誰もいなかった。<br /><br />明るくなるにつれて周りの景観もはっきりしてきていた。<br />デビルスガーデンなんて怖い名前はついているが、トレイルの風景はとても良く空気もおいしい。<br />ただし足の痛みだけを考えると、このトレイルは地獄である。<br /><br />目指すランドスケープアーチまでのトレイルを歩いていると、先を進んでいた欧米人の男性があちきに何か入ると教えてくれる。<br /><br />道の脇の茂みに小さな野うさぎが餌を求めて出てきていた。<br /><br />ウサギを脅かさないように先を進み、ランドスケープアーチに到着。<br />このアーチを見るのは、今回が初めてである。<br />デリケートアーチはアーチの胴がしっかりしているのに対して、ランドスケープアーチの胴は一部華奢な感じがするくらい細くなっているところがある。<br /><br />以前オーストラリアのグレートオーシャンロードを走った時に立ち寄った12使徒と呼ばれる奇岩も、あちきが見た数週間後にひとつ崩れてしまった。<br /><br />自然が作り出す芸術作品もまた永遠ではない。<br /><br />東から昇る太陽の光を受けたランドスケープアーチをしっかりデジカメで撮影する。<br />トレイルを戻る途中に何度か足を止めた。<br />アキレス腱の擦り傷がとんでもないことになってきている。<br /><br />あまのり痛みに何度か足を止めては進み、なんとか駐車場に戻ったのが午前8時頃だった。<br />

2008 アメリカ・グランドサークル旅記 0921-01

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2008/09/18 - 2008/09/26

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morikens

morikensさん

2008年9月21日(日)

午前4時30分・・・。

目覚ましはもちろん鳴っていない。
いつ寝始めたか考えてはいけない。
寝たことは確かだから、あとは黙って旅に出るだけ。

シャワーを浴びてから、荷造りをはじめる。
宿を出たのがその1時間後の午前5時30分。
外はまだ夜といってもいいくらいである。
プリウスに乗り込んでUS-191号線を北上してアーチーズ国立公園に戻った。

ツールゲートは、もちろんまだ開いていない。
「おじゃましまーす」

と意味不明な独り言を言いながらゲートを通過したときに、ある物に目が留まった。

「おお!?」

ツールゲートに券売機が備え付けてあるのに気がついた。
昨日は全然気がつかなかったが、便利になったものだと感心する。
そのままゲートを抜けて地図を頼りにランドスケープアーチのあるデビルスガーデンと呼ばれるポイントまで車を走らせる。

デリケートアーチよりもさらに奥へと車を走らると、デビルスガーデンのトレイルヘッドがある駐車場に到着した。
キャンピングカー数台と観光客の乗用車が数台早くも停まっている。

さっそく準備をするのだが、今日もアキレス腱あたりの擦り傷部分が非常に傷む。
絆創膏を貼ってみるが、役に立ちそうもなかった。
今回の旅で一番の失敗かもしれない。

午前6時30分。
まだ暗かったので、洞窟でも探検するような頭に装備するスペランカーランプを装備して電源をオン。
スイッチを入れた途端に、付近の欧米人観光客からどよめきが起こる。

「やり過ぎですか?」

日本語の問いに答えてくれる者はいない。

だが、このライトを点けて面倒なことがひとつあった。
トレイルヘッドには照明はもちろんない。
つまり真っ暗で見通しの悪い道を唯一進めるのがあちきの頭頂部から発せられる光である。
そんな頼もしいあちきの後ろには、あちきを良い道案内にしたてて付いて来る観光客が数名いた。

だがよく考えてみるとこれは不条理である。
この自然の宝庫の国立公園には、動物園でしかお目にかからない猛獣がいないわけではない。

たぶんというか、きっといる。

そんな猛獣に真っ先に出くわすとすれば、先頭を行くあちきではないか?
道案内になり猛獣に真っ先に襲われるためにここに来たつもりはない。

この不条理にどう対処するか考えていると東の空が白んできた。
足元が見えるようになると後ろの観光客は、あちきを抜いてどんどん先を進んでいくではないか。

あちきの役目は終った。
ライトの電源をオフにしてスペランカーランプを頭から取ってバックに放り込む。
一人たたずむあちきに声をかける者は誰もいなかった。

明るくなるにつれて周りの景観もはっきりしてきていた。
デビルスガーデンなんて怖い名前はついているが、トレイルの風景はとても良く空気もおいしい。
ただし足の痛みだけを考えると、このトレイルは地獄である。

目指すランドスケープアーチまでのトレイルを歩いていると、先を進んでいた欧米人の男性があちきに何か入ると教えてくれる。

道の脇の茂みに小さな野うさぎが餌を求めて出てきていた。

ウサギを脅かさないように先を進み、ランドスケープアーチに到着。
このアーチを見るのは、今回が初めてである。
デリケートアーチはアーチの胴がしっかりしているのに対して、ランドスケープアーチの胴は一部華奢な感じがするくらい細くなっているところがある。

以前オーストラリアのグレートオーシャンロードを走った時に立ち寄った12使徒と呼ばれる奇岩も、あちきが見た数週間後にひとつ崩れてしまった。

自然が作り出す芸術作品もまた永遠ではない。

東から昇る太陽の光を受けたランドスケープアーチをしっかりデジカメで撮影する。
トレイルを戻る途中に何度か足を止めた。
アキレス腱の擦り傷がとんでもないことになってきている。

あまのり痛みに何度か足を止めては進み、なんとか駐車場に戻ったのが午前8時頃だった。

同行者
一人旅
交通手段
レンタカー
航空会社
ユナイテッド航空
  • アーチーズ国立公園の夜間自動券売機。

    アーチーズ国立公園の夜間自動券売機。

  • 左がランドスケープアーチへと続く道。

    左がランドスケープアーチへと続く道。

  • デビルスガーデンから見るサンライズ。

    デビルスガーデンから見るサンライズ。

  • ランドスケープアーチ。

    ランドスケープアーチ。

  • 野うさき。<br /><br />画質わるっ。

    野うさき。

    画質わるっ。

  • ランドスケープアーチ。

    ランドスケープアーチ。

  • ランドスケープアーチ。<br />

    ランドスケープアーチ。

  • デビルスガーデン。

    デビルスガーデン。

  • デビルスガーデン。

    デビルスガーデン。

  • デビルスガーデン。

    デビルスガーデン。

  • デビルスガーデン。

    デビルスガーデン。

  • ランドスケープアーチとあちきの影。

    ランドスケープアーチとあちきの影。

  • 傷口が傷むのでハンカチを挟んでみる。

    傷口が傷むのでハンカチを挟んでみる。

  • デビルスガーデン。

    デビルスガーデン。

  • デビルスガーデン。

    デビルスガーデン。

  • デビルスガーデン。

    デビルスガーデン。

  • こけ・・・。<br /><br />観光客の影響で減少しています。<br /><br />踏まないように気をつけましょう。

    こけ・・・。

    観光客の影響で減少しています。

    踏まないように気をつけましょう。

  • デビルスガーデントレイルヘッド。

    デビルスガーデントレイルヘッド。

  • おまけ・・・。<br /><br />てへっ

    おまけ・・・。

    てへっ

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