2009/05/27 - 2009/05/27
24位(同エリア76件中)
極楽人さん
朝、マルペンサ空港で一足早く帰国する妻を見送った後、ミラノ中央駅に向かいました。
ここから先は、久しぶりのひとり旅です。
この日の行程は、ミラノからスイス国境のティラノ(TIRANO)へ行き、ティラノからベルニナ線でスイスを縦断。
ドイツ国境に近いクール(CHUR)までを、列車で移動します。
クールはどんな町か知りませんが、次の日の行程を考えて、このあたりまで進んでおく必要がありました。
ベルニナ鉄道によるアルプス越えは一番のハイライトですが、ミラノからティラノへの道のりも楽しみにしていました。
以前、コモからスイスへ入った時に見た北イタリアの、のどかで美しい風景を記憶していたからです。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 鉄道
- 航空会社
- スイスインターナショナルエアラインズ
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10:20 ミラノ中央駅発ティラノ行き。チケット売り場で前の客が長い相談をしていて、ちょっとイライラしました。次の電車は12:20発なので、どうしても乗っておきたいところです。
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10分前に無事チケットをゲット。
スイスのクールまでの「通し券」を求めたのですが、ティラノまでしか売ってくれません。8.2ユーロ。
ティラノには12:50着です。
ホームには、ちょっと汚れた電車が来ていました。 -
走り出して30分程で、景色が一変します。
左側の車窓。強く明るい陽射しを受けて、湖が真っ青に映えます。その沿岸には美しい町が次々と・・・ -
周囲の山が、次第に高く嶮しくなってきました。
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こうなると、もうアルプス気分です。
牧草地なのでしょう、枯れ草が巻かれています。 -
ときどき町、ときどき教会、ときどき古い城跡・・・
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気がつくと、雪山がもうそこまで近づいていました。
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列車はそろそろティラノの町へ。あっと言う間の2時間半でした。
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日本で調べていたとき、イタリアの鉄道からスイスの鉄道への乗り継ぎ方法がよく分かりませんでした。
来て見れば何でもありません。ただ矢印どおりに歩けば良かったのです。
こういう事って、よくあります。 -
駅前広場からの写真。
左のベージュの建物が、いま到着したイタリア鉄道駅。右の白い建物がスイス・ベルニナ鉄道駅です。
もちろん、どちらもイタリア国内です。
不思議なことに、白い建物に入った瞬間から“スイスの雰囲気”になります。 -
ベルニナ鉄道のホーム。
これは『京浜急行』ではありません。
『箱根登山鉄道』です。 -
ベルニナ鉄道は日本の箱根登山鉄道と姉妹提携していて、随所に日本語表記の案内が掲げられています。
これが嬉しい人、うっとうしい人、意見の分かれるところでしょう。 -
ベルニナ鉄道を運行しているのは、スイスの大手私鉄会社『レーティッシュ・バーン』。スイス東部の山岳線を中心に10路線ほど運営していると聞きました。
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これは、ティラノ〜サンモリッツ間を疾走する人気のパノラマカー『ベルニナ・エキスプレス号』。
ハイ・シーズンには、予約客で満員になることがあるそうです。 -
私が乗り込むのは、13:38発の普通電車。予約もしていないし、景色のいいところで適当に休憩しながらのんびり行こうと思います。乗車券は、一日のうちなら何度でも途中下車できます。
クールまでの運賃55スイスフランはカード払いにして、何かの時のために10ユーロだけ小銭に両替しておきました。 -
定刻に発車しました。遠くの方に白い峰が見えています。
この車両には私のほかにもう一組だけ。日本人のご家族4人でした。幸運にも窓が開けられるタイプなので、左右両側を開け放して撮影に臨みます。ガラガラの、普通電車ならではの醍醐味です。 -
意外と早く登場しました、ブルジオ(BRUSIO)のオープンループ。らせん状の橋をぐるっと辿って一気に高度を上げてゆく仕掛けです。まずは右の窓から。
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続いて、すばやく左の窓へ移ります。
鉄道ファンでなくても、ワクワクするシーンです。 -
列車は、しばらく平原を走ったかと思うと・・・
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今度は湖のほとり・・・
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今度は、トンネルも。列車の先を見て右に左に、時々つまづきながらの奮闘です。
同乗のご家族から。「カメラマンの方ですか?」と尋ねられました。悪い気はしませんが、“皮肉”だったかも知れません。「いえ、ただのカメラ親父です。ご迷惑は掛けませんから・・・」 -
雪の峰と湖を望むあたりで電車を降りてみました。ベルニナの峰はどれでしょう。
ドアは自分で開けます。この駅は“STOP ON REQUEST”つまり、乗り降りする客が運転手に知らせたときだけ停車します。沿線には、そんな小さな駅がいくつもあります。 -
無人の駅舎がひとつだけ。
目立つ位置に、『乗車希望ブザー』が配置されています。小屋の裏手には、暖炉用の薪が山積みになっていました。
ここで、ティラノで買ったサンドイッチをたいらげます。ちょっとした遠足気分です。 -
ティラノへ向かう電車。
単線ですから、駅や決まった場所で反対方向の電車とすれ違います。江ノ電と一緒です。 -
2時間ほどの間に、線路修理用の黄色い特殊車両で通りかかった筋肉質のアンちゃん、山小屋で賄いの仕事を終えて帰る二人のオバサンに遭遇、話しかけられました。
「こんなところで、なんで降りたの?」
「ここ、好きなんです。」 -
ベルニナ・エキスプレス号が2台つづいて通過、パノラマカーは合図しても止まってくれません。次の普通電車を待ちました。
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乗り込んでビックリ!
全車両、スイス軍の兵隊で満席でした。戸惑っていると、ショーン・コネリー風の隊長らしき人がボックスをひとつ空けてくれて「こっちへ座れ」と言っています。写真、右手の席です。昔から、軍隊、右翼、会社との相性には自信がないのですが、ここは遠慮なしに。 -
アルプ・グリュムの駅で再び下車。
ここの駅舎はカフェ・レストラン・ホテル・その他もろもろを兼ねています。 -
壁に「高度2091m」のパネル。
次の電車まで一時間、ここで休憩です。 -
山小屋風の(“風”ではないかも)部屋、窓からはアルプスの山々が見えます。
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テラスには先客が。このホテル唯一の宿泊客で、ドイツから来ていました。「この時期は、すいてていいねえ。」と。二人とも73歳の年金生活。コーヒーを飲むうちに親しくなり、旅の話や年金の話に花が咲きました。小銭が活きました。
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テラスの向こうには、どうやってもカメラには収まり切らない、360度パノラマが広がっています。
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幾重にも折り重なる雪渓。
谷をえぐるパリュー氷河、神秘の色を湛える湖。
すべてが、手を伸ばせば届きそうなところにあります。 -
ティラノに向かう対向車がやって来ました。30分に一台は、どちらか向きの列車が通ります。
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列車はアルプ・グリュムの駅を出てすぐ、大きな円を描いて下ってゆきます。
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私のほうも、また電車に乗って目的地クールをめざします。電車はまたも、貸切り状態です。
アルプ・グリュムを過ぎたこのあたりが、峠の一番高いところになります。 -
「・・・・・・・・・!」
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「・・・・・・・・・!」
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「・・・・・・・・・!」
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「・・・・・・・・・!」
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「・・・・・・・・・!」
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息をのんで見つめるばかりの15分間。少し低くなったのでしょう、大地に『土』が戻ってきました。
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平原は次第に緑を増して、ところどころ放牧の牛や羊も見えてきます。
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同じ車両にもう一組、やはり窓を開け放して果敢に写真を撮りまくるオバサン2人組が。
二人ともクール近郊からの観光客で、このあとの行動が一緒の経路になります。
旅は道連れ、今日はいろんな人と知り合います。 -
クールまでは、列車を2度乗り換えます。
まず、ポントレジーナ。サン・モリッツとの分岐点で、ここからクールまではアルブラ線になります。
電車は、自転車で旅ができる車両を繋いでいました。 -
2度目の乗り換えはサメダン駅。一人ではやり過ごしそうな小さな駅も、3人いると誰かが気がつくので助かります。
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「最後の絶景が、まもなく現れるよ。」
オバサンに促されて、一緒に万全の体勢で待ち構えました。パンフレットにもあった、深い谷にかかる『ランドバッサー橋』でしょう。
「・・・・・・!!」
次の瞬間、眼に飛び込んできたのはこの姿。真っ赤なシートに覆われて無残にも満身創痍の全面改修中。
3人で大笑いしました。
往路でも見た筈ですが、「朝早かったので寝ていたの」。 -
でもまた、似たような別の橋が現れました。
これで“一件落着”です。 -
やがて車窓には民家が見え始めます。時刻も午後7時をまわってたそがれの気配になってきました。
しばらくして、途中駅でオバサンたちは降りました。クールの町が近づいています。 -
クール駅着は午後9時過ぎ。小銭の残りで、駅構内の24時間COOPで水とビールとカツサンドを買い、薄暮の中をホテルに向かいます。いい一日でした。
クールの写真は、次の朝早く起きて散策したときのものです。 -
クールの町には品のいい落ち着きがあります。
これは市庁舎前を延びるポスト大通り。清潔で整然として、歩いていてもホッと安心できるたたずまいです。 -
古代から人が住み、ローマ支配の時代には交通の要所として栄えた、『スイス最古の町』だそうです。現在でも、ダボスやサン・モリッツへの玄関口になっています。建物にも控えめな個性や自己主張があり、独特の風格を感じます。
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宿泊したホテル近くの路地。早朝で誰もいませんが、昨夜は遅くまで若者で賑わっていました。
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噴水も個性的です。
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市庁舎前のブティックも、立派。
寝るためだけに立ち寄った町は、思わぬ発見でした。 -
地理と歴史の環境が護ったのでしょう、一帯には独・仏・伊と並ぶスイス4つ目の言語『ロマンシュ』がまだ生きているといいます。
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駅前通りに戻りました。開けた場所に来ると、街の周囲をぐるりと囲む山が見えます。ここは山間の、高地の町なのだと思い出させてくれます。
もうひとつ忘れていましたが、入国時も出国時もパスポートチェックがありませんでした。
“EU”がひとつになりつつある、と思っていたのですが、スイスはEU非加盟国。“欧州”がひとつになりつつある、と考えたほうがいいようです。
『ベルニナ鉄道篇』はこれで終わりです。
次は、南ドイツを訪ねます。
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