2009/05/24 - 2009/05/27
31位(同エリア141件中)
極楽人さん
ニースから海岸伝いに列車で移動して、イタリア・リビエラにやって来ました。
地中海を囲む同じ海岸線の延長ですが、南仏の海岸とはずいぶん趣を異にします。コートダジュールでは白い砂浜のやさしい景色が広がっていましたが、イタリアに入ると岸辺は岩場が多くなり、荒い波が打ち寄せています。このあたりの海は『リグリア海』という別名を持っています。ジェノバを南下して「東リビエラ」に入ると、岩は崖となって更に高くそびえます。斜面には小さな村々が張り付き、互いに行き来する道も見えません。
私たちはリビエラの南端の街『ラ・スペツィア』に2泊して、世界遺産となった『チンクエテッレとポルト・ベネーレ』を訪ねました。ラ・スペツィアからは、どちらへ行くのも便利です。
ところで、“RIVIERA”は“海岸”を意味するイタリア語です。『リビエラ海岸』は「狭義」ではイタリア領内の海岸を指しますが、「広義」ではコートダジュールを含むToulon(仏)までの海岸線全域を言うようです。あの冬、森進一さんは何処のリヴィエラで歌っていたのでしょう。
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5泊したニースから、イタリアのラ・スペツィア(La Spezia)へ。ニース中央駅には、イタリアの列車が迎えに(?)来ていました。
10:02発のミラノ行きですが、私たちはジェノバ駅で南行きの電車に乗り換えます。ラ・スペツィア到着は15:18、チケットは26.5ユーロ/人です。 -
チケットには『座席番号』が振られていますが、乗客のほとんどは無視して好きな席に座ります。でも中に“生真面目な人”がいて自席にこだわるので、走り出してからも、あちこちでゴタゴタが絶えません。
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列車は海岸線に沿って一路イタリアへと進みます。きれいな海岸線ですが、やはり、窓が汚くてほとんど写真に写せません。この街はイタリア国境を越えたあたり。ここもパスポート・チェックはなく、欧州はどんどん“ひとつ”になっているな、と実感します。
この後、列車は音楽祭の町『サン・レモ』を通過しました。可愛かったジリオラ・チンクエッティ。♪ノノレタ〜の『夢見る想い』は、まだよく覚えています。 -
3時間ほどでジェノバ(Genova Principe)に到着。約40分の待ち合わせでラ・スペツィア行きの電車に乗り込みます。
「乗り換え」は好きです。煙草を楽しみながら、地元の人々や街の様子が垣間見られるからです。でもこの時は大変でした。妻の大きなトランクが既に殺人的な重さになっていました。ホームにはエレベータがなく、混雑の階段を隣のホームまで、ほとんど“死にそう”になって移動しました。 -
15:30 少し遅れてラ・スペツィアの駅に到着しました。駅附近は工事中でした。
駅を出て右手のINFO(別棟)で地図を貰って、宿へ向かいます。 -
大きな荷物を想定して、宿は駅のすぐ近くを取っておきました。ほとんど“駅構内”といってもいい立地の『FIRENZE』。上品でクラシックなホテルでした。
駅の正面には『マリー』という別のホテルがあります。日本からの予約では“満室”で、取れなかったホテルです。でもそれはかえって「正解」でした。
駅は高台、マリーまでは長い階段の上り降りが必要で、大きな荷物を持っての移動はひと苦労です。
平面地図では起伏が分かりませんね。 -
チェック・イン後、すぐに『ポルト・ベネーレ』に向かいます。チンクエテッレとともに世界遺産に登録された美しい港町です。バス停を探して歩く道々、ラ・スペツィアの落ち着いた街並みに目がゆきます。
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ここのドゥオーモは、何故かオシャレな横縞ストライプ。
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もうひとつ見かけた教会も、縞々模様。
この地方の特徴なんでしょうか。 -
街の人たちに教えられて、11番路線のバス停発見。
ポルトベネーレへは20分ほどで行くそうです。
陽気な運転手さんに、往復切符を奨められました。 -
バスは港に沿ってくねった道を全速力で登ります。
ここは「軍港」の街であり、民間の船に混じってイタリア海軍の大きな軍艦も停泊していました。
景色はそれらしくなってきましたが、“スピード”と“曲がり”が多く、ほとんど写真が撮れません。 -
『ポルト・ベネーレ』
岬の端まで、肩を寄せ合うようにパステルカラーの建物が続いています。この色使い、このちょっと汚れた感じが、たまりません。海辺の人々の生活の匂いがします。
午後はずっと逆光になってしまうようで、写真では鮮やかさがもうひとつ出せません。 -
それにしても人出が多くて驚きました。近隣からの観光客、結婚式、それに、村対抗のボートレースが開催されていたようです。
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岬の先を右に折れると、高台にサン・ピエトロ教会。ここも縞々でした。近くで見ると、この縞は白と黒の石を交互に積んで造ってありました。
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教会の脇から、崖下の『バイロンの洞窟』へ降りる道が延びています。岩肌沿いの危なっかしい小道で、もっぱら岩場で肌を焼く人たちに利用されていました。
反対側の崖には古いお城の跡が見えます。 -
次の日は、チンクエテッレの5つの村をまわります。
チンクエテッレとは「5つの村」いう意味、断崖に沿って昔ながらの暮らしを営む村々が世界遺産に登録されています。
駅で一日券(CINQUE TERRE 1 TRNO 7ユーロ)を買うと、その日のうちは何度でも列車を利用できます。有料の散策道『愛の小道』や村の中の巡回バス料金も含まれます。左の地図はINFOのパンフです。最大サイズにしていただくと、海岸沿いの左から中ほどまでに5つの村、右端にポルト・ベネーレとラ・スペツィアの位置が示されているのが分かります。 -
朝9:30、駅で貰った地図と時刻表を手に、東の村から順に西へ行く計画にしました。列車は30分に一本くらい出ています。
まず第一の村『リオ・マッジォーレ』へ。列車は8分で谷あいの駅に着きます。(写真右下) -
観光案内のアルバイト女子学生から「村はこの岸壁の裏手」と教えられ、崖づたいの細い道を登ったり下ったり。汗と冷や汗をかきながら、10分たっぷり歩いて村に着きます。
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初夏とはいえ、強い陽射しに輝く谷間の村『リオ・マッジョーレ』です。
しかし村への出入りが崖っ淵の小道だけとは、考えられないくらい不便なところです。生活物資など、どうしているんでしょう。 -
村の中心はこの教会。また、縞々デザインです。
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陽射しを避けて入ってみると中まで縞々、こだわりの強さを感じます。内部はひんやりとしていました。
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村は思った以上に開けていて、とても“秘境”とは思えません。観光客の数も想像以上です。一本だけの目抜き通りには土産物屋やレストランが軒を連ねています。わびしさなど微塵もない陽気なイタリアの村、といった感じです。
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目抜き通りの突き当たりに、岩山をくりぬいた「駅への通路」がありました。やっぱり、ない訳ないですよね。
ここを通ると、僅か2分で駅前に出ます。女子学生は、景色のいい方の道を教えてくれたようです。 -
駅のすぐ横に、村人たちが協力して困難な村づくりに精を出している、大きなイラストが描かれています。
石を積み、荒地を耕し、狭い耕作地を確保して村と生活を守ってきたのでしょう。 -
2番目の村『マナローラ』までは“愛の小道”と名づけられた遊歩道が繋がっています。
写真の、崖っぷちの道です。入り口でチェックがありますが、一日券を見せれば通行できます。 -
途中、この絵と同じデザインの石のモニュメントがあり、いくつものカップルが写真を撮り合っていました。愛はいつも“崖っ淵”です。
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がけ崩れから守るため、ところどころに屋根が造ってあります。有料ならではの、手の入れようです。
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15分も歩くとマナローラの駅が見えてきます。
有料の小道はここで終了。 -
マナローラも、よく似た谷あいの村です。
繁華な通りには、カフェやレストランに混じって特産の「陶器店」が目立ちます。 -
マナローラの全景。
たしかに、絶壁に家々が張り付いています。 -
自分の見たところ、ここがチンクエテッレで『最大の絶景』でした。
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岩場では、水遊びをする人も。
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マナローラで昼食後、電車で3つ目の村『コルニーリア』まで移動。所要時間3分です。
駅の前からバスに乗って丘の上の村に行きます。バスはもちろん、一日券で大丈夫です。 -
バスは5分ほどで村の中心に着きますが、何といって特徴がある村ではありません。好みにもよりますが・・・
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電車で、4つ目の『ヴェルナツッア』へは5分。
乗ってしまえば近いですが、駅で貰った時刻表どおりには、電車が来ません。同じ路線を通過する特急や急行電車の遅れを受けて、発着時間やホームをたびたび変更します。その都度、「アテンション・プリーズ〜」の案内が流れますが、急ぎ旅の人はイライラすることでしょう。 -
ここがヴェルナツッア。
さすがに新味を感じる力が弱ってきて、巡礼の心境になってきました。とにかく、全部廻らなきゃ!
でも、まあいいところです。反対側から廻っていたら、写真を撮りまくったかもしれません。 -
他の村との違いは、岩山の上にレストランが乗っかってるところです。
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そして最後の村、5番目の『モンテロッソ』へは電車で4分。ここは他と比ると少しだけ大きな町でした。
5島で唯一の観光案内所、駅からすぐの、整備された広いビーチ。ここがチンクエテッレの“親玉”でした。 -
この村に来るお客の目当ては、はっきりしています。海水浴です。
色とりどりのパラソルは、レンタル屋さんごとの目印です。 -
黄色のお店で、パラソル一本とビニールの寝椅子を2つ借りました。8ユーロ(一人当たり)で店じまいの午後7時半まで、着替え用の部屋とシャワーが利用できます。
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「一度は地中海で泳ぎたい」妻は、持参の水着で早速水辺に。しかし荒い尖った砂が痛くて、素足の上げ下ろしが大変です。
写真はもちろん妻ではありませんから、念のため。 -
子供たちは元気です。夕暮れまで波打ち際を離れませんでした。
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町に足を踏み入れると、きれいに飾られた露地の奥にまで、お店が並んでいます。他の村とは、やはり規模が違います。
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すっかり慣れっこになった、縞々の教会。もう驚きません。この町には、色違いの赤い縞々もありました。
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朝9時から、海水浴の2時間を含めて夕方7時まで、5つの村を味わいました。“鳥も通わぬ秘境”を想像していたぶん違和感もありましたが、どこも明るく可愛らしい海辺の村々です。
ただ、全部を正直に廻る必要があったのかな、とは感じました。 -
次の朝、ラ・スペツィアを離れてミラノに向かいました。
当初、09:53の電車を予定していましたが、これはジェノバで乗換えが必要になります。妻のトランクは更に重さを増していて、今度こそ死ぬかもしれないので、10:40発の直行便に変更しました。一人21ユーロ、イタリアの列車は安いと思います。
写真は、大都会ジェノバをらくらく通過するあたりです。 -
ミラノまで、緑のゆたかな草原が続きます。
イタリア随一の穀倉地帯だそうで、野菜や麦のほか、お米の生産も盛んだという事です。お米はもちろんリゾットで食べることが多いようです。 -
そんな話をしてくれたのが、左側の女性。ドイツ系イタリア人で、英語を含めて3ヶ国語が堪能でした。右の青年は詩人バイロンを研究する超優秀大学生、若いイケメンが妻を喜ばせました。列車の6人部屋にはあと一人いて、食生活から文化、政治まで大いに話が弾みました。
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14:00 ミラノ中央駅到着。荷物を預けて、タクシーですぐ街中へ急ぎます。目的地までちょうど10ユーロでした。
ミラノに来たのは二つの理由からですが、ひとつはここ、『サンタ・マリア・デレ・グラツィエ教会』の『最後の晩餐』です。ダヴィンチが食堂の壁面いっぱいに描いた大きな絵はここでしか見られません。妻の提案に乗ったのは「買い物よりいい」と思ったからではなく、あくまで芸術上の関心からです。 -
日本から、15:30〜の見学予約を入れておきました。
英語のガイドさんが付く組に編入されて、一人11ユーロ。1グループ25人づつの編成で、それぞれ15分間の見学時間が与えられます。
黙って入って、見とれて、説明の声がよく反響するな、と感じて・・・ 修復後ですから、もっと鮮明だと思っていましたが、でもまあ結構でした。
(内部は撮影禁止、これは絵葉書です。) -
そのあとは街の中心に行って、お馴染みの“ミラノのシンボル”『ドゥオーモ』に立ち寄り・・・
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一応、エレベータと階段で塔の上に登って下界を眺め・・・
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ドゥオーモ横にあるショッピング・モール『ガッレリア』でブランドショップのウインドウなど覗き・・・
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有名カフェでビールを一杯だけ飲んで・・・
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ダ・ヴィンチさんの銅像にも挨拶をして、夕方07:00頃にミラノを離れました。
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黄色の地下鉄3号線で中央駅(Milano Centrale)まで一直線・・・
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ムッソリーニが威信をかけて建造したという大きな中央駅で、預けた荷物を受け取り・・・
(重量制限20kg/個の制約があり、持ち合わせのバッグを総動員して詰め替えました。) -
駅横から出る空港バス『マルペンサ・シャトル』で郊外の空港に向かいました。シャトルバスは20分に1本の頻度で中央駅と空港を結んでいます。値段は、車体に大書きしてあります。
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ミラノに寄った2つめの理由は、マルペンサ空港から翌日の朝便で、妻だけ先に帰国するからです。仕事の都合上、休暇は10日が限度のようです。混雑する朝の移動を避けて、今夜は空港至近のホテルを取りました。
マルペンサは市内から離れること約50km。まるで成田空港の不便さですが、行く手にはアルプスの山々が見えています。 -
イタリア人気で、拡張工事が続く空港。
心配したトランク重量は、やはり20kg制限のところを37kg。空席の多い便だったので、幸運にもそのまま受け付けてもらえました。
スイス航空はチューリッヒで乗換えです。ずいぶん心配していましたが、なんとか一人で無事に日本へたどり着いたようです。
この旅行記はこれで終わりです。
次は「ベルニナ鉄道篇(スイス)」を予定しています。
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