2009/05 - 2009/05
1456位(同エリア1641件中)
西部旅情さん
文字の国の精髄がここにある
漢字を生み出したことでアジア諸地域に多大な影響を与えた中国。その中国文化の力を満喫できるのが、城壁内にある碑林博物館である。
造られたのは900年以上も前、1087年のこと。北宋の時代に、孔子廟を改めて造られた。
碑林とは、多くの石碑が集合してあることを言う。実際、ここには、歴代の大書道家の優れた石碑や、墓誌・石刻像などが数多く集められていて、書道に興味がない人でも、その存在感に圧倒されるだろう。必見の博物館なのである。たっぷりと時間をかけて見てまわりたい。
石碑展示室の前に、唐の玄宗皇帝直筆になる「孝経」と自注を彫った、高さ5mの石台孝経がある。通りすぎてしまわないようにしよう。
建物の第一室には、儒学の経典12種を彫った開成石経が並ぶ。その昔、周易・尚書・毛詩・周礼・儀礼・礼記・春秋左氏伝・春秋公羊伝・春秋殻梁伝・孝経・論語・爾雅を学ぶ時は、この石碑を拓本にとったのだった。
第2室には、王羲之の集王聖教序、顔真卿の多宝塔碑・争坐位帳・顔氏家廟碑、欧陽通の道因法師碑、史惟則の大智禅師碑、徐浩の不空和尚碑、柳公権の玄秘塔碑などがあり、圧巻である。また、ネストリウス派キリスト教がシルクロードを伝わって伝来したことを伝える大秦景教流行中国碑もある。
第4室は、明代から清代の石碑が並ぶ。この室では、拓本の実演をやっていて、その作品は販売もしている。
碑林には、中国文化の根本がぎっしりと詰まっているのである。
碑林博物館から南に3kmあまり行った、大雁塔の近くにある陝西省歴史博物館は、北京の故宮博物館に次ぐ規模であり、収蔵品の豊富なことでも有名だ。陝西省から出土した約11万3000点が収蔵され、とりわけ、隋・唐の時代の名立たる逸品がここにはある。
例えば、永泰公主墓・章懐太子墓・懿徳太子墓の有名な壁画がこの博物館に保存されている。それらの墓は、内部も公開されており、壁画もあることはあるのだが、模写にすぎない。常設展示となっているわけではないが、訪れたなら、展示されているかどうかの確認はしたいところだ。
時間をかけて、じっくりと噛みしめながら見たい博物館である。中国の文化の根っこを感じとることができるだろう。
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