2000.9白神・男鹿旅行4-旧白神サンタランドはフィンランド色を一掃していた

2009/05/04 - 2009/05/06

サンタランド白神は今回アオーネ白神・十二湖に名前も変更，中身も全く変わっていた．もちろん旧岩崎村がフィンランドラップランドラヌア村（郡といってもいいかもしれない，フィンランド語でRanuankuntaラヌア自治体）と姉妹都市を結び，ラヌア村には「日本の家Japanitalo」を，旧岩崎村には「サンタランド白神」を建設した．フィンランドからサンタ（Joulupukki)や国際交換生として若者が1−2年間それぞれの村に交換研修兼就労に行っていた．たしかに「箱もの行政」の変種でもあるし，東京から離れたこの地で「サンタ村」で売っても集客は十分見込めず大赤字になる可能性はあったとは思う．私自身は岩崎村を知る前に，2000年にRanua村に行き，そこで泊まったコテージの娘さんが岩崎村に2年間きていた（日本語が極めて上手）という縁で知った．その後Ranua村には11回行き，また彼女が2004年再来日した時に一緒にサンタランドに行った．当時のサンタランドは「フィンランドお宅」ともいえるくらい「フィンランドの雰囲気」に満ち満ちていた．そこらじゅうにフィンランド語がつかわれていた．建物も本場時込みでたぶん今でも本来はもっともフィンランドらしい雰囲気が備わった施設であると思う．
ところが岩崎村は深浦町と合併，ラヌア村と姉妹村の関係を解消してしまった．それはそれで仕方ないと思うが，今回の「アオーネ白神十二湖」の施設はまるで「フィンランド憎し」とでもいうのかまるで上に墨を塗るようにすべてを消し去ってしまった．サンタホールのかわいい赤い屋根を真っ黒に塗り，フィンランド語が書いてあったところに新しい看板を張り，さらにはレストランなどの名称も変えてしまった．もちろんここは日本有数の世界遺産「白神山地」だから，フィンランドに頼らなくても，白神の自然を重視した施設であるべきだろう．しかしあれだけ苦労して，フィンランドの児童遊具をそろえたり，フィンランドからサンタを呼んだり，少数民族サーメの夏の住居「コタ」を建てたりしたのは何だったのだろうか．現在では「コタ」の説明すらない．多くの人はインディアンのテントだとおもうだろう．民族の誇りとなるものに説明も加えていないとは，「国際親善」にも逆行する行為と思う．別に今までのように「フィンランドお宅」である必要はない，さりげなく旧岩崎村がフィンランドRanua村と姉妹村であった歴史を残しておくような施設づくりはできなかったのだろうか．まるで戦後の教科書の「墨塗」を見ているようで気持ち悪かった．
　でもやはり旧岩崎村である，アオーネにはこれからも行こうと思う，きっと岩崎村の人たちの多くが「ラヌア村」と姉妹村であったころの温かい思い出を持っていると思うからだ．
Ranua村も過疎が進んでいる．私たちの第二の故郷のようなRanua村Pohjaslahtiは本村から48ｋｍ離れた集落だが，人口が1000人から200人まで減少し，スーパーとガソリンスタンドは2001年に，買い物バス（車に商品をのせて一軒一軒売りに来た）は2006年に廃止，http://4travel.jp/traveler/suomita/pict/14298146/
いまでは一番近いスーパーまで28ｋｍもある．同じ過疎を持った村が何とか観光で振興できないかというプロジェクトだった．Ranua村には世界でいちばん北にある動物園がある．地球の歩き方にもすこしだが記述のある村だ．Ranua村も日本語のパンフレットを作ったが，ほとんど日本人の観光客は来なかった．オーロラを見るには少し南，Rovaniemiからは一日3−10便のバスで1時間，交通も不便だった．私たち以外はほとんどこの村を訪れていないようだ．Ranua村も旧岩崎村もたくさんの観光客が来てくれるような基盤整備がおこなわれていくことを願ってやまない．本ブログにはRanua村を何度も紹介している．興味のある方はぜひ連絡してほしいと思っている．http://4travel.jp/overseas/area/europe/finland/the_other_spots_of_finland/tips/10106080/

エリア 白神山地(青森)

• 同行者: カップル・夫婦
• 交通手段: レンタカー ANAグループ

アオーネ白神十二湖のコテージの入り口．コテージは味気ない番号になっていた．かつては各棟にフィンランドの都市名（Jyvaskyla，Oulu,Turku,Kittla,Kuopioなど）がついていた．ほとんどフィンランドのお宅の世界だった．たしかに貴方のコテージの名前は「ユヴァスキュラ」です．といわれてもほとんどの人が「えっ？」って聞き返すだろうし，覚えられないだろう．しかし全てを消し去ってしまうのはどうか．番号で呼ぶとしても愛称のように残しておけばよかったのにとおもう．日本で随一にフィンランド語をお目にかかれう場所が消えてしまった．大変残念だ！

しかしここのコテージのつくりはすばらしい．本物のフィンランド式だ．唯一サウナがないのが残念だが．私たちの良く泊まるラヌア村PohjaslahtiのLomamokki(
コテージをおもいだす．）http://4travel.jp/traveler/suomita/pict/15182614/
http://4travel.jp/traveler/suomita/pict/12516406/
またInariのhttp://4travel.jp/traveler/suomita/pict/12498685/やMuonioの
http://4travel.jp/traveler/suomita/pict/14326460/
などと比べてもなかなかのものだ！なお旧岩崎村は姉妹村のラヌア村に「日本の家」（japanitalo)をたてた．http://4travel.jp/traveler/suomita/pict/12151033/
http://www.ranua.fi/?DeptID=6488
実は私の友人の絵も飾られている．http://4travel.jp/traveler/suomita/pict/12314488/
実はRanua村には，2000年以来11回行っている．

このバルコニーがたまらない！もしサウナがあればはいったあとここに椅子を出して座ってビール飲めれば最高！

なかのつくりは本場のフィンランド！！しかし中にはフィンランドを髣髴とさせるものはすべていっそうされていた．わずかにサンタの顔がドアの入り口にあるのみ．知らない人だったらこのコテージがフィンランド製であることもわからない！これほどのコテージなのにもっとフィンランドを宣伝してもよいのに！！！

ベッドは非常に立派．フィンランドではもっと小さい簡易ベッドが多い．

2階の屋根裏のようなところにツインベッドの部屋が2つあって，1階にひとつある．フィンランドではこのつくりが大型の「ホリデーコテージ（Lomamokki)では標準的．

ここは5月連休で1泊二食付き2人で泊まって12600円だった．フィンランドでは食事なしで1棟80ユーロ（2人）-120ユーロ（4人）くらいの値段．1週間借りると安くなる．

周りの風景．芝生は良く整備されている．

コテージの建て方も棟と棟の間を広く開けて，北欧風にたてている

サンタホールは無残にも赤い帽子が黒く塗られ，温泉に．「罪びと」のように帽子が黒くされたように見えるのは私ひとりだろうか．．．子どもたちにはぜったいあの赤い屋根の方が人気があったと思うが．．．

この建物はフィンランドロバニエミサンタクロース村（joulupukinpajakyla)の郵便局の隣の土産物屋がはいった建物にそっくり．http://4travel.jp/traveler/suomita/pict/15146027/

実はこの雰囲気，ロバニエミサンタクロース村の郵便局の中の雰囲気にそっくり．しかし机などを変えてしまってだいぶ薄まってしまった．フィンランドグッズやムーミングッズが売れ残りのようにたたき売られていた．http://4travel.jp/traveler/suomita/pict/15146118/
http://4travel.jp/traveler/suomita/pict/15146006/

ここからみる白神山地はうつくしい．夕暮れに映える．

この日の日没は1839．晴れているので，海の地平線の日没もみることができるだろうと，展望所に上る．

すでに10数人が見物に来ていた．この日は比較的気温が高く寒くない．1823

1829

1831

1833

1836

1838

1838

1838

1838

1839

1839　当たり前だが時間どおり日没

いまは「レストラン　アカショウビン」
前の名前は「ラビントラ　ラヌア」
Ravintola　Ranua　ラビントラとはフィンランド語でレストランということ．中の写真などもすべてフィンランド色は一掃．もちろん白神山地の花や鳥の素晴らしい写真は多いが．この塔が特徴的．受付もそうだが，ラヌア動物園前の「ムルムル城」をたぶんイメージしている．http://4travel.jp/traveler/suomita/pict/12151031/

なかは家族づれで一杯．夕食はバイキングだが値段から考えるとまあまあかなと思う．

ワインと地ビール（といっても製造地は宮城県だった；沸壺の池の湧水を使用しているとか．．．．）でしこたま酔う．しかしすこし愚痴っぽい

子供向けのメニューが多かったがもづくや刺身，ローストビーフなどはおいしかった．

日は暮れていく，受付のある場所．実は上の塔はムルムル城そっくりなのだが，日中写真を撮り忘れた．前にレトロな送迎バスが停まる．

5/5朝　今日もよく晴れた！5月にしては暖かい日だ．空気も乾燥しているのでまるでラヌア村の夏7月上旬見たい！

朝食，バイキング，筍の煮物がおいしい，イカ刺しもあってうれしい．これから十二湖めぐり．

1540　十二湖めぐりよりアオーネに帰着．
これは「コタ」，フィンランド，ノルウエー，スウェーデン，ロシアにまたがる少数民族「サーメ人」の夏の住居！説明すらない．子供たちンオ遊具のそばにあるが，インディアンのテントとおもってしまう子供たちがいないだろうか．夏はトナカイを追って，草を求めて北上するサーメの人々の文化についてなぜ説明がないのだろうか．ここまで文化をネグレクトすることないだろう！本当に怒りが湧いてくる．

フィンランド製の子供遊具，これだけ大きくそろったところは日本にはないと思う．5年前来たときにすごく高かったといっていた．さすがに5/5の子供の日には多数の外来者が遊んでいた．無料なのでたしかにサンタランドは赤字になったろうな．でも子供の冒険心をくすぐるとても素敵な遊具だ．

もとはサンタホール，赤い帽子がかわいかった建物，無残に塗られ，アオーネ温泉に．色とデザインおよび花畑もあわない代物になってしまった．いくらサンタのイメージを払しょくしようと思ってもこれはないだろう．

夕暮れの遊具はなんだかさみしそうであった．せっかくフィンランドから持ってこられたのに．．．

温泉，小さな湯船だ．これだと椿山，不老不死，鰺ヶ沢などの温泉に対抗できるのかな．サウナもない！！むしろそのままフィンランドで売っておいてサウナを作った方が人気が出たのに．鰺ヶ沢温泉のサウナは外来客でいっぱいだった．

脱衣所，小さな温泉で外来客来るかな，ちょっと心配．コテージの客には温泉ができたので小さな内風呂に入らなくてよくなったのは朗報だ．

ビールがほしくなり受付に行った．かろうじて郵便局は残っているようだ．すでに「サンタへの手紙」は中止になっていた．しかしはがきなどサンタにかかわるものは何もない．フィンランドにかかわるものもほとんどない．

地ビールを3本買う．

風呂に入った後天気もいいので，外でビールを飲みながら読書

また夕暮れの白神山地が美しい

5/5の夕焼けもきれいだった．

また夕食，微妙に献立が違うのがうれしい

ここで唯一フィンランド的な残存が「ルミカレー」．ホワイトカレーをここではそう呼んでいる．「lumi]
とはフィンランド語で「雪」のこと．実際フィンランドで「ルミカレー」なるものを食べたことはないが．ここでおめにかかったフィンランド語は現在この「lumi」のみ

月明かりが本当にフィンランドとおなじくらいきれいだった！

コテージの夜．これもフィンランドをほうふつ．http://4travel.jp/traveler/suomita/pict/12527650/
http://4travel.jp/traveler/suomita/pict/15153716/

朝食，とても種類が豊富．特にイカ刺しがいい．朝から飲みたい気分．もずく酢もおいしい．野菜をいっぱい食べる．

今回のレンタカー．4WDなので燃費は13ｋｍ程度と余りよくなかった．禁煙車が予約いっぱいだったので，すこしヤニくさい車に乗った．運転はしやすかった．

フィンランドを無理に否定したような雰囲気はとても残念だったが，白神山地はいいところだし，アオーネ白神十二湖もいいところだ，かつてラップランドラヌア村と姉妹村であった旧岩崎村を応援したい気持ちは今でも変わりない．これからはできるだけ毎年来てもいいかなと思った．また友人にも宣伝しようと思った．