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コンドイ浜も観光スポットになっているから、何人かの観光客も浜遊びしている。それでも十数人程度。冬の沖縄は、団体を除くと、静かなものである。<br /><br />今まで歩いてきた時間は僅か15分ほど。先を見るとまだ砂浜は続いていて、又々無人の境地。兎も角、この浜を時計回りに歩いていけば、いずれ船着場には着くに違いない。天気も良いし、全く迷うこともない。<br /><br />波音も風音もない、殆ど動きのない無人の白浜を歩き続けることの気持ちよさ。贅沢な時間。誰にも邪魔されない自分一人だけの世界。燦々と降り注ぐ太陽。遠くの島影。音も立てず水面を滑っていく遠方のフェリー。<br /><br />近づくにつれ、先方の岬と見えた出っ張りは、人工の埠頭で、水面すれすれのコンクリートが辛うじて水面上に浮かんでいるようだった。<br /><br />ここは西桟橋。左に見える大きな島影は西表。その手前の小浜島。<br /><br />琉球王朝の頃、人頭税に苦しむ島人は、土地の痩せた竹富では稲作が出来ず、この西浜から小舟に乗って西表に渡り、そこで農作地を開拓し、稲作等をしていたとのことである。<br /><br />その昔向い島とサバニで行き来していた西浜も今はコンクリートの埠頭になっているが、逆に今は誰も利用する島人はいない。歴史の皮肉とでも言おうか。<br /><br />振り返ると、コンドイ浜、コンドイ岬も遥か先。西桟橋で小憩し、昔の島人の苦労を思う。<br /><br />更にこの先、波止場までは残り半分もない。歩いていると初めて釣り人に会った。聞くと、去年まで東京に住んでいたとのこと。魚籠を覗くと何も入っていない。<br /><br />「今日はダメですね。イカが釣れるんだが、潮が良くない。今引き潮で、本当はもっと喰らい付くんだが、魚はどこかへ行ってしまったらしい。」<br /><br />真にのんびりしたものだ。浦島太郎ではないが、喧騒の東京から逃れ、一日のんびりと釣り三昧。太公望ではないが、人生にはこんな生き方もあるのだろう。<br /><br />更に歩くと、今度はアーサ採りの人。波打ち際で、腰をかがめしきりに海草を選っている。まだ時期が少し早く芽がまだ小さいそうだ。<br /><br />「こういう色の濃いのはダメ、食べられない。こっちのこういう色のでないと採れない。これこれ、これがアーサ。」<br /><br />そう言われてみても素人には皆目区別も付かず、「ああ、そうですか、中々大変ですね。」と言葉を交わす以外になかった。<br /><br />島の人々。僅か二人の島人にしか会わなかったが、よきすなどりとああさどり。<br /><br />旧暦3月3日の浜下りももう間もなく。その頃は、この浜辺も大勢の島人で賑わっていることだろう。

琉球・石垣・一人旅(10)すなどりとああさどり。

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2009/02/11 - 2009/02/15

46382位(同エリア49915件中)

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ちゃお

ちゃおさん

コンドイ浜も観光スポットになっているから、何人かの観光客も浜遊びしている。それでも十数人程度。冬の沖縄は、団体を除くと、静かなものである。

今まで歩いてきた時間は僅か15分ほど。先を見るとまだ砂浜は続いていて、又々無人の境地。兎も角、この浜を時計回りに歩いていけば、いずれ船着場には着くに違いない。天気も良いし、全く迷うこともない。

波音も風音もない、殆ど動きのない無人の白浜を歩き続けることの気持ちよさ。贅沢な時間。誰にも邪魔されない自分一人だけの世界。燦々と降り注ぐ太陽。遠くの島影。音も立てず水面を滑っていく遠方のフェリー。

近づくにつれ、先方の岬と見えた出っ張りは、人工の埠頭で、水面すれすれのコンクリートが辛うじて水面上に浮かんでいるようだった。

ここは西桟橋。左に見える大きな島影は西表。その手前の小浜島。

琉球王朝の頃、人頭税に苦しむ島人は、土地の痩せた竹富では稲作が出来ず、この西浜から小舟に乗って西表に渡り、そこで農作地を開拓し、稲作等をしていたとのことである。

その昔向い島とサバニで行き来していた西浜も今はコンクリートの埠頭になっているが、逆に今は誰も利用する島人はいない。歴史の皮肉とでも言おうか。

振り返ると、コンドイ浜、コンドイ岬も遥か先。西桟橋で小憩し、昔の島人の苦労を思う。

更にこの先、波止場までは残り半分もない。歩いていると初めて釣り人に会った。聞くと、去年まで東京に住んでいたとのこと。魚籠を覗くと何も入っていない。

「今日はダメですね。イカが釣れるんだが、潮が良くない。今引き潮で、本当はもっと喰らい付くんだが、魚はどこかへ行ってしまったらしい。」

真にのんびりしたものだ。浦島太郎ではないが、喧騒の東京から逃れ、一日のんびりと釣り三昧。太公望ではないが、人生にはこんな生き方もあるのだろう。

更に歩くと、今度はアーサ採りの人。波打ち際で、腰をかがめしきりに海草を選っている。まだ時期が少し早く芽がまだ小さいそうだ。

「こういう色の濃いのはダメ、食べられない。こっちのこういう色のでないと採れない。これこれ、これがアーサ。」

そう言われてみても素人には皆目区別も付かず、「ああ、そうですか、中々大変ですね。」と言葉を交わす以外になかった。

島の人々。僅か二人の島人にしか会わなかったが、よきすなどりとああさどり。

旧暦3月3日の浜下りももう間もなく。その頃は、この浜辺も大勢の島人で賑わっていることだろう。

  • 前方に岬と見えた島の出っ張りは近づくとコンクリートの埠頭だった。

    前方に岬と見えた島の出っ張りは近づくとコンクリートの埠頭だった。

  • 振り返るとコンドイ浜、コンドイ岬は遥か後方になっていた。

    振り返るとコンドイ浜、コンドイ岬は遥か後方になっていた。

  • 西桟橋。前方の島影は西表島。その昔、この浜から小舟に乗って、西表まで畑を耕しに毎日行っていた。

    西桟橋。前方の島影は西表島。その昔、この浜から小舟に乗って、西表まで畑を耕しに毎日行っていた。

  • その辛苦の歴史を示す解説板。

    その辛苦の歴史を示す解説板。

  • 栄養豊富な海。多くの海草が打ち上げられている。

    栄養豊富な海。多くの海草が打ち上げられている。

  • 浜辺に咲く野生の「ゆうな」だろうか。

    浜辺に咲く野生の「ゆうな」だろうか。

  • この島は隆起珊瑚礁で出来ていると思っていたが、何か溶岩の痕もあるようだ。溶岩に閉じ込められたシャコガイの貝殻。

    この島は隆起珊瑚礁で出来ていると思っていたが、何か溶岩の痕もあるようだ。溶岩に閉じ込められたシャコガイの貝殻。

  • イカを釣る人。今日は凪で、釣果は芳しくなかった。

    イカを釣る人。今日は凪で、釣果は芳しくなかった。

  • フェリー乗り場に近づくにつれ、磯も穏やかになる。

    フェリー乗り場に近づくにつれ、磯も穏やかになる。

  • あおさを採る人。まだ季節が早く、収穫は少ないようだ。

    あおさを採る人。まだ季節が早く、収穫は少ないようだ。

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