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いわゆる発展途上国といわれる東南アジアなどの国々を旅行していた頃、母親からはいつも変な眼で見られていた。「そんな汚い国に行って何が楽しいの?」と。そのたびに私は憤慨し、こういう考えの人が自分の親なのかと落胆した。そんな母は一度も海外旅行はしたことがなく、しきりに「フランスに行きたい。パリに行きたい」と言っている。<br /><br />映画「プラダを着た悪魔」の中で、主人公がパリの街角でつぶやくシーンがある。「多くの人がなぜパリに魅了されるのがわからなかったけど、今はそれがわかる」<br /><br />この映画のセリフが実感として今はもつことができる。フランス、というかヨーロッパや白人社会にただひたすら傾倒している親に嫌悪さえ覚えていたのだが、たしかにパリは楽しくて、大好きになってしまったからだ。それは、同時に自分の西洋コンプレックス、というものに気がつかされる。なんだかんだ言っても、この圧倒的な白人社会の文化に私はあこがれを持っているというわけだ。つまりは母に対する嫌悪も自分の中にあるヨーロッパ憧憬ゆえのものだったのかもしれない。

パリ・4日目

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2008/10/13 - 2008/10/13

14534位(同エリア17006件中)

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A・イリー

A・イリーさん

いわゆる発展途上国といわれる東南アジアなどの国々を旅行していた頃、母親からはいつも変な眼で見られていた。「そんな汚い国に行って何が楽しいの?」と。そのたびに私は憤慨し、こういう考えの人が自分の親なのかと落胆した。そんな母は一度も海外旅行はしたことがなく、しきりに「フランスに行きたい。パリに行きたい」と言っている。

映画「プラダを着た悪魔」の中で、主人公がパリの街角でつぶやくシーンがある。「多くの人がなぜパリに魅了されるのがわからなかったけど、今はそれがわかる」

この映画のセリフが実感として今はもつことができる。フランス、というかヨーロッパや白人社会にただひたすら傾倒している親に嫌悪さえ覚えていたのだが、たしかにパリは楽しくて、大好きになってしまったからだ。それは、同時に自分の西洋コンプレックス、というものに気がつかされる。なんだかんだ言っても、この圧倒的な白人社会の文化に私はあこがれを持っているというわけだ。つまりは母に対する嫌悪も自分の中にあるヨーロッパ憧憬ゆえのものだったのかもしれない。

  • ホテルのレセプション前<br /><br />モンサンミッシェルで一夜を過ごした後、ホテルをチェックアウトする。看板の向こうにミカエル像が見える。

    ホテルのレセプション前

    モンサンミッシェルで一夜を過ごした後、ホテルをチェックアウトする。看板の向こうにミカエル像が見える。

  • レンヌ駅舎<br /><br />モンサンミッシェルからバスでレンヌ駅に移動する。ここからまたTGVに乗ってパリに戻る。

    レンヌ駅舎

    モンサンミッシェルからバスでレンヌ駅に移動する。ここからまたTGVに乗ってパリに戻る。

  • TGVの中にあるバーカウンター<br /><br />スペイシーなインテリア。ここでも抜かりがない。<br /><br />なんかこういうのって白人がさまになるなーと思う。正直な感想。

    TGVの中にあるバーカウンター

    スペイシーなインテリア。ここでも抜かりがない。

    なんかこういうのって白人がさまになるなーと思う。正直な感想。

  • モンパルナス駅構内

    モンパルナス駅構内

  • モンパルナス駅舎

    モンパルナス駅舎

  • ホテルの窓から見えた風景<br /><br />前回と同じホテルに宿泊したのだが、今回は最上階のおそらく一番いいと思われる部屋を用意してくれていた(料金は同じ)。ホテル予約する時にしつこいぐらいに眺めのいい部屋を用意しておくよう伝えたのだが、その結果かもしれない。

    ホテルの窓から見えた風景

    前回と同じホテルに宿泊したのだが、今回は最上階のおそらく一番いいと思われる部屋を用意してくれていた(料金は同じ)。ホテル予約する時にしつこいぐらいに眺めのいい部屋を用意しておくよう伝えたのだが、その結果かもしれない。

  • シャワールームの窓から見えた風景<br /><br />パリと言えば煙突のイメージがある。それはルネクレールの映画のせいなのかもしれない。<br /><br />映画「パリの屋根の下」は煙突の突き出ているパリの建物の風景で始まり、そして、ラストも煙突の風景で終わるのだ。<br /><br />その映画が公開されたのは1930年代。今からもう80年ほどの前になる。しかし、それは遠い昔の風景ではなく、今でもパリの建物の屋根には煙突がたくさん残っていて、現役で働いている。

    シャワールームの窓から見えた風景

    パリと言えば煙突のイメージがある。それはルネクレールの映画のせいなのかもしれない。

    映画「パリの屋根の下」は煙突の突き出ているパリの建物の風景で始まり、そして、ラストも煙突の風景で終わるのだ。

    その映画が公開されたのは1930年代。今からもう80年ほどの前になる。しかし、それは遠い昔の風景ではなく、今でもパリの建物の屋根には煙突がたくさん残っていて、現役で働いている。

  • アラブ世界研究所<br /><br />ホテルから徒歩でいける距離にあるアラブ世界研究所。

    アラブ世界研究所

    ホテルから徒歩でいける距離にあるアラブ世界研究所。

  • レンヌ通り

    レンヌ通り

  • ラドュレ<br /><br />今は日本でも有名となっているラドュレのカフェ。

    ラドュレ

    今は日本でも有名となっているラドュレのカフェ。

  • ラドュレのマカロン<br /><br />多くの日本人観光客が食べたであろうマカロンを私たちも食べる。日本人観光客なので。

    ラドュレのマカロン

    多くの日本人観光客が食べたであろうマカロンを私たちも食べる。日本人観光客なので。

  • パリ散策の移動はもっぱらレンタサイクルを利用した。おかげでパリの街を自転車で見て回ることができる。石畳のがたがたした道をハンドルに感じながら、運転の荒い車の横をかすめ、路地裏のアパートメントを垣間見る。10月の冷たい風が頬をなで、文字通りパリの空気を肌に感じる。<br /><br />パリのことを「街全体がテーマパークみたいだ」と言った友人がいる。生活臭のしない豪奢な建物が並び、それは特定のエリアだけというわけではなく、どこを見てもそうなのだ。美しい街と世界中の人々から呼ばれる所以である。<br /><br />

    パリ散策の移動はもっぱらレンタサイクルを利用した。おかげでパリの街を自転車で見て回ることができる。石畳のがたがたした道をハンドルに感じながら、運転の荒い車の横をかすめ、路地裏のアパートメントを垣間見る。10月の冷たい風が頬をなで、文字通りパリの空気を肌に感じる。

    パリのことを「街全体がテーマパークみたいだ」と言った友人がいる。生活臭のしない豪奢な建物が並び、それは特定のエリアだけというわけではなく、どこを見てもそうなのだ。美しい街と世界中の人々から呼ばれる所以である。

  • シャネル本店<br /><br />せっかくなので本店に入りたかったが、気軽に入れるような雰囲気は全くなく外から見るだけにとどまった。おなじように外から見て写真だけとって立ち去る観光客がいた。

    シャネル本店

    せっかくなので本店に入りたかったが、気軽に入れるような雰囲気は全くなく外から見るだけにとどまった。おなじように外から見て写真だけとって立ち去る観光客がいた。

  • ルイ・ヴィトン本店<br /><br />シャネルとは対照的にシャンゼリゼに面しているということもあり、ここは人も多く気軽に入れる。さんざん悩んだ結果、親戚のお土産を購入し、とりあえずの義理を果たした。<br />

    ルイ・ヴィトン本店

    シャネルとは対照的にシャンゼリゼに面しているということもあり、ここは人も多く気軽に入れる。さんざん悩んだ結果、親戚のお土産を購入し、とりあえずの義理を果たした。

  • 海外旅行をしたらその土地のマクドナルドに入ることにしているので(マクドナルドが無い町もあるが)ここでも入ってみる。

    海外旅行をしたらその土地のマクドナルドに入ることにしているので(マクドナルドが無い町もあるが)ここでも入ってみる。

  • 日本よりもずっと高いマクドナルドのメニュー。こんなお金払って食べるものでもないか、と結局店を出る。

    日本よりもずっと高いマクドナルドのメニュー。こんなお金払って食べるものでもないか、と結局店を出る。

  • 凱旋門前<br /><br />ルイヴィトンから歩いて数分のところにある凱旋門。私たちと同じように観光客が記念撮影をしている。

    凱旋門前

    ルイヴィトンから歩いて数分のところにある凱旋門。私たちと同じように観光客が記念撮影をしている。

  • アルザス風煮込み料理<br /><br />この日の晩御飯である。味は普通。とにかく量が多い。ワインが安いので食事のときは毎回ワインは飲んだ。ワインがミネラルウォーターより安かったりする。<br />

    アルザス風煮込み料理

    この日の晩御飯である。味は普通。とにかく量が多い。ワインが安いので食事のときは毎回ワインは飲んだ。ワインがミネラルウォーターより安かったりする。

  • アルザス<br /><br />シャンゼリゼの通りに面したオープンカフェであり、観光客も多いが地元の客も多そうである。ヨーロッパに行くとアジア人だと差別されてレストランやカフェでも奥の席しか案内してくれない、などと聞くが、今までのところそういったことはなく希望した席に毎回案内してもらえる。<br /><br />夕食を食べながらぼんやり通りを眺めていると、おしゃれした10代半ばと思われるパリっ子が連れ立って歩いている。たぶん学校の中で派手グループに属するタイプで、これがパリのやんちゃ系かあ、こういうところに遊びに来るんだあと思う。

    アルザス

    シャンゼリゼの通りに面したオープンカフェであり、観光客も多いが地元の客も多そうである。ヨーロッパに行くとアジア人だと差別されてレストランやカフェでも奥の席しか案内してくれない、などと聞くが、今までのところそういったことはなく希望した席に毎回案内してもらえる。

    夕食を食べながらぼんやり通りを眺めていると、おしゃれした10代半ばと思われるパリっ子が連れ立って歩いている。たぶん学校の中で派手グループに属するタイプで、これがパリのやんちゃ系かあ、こういうところに遊びに来るんだあと思う。

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